ボーナスの所得税は高い?税率や手取りの計算方法・引かれない場合など解説!

ボーナスの所得税は高い?税率や手取りの計算方法・引かれない場合など解説!

ボーナスの所得税がいくら引かれているか知っていますか。ボーナスの所得税は高いと思っている方も多いですが、その税率は「前月の給与」と「扶養する人数」を使って計算します。また、ある条件の方は所得税が引かれない場合がありますので、そちらもあわせてご紹介いたします。

記事の目次

  1. 1.所得税とは?
  2. 2.ボーナスにも所得税は掛かる!
  3. 3.ボーナスの所得税は何故高い?
  4. 4.毎月の所得税はどうなってる?
  5. 5.ボーナスの所得税の税率は前月の給与が基礎となる!
  6. 6.ボーナスの所得税の計算例!
  7. 7.ボーナスから所得税が引かれない場合とは?
  8. 8.所得税の追加徴収
  9. 9.ボーナスの社会保険料
  10. 10.参考:みんなのボーナスの使い道は?
  11. 11.ボーナスの所得税では扶養人数や前月の給与が関わるので覚えておこう!

所得税とは?

Photo byTeroVesalainen

給与明細を眺めるたびにいつも引かれている所得税。それを見てがっかりする人も多いのではないでしょうか。所得税がどういう制度なのか、引かれる金額がどのような計算で決まるのかなど、普通に生活しているだけではなかなかわかりづらいところがあります。

この記事では、「所得税とはなにか」からはじまって「いくら引かれるのか」などについて解説していきます。ぜひ、最後までご覧ください。

個人の所得に対して掛かる税金

Photo bystevepb

会社員の方が会社から受け取るお給料のことを所得と言い、それに対して掛かる税金が所得税になります。日本の場合、所得金額に応じて税率が変化する「累進課税」という制度をとっており、受け取る所得が高ければ高いほど税率が引き上げられていきます。課税対象期間は1月1日から12月31日までの1年間です。

ボーナスにも所得税は掛かる!

Photo bygeralt

ボーナスとは毎月の給与とは別に支給される特別な給与のことです。一般的には夏と冬の二回支給され、夏季手当、年末手当と呼ばれることもあります。また、賞与や一時手当などと呼ぶ場合もあります。毎月の給与とは違う特別な給与ですが、所得税は毎月の給与と同じくしっかりと引かれます。

ボーナスも所得なので必ず所得税を支払う

Photo byChronomarchie

ボーナスも通常の給与と同じく所得になりますので、所得税を支払わねばなりません。2003年度まではボーナスから所得税は引かれていなかったのですが、2003年度に総報酬制が導入され、ボーナスから所得税が引かれることになりました。社会保険料も同様に2003年から支払うことになっています。

ボーナスの所得税は何故高い?

Photo byvivs4e

「ボーナスがでたら海外旅行に行こう」「ずっと欲しかったあれを買おう」そう思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、給与明細を開けて見てみたら控除されている金額にびっくり。ボーナスの所得税はこんなにも高いものなのかと肩を落とすはずです。

ボーナスの所得税はなぜこんなにも高いのでしょうか。そこにはいろいろな制度や決まりが存在しています。ここでは、まず所得税制度についてご説明いたしますので、難しく考えずに気軽な気持ちでご覧になってください。

所得が多い程税率が高くなる

Photo bygeralt

所得税は累進課税という制度で運用されています。累進課税とは所得が増えれば増えるほど税率が高くなる課税方式です。所得には残業代も含まれますので、長時間労働して稼いだお金にもしっかりと税金がかかります。頑張れば頑張るほど税金が高くなるとも言えますので、不満のある方もいるのではないでしょうか。

所得によって定められた税率が掛かる

Photo by3dman_eu

所得税で課される税率は所得金額によって決まっています。累進課税ですので、所得が高くなればなるほど、税率はあがっています。では、どのくらいの税率が掛かっているのか見てみましょう。各年収の方の税率をご紹介いたします。

年収195万円以下の方は5%、195万円を超えて330万円以下の範囲の方は10%、330万円を超えて695万円以下の範囲の方は20%、695万円を超えて900万円以下の範囲の方は23%、900万円を超えて1,800万円以下の範囲の方は33%、1,800万円を超えて4,000万円以下の方は40%、4,000万円を超える方は45%の税率が掛かります。

ボーナスの税金は高いのか調査!計算法や30万・100万など金額別に紹介 | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
サラリーマンの楽しみの一つといえばボーナスではないでしょうか。ただ、ボーナスをもらうときにたくさん税金がとられている気がしている人も多いかもしれません。実際のところ、税金は本当に高いのか、受領金額に伴う税負担などについてわかりやすく説明します。

毎月の所得税はどうなってる?

Photo by3dman_eu

ボーナスの所得税の計算の前に毎月の給与の所得税についてご説明いたします。ボーナスの所得税は高いと感じると思いますが、毎月の給与の場合はどうでしょうか。やはり給与明細から引かれていると高いなと思ってしまう方が多いはずです。ここではその所得税の計算方法についてご説明いたします。

所得税はその月の給与によって決まる

Photo byjarmoluk

毎月の給与から引かれる所得税はその月の給与によって決まっています。給与総額から社会保険料を引いた金額を「源泉徴収税額表」に記載されている数字と照らし合わせると自分の所得税がわかります。累進課税なので、給与が高いと税率もあがっていきます。また、扶養する人数によっても金額が変わってきます。

月給が25万円の場合には?

Photo by3dman_eu

例えば月給が250,000円の場合で説明します。250,000円の場合、社会保険料を引くと212,823円になります。扶養する人数が0と仮定して、それを「源泉徴収税額表」に照らし合わせてみると、月の所得税は5,200円になります。扶養する人数が増えていくと金額は下がっていきます。

ボーナスの所得税の税率は前月の給与が基礎となる!

Photo bygeralt

次にボーナスの所得税について見ていきます。ボーナスの所得税は高いと認識している方が多いですが、ここではその金額がどのくらいになるのか、その計算方法を解説いたします。

所得税の計算方法は普段生活している中ではなかなか馴染みのないものです。しかし、一度覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。まずはどういった項目が計算に関わってくるのかからご紹介いたします。

前月の給与を元に計算をする

Photo by shizhao

それではボーナスの所得税計算方法を解説いたします。ボーナスの所得税にかかる税率は「前月の給与総額から社会保険料を控除した金額」と「扶養する人数」によって決まっています。

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」というものがありますので、それにて税率を確認します。ここで重要なのはボーナスの所得税の計算には前月の給与額を使うということです。ここは要注意です。

手取り金額を参考にボーナスに掛ける税率が決まる

Photo bygeralt

ボーナスの所得税の計算には前月の手取り金額を使います。手取り金額とは支給された給与総額から社会保険料(健康保険料+厚生年金+雇用保険料)を引いた金額になります。

例えば給与が250,000円支給されていたとすると、健康保険料が12,961円、厚生年金が23,176円、雇用保険料が1,040円で、あわせて37,177円が社会保険料として引かれます。給与総額から社会保険料を引いた212,823円をボーナスの所得税の計算に使います。

ボーナスの所得税の計算例!

Photo bystevepb

それではボーナスの所得税の計算をしていきたいと思います。ここで東京在住、サラリーマンのAさんに登場してもらいます。Aさんには扶養家族がいないこととします。前月の給与総額は上で記した250,000円として計算していきます。それでは一緒に計算していきましょう。

支給ボーナスが40万円の場合には?

Photo by Japanexperterna.se

Aさんは夏のボーナスを400,000円支給されました。それでは、この400,000円に掛かる所得税を計算していきましょう。

前月の給与総額250,000円から社会保険料を引いた212,823円を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で確認すると計算に使う率が4.084%と表記されています。賞与総額400,000円から社会保険料57,196円を引いた342,804円に4.084%をかけると14,000円になり、これが所得税の金額になります。

年齢や扶養人数によっても変わる

Photo byBessi

ボーナスの所得税の計算で使用する率には扶養家族が何名いるかも関わってきます。扶養家族の人数と前月もらった給与総額で率が決まっていますので、もしお時間がありましたら「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を見てみてください。また、年齢によって社会保険料に違いがありますので、それによってボーナスの所得税の金額も変わってきます。

ボーナスから所得税が引かれない場合とは?

Photo byRobinHiggins

ボーナスの所得税は高いと思っている方は多いですが、実は所得税が引かれないケースもあります。ここでは所得税が引かれないケースについてご説明いたします。ボーナスから所得税が引かれないなんていいなと思うかもしれませんが、それはそれなりに理由のあることになっています。

賞与に対する源泉徴収税額の算出表を見る

Photo byPexels

ボーナスの所得税の計算で使用した「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を見てみましょう。ここには前月の給与総額と扶養家族の人数によって定められた「賞与の金額に乗ずべき率」(所得税率)が記載されています。その中にボーナスに所得税がかからない人の条件があります。

「0.000%」となる場合には所得税は引かれない

Photo by3dman_eu

ボーナスの所得税がかからない人の条件は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の「賞与の金額に乗ずべき率」(所得税率)が0.000%になっている方です。扶養家族が0人の場合だと前月の給与総額から社会保険料を引いた金額が68,000円以下の方が該当します。この金額は扶養する人数によって変わってきます。

所得税の追加徴収

Photo byjarmoluk

人によってはボーナスの所得税を追加で払わなければならない場合があります。追加でお金をはらうなんてと思う方もいるかもしれませんが、ある条件の人に限られますので安心してください。ここではどのような場合に所得税が追加徴収されるのかについてご説明いたします。是非ご覧ください。

想定より多いボーナスをもらった

Photo byPublicDomainPictures

ボーナスが支給金額の決め方は会社ごとに違いがあります。会社の業績がよかったのでボーナスもあがった、個人の成績がよかったので予想外に多くのボーナスをもらった、このようなこともあるかと思います。ボーナスが想定よりも高くなった場合、年末調整の際に追加で所得税を徴収される可能性があります。

ボーナスの社会保険料

Photo byar130405

ボーナスからは所得税の他に社会保険料も引かれます。社会保険料も所得税と同じく総報酬制が導入された2003年から徴収されることになりました。ここでは社会保険料について簡単にご説明いたします。自分のボーナスからなにがどれくらいひかれているか参考にしてください。

健康保険

Photo byGDJ

健康保険料の計算は「賞与の額目金額×健康保険料率」で算出します。さきほどご紹介しましたAさんの場合、400,000円のボーナスを支給されていますので、次のような計算になります。400,000円×4.955%=19,820円。Aさんはボーナスから健康保険料として19,820円引かれることになります。

※保険料率は加入している組合や地域によって異なりますので、計算する際はご自身が加入している組合と地域を確認してください。

厚生年金

Photo bygeralt

厚生年金の計算は「賞与の額面金額×厚生年金保険料率」で算出します。Aさんの場合は次のようになります。400,000円×9.091%=36,364円。Aさんは36,364円引かれることになります。健康保険と合わせると56,184円も引かれています。ここまででもかなり引かれていますが、もう一つ引かれる保険料があります。

雇用保険

Photo byAlexas_Fotos

最後の保険料は雇用保険料です。雇用保険料の計算は「賞与の支給金額×雇用保険料率」で算出します。Aさんの場合は次のようになります。400,000円×0.3%=1,200円。Aさんは雇用保険料として1,200円引かれることになります。健康保険料、厚生年金とあわせると57,384円引かれてしまいます。

社会保険料と所得税をあわせると

Photo byMediamodifier

ここではボーナスから引かれる社会保険料について説明してきました。Aさんの場合、所得税と社会保険料をあわせると71,384円も引かれることになります。支給された金額で出費の計算をしていると後でお金が足りないなんてことになりますので、自分がいくらひかれるかを事前に計算しておくとよいでしょう。

参考:みんなのボーナスの使い道は?

Photo byFree-Photos

今までボーナスの所得税についてその計算方法など固い話ばかりでしたが、ここでは一転、みんながボーナスをどのように使っているかを見ていきたいと思います。待ちに待ったボーナスの使い道をランキング形式でご紹介いたしますので、ご自身のことを想像しながら、ぜひご覧ください。

第五位:グルメにお金をかける

Photo byJESHOOTS-com

ボーナスの使い道、第五位は「グルメにお金をかける」でした。普段は安売りのスーパーで買った食材を使いまわした節約料理を食べている方も、ボーナスがでたときくらいは外食でいいものを食べようという心理が働くようです。おいしいものを食べて仕事の活力を養うことも重要です。

第四位:電化製品などの購入

Photo byAlexas_Fotos

ボーナスの使い道、第四位は「電化製品などの購入」でした。調子が悪かった冷蔵庫や洗濯機などをボーナスを使って買いかえる人がいるようです。電化製品は高額なものが多いので、ボーナスまでは少しくらい調子が悪くても使っておこうという心理が働くのか、夏や冬には電化製品の売り上げがあがる傾向があるそうです。

第三位:趣味にお金をかける

Photo bypixel2013

ボーナスの使い道、第三位は「趣味にお金をかける」でした。スポーツ観戦や写真撮影など様々な趣味がありますが、意外とお金のかかるものも多いです。しかし、自分の趣味のためにはお金に糸目をつけない方もいるという結果でした。日頃のストレスを趣味で発散できれば安いものなのかもしれません。

第二位:旅行に行く

Photo byfreephotocc

ボーナスの使い道、第二位は「旅行に行く」でした。夏のボーナスが支給される時期は夏休みの前が多いと思いますので、お盆休みに実家に帰省するだったり、奮発して海外旅行に行くという方も多いのではないでしょうか。毎日あくせく働いているので年に数回は旅行に行ってリフレッシュしたいという気持ちが表れている結果でした。

第一位:貯金

Photo bySkitterphoto

ボーナスの使い道の第一位は「貯金」でした。老後の資金や子供の教育費、同棲や結婚を見据えて貯めているなど貯金をする理由は様々ですが、みなさんボーナスを使わずに貯めているという結果は意外でした。真面目で堅実な日本人の特徴が表れている結果ではないでしょうか。

ボーナスの使い方は人それぞれ

Photo byPexels

以上がボーナスの使い道ランキングでした。貯金をする堅実な人が多いという結果でしたが、みんなそれぞれの仕方でリフレッシュをしていることもわかりました。せっかくもらったボーナス、有意義な使い方をしたいところです。あなたはもらったボーナス、どのように使いますか?

ボーナスの所得税では扶養人数や前月の給与が関わるので覚えておこう!

Photo bynattanan23

ここまでボーナスの所得税についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。ボーナスの所得税は高いと思っている方もいるかと思いますが、それには「前月の給与」と「扶養する人数」が関わっています。今までなんとなく見ていた給与明細もこれで見方が変わってくるのではないでしょうか。

また所得税の他に社会保険料も引かれています。もしお時間がありましたら一度自分でなにがどれくらい引かれているか計算してみてはいかがでしょうか。大切なボーナスを計画的に使って楽しい夏をお過ごしください。

タカシ
ライター

タカシ

こんにちは。 タカシと申します。 今まで営業と人事を経験してきましたが、今後はライターとして活動していきたいと思っております。 また仕事と並行して小説も書いております。 よろしくお願いします。

関連するまとめ

人気の記事