「勘がいい」の意味
「あの人は勘が鋭い」「君は勘がいいねえ」などと言ったりしますが、「勘がいい」とはどういう意味なのか考えてみましょう。「勘」という言葉を辞書で調べると、「直感的に感じ取る能力」と出ています。つまり、論理や知識に基づいてあれこれ考えた結論ではなく、一瞬のひらめきで感じ取ることを意味します。
直感で物事を推測・把握することに長けている
「勘」の意味がわかったので、「勘がいい」とか「勘が鋭い」がどういうことなのかは大体推測ができるでしょう。「直感で物事を推測・把握することに長けている」という意味です。物事を理解する場合は、順を追って筋道を組み立ていくのが普通ですが、直感的に把握できれば、素早く対処ができます。
「勘」の類語
「勘」や「勘がいい」の意味に続いて、類語を見てみましょう。まず、「勘」の類語は、「第六感」「直感」「直観」「直覚」「洞察力」「予感」「山勘」「インスピレーション」などいろいろあります。次に、「勘がいい」の類語は、「勘がよく当たる」「勘が働く」などです。どの言葉も、瞬時に物事を理解・把握して、結論を出すことを意味しています。
「勘がいい」の語源
「勘がいい」という言葉が、どういう語源から始まったのか考えてみましょう。普段何気なく使っている「勘がいい」「勘が鋭い」という言葉も、語源をたどれば、なるほどそういう意味かと納得ができます。語源を知るというのは、言葉の意味を深く理解するうえで非常に役立つ行為です。
鉱山労働者の鉱脈を見つける力
まず、「勘がいい」の第一の語源は、鉱山労働者の鉱脈を見つける能力から来ているとされています。昔は、鉱山の鉱物を探し出すのに鉱山技師の勘をよりどころにしていました。その鉱山技師が直観を働かせて、鉱物を見つけ出すと、「勘がいい」とされたと言います。それが語源となって、現在のような使い方がされているというわけです。
戦国時代の武将「山本勘助」
もう一つの「勘がいい」の語源は、戦国時代に武田信玄に使えた山本勘助から来ていると言われています。山本勘助は、機略縦横の考えの持ち主で、さまざまなはかりごとや計略を用いて、相手を翻弄しました。その山本勘助の直観力の鋭さが語源となったのですが、山本勘助の「勘」の字が現在のような使い方に応用されたのです。
「勘がいい」の使い方と例文
「勘がいい」の意味や語源について勉強したので、今度は、実際にどのような使い方をするのか例文を見てみましょう。ただ、だれもがよく「勘がいい」という言葉を使うので、改めて使い方を見るほどではないと言われるかもしれませんが、使い方の例文を見ることで、より深く「勘がいい」という言葉の意味や特徴を理解できるようになります。
例文:推察する能力が高い
まず、「勘がいい」という言葉は語源を見ればわかるように、推察する能力が高い人に対して使われます。友人同士でこんな会話がある場合があるでしょう。「最近伊豆へ行って、おいしい料理を食べてきました」「どうして伊豆まで。恋人でもできたの」「へえ、勘がいいですね」。このように何気ない会話から鋭い推察ができる人を「勘がいい」と言います。
これは一例ですが、どんなことでも推察能力が高い人というものはいるものです。そのような人に「勘がいいですね」という使い方をすれば、褒め言葉になるでしょう。
例文:瞬時の判断が良い結果を招く
「勘がいい人」の中には、瞬時の判断が得意な人がいます。山道を歩いていて、道が二股に分かれている時に、「こっちへ行くほうがいい」と決められる人がいるのですが、その直感的な判断が当たっている場合があります。そのような人に「勘がいいですね」という言葉の使い方ができます。