「切に願う」の意味や使い方まとめ!敬語・類語・英語表現までまとめてチェック!

「切に願う」の意味や使い方まとめ!敬語・類語・英語表現までまとめてチェック!

フォーマルな場面や文章で目にすることがある「切に願う」の意味や使い方を徹底解説!敬語表現との組み合わせや類語も例文付きで紹介。さらに、英語表現や成り立ちまで説明しているので、「切に願う」を深く理解したうえで使えるようになります!

記事の目次

  1. 1.「切に願う」の意味
  2. 2.「切に願う」の類語
  3. 3.「切に願う」の使い方
  4. 4.「切に願う」の例文
  5. 5.「切に願う」の敬語表現
  6. 6.「切に願う」の英語表現
  7. 7.「切に願う」の成り立ち
  8. 8.「切に願う」は心に強く思うこと

「切に願う」の意味

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「これからのご活躍を切に願っております」のような文章で目にすることがある「切に願う」という表現ですが、どういう意味かを皆さんはきちんと説明できるでしょうか。

決まり文句のように使うことも多いですので、深く意味を考えたことがないという方も多いかもしれません。

そこで、この記事では「切に願う」の意味や使い方、敬語を使っての表現、例文や類語の紹介、英語での表し方、語源などを説明しながら、「切に願う」という表現を掘り下げていきます。これを読んで「切に願う」を正しく使えるようになりましょう!

まずは、「切に願う」の意味について、説明していきます。「切に願う」には、大きく2つの意味があります。

心に強く思うさま

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「切に願う」の1つ目の意味としては「心に強く思うさま」というものがあります。なぜかというと、「切に願う」の「切に」と「願う」に分けることができるのですが、この「切に」は何かを切るわけではなく、「心が切れるほどの大きな感情」というようなニュアンスを持っている言葉です。

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ですので、直訳すると「心が切れてしまうほどに願う」になり、「心からそうなって欲しいと思う」という意味になります。

使い方としては、先ほど書いた「これからのご活躍を切に願っております」という例文のように、「相手にとってプラスになる状況に心からなってほしいと思う」というときに使うケースが代表的です。

思いがひたすら強い

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また、「思いがひたすら強い」というニュアンスで使うことも可能です。「心から強く思う」と基本的には同じなので、あまり神経質になって違いを考える必要はありませんが、思いの強さを伝えたいときにも使うことができるということは頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

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こちらの意味での使い方としては、「リサイクルにご協力いただきますよう、切にお願い申し上げます」という例文のように、誰かに「お願い事」をしたいときに使うケースが考えられます。

「お願い事」をするときに「切に願う」を使うと、こちらの希望を通してほしいと強く思っているということを伝えることができます。

なお、ここで見て分かるように、「願う」には神様などの目に見えないものに祈りをささげるような意味とともに、「希望を申し伝える」という「依頼・お願い」に近い意味もあります。これを理解しておくと「切に願う」をより幅広い場面で使うことができるでしょう。

「切に願う」の類語

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「切に願う」の意味についておさえたところで、次は類語についても見ていきましょう。「切に願う」には類語がいくつかありますので、うまく使うことで、よりクオリティの高い文章を目指すことができます。

また、それぞれの類語には微妙なニュアンスの違いもありますので、ここではそれについても解説していきます。

熱望する

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最初の類語は「熱望する」です。辞書での意味は「熱心に願う、熱心に望むこと」です。基本的には「切に願う」と似た意味なので、そのまま言い換えて使うこともできます。

ただし、「熱心」という意味があることから、より具体的で現実的な願いの場合に使ったほうが自然です。

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例文としては、「ファンが熱望していた、絶版になっていた本の再販が決まった」のようなものをあげることができます。ここでは、「絶版本の再販」という会社が動けばできるものを望む場合に「熱望する」を使っています。「熱望する」を使うときには、このような使い方を意識してみてください。

渇望する

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次に「渇望する」という類語について、ご紹介します。「渇望」は「渇く」という漢字が使われていることから分かるように、「喉が渇いたときに水を求めるように何かを望むこと」という意味です。

命の危機を感じているときのような願いですので、非常に強い表現になります。また、ほかの類語と異なり、「満たされないものを満たそうとする」というニュアンスがあります。これは「切に願う」の類語の中でも、「渇望する」に特有のものです。

「彼の子どもは新しいゲームソフトを渇望していたようで、ゲームのプレゼントに大喜びだったらしい」という例文のような使い方ができます。

希求する

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次に紹介する類語は「希求する」です。この類語は「得たいと願って求めること」という意味があります。

「希」は「希望」という熟語で使われるように「望む」という意味がありますが、これに加えて「求める」という動作もついているのが「希求する」の特徴です。

単に望むのではなく、求めるという言葉がついていることから、その分強い表現だということができます。

「我々は世界平和を希求する」という例文のように、堅い文面で決まり文句としての使い方をされるケースが多いです。

切望する

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最後に紹介する類語は「切望する」です。こちらは「切実に望むこと」という意味があります。「切に願う」とほぼ同じ意味なので、「大学合格を切に望む」と「大学合格を切望する」という2つの例文が同じ意味になるように、言い換え言葉として使用可能です。

ただし、「切に願う」は「願う」なのに対して、「切望する」では「望む」が使われています。この2つは微妙なニュアンスの違いがあるので、気を付けましょう。

具体的に言うと、「願う」には他者に自分の希望を叶えてほしいという意味があるので、自分の外側に発信をする言葉になります。一方、「望む」は自分の心の中でそうなって欲しいと思うという意味になりますので、自分の中で完結しているのです。

この違いを意識した使い方をすると、より正しく、適切に相手に自分の意図を伝えることができます。

「切に願う」の使い方

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続いては、「切に願う」の実際の使い方について、詳しく見ていきましょう。意味が分かっていても、使い方が不自然ではコミュニケーションがうまくとれなくなってしまう可能性があります。とはいえ、「切に願う」は使い方のバリエーションが多いわけではありませんので、あまり心配せずに解説を読んでみてください。

~を切に願うというフレーズで使用

「切に願う」は「~を切に願う」というフレーズで使用することがほとんどです。「切に願う」の前には願いの内容が来ます。

例文としては「私は彼が病気から快復することを切に願った」といったものをあげることができます。

なお、「切に願う」と言うくらいですので、単なる願望で使うと不自然になります。例えば、「今日の夕食に焼肉を食べたいと切に願う」などと使うと、相手にはかなり大げさに聞こえてしまいます。

このような自分で何とか出来るものではなく、自分だけの力ではどうにもならないことについて使うのが「切に願う」の使い方では重要です。

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なお、ビジネスシーンでは文書の最後に「今後の活躍を切に願っています」などのように書いて使うことがあります。

これは一種の決まり文句ですので、深い意味はあるとは限りませんが、使用して失礼になることはないので、使える場面が来たときには積極的に使ってみてください。特に、お断りの連絡をしたときに使うと好ましいでしょう。

「切に願う」の例文

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「切に願う」の意味や使い方をおさえたところで、次に例文を使いながら、より実践的なフレーズを解説していきます。

「切に願う」を使って失礼になることは少ないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、実際は使うときに気を付けなければいけないフレーズもあります。

切に願うばかり

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最初に紹介するフレーズは「切に願うばかり」です。これは「切に願う」という表現を使いながらも「ネガティブな意味」のあるフレーズなので、注意が必要です。

実際に使われている例文を見てみると、「私としては交通事故がない社会の実現を切に願うばかりです」のようなものがあります。

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なぜネガティブな意味合いになるかというと、これは「ばかり」にポイントがあります。「ばかり」という言葉は色々な意味があるのですが、ここでは「物事を制限したうえで、その制限以上にはならないさま」を示す意味です。

つまり、「ばかり」は例文で言うと「交通事故のない社会の実現」を「願うもの」、つまり具体的に実現する手段を持たないものだと制限したうえで、それ以上にならないことを意味する効果をもたらしているのです。

この結果、「願うことしかできず、実際は実現できない」という意味になるのです。実際、交通事故をゼロにする具体的な手段はまだできておらず、願うしかないのが実情ですので、ここで「切に願うばかりです」を使うのは適切だということになります。

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このため、実現する可能性があるものについて「切に願うばかりです」を使ってしまうと、「私はそれが実現するとは思っていませんが、お願いだけはしておきます」という意味になってしまい、かなり失礼になることがあります。

失礼な場合の例文としては、「私は友人の子供の大学受験の成功を切に願うばかりであった」というものをあげられます。これを言われると、友人は「私の子供が大学に受からないと思っているのか」となってしまいますので気を付けましょう。

幸せを切に願う

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次に見ていくのは、「幸せを切に願う」というフレーズです。これは手紙などでよく使われるフレーズになります。

手紙の最後で「あなたの幸せを切に願っております」という例文のように使うことで、相手に対する親愛の情を示すことができます。こちらはポジティブな意味しか持っていませんので、使い方に過度に気を付ける必要はありません。

切に願うのみ

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最後に「切に願うのみ」というフレーズを見ていきます。これも「切に願うばかり」と同じく、ネガティブな意味を持っているので、使うときには注意が必要なフレーズです。

こちらも「ばかり」と同じく、「のみ」を付けていることで「願うことしかできない」というネガティブな意味になっています。

例文としては「世界中に戦争や紛争がなく、すべての人が平和な世の中で暮らすことができる日がくることを切に願うのみです」などをあげることができます。

「切に願う」の敬語表現

続いて、「切に願う」の敬語表現について見ていきます。「切に願う」は堅いフォーマルな文章や場面で使うことが多いので、敬語表現と組み合わせることが多いです。

したがって、「切に願う」の敬語表現を理解することは重要です。「切に願う」の相手に失礼のない使い方をマスターしていきましょう。

切に願っております

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まず、ご紹介するのは「切に願っております」という敬語のかたちでの使い方です。これの元のかたちは「切に願っている」です。

この「いる」を敬語の中の謙譲語にしたかたちが「おる」で、そこに同じく敬語である丁寧語の「ます」をつけることで、「切に願っております」というかたちになります。

自分が実現してほしい内容を祈るという意味で「願う」を使うときに、敬語表現として組み合わせるのであれば、このかたちが基本となります。

切にお願い申し上げます

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次に、「切にお願い申し上げます」という敬語表現を使ったかたちをご紹介します。この表現のポイントは「お願い」が、「願望を祈る」という意味ではなく、「希望を申し立てる」という意味で使われているということです。

希望は「言う」、あるいは「話す」ものですので、その謙譲語として「申し上げる」を使うことで敬語表現になります。

これに敬語の丁寧語を加えることで、「切にお願い申し上げます」という敬語表現のかたちになります。例文としては、「ゴミの分別へのご協力を切にお願い申し上げます」といったものをあげられます。この例文では、お願いの内容が「希望の申し立て」になっています。

「切に願う」の英語表現

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ここからは「切に願う」の英語表現について見ていきます。「切に願う」というような意味合いの言葉は、英語にもあります。

むしろ、上手にこのような言葉を使うことで、相手に好印象を持ってもらうことも可能になります。「切に願う」の英語表現を覚えていくことで、より深く「切に願う」の使い方を理解していきましょう。

真剣に願う

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「切に願う」をそのまま英語に訳すことはできませんが、言い換えをすることで英語でも同じようなニュアンスを出したいことが相手に伝わります。

具体的には「earnestly hope」という英語表現を使うことで「真剣に願う」という意味になるので、これを「切に願う」と同様の意味合いで使うことができます。

例えば、「I earnestly hope that you business is successful.」(私は君の事業の成功を切に願っているよ)というように使うことができます。

なお、earnestlyは「ひたむきに」という意味もあり、真面目に何度も取り組むさまを表す英語になります。

誠実に願う

次に「sincerely wish」という英語表現を使って、「誠実に願う」という意味を示すことで「切に願う」と同様の意味合いを相手に伝えることもできます。

「sincerely wish」を使った例文としては、「I sincerely wish you good luck.」(私は君の健闘を切に願っているよ)というものなどがあります。

なお、wishは後に続く節で過去形を使うと「実現する可能性が低いけど、そうなったらいいな」という意味になってしまうので注意が必要です。

ちなみに、ここで使ったsincerelyという英語は、「誠実」という人柄を示すニュアンスがあり、earnestlyとは少し違います。

「切に願う」の成り立ち

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ここまで「切に願う」の意味や使い方、敬語表現、英語表現を見てきましたが、さいごに「切に願う」の語源を詳しくみてみましょう。

語源を知ることで、「切に願う」への理解がより深まり、さらに適切な使い方をすることができるようになります。

「切に」は「切なり」という古語に由来

「切に願う」は、「切に」と「願う」に分けることができます。「願う」に関しては難しいことはなく、そのままの意味ですが、「切に」には首をかしげる方がいるかもしれません。

というのも、心からという意味にも関わらず、「切」という字を使っているからです。「切る」という言葉は、普通あまり良い意味では使われません。

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この「切に」は、「切なり」という形容動詞がもとの形で、古くから使われている言葉でした。なお、昔は「切なり」と書いて「せちなり」と読んでいました。

「切なり」は、感情が大きく動いている状態や強い思いを表す言葉で、この意味は「心が切れてしまうほどに大きな思い」というところから発生したと考えられています。

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この「切なり」が今でも使われており、「切に願う」の「切に」というかたちで残っています。「切なり」がもともと「心が切れてしまうほどの思い」だったことから、願いがくっつくことで「心が切れてしまうほどの願い」となり、それが発展して「心に強く思う」、「心から願う」という意味になったのです。

「切に願う」は心に強く思うこと

ここまで「切に願う」の意味や使い方、類語、敬語、英語表現、語源などについて説明してきました。これで「切に願う」を十分に理解して使うことができるようになっているはずです。「切に願う」はここぞという場面で使うことで、自分の思いがとても強いものなんだということを相手に伝えることができます。ぜひ、積極的に使ってみてください!

西海ハシル
ライター

西海ハシル

皆さんに役に立つ記事を分かりやすく書いて、「読んで良かったな」と思ってもらえるように頑張ります!最近は将棋を見るのが好きです。

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