私立高校の学費の平均は?補助の受け方・無償化や払えない場合の対処法を紹介!

私立高校の学費の平均は?補助の受け方・無償化や払えない場合の対処法を紹介!

私立高校の学費の平均は年間100万円と言われています。今後、私立高校の学費の無償化も検討されているようですが、高額なので、払えない場合もあるかもしれません。そこでこの記事では、私立高校の学費を軽減するための補助の受け方や払えない場合の対処法を紹介しています。

記事の目次

  1. 1.私立高校の学費を知っておこう!
  2. 2.私立高校の学費の平均とは?
  3. 3.私立高校の学費の補助の受け方とは?
  4. 4.今後私立高校の学費の無償化も?
  5. 5.私立高校の学費が払えない場合の対処法とは?
  6. 6.母子家庭で生活に苦しく払えないという人も多い
  7. 7.学費を考慮しても、どうしても私立高校に進学したい場合は?
  8. 8.私立高校の学費を払えない場合は奨学給付金も視野に入れよう!

私立高校の学費を知っておこう!

Photo bynattanan23

公立高校が第一志望で私立高校が併願校の場合、公立高校よりも学費が高いことなどはなんとなく想像はつくかもしれません。しかし、実際に私立高校に進学することになった場合いくらくらいかかるのか、また授業料以外に必要なお金や国の支援金の制度など、入学して慌てないように正しく理解しておきましょう。

近年は私立高校でも授業料の無償化が提案されてきました。そしていよいよ、来年2020年から私立高校の学費も無償化が行われることが決まりました。そのことについてもご紹介していきます。

また、万が一、母子家庭になるや事業で失敗したなど家計の事情で私立高校の学費が払えない場合の対処法、補助の受け方についても説明していますので参考にしてください。

私立高校の学費について詳しくご紹介!

Photo by is_kyoto_jp

私立高校の学費にはどのようなものが含まれるのでしょうか?私立高校の学費には、授業料の他にも修学旅行・遠足費、学校納付金、図書・学用品費、教科外活動費、通学関係費などがかかります。

学校によっては寄付金や同窓会費などもあります。また体験・地域活動費、芸術文化費、スポーツレクリエーション費、クラブ活動費なども実費の負担がかかることもあります。

また、入学案内などには記載されていない「寄付金」の存在も忘れてはなりません。ほとんどの私立高校でこの寄付金の納付がある場合があり、授業料以外に大きな出費になることもあります。

私立高校の学費の平均とは?

Photo by marumeganechan

さて、私立高校の平均学費はいくらくらいかご存知ですか?私立高校に入学する前にも、受験料や入学金の存在を忘れてはなりません。私立高校専願の場合も併願の場合も必ずかかるのは「受験料」で平均で2万2417円です。また公立高校が第一志望だとしても押さえのために入学金を納入しなければなりません。

東京都生活文化局の調査によると、この入学金の平均が25万26円です。また、入学金以外にも制服や定期券の購入などが掛かります。ここからは、さらに入学後の高校1年生から高校3年生までに、どのくらいの学費がかかるのかみていきましょう。

私立高校の平均学費は「104万円」

私立高校で1年間で平均してかかる学費の平均は授業料、修学旅行費、学校納付金、図書資料費、教科外活動費、通学関係費の学校教育費で75万5101円、家庭教師・塾代、体験・芸術活動費などの学校外活動費で28万5067円の合計約104万と言われています。具体的にどの学年でどのくらいの学費が必要なのでしょうか。

入学年度は学費が掛かる!

Photo by Cooperweb

入学年度は、入学金や学納金、制服の購入などが必要なので学費が他の学年に比べて多くかかります。これに加えて、子供によっては「自転車」「バスや電車の定期代」が必要になります。

さらに、入学後すぐに「PTA会費」や「授業料」等の支払い、部活に入るなら「部活用具」の購入が必要です。そこまで考えておくと、入学~入学後1ヵ月以内に「20~30万」くらいは必要ということになります。

私立高校の3年間の平均学費を見てみよう!

Photo bymozlase__

私立高校3年間でかかるトータルの学費は、およそ300万にものぼるとも言われています。文部科学省「子供の学習費調査2016年度」のデータをもとに、どの学年でどのくらいのお金が必要なのかをもう少し詳しく見ていこうと思います。2014年の調査に比べて少し金額が上がっているのは、2014年から修学支援金に所得制限が設けられたためです。

また、寄付金は受験案内には書いてありませんがだいたいの私学では寄付金の支払いが当然のような雰囲気の学校もあります。だいたい1口5~10万円で最低2口など条件の厳しい学校もあるようです。学校説明会で初めて耳にして驚くことも少なくありません。

高校1年では平均「127万円」

Photo bystevepb

高校1年生の学費の平均は、授業料、修学旅行費、学校納付金、図書資料費、教科外活動費、通学関係費学校外活動費の学校教育費103万円と家庭教師・塾代、体験・芸術活動費などの学校外活動費24万円の合計127万円となっています。このほかにも、制服代や入学準備などにもお金がかかることが予想されます。

高校2年では平均「97万円」

Photo bygeralt

高校2年生の学費の平均は授業料、修学旅行費、学校納付金、図書資料費、教科外活動費、通学関係費学校外活動費の学校教育費69万円と家庭教師・塾代、体験・芸術活動費などの学校外活動費28万円の合計97万円となっています。

このほかにも、だいたいの学校では高校2年生で修学旅行に行くため、入学時に積み立てをしていなければ一括で修学旅行費が必要になります。費用は行き先にもよりますが海外へ行く高校の場合は少なくとも10万円以上はかかると思っておかなければなりません。

高校3年では平均「85万円」

Photo bynattanan23

高校3年生の学費の平均は、授業料、修学旅行費、学校納付金、図書資料費、教科外活動費、通学関係費学校外活動費の学校教育費52万円と家庭教師・塾代、体験・芸術活動費などの学校外活動費33万円の合計85万円となっています。

高校3年生は高校生活3年間の中では一番学費が安いのですが、この後に大学などに進学する場合はそのための準備も必要になってきます。参考までに大学に支払う費用は、入学金・授業料・施設整備費などがあり、国公立4年間で約240万円、文部科学省平成26年度の調査によると私立文系4年間で約390万円、私立理系4年間で約520万円となります。

私立高校の学費の補助の受け方とは?

さて、2010年度以降、私立高校でも無償化の公立高校と同様に授業料軽減の補助が適用されてきました。しかし、2014年よりこの補助も、公立高校と同様に所得制限が設けられました。例えば、夫婦と子ども2人の4人世帯の例で世帯年収910万円未満の世帯のみ対象になりました。ここからは、私立高校の補助の受け方について説明をしていきます。

規定未満の収入であれば補助が受けれる

私立高校の場合、国から修学支援金は世帯年収が910万円未満の場合に援助が受けられます。さらに詳しく見ていくと、世帯年収590万~910万円で年間118,800円の補助、世帯年収350万円~590万円で年間178,200円、世帯年収250万円~350万円で年間237,600円、世帯年収250万円未満の世帯で297,000円の補助が受けられます。

基準は市町村民税所得割額が「34万円」未満

Photo bystevepb

ところで、国から支給される就学支援金の補助が受けられるかどうかを確認するには、どうすればいいでしょうか?それには市町村役場で発行される、市町村税の所得割の欄を確認しましょう。そしてその欄が、34万円未満であれば、補助が受けれられます。

会社にお勤めの人は会社から発行される市町村民税・県民税特別徴収税額通知書で確認できます。それ以外の方、またよく分からない方は市町村民役場などで市町村民税・県民税課税(非課税)証明書を申請すると確認することができます。

今後私立高校の学費の無償化も?

Photo by Kanesue

2017年1月、小池百合子東京都知事が私立高校の授業料無償化策を提案し、この予算案が可決されました。これによって東京都では、2017年度から国の就学支援金にプラスして年額44万2000円までの授業料軽減助成金が出ることになりました。

経済的な理由で私立高校への進学をあきらめていた人、離婚などにより母子家庭に急になるなど家庭の状況が変わった人には朗報といえるのではないでしょうか。

年収590万円未満の世帯が今後対象に?

現在、中学校卒業後の高校への進学率は90%以上にも関わらず、実質無償化の公立高校への進学を希望するも、かなわずだったり、あるいは母子家庭など、経済的な理由で希望する私立高校への進学を断念せざるを得ない状況が起こってきていました。

このような状況の中で、授業料の負担を減らすために支給されている国の「就学支援金」を拡充し、年収590万円未満の家庭を対象に、私立高校授業料の全国平均額(年約40万円)まで、支給額の上限を引き上げることが決定しました。さらに、私立高校の授業料が全国平均以下の場合は無償となります。

2020年を目途に実現予定!

Photo bystevepb

2017年1月に東京都の小池百合子知事が私立高校の授業料無償化策を提案し、この予算案が可決されました。これによって東京都では、2017年度から国の就学支援金にプラスして年額44万2000円までの授業料軽減助成金が出ることになりました。

さらに、さきほど紹介した年収590万円未満の世帯が今後対象になる補助については2020年を目途に実現される予定になっています。母子家庭やその他の理由で私立高校への進学を断念していたり、私立高校の学費は払えないからと断念していた人には朗報ではないでしょうか。

私立高校の学費が払えない場合の対処法とは?

Photo bymenartimgdesing

私立高校の学費が払えないときに、まず検討したいのが国の教育ローンです。国の教育ローンとは日本政策金融公庫が運営する「教育一般貸付」のことで、子ども1人につき最大350万円まで年1.76%の低金利で借入できます。

母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円以内の場合は金利は年1.36%に引き下げられます。申し込みには所得制限がありますが、世帯の合計所得が子ども一1人で790万円、子ども2人で890万円、子ども3人で990万円と民間の教育ローンよりは審査が甘くなっています。

上限で350万円まで借りれ、返済は年以内の利均等返済方式で在学中は利子だけ返済することもできます。母子家庭で学費が払えない場合、またその他の事情により学費が払えない場合は検討してみるといいでしょう。

母子家庭で生活に苦しく払えないという人も多い

Photo byTheVirtualDenise

一般的に母子家庭の人は収入の柱を母親一人で担っていることが多く、母子家庭の平均世帯の年収は291万円です。それに対して、子どものいる平均的な世帯の年収が658.1万円なのでその収入の差は歴然としています。

母子家庭の場合、子どもを育てながら収入も得なければならないので、どうしても生活が低水準にならざるを得ません。

このような状況で、仮に子どもが私立高校へ進学したとすると、母子家庭の人にとって授業料などの出費は家計のかなりの割合を占めることになり、その結果、生活が苦しく払えないという人も少なくありません。

奨学給付金を活用しよう!

Photo by marumeganechan

高校生等奨学給付金は、平成26年4月1日に「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律」が施行されることに併せて、平成26年度から開始された補助事業です。

授業料以外の教育費負担を軽減するため、低所得世帯で高校生がいる世帯を対象に国が支援をしています。一例として、生活保護受給世帯で子どもが私立高校に通っている場合、年額で5万2600円の給付が受けられます。

非課税世帯で第1子の子どもが私立高校に通っている場合は年額8万9000円、第二子の場合は13万8000円がそれぞれ支給されます。

学費を考慮しても、どうしても私立高校に進学したい場合は?

Photo by Dai44

実質授業料が無償化になる公立では行きたい高校がなく、行きたい私立高校があるけど、学費が高いなどの経済的な理由から私立高校への進学をあきらめざるを得ない場合、私立高校に進学する道はないのでしょうか?

母子家庭や収入が低い場合は、私立高校に行くことはできないのでしょうか?ここでは、そんな方たちのために「奨学金制度」「特待生制度」についてご紹介します。

奨学金制度とはどういうものか?

Photo byPublicDomainPictures

奨学金制度とは学力のある受験生に対して学費の給付・貸付を行う制度です。給付の場合は返す必要はありませんが、貸付の場合は返還する義務があります。

学校独自のもの以外にも、日本学生支援機構・地方自治体・民間育英団体・企業・新聞社など様々なものがあります。

特待生制度とは?

Photo bysasint

特待生制度とは、入学金や授業料などの諸費用が一部または全額免除される制度です。各私立高校ごとに受給条件・内容・受給される期間などは異なりますが、多くの学校で用意されています。学力に自信のある方、スポーツや芸術分野などで優秀な成績を残した方にもおすすめです。

例えばこのスポーツなどの特待生制度を使用して私立高校に入学すると、場合によっては学費が無償化となる場合もあります。特に秀でた特技や実績がある場合はこの制度を利用するとよいでしょう。

給付型奨学金とは?制度適用の条件から申し込み方法まで詳しく解説!
給付型奨学金制度とは、返済の必要がない奨学金として注目を集めています。その運営は、日本学生支援機構をはじめ、様々な団体が行っているため、申し込み方法などが団体によって異なります。そこで、給付型奨学金の制度適用の条件から申し込み方法まで、詳しく解説します。

私立高校の学費を払えない場合は奨学給付金も視野に入れよう!

Photo bynattanan23

私立高校の学費についてご紹介してきましたが、いかかでしたか?私立高校の学費は平均で年間100万と聞くと、想像を超える金額だったのではないかと思います。高校入学前に十分に準備できればいいのですが金額が金額なだけに、なかなか準備も十分にできないこともあるでしょう。

近年は、私立高校でも授業料の無償化が進められていて、2020年を目安に実現というところまで来ました。しかし、家庭の事情で突然に母子家庭になったり、その他の事情で、授業料が払えないということもあるかもしれません。

母子家庭の場合や、こういった急な家庭の経済的な変動が起こった場合は、払うことを考えるのは一番なのですが、もしかしたら奨学給付金の給付が受けられるかもしれませんので自治体、民生委員、教育委員会などに相談してみるといいでしょう。

佐藤 操
ライター

佐藤 操

関連するまとめ

人気の記事