「モナムール」の意味とは?語源やフランス語のジュテームとの違いも解説!

「モナムール」の意味とは?語源やフランス語のジュテームとの違いも解説!

「モナムール」という言葉をご存知でしょうか?鼻から抜けるような発音の響きから、印象深い言葉ですが、その意味がいまいちピンとこないという方は必見です。今回は「モナムール」を徹底解剖。その意味・違い・語源や歴史・使い方を例文を交えてご紹介いたします。

記事の目次

  1. 1.モナムールの意味とは?
  2. 2.モナムールの対義語・類義語 
  3. 3.モナムールの使い方・例文
  4. 4.モナムールとジュテームの違い
  5. 5.モナムールを使う際の注意点
  6. 6.モナムールの由来・歴史
  7. 7.モナムールの英語表記
  8. 8.モナムールの漢字
  9. 9.モナムールは「私の愛」「愛しき人」という意味

モナムールの意味とは?

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「モナムール」という言葉をよく見かけます。歌でも「モナムール〜」とかよく使われ、歌のタイトルでも「ヒロシマ・モナムール」「モナムール(グラスに半分の黄昏)」「燃える煙るモナムール」などもあります。

「モナムール」はシャンソンでもよく使われますし、喫茶店などの店の名前でも、商品名でも「モナムール」という言葉をよく見ます。ちょこちょこ出てくるので、気になり出すと、とことん気になり出します。そこで「モナムール」の意味について調べてみました。

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「モナムール」とはフランス語で、mon amourと書きます。mon は私という意味、amourは愛という意味で、直訳すると「私の愛」という意味になります。愛の国フランスならではの言葉です。

では「モナムール」という言葉、具体的にどんな風に使えるのか、対義語や類義語、使い方、例文・語源を注意点も交えて紹介していきます。今回は、「モナムール」をとことん掘り下げていきます。

モナムールの対義語・類義語 

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「モナムール」という言葉は、フランス語ですが、発祥の地フランスでは同じ様な意味の「類義語」は結構あります。

例えば、「恋人」という意味の mon amoureux モナムルー(男性への言葉)、mon amoureuse モナムルーズ(女性への言葉)、「愛しい人」という意味の ma chérie(女性への言葉)マ シェリ、mon chéri モン シェリ(男性への言葉)などがあります。

上記のようにフランス語は男性・女性の対象が違うと、同じ意味でも言葉が変わることがありますが、「モナムール」は男性・女性どちらへも使える言葉です。日本語はあまり異性別で言い方が変わる言葉が多くないので、日本人にとっては使い勝手がある言葉です。

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次に対義語を見てみましょう。「モナムール」は「私の愛」や、転じて、「愛しき人」のようなニュアンスで使われます。その「愛」の対義語としては「愛憎」の「憎」となります。

「モナムール(愛しき人)」の対義語はフランス語で「憎い人」mon détestée モン ディティスティ、personne détestée ペルソンヌ ディティスティとなります。愛の反対の言葉はあまり日本に馴染みがある言葉ではありませんが参考までにお知り置きください。

ちなみにフランス語détestéeの形容詞はdétestableとなりますが、「憎い」以外にもかなりの数の意味を持った用語です。いとわしい、いまわしい、えげつない、ひどい、忌まわしい、汚い、などマイナスの意味を30以上かかえています。

モナムールの使い方・例文

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次に「モナムール」の使い方・例文をご紹介いたします。モナムールは先述したようにフランス語でも男女別に分ける表現が不要な言葉です。

実際の例文を見ながら「モナムール」がそのようなニュアンスで使われるかを4つの例文に分けてご紹介いたします。

例文・意味①

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「モナムール」=愛しき人という意味で使う場合の例文です。Mon amour.je ne t'ai jamais perdu. 訳すと、「やったわ。わたしは愛する人を見失わなかった。」となります。素直に愛する人と訳したオーソドックスな文です。

愛する人という意味で使う場合は、呼びかけでも使われます。恋人同志などで、はじまりに「Mon amour」と付ければ、近くにいる相手に呼びかける意味になります。日本語で言うと「ねえ、あなた」「おまえ」など親しい人同士で使うニュアンスです。

例文・意味②

「モナムール」=私の愛という意味の場合の例文です。Mon amour t'accompagne.訳すと「私の愛はあなたと一緒です。」となります。例文・意味①とは違い 直訳に近いニュアンスで「私の愛」と解釈する場合はこのように抽象的な意味の文でよく使われます。

Je te donne cette bague comme symbole de mon amour.訳すと「この指輪を私の愛の象徴としてあげます。」といった、誓い合った婚約者同士で交わされる言葉としても使われます。

例文・意味③

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「モナムール」は、店名や商品名などにも多く使われていますので、「固有名詞」として使っていることを再認識する必要があります。その場合は例文・意味①②と使い方は違い「モナムール」は本来の意味としてではなく、それぞれのブランドに溶けこんだ存在となります。

フランス語特有の「モナムール」という発音の「響き」を日本人の感性で解釈した結果、現在の日本では「モナムール」を冠する多くの商品や店名が生まれました。

たとえばあなたの近所に「モナムール」というお店があったら、「モナムール行こう」という使い方もできます。その場合は本来の意味ではなく、固有名詞として使っていることをご留意ください。

例文・意味④

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「モナムール」は作品としても多く用いられいるフランス語の言葉です。これは例文③のように固有名詞とは違い、その本来の意味、「私の愛」、「愛しき人」という意味があります。

シャンソンなどでもタイトル・歌詞などでもよく用いられてきた「モナムール」。2019年11月2日逝去されましたフランスの歌手マリー・ラフォレがフランス語で歌った「モナムール モナミ」もその1つです。

1967年発表のこの作品。映画でも取り上げられたりして、長い年月多くの方に愛されてきた愛の歌です。その一節を紹介いたします。

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Toi, mon amour, mon ami.Quand je rêve c'est de toi.Mon amour, mon ami.Quand je chante c'est pour toi.訳すと「あなた、私の愛する人、私の友だち。私が夢を見るとき、それはあなたの夢なのよ。私の愛する人、私の友だち。私が歌を歌うとき、それはあなたのためなのよ。

このパートはリフレインする重要なパートです。愛の国フランスで、Mon amour mon ami(モナムール モナミ)は多くの人の愛を啓蒙する役目を担ってきた偉大な作品です。

モナムールとジュテームの違い

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「モナムール」と共に引き合いに出される言葉に「ジュテーム」があります。この「モナムール」「ジュテーム」の両者、一見同じシーンなどで使われることが多いためか、意味も含めて「混同」されて、違いがいまいちわからない「ピンとこない」場合があります。

次は「モナムール」に似た言葉、「ジュテーム」にも詳しく触れていきます。「ジュテーム」は日本では「モナムール」と同じく見慣れた言葉なので、この機会にぜひ疑問を払拭してその違いをご理解ください。

ジュテームは愛してるという意味

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「ジュテーム」は「わたしは愛しています」という意味で Je t’aime と書きます。もちろん言うまでもなく「モナムール」と同じ「愛」についての言葉ですが、「ジュテーム」は、文として完結しています。英語で言うと I love you.です。

それに対して、「モナムール」は「私の愛」「愛しき人」という意味の形容詞+名詞です。「ジュテーム」は主語+動詞+目的語がある文であり、それぞれ使い方も違いがあります。

それぞれの違いがわかると「ジュテーム モナムール」という言葉も理解できます。「ジュテーム モナムール」は Je t’aime mon amour と表し、「愛しき人、愛しています」という意味になります。呼びかけに「モナムール」、文に「ジュテーム」がそれぞれの役割を果たします。

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「ジュテーム」は「モナムール」と同じように有名な言葉です。「モナムール」同様、様々なシーンで登場します。映画や音楽、ワイン、薔薇や百合などの花、リング(指輪)、ネックレス、紅茶、フルーツティーなどの名前などに大人気の言葉「ジュテーム」登場しています。

愛のシチュエーションが多いフランス語を象徴する言葉にも聞こえる「ジュテーム」。日本も宝塚などのミュージカルで影響を受けている言葉ですので、ぜひお知り置きください。

モナムールを使う際の注意点

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「モナムール」の意味・使い方・類義語との違い・対義語などを一通りご紹介いたしましたが、逆に使う際の注意点の角度から、まとめておきますので、ぜひポイントを押さえてご理解ください。

使い方に迷った時はまず、「モナムール」という言葉の品詞に注目してみてください。どのような品詞で構成されているかを把握することで、正しく使うことができます。

動詞では使えない

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「モナムール」は呼びかけや、「私の愛」のように名詞として使われる言葉なので、動詞としての働きはありません。「愛しています」「愛してください」などの用法では使うことはできませんのでご留意ください。

「モナムール」を1つの文として表現する場合は、例文のようにその前後に何かの言葉の要素が必要になります。単独で使う場合は単語として、何かのタイトルや先述した商品名、作品名などで使うことは可能です。

モナムールの由来・歴史

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「モナムール」の語源は何でしょうか?よく目にするこの言葉、スラングなどではなく由緒正しい語源のある言葉なのでしょうか?最近フランスで流行した言葉なのでしょうか?モナムール=mon(私の)amour(愛)に分解して、amour の語源を調べましたので、紹介いたします。

由来

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amourの語源はラテン語でになり、語源Amorとなります。この語源Amorは「愛」という意味です。この語源Amorは元々ギリシア神話の「愛の神」でした。それが中世ラテン語に「愛」として使われ、その語源が現在のフランスでのamourになった経緯があります。

amourのいう古くからの語源の言葉がフランス語のmon(私の)と一緒に「mon amour」として使われて、リエゾンして「モナムール」という表現に変わりました。

ちなみに「リエゾン」というのは連声のことで、2つの語が並んでいる場合に、本来、単独で読む場合に発音されることのない、その語末の子音字が、直後の単語で母音が続く場合に発音されることを言います。

歴史

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amourという言葉はフランスの「ラ・マルセイエーズ」でも登場します。「ラ・マルセイエーズ」とはフランスの国家で、その起源はフランス革命に遡ります。

フランス革命軍がオーストリアに宣戦布告した際、部隊を鼓舞するため、工兵大尉ルージェ・ド・リールが一夜にして、作詞・作曲を書き上げたと言われています。

フランス革命が勃発したのは1789年。そこからナポレオン・ボナパルトの第一帝政時代には、特別な許可がないと、公の場で歌うことは禁止されていましたが、第三共和政時代に、晴れて国歌として認定され、現在に至ります。

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その「ラ・マルセイエーズ」の歌詞の中で、Amour sacré de la Patrie,Conduis, soutiens nos bras vengeursとあります。6番目の歌詞の冒頭です。これは「神聖なる祖国への愛よ、我らの復讐の手を導き支えたまえ」という意味です。

amourという言葉が、ラテン語からフランス語になり、現在から200年以上前には公の場に登場していたことを鑑みると、由緒正しい歴史のある言葉と言えます。

モナムールの英語表記

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今までフランス語の「モナムール」を様々な角度で解明してきました。英語にしてみるとどうなるのでしょうか?

フランス語の mon は「私の」という意味、そして、amourは「愛」ということは先述した通りです。まずmonに該当する英語はmyとなり、amourに該当する英語はloveになり、フランス語 mon amour は、英語では my love となります。

モナムールの漢字

「モナムール」のニュアンスを二文字の漢字で表すとしたら、どうなるでしょうか?「愛人」が1つ挙げられそうですが、「愛人」は婚姻関係にないニュアンスが強いので、婚姻関係の相手にも使える「モナムール」とは意味に違いがあります。

「モナムール」に近い意味をもつ二文字の熟語は「愛情」が当てはまります。「相手を慕う愛の気持ち」という意味で、男女どちらからでも使える言葉です。

モナムールは「私の愛」「愛しき人」という意味

フランス語で「モナムール」は「私の愛」「愛しき人」という意味であることがわかりました。男女どちらからでも使える言葉で、婚姻関係であってもなくても、「愛全般」に深い受け皿になってくれる言葉です。

モナムールの意味・類義語・対義語・使い方・語源・歴史を紹介してきました。今後どこかで「モナムール」のいう言葉を目にしたり耳にしたりする際は本記事を記憶の片隅に置いてもらえれば幸いです。

SDA
ライター

SDA

本記事をお読みいただきありがとうございます。近頃はイベント自粛で何かと我慢な日々ですね。ただ最近は、家の中でも新たな発見があるものだと気づかされました。今後はインドアならではのお役立ち情報があれば、記事の通じてどんどん発信していきたいです。明るく取り組んでいきますのでよろしくお願い申し上げます。

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