「ご高配」の意味まとめ!ビジネスでの使い方・例文・類語やご配慮との違いとは?

「ご高配」の意味まとめ!ビジネスでの使い方・例文・類語やご配慮との違いとは?

「ご高配」という言葉と意味を知っていますか?メールで良く見る方も多いと思います。文の核心ではないので、スルーしがちな言葉です。実はこの「ご高配」は色んなシーンで使えます。今回は知ってお得な「ご高配」の使い方・意味・類語・他言語との違いに触れていきます。

記事の目次

  1. 1.ご高配の意味とは?
  2. 2.ご高配の対義語・類義語 
  3. 3.ご高配の使い方・例文
  4. 4.ご高配とご配慮の違い
  5. 5.ご高配を使う際の注意点
  6. 6.ご高配は他人が心をくばるという意味

ご高配の意味とは?

「平素は格別のご高配をいただき〜」という文章を文頭に良く使われています。仕事上特によく見かけますが、「ご高配」という言葉はどんな意味を持つかご存知でしょうか?

メールなどの文頭の挨拶の一文に使われている言葉である「ご高配」。「メール本文の内容とはあまり関係していないためか、ニュアンスはわかるけど、はっきりとした意味までは掴めていない」という方は是非本記事でご高配の意味、他の言葉との違いや使い方をご理解ください。

「ご高配」は自分を配慮してくれたことに対する感謝の言葉の意味を持ちます。どのような経緯でこのような意味になったか?まず「高配」という二文字に着目してみます。

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「高配」は「高」と「配」に分けることができます。「高」はその意味通り、「高いところから」転じて「良く見えるところから」という意味となり、「配」は「酒をならべる」から転じて、「ならべる」「配る」という意味になります。

上記の意味をつなげてみると、「良く見えるところに、並べてもらい」または、「地位のあるところに、並べてもらい」という意味となります。転じて「自分を良く扱ってもらい」という意味と解釈することができます。

本記事冒頭の一文「平素は格別のご高配をいただき〜」という文章を訳してみると、「平素=日頃は」「格別の=特別の」「ご高配を=(私にたいして)ご配慮を」「いただき=もらい(謙譲語:自分をへりくだり、相手を立てる敬語の一つ)」となります。

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「ご高配」とは自分を良く取り計らってくれたことへの感謝を表す言葉ですが、あまりに慣用的になりすぎて、本来の意味が見落とされがちでした。今回、意味を紐解くことで、ビジネスシーンなどでよく見かける理由がわかりました。

これから、この「ご高配」について、類語との違い、対義語、使い方、例文などを順を追ってご紹介いたします。ご高配を通して日本語特有の造詣をより深めていきましょう。

ご高配の対義語・類義語 

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まずはじめに、「ご高配」の対義語を調べていきます。「ご高配」がプラスになる言葉なので、必然的にマイナスになる言葉になりますが、どのような言葉があるのでしょうか?

直接の二字熟語としては見当たりませんが、「考えなし」という言葉があります。意味は「他人への思慮に欠ける様」という意味になります。または、高配に近い意味である「配慮」に無を加えて、「無配慮」という言葉が当てはまります。

次に、「ご高配」の類語について見ていきます。結構多くの言葉が見つかりました。気づかい(気遣い)、心づかい(心遣い)、配慮、思慮、深慮、計らい、取り計らい、思いやり(思い遣り)、気くばり(気配り)、労わり、同情、慰め、心配り、心入れ、などがありました。

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他人を思う、プラスの意味を持つ言葉が多く存在してました。改めて日本語の語彙の豊富さを垣間見ることができます。

気づかい(気遣い)は相手が自分に対して、神経を使ってしてくれることに対する感謝の言葉、心づかい(心遣い)は、気づかい(気遣い)の行為+心からの思いやりが加わった行為に対する感謝の言葉です。心づかい(心遣い)は気づかい(気遣い)と違い、さらに配慮した行為と見ることができます。

思慮はあれこれと考えをめぐらすことで、他人に対して思慮することで、類語となります。配慮は、あれこれと心をくばることで、そのまま意味が他人に対して当てはまる類語となります。深慮は思慮と違い、思慮よりも深く巡らした考えという意味です。

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計らいは、考えて、適切に処置する意味で、他人に対して計らうことで、類語となります。取り計らいも似たような意味で、物事がうまくいくように、処理するという意味です。

思いやり(思い遣り)は同情することで、気くばり(気配り)は失敗がないように、あれこれ気をつけること、労わりは相手の努力や苦労に対して、大事に暖かく接することで、いづれの言葉も他人に向けることで類語となります。

心配り、心入れはあれこれ気を使う意味で、他人に向けることで類語となります。以上、このような類語は使わず「ご高配」がよく使われる場合を、これから実際の例文と使い方を見ていきながらご紹介していきます。

ご高配の使い方・例文

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「ご高配」の実際の使い方を見てみます。この「ご高配」ビジネスシーンのみならず、生活のいろいろなシーンで使うことができます。4つのケース別に例文を交えてご紹介しますので、日常での使い方をイメージしてみてください。

例文①

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1つ目の使い方は、ビジネス上の冒頭挨拶文です。先述した、「平素は格別のご高配をいただき、誠にありがとうございます」または、「日頃は弊社の業務に関しまして格別のご高配を賜り誠にありがとうございます」など、メールなどで主に使われます。

冒頭文で社として、社の一員としてよく配慮してもらっているという感謝の念を申し伝えることにより、取引関係者との人間関係を円滑にすることにつながります。ご高配はその一助になる言葉です。その一文の挨拶が終わってから、業務内容が入る、という流れになります。

この例文の意味合いで「ご高配」が使われるビジネスシーンとしては、社外の取引先がメインです。社内の業務メールでは、あまりご高配という文言は使われません。社内の場合はもっとくだけた表現で、堅苦しくない言葉を選定した方が無難です。

例文②

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2つ目の使い方は、ビジネス上の締めの挨拶文として使われるケースです。例文としての使い方は、「以上何卒ご高配の程よろしくお願い申し上げます。」「不躾なお願いで恐れ入りますが、何卒ご高配の程よろしくお願い申し上げます」などのようになります。

上記のように締める文章は、その前段になにかしらのお願いごとが含んでいる内容をメールや手紙などの文面で記していることが前提となります。その内容を受けて、締めの文章となるのです。

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締めで「ご高配」を使う場合は、発信者が受信者から、これから「ご高配」を受ける立場である内容なので、「ご高配の程」位で止めて置いた方が無難です。「ご高配を賜りたく〜」などのフレーズですと、ちょっと押し付けがましい印象を受け手が抱いてしまう可能性があります。

また、締めで「ご高配」を使用する場合は、冒頭挨拶文で「ご高配」を使用しない方が無難です。「ご高配をいつも要求してくる」という意識が芽生えてしまい、場合によってはビジネスパートナーが煙たく感じてしまう可能性があります。

例文③

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3つ目の使い方は、お中元・お歳暮・婚礼などの返礼の葉書で使う用例です。例文としての使い方は「このような結構なお品を始めとしたご高配を賜りまして〜」「私共の結婚に際して御祝詞をご高配賜りまして誠にありがとうございます。」などのようになります。

上記のようなシーンはあくまで私事なので、ビジネスシーンの社外・社内どちらでも使えますし、プライベートな友達、親族など幅広く使うことができます。

こういったケースで「ご高配」という言葉をつかう場合、メッセージを受け取った親族や友人は「堅苦しい」と感じないものでしょうか?

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このシーンでの使い方「ご高配」は、既にしていただいたことへの御礼であり、催事の慣習上の挨拶でもあるので、こういったシーンで「ご高配」を使うことは、親族・友人などの親しい間柄でも問題ありません。厳に挨拶するということなので、普段のシーンとは違う意味合いになります。
 

例文④

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4つ目の使い方としては、新年会、結婚式、定年退職、送別会など実際のスピーチなどで使われます。大勢の前でスピーチするときは、公の挨拶なので、ある程度畏まることがマナーです。

新年会では、取引先や御恩の有る対象者に対して、「今後もますますのご高配の程、よろしくお願い申し上げます」などの締めの言葉で使えますし、結婚式では、新郎新婦が参列者に対し「この度はこのような御祝詞のご高配を賜り、誠ににありがとうございます」などで使うことができます。

定年退職、送別会では、発言者が参加者に対し、「本日はこのようなご高配を賜り、誠にありがとうございます」など、場を設定し、時間を自分のために設けてくれたことの御礼の言葉として使うことができます。

ご高配とご配慮の違い

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「ご高配」に最も意味が近いことばに「ご配慮」があります。「ご配慮」のほうが、日常で良く見かける言葉です。一見全く同じに見えるこの2つの言葉、同じ使い方をすることができるのか、違いがあるのかご紹介いたします。

「ご高配」も「ご配慮」も同じ意味であり「他人に対して心を配ること」です。しかし、「ご高配」と「ご配慮」この両者がイコールにならず、違いがある理由は、心を配る「主体」にあります。

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「ご配慮」は自分でも他人でも心を配る「主体」が誰であっても使うことができます。自分が心を配ることを表現する場合は「配慮」を使うようにしましょう。例えば、「自分は彼(彼女)に対して配慮が足りなかった」などの言葉で表すことができます。

この「ご配慮」に対して「ご高配」は自分の行為として、使うことができない言葉です。つまり「他人が別の他人もしくは自分に心をくばる」使い方になります。「配慮」とは違い、自分が主体にならないのでご注意ください。

ご配慮は心をくばるという意味

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上記のことから、「ご配慮」は心を配る意味になりますが、尊敬語の「ご」を外せば、「自分が、または自分以外の者が心をくばること」という意味になります。「ご配慮」は自分と自分以外=誰が主体でも使うことができるので便利な言葉です。

ご高配を使う際の注意点

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「ご高配」の使い方を例文を始めいろいろ見てきましたが、3つの注意点があります。1.自分に「ご高配」した対象が自分とどのような身分関係にあるか、2.「ご高配」を一文字で表した場合はどういう意味か、3.「高配」に似た間違いやすい語句はどんな語句なのかを順に紹介していきます。

1.は身分関係と関わってくる注意点なので、仕事上の人間関係に当てはめてイメージしてもらえれば、はっきり理解することができます。

「ご高配」した対象が自分より低い身分では使えない

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「高配」という言葉自体に「身分の高い者が身分の低い自分に対して、してくれた行為」という解釈は異論があり、はっきりとした定義づけはできません。しかし、「ご高配」は「高配」に尊敬語の「ご」をつけて「ご高配」という解釈には異論はありません。

「高配」に尊敬語「ご」をつけて、「ご高配」と成り立っている以上、社内メールで部下などに「ご高配」という言葉をつけたメールを発信することは、場にそぐわない表現と見ておいて差し支えないでしょう。

先述したように、部下などの身分を問わず、普段の社内業務メールに「ご高配」などを使わない方が無難です。オフィシャルの社外取引先であれば、「ご高配」の持つその「堅苦しさ」が畏っているとして、マナーが良く映ります。発注元でも受注元でも使える言葉です。

「高配」と同じ意味で「慮る」と表すこともできる

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今まで「ご高配」の使い方、類語、例文、注意点まで見てきましたが、この言葉を一字で表現する場合は「慮る」となります。読み方は「おもんばかる」又は「おもんぱかる」になります。

「彼の立場を慮って出征することにする」「母の心情を慮って帰郷する」「他人を慮る人間になりたい」などいろいろ自由に文をつくることができます。

「相手のことを思い、いろいろ心を配る」という意味で、「高配」と同じ意味になります。ただ、「高配」と違うところは、慮る「主体」に制限がなく、誰でもあてはまる言葉です。この意味で、「配慮」に近いニュアンスになります。また、「慮る」にはもう一つの意味があります。

「慮る」は「はかりごとを立てる」という意味もある

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「慮る」のもうひとつの意味は、「はかりごとを立てる」という意味になります。現代風に言えば「プランニング」や「計略」という言葉に置き換えることもできます。昔であれば、軍事的な戦略、現在であれば、商業的な戦略などに当てはめることができます。

「交配」は違う意味になるので書き間違え注意

Photo byabdulmominyottabd

最後に似たような語句にも触れておきましょう。「高配」と「交配」読み方も「こうはい」で字数も同じです。しかし「交配」は「高配」とまったく意味が異なります。ビジネスのメールなどで、くれぐれも間違って使用しないようにしましょう。

「交配」は次世代を得るため、生物の2個体で受精や受粉を行うことを指します。生物学的な表現で「かけあわせ」とも言います。野菜や果物などの植物にも犬や猫などの動物にもつかわれます。よく「新品種を開発するために交配させる」という使い方をすることができます。

ご高配は他人が心をくばるという意味

Photo byHans

「ご高配」の意味、使い方、例文、類語、他の言葉との違いを見てきました。ビジネスメールなどで、冒頭や締めの文で多用しているにも関わらず、肝心な内容に目がいってしまい、意味が後回しになっていた感がありましたが、本記事で全貌が明らかになりました。

「ご高配」は自分の行為には使えないということを念頭においた覚え方の一つとして「ご高配するのは他人」と記憶しておいてください。「こんな場合に使えるかどうか」と迷った時に、本文が一助になれれば幸いです。

SDA
ライター

SDA

本記事をお読みいただきありがとうございます。近頃はイベント自粛で何かと我慢な日々ですね。ただ最近は、家の中でも新たな発見があるものだと気づかされました。今後はインドアならではのお役立ち情報があれば、記事の通じてどんどん発信していきたいです。明るく取り組んでいきますのでよろしくお願い申し上げます。

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