卓球のチキータとはどんな技?打ち方のコツや練習方法も紹介!

卓球のチキータとはどんな技?打ち方のコツや練習方法も紹介!

卓球の打法の一つに「チキータ」があります。これは近頃多くの卓球選手が使う技術として知られています。本記事では「チキータ」の打ち方や練習方法、コツ、由来などをご紹介します。「チキータ」を習得したい方や卓球のテクニックに関して興味のある方は必見です。

記事の目次

  1. 1.卓球のチキータとは
  2. 2. 卓球のチキータのメリット・デメリット
  3. 3. 卓球のチキータの打ち方のコツ
  4. 4. 卓球のチキータの練習方法
  5. 5. 卓球のチキータの歴史
  6. 6. チキータは卓球の上達に欠かせない技

卓球のチキータとは

Photo byHuskyherz

みなさんは「チキータ」をご存じでしょうか。卓球に関するテレビ放映でも最近よく耳にする用語です。「チキータ」とは台上で強く回転をかけて返球する打法です。これは卓球界では王道且つ必須のテクニックとして多くの卓球選手に使われるようになりました。

これより具体的な打ち方や練習方法、コツ、由来などをお話ししていきます。日頃卓球をされる方はもちろんのこと、試合を観戦される方や卓球に興味のある方も、このよく使われる技法を知ることで卓球の面白さ、楽しさが更なるものになるでしょう。

自分で回転をかけ直して返球する

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チキータとは近年に発達した返球技法で、球がアメリカ産のチキータバナナのように曲がるところに由来し、このように呼ばれるようになりました。台上に来た球に対し、バックハンドで強く回転をかけて返球します。手首の反動や回転のかけ方により多様なパターンがあります。

では、ここでいうバックハンドとはどのような意味でしょうか。以下の項目でバックハンドの技法について詳しくお伝えします。

バックハンドとは

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バックハンドとは、ラケットを握っている方とは反対側に来た球を返す打法のことを言います。つまり、右利きの場合は左側で球をとらえるということです。バックハンドに対し、ラケットを握っている方に来た球を返球する打法は「フォアハンド」と言います。

フォアハンドとの大きな違いは、バックハンドは返球するボールに回転がかかる点で、この回転が相手のミスを誘いやすくします。ラリーを続けて次の攻撃に備える役割を持つ一方で、得点に繋がる攻撃性も持ち併せているため卓球の上達には欠かせない技術と言えます。

チキータは大きく分けて2種類あり、1つ目はボールに上回転をかける「トップスピン」で別称「台上バックドライブ」と呼ばれています。2つ目は横回転をかける「サイドスピン」で、威力重視の「トップスピン」に対していかに相手にとって返球しづらいボールを返すかを重視した打法です。

卓球のチキータのメリット・デメリット

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これまでレシーブはサービス側にいかにチャンスを与えないようにするかが重要であり、攻撃より守備が基本でした。しかし、チキータが開発されたことによって立場に関わらず、積極的に攻撃できるようになりました。

つまり、これまではサーバーが圧倒的に有利だったのが、レシーバーの方がむしろ有利という状況も出てくるほど構図に大きな変化をもたらしたのです。ここではチキータを用いることのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

チキータのメリット

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チキータのメリットは数多くありますが、その中で厳選した3点をご紹介します。1点目は低く飛んできた球も強く返球できる点です。

本来、低い球を強く返球した場合、ほとんどがコートを超えて飛んで行ってしまいます。ところが、チキータは回転がかかっているため、空気抵抗が生まれ球が弧線を描くようにコートに入ります。

2点目は、球の回転により相手のミスを誘い、先手が取りやすい点です。強烈な回転がかかっている球の返球は非常に難しく、返球した球の軌道を読むことが困難です。そのため相手のラケットの角度を狂わせたり、相手のコートに触れず失点するオーバーミスを誘うことができます。

そして3点目が相手の回転を無効化できる点です。チキータは様々な回転のサーブに対応できる打法であり、自分に有利な球運びが可能となります。つまり、チキータはレシーブ技術として安定的で尚且つ攻撃的な打法と言えるのです。

チキータのデメリット

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デメリットについても3つに絞ってお伝えします。まず1つ目はロングサーブなどの長い球に対してのリスクです。チキータは短く低い球に対して有効な打法であり、台に近い位置に立つことが基本です。そこに長い球が来ると返球が甘くなり、相手にとって有利な展開となってしまいます。

2つ目はコースが読まれやすい点です。チキータは意識的に行なわない限り、相手のミドルやバックに球が行くことが多いため、あらかじめコースに回り込まれて反撃に遭う可能性があります。そのため連続して使うことはリスクがあると言えます。

3つ目はチキータを見込んだ攻撃に遭う可能性がある点です。チキータが脅威的な技術であることは卓球界では誰もが把握していることであり、チキータに対抗する戦術も発達しています。よってそのような戦術を踏まえた上で使用することが重要です。

卓球のチキータの打ち方のコツ

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上記のようなメリット・デメリットを通じて、どんなに有効的な技術であっても、一つの戦術に頼ることなく相手から繰り出される球に対する予測をしながら様々な打法を駆使することが重要であることはご理解いただけたのではないでしょうか。

ここからは実際にチキータを活用するためにはどのような点に気を付ければ良いか、打ち方のコツについて詳しく説明していきます。

球を横からとらえる

Photo by Hammad Khan's Photography

まず打ち方のコツの1つ目として挙げられるのは、球を横からとらえるということです。サーバーからの球にも少なからず回転がかかっており、正面から球を返球した場合その回転をダイレクトに受けることになります。

チキータを確実に成功させるためには、相手から来た球を横からとらえる、つまり回転軸を外すことが重要な鍵となります。安定的なチキータを取得するのであれば、真横からとらえることが基本となりますが、威力を重視する場合は横下・横上からとらえると様々な回転をかけることができます。

力を抜く

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打ち方のコツの2つ目として挙げられるのは力を抜くことです。体全身に力が入っているとラケットの適切な面で打つことが困難になります。

その上、手首のスナップを上手く利かせることができず、球に回転がかかりません。そのため力を抜くことは威力的なスピンのかかった球を安定的に繰り出すための重要な要素の一つと言えます。

球をしっかりと擦る

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球を横からとらえて相手の球の回転軸を外すことは先程お伝えしましたが、自分の返球する球に強く回転をかけるためにはこの球をしっかりと擦る打ち方が重要となります。これは相手の球の回転軸を外すことにも有効的であり、安定的な打球には必須であると言えます。

球をしっかりと擦るコツとしては手首を柔軟に使うことです。肘を軸としてラケットの先が下を向くように手首を曲げます。これが中途半端だと放った球がネットに引っかかってしまうため、日頃の練習で手首の筋力をつけることが必要です。

球を引き付けて打つ

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打ち方のコツ4つ目は球を引き付けて打つ点です。これを実行することで球の回転数が向上し、より安定した返球が可能となります。また、相手から来た球の頂点をとらえることで安定感が増します。

球が頂点まで達するまで引き付けるためには時間を要します。サーブの長さによってこの時間も変化するため、相手の動きを見極め素早く反応する練習が必要です。

ラケットの先端でとらえる

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打ち方のコツの5つ目はラケットの先端でとらえるという点です。ラケットの面により球にかかるスピードや回転が異なってきます。つまりは、ラケットの先端の方がスピードも回転もより向上します。その上、相手の球の回転も抑え込むにも有効的です。

非常に技術力が高く日頃の地道な練習が必要となります。しかし、一度このコツを掴めば相手の球の回転を抑え込むのみならず、強力な回転のかかった攻撃的な技術を取得することが実現します。

チキータを打ちやすいラバーを選ぶ

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最後の打ち方のコツとしてチキータを打ちやすいラバーを選ぶ点が挙げられます。チキータは技術力の他ラバーのグリップ力も非常に重要です。弾みが強すぎるラバーでもグリップ力が弱いラバーでもなかなか上達が見込めません。では、どのようなラバーがチキータにとって最適なのでしょうか。

Photo by orvalrochefort

ラバーが平たく摩擦力の大きいものは球に回転をかけやすく、コントロール力があります。一方、表面に凹凸があるものは相手の球の回転から影響を受けにくく、スピード感があるのが特徴です。

ラバーの厚みによっても球の威力やコントロール力が異なります。ラバーの厚みが薄いものはコントロールに優れ、確実に返球する場合に有効的です。それに対してラバーの厚みが分厚いものは球が弾みやすく攻撃的な打法に適しています。

卓球の熟練度により最適なラバーはそれぞれ異なりますが、初心者の方であれば中くらいの厚みでラバーの重みが少なく打球感に優れたものが適していると言えるでしょう。

卓球のチキータの練習方法

Photo bygeralt

ここまで5つのチキータの打ち方のコツをご紹介しましたが、理屈で球のとらえ方を理解し実際の練習を通じて感覚を養うことが大切です。チキータの技術の研究と実践、その双方に取り組むことでより安定的且つ攻撃的なチキータを取得することが可能となります。

すでにお伝えしたチキータのコツの他にも、立ち位置やフォームも重要な要素の一つです。それでは、それらを取得するためにはどのような練習方法が適しているのでしょうか。これより大きく3つに分けて練習方法をご説明します。

自分の体の正面で打つ

Photo bydjimenezhdez

1つ目の練習方法は「自分の体の正面で打つ」です。これにより打球にコントロールが効きやすくなりチキータの成功率が上がります。この姿勢はチキータだけでなく、バックハンドの打法全てに共通するため非常に重要な様子です。

体勢を低くして打つ

Photo bydjimenezhdez

2つ目の練習方法は「体勢を低くして打つ」です。体勢を低く保つことで、相手から放たれるどんな球にも臨機応変に対応しやすくなります。つまり、フットワークが素早くなるということです。

これはチキータに限らず全ての卓球技術において基本の姿勢になります。低い姿勢の方がスイングするためのスペースが生まれ、スムーズかつ安定的に技を繰り出すことができます。

肘を高い位置におき肘を前に出して構える

Photo bydjimenezhdez

そして3つ目の練習方法は「肘を高い位置におき、肘を前に出して構える」です。2つ目の練習方法である体勢を低くすることと同様、肘を高い位置に置くことでスイングのスペースが生まれます。

肘を軸として、手首をしっかり効かせることが球をしっかり擦り上げる、つまりは強い回転とスピードを出すために重要なポイントとなります。

卓球のチキータの歴史

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今では標準的な技術として普及しているチキータですが、その由来とはどのようなものでしょうか。ここからは「チキータ」という名前の由来とチキータが標準化するまでの軌跡を詳しくご説明します。

名前の由来はチキータバナナ

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チキータの由来は、1980年代から2000年代前半に活躍したピーター・コルベルというチェコの卓球選手に始まります。コルベル選手が10代の頃、ジュニア・ナショナルチームの練習中に遊び心で考案したと言われています。

そして1990年のヨーロッパ選手権という公の場で初めてその技術を披露し、卓球界を震撼させました。バナナのようにカーブする様に見えるその球の軌道に由来し、アメリカのバナナブランドである「チキータバナナ」から名付けられたのでした。

コルベル選手は独創的で遊び心に富んだ選手として知られており、当時のチキータは誰にも使いこなせない彼の代名詞のような唯一無二の技術でした。それでは、現代の一般的に普及されるようになった由来は一体どのような経緯があるのでしょうか。

チキータは中国が改良し広まった

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卓球界に広くこの技術が普及した由来として張継科(チャンジーカ)という中国人選手が挙げられます。彼は卓球選手の中でもいち早くチキータの可能性を見出し、ワールドカップやオリンピックで完全制覇。世界中に衝撃を与えました。

チキータが生みだされた当初はサイドスピンをかけて繰り出す打法のみだったのに対して、さらにトップスピンをかけるチキータが張継科選手によって開発・改良されました。これにより、多くの選手が使いこなせるようになり、卓球界に広く普及することが実現しました。

チキータは卓球の上達に欠かせない技

Photo byHuskyherz

ここまでチキータのメリット・デメリットをはじめ、練習方法、由来などをお伝えしてきましたが、項目が多くて何から手を付けたら良いか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最後のまとめとして何よりも優先的にまず意識すべきことを改めてお伝えします。何にも増して重要なことは、球のとらえ方と基本の姿勢を理屈で理解することです。

上記でご説明したコツや練習方法がどのように有効なのか。一つ一つの姿勢や動作がチキータではどのように作用するのか。これらを頭で十分理解し、実践を通じて感覚を磨くことで初めて本格的な技術を取得することができるのです。

ヨーロッパに由来し、中国で改良されたチキータは今では多くの日本人卓球選手にも使われています。バリエーションが広く、威力的な球を安定的に繰り出せる良いことづくめのこの打法は今や必要不可欠の技術です。つまり卓球の上達には欠かせない技術と言えるのではないでしょうか。

kayaka89
ライター

kayaka89

毎日の習慣や気付きが人生を形作っていると感じています。何事にも好奇心を持って、失敗を恐れずにまずは挑戦してみる。そこには常識や固定観念を超えた新しい価値や概念が開かれるかもしれません。人々が人生をより良くするために何かしら行動するきっかけとなるような記事を届けたいと切に思いながら執筆を行なっています。

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