「生かす」と「活かす」の違いや使い方を解説!就活や履歴書での使い分けも!

「生かす」と「活かす」の違いや使い方を解説!就活や履歴書での使い分けも!

「生かす」と「活かす」の違いや使い方を正確にご存知でしょうか。今回は「生かす」と「活かす」について就活の履歴書での使用法や2通りの例文を交えてご紹介していきます。正しい使い分けを知ることは、教養ある文章作成に役立つので、参考にしてみてください。

記事の目次

  1. 1.「生かす」と「活かす」の違いとは
  2. 2.「生かす」と「活かす」の使い方
  3. 3.履歴書では「生かす」「活かす」どっち?
  4. 4.「生かす」を使うのが無難な場合
  5. 5.「生かす」と「活かす」の例文
  6. 6.「生かす」「活かす」が使われた名言・格言
  7. 7.「生かす」と「活かす」は正しい使い方をしよう!

「生かす」と「活かす」の違いとは

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同じ「いかす」と読むものの、「生かす」と「活かす」とでは違いがあります。違いや正しい使い方を知っておくと、非常に役に立ちます。例えば就活で履歴書に、自己アピールとして趣味や特技、社会経験や資格を書く際も、適切な言葉選びができるようになります。

例えば、正しいのは「業務に生かしていきたいと思います」なのか、「業務に活かしていきたいと思います」なのかがわかるようになります。同音異義語(どうおんいぎご)の使い分けができることは、人生を豊かにすることにも繋がります。

日本のように、漢字・ひらがな・カタカナと、複数の表記を使い分ける文化を持つ国はあまりありません。漢字は中国から流入してきたものですが、日本人の様々な「物事の捉え方・バリエーション」から、中国から伝わってきた以上の使い分けがされるようになりました。それではさっそく「生かす」と「活かす」の違いについて詳しくご紹介します。

常用漢字かどうかの違い

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大きな違いは、「常用漢字かどうかの違い」です。常用漢字とは、一般的な社会生活での漢字使用時の目安として定められた漢字のことです。公の文書や多くの人の目に触れる文章を作成する際には、この「常用漢字」を選択することが良しとされています。ではさっそく「生かす」と「活かす」が常用漢字と照らし合わせてどうなっているか確認します。

「活かす」は、常用漢字ではないため、決まったシチュエーションのみで利用可能です。「生かす」は、常用漢字であるため、どんな場面でも代用も可能です。

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文化庁が監修している「常用漢字表」でも、「生かす」は記載がありますが、「活かす」は記載も使用例も挙げられていないことがわかりました。

常用漢字は「迷ったらそちらを使えば間違いない」という指標になりますので、「いかす」という言葉を感じに直す際は、「生かす」の方が当たり障りのないチョイスになります。

意味は殆ど同じ

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同音異義語とは言いましたが、「生かす」と「活かす」の意味はほとんど同じです。どちらも「効果的に活用する」ということを表現しています。ほとんど、と表現したのには、「生かす」と「活かす」を使い分けるポイントが若干異なるためです。

「生かす」は生きる・生命の「生」の字を使っていることからも分かるように、命など生命を保たせることを意味する際に使います。一方で「活かす」は、命などを保つ、という意味では使いません。活動する・活用するの「活」の字を使用していることからもわかるように、命とはかかわりのない部分で使われます。

例えば経験や能力、才能や性質・特質、時間などに対して使われます。そのため、「せっかく授かった命を活かす」とは使えないようになっています。

「生かす」と「活かす」の使い方

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それではさっそく「生かす」と「活かす」の使い方について、より詳しく解説していきます。違いをはっきり理解し、使い方や使い分けを知ることで、日本人として・社会人としての教養の1つが身についたと自負することもできます。

「生かす」と「活かす」の使い分けは、日本の四季のように、独自の文化といっても過言ではありません。豊かな日本人の心・感覚を如実にあらわしている一例でもある「生かす」と「活かす」の使い分けについても、あなたも楽しみながら学んでいってみてください。

また、マスターすることで、「どちらを使えばいいんだろう?」と悩むこともなくなりますので、参考にしてみてください。

「生かす」は命に関するもの

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前述したように、「生かす」は命に関わるものに対して使用されます。「生かす」反対の意味を持つ言葉が「殺す」であることからも、それは明らかです。命を保たせることを意味していることから、動物・植物・人間など、命を持つ対象が主語になる際に使われるようになっています。

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「~を生かせずに終わった」と逆に考えてみると、使い分けしやすくなります。「生かせずに終わった」と文章を終わらせた際に「生かす」と使いたいものごとの主語が「死んでしまう」「殺されてしまう」「生命活動を終えてしまう」なら「生かす」で正解です。「生命」に関わるものなのか「生かす」ことで生命を保つことにつながるのか?で判断しましょう。

「活かす」は活動や活用などの機能面に対して

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「活かす」は活動や活用などの機能面に対してのみ使われます。常用漢字ではありませんので、正しい使い方以外での使用は、誤りとなり、教養のなさや知識の薄さを露呈させる結果となってしまいますので注意しましょう。「活かす」はシチュエーションをよく検討し、使う時は慎重になるべきです。

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常用漢字ではないことから、「生かす」が、「活かす」を書く場面で併用できるのとは違い、「生かす」と書く場面で「活かす」と書くことはタブーであることに注意が必要です。

例えば、「活かす」を使うのに一般的な主語に、「努力」「経験」「能力」といったものがあります。

履歴書では「生かす」「活かす」どっち?

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就活の時の履歴書に使うのは「生かす」と「活かす」のどちらなのか使い方に悩まれるかもしれません。履歴書や職務経験・経歴書に書く時には、適切な言葉を選ぶことが、書類選考の結果や教養のアピールに伝わります。就活や試験など、真剣勝負の場で失敗せず文章を書きたいと思ったら、「生かす」を使うといいでしょう。

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違いを知って正しい使い方をすることで、就活に有利になるよう努めましょう。使い分けに悩んだら、「~をいかせずに終わった」と逆の文章で考えてみてください。何らかの生命が絶たれることはないシチュエーションである場合は「活かす」が正解です。

ただし極端なことを言えば、「生命を保つ」という時は「生かす」を使うのが最適だが、どんな場面の「いかす」でも、「生かす」と書いて間違いはない、ということです。

就活の履歴書では「活かす」

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就活の履歴書で用いる正しい使い方は、「活かす」を選ぶことです。違いは先に説明したように、「生かす」が生命活動に関して使われるのに対して、「活かす」が活動や活用など機能面に関して用いられるためです。能力は「機能面」に値するので、「活かす」を使うのが正しい選択となります。

ただし、「生かす」は常用漢字であることから、「生かす」を履歴書に使っても間違いではありません。当日の筆記など違いや使い方がどうだったか失念してしまったら、「生かす」の方を使っておけば誤りを犯さないで済みます。

また、もし新聞社や出版社での筆記試験で「いかす」という文言を書くことがあれば、「生かす」を使う必要があります。それは、公文書や公に後悔される文章では、常用漢字を使うことがルールであり、それを試されている可能性があるからです。

知識や経験を活用したい場合

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就活の際は、履歴書や職務経歴書に「これまで経験してきたこと」「持っている資格や知識」を業務に役立てられることを自己PRとして記入する欄があります。知識や経験は、その仕事に活用することで、機能的に働き、業務を円滑に進めるのに一役買うことになりますので、「活かす」という使い方が最良となるのです。

このように、機能面にのみ対して使われる漢字なので、「命を活かす」とは使いません。使うことは「生かす」の時とは違って、「間違い」となるので、気を付けましょう。

かのビル・ゲイツ氏の格言にも「成功を祝うのはいい。しかし、もっと大切なのは失敗から学ぶこと。失敗をどう活かすかで、どれだけ社員の発想や才能を引き出し、変化に対応していくことができるかがわかる。だからどの会社にも、ミスをしてそれを最大限活かした経験のある人が必要だ。」というものがあります。

「生かす」を使うのが無難な場合

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「生かす」を使うのが無難なのは、大きくわけて「使い方がどちらかはっきりしない微妙なラインである」「就活での当日の筆記試験で使い方を失念してしまった」「新聞や雑誌などの公文書の作成をしている」の3つのシチュエーションです。

有効に使える伸びしろを潰さない、という風にも解釈し、能力を生かす、経験を生かす、才能を生かすといった風にも使うことができます。経験に関しても、その経験を殺さずに保たせていく、ともとれるので「生かす」が使えます。使い方がはっきりしない場合や、どっちだったか度忘れした時は、常用漢字でもある「生かす」を使えば間違いありません。

また正式書類などでは、当て字として判断されないためにも、常用漢字として認定されている「生かす」の方を使うのが妥当であり、ルールでもあります。

新聞や雑誌などの公文書では「生かす」

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新聞や雑誌などの公文書では「生かす」を使いましょう。公文書における漢字使用のルールは「常用漢字表による」と定められているためです。例えば、多種多様な予測のつかない人の目・公に触れる新聞や雑誌、その他にも仕事で作成し提出する書類なども公文書における常用漢字表ルールが適用されます。

生命にかかわるもの以外でも、何かを活用する、という目的で「活かす」を用いるシチュエーションでも「生かす」で代用することが可能です。

「生かす」と「活かす」の例文

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では、「生かす」と「活かす」を使った例文をご紹介したいと思います。「生かす」は生命の「生」の字が使われていることからもわかるように、命や生命が保たれ活用される、という時に使われる漢字です。一方で「活かす」は機能面など、能力・才能・経験など物事に備わったものが力を発揮する際に活用される、というときに使われる漢字です。

作家エルバート・ハバードの「落伍者とは、手痛い失敗をしたのに、その経験を活かすことができない人のことである。」という有名な言葉にも使われています。

文章を書く時や就活のために履歴書を作成するとき、子供の国語の勉強を見てあげる時など、様々なシチュエーションであなたの力となり、教養となりますので、ご確認してみてください。

釣った魚を「生かす」

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釣った魚を殺さず「いかす」時には、「生かす」を使います。これは、魚の命を保つということから、生命に関することと判断できるためです。その他にも、「生かす」を使った例文には次のようなものがあります。参考にしてみてください。

「その医師は優れた医術で事故に遭った子供の命を生かした。」「犯人は身代金を受け取り、拉致していた女性を生かした。」「強盗犯は顔を見られた相手に「このままでは生かしておけない」と言った。」などです。

その他にも「罠にかかった動物を生かしてやった。」「枯れかけた花に水をやり生かすことに成功した。」があります。

能力を「活かした」仕事に就く

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能力を「いかした」仕事に就く、というときは「活かした」を使います。これは、能力という機能面を活動・活用しようとしていることと判断できるからです。その他にも「活かす」を使った例文には次のようなものがあります。「活かす」は適切な場面でのみ使える漢字ですので、しっかり使い方を理解しておきましょう。

「就活の面接で「自分のこれまでの社会経験を活かした活躍をします」と自己PRした。」「履歴書の資格・経験の欄に「大学で培った英語・英会話力を活かしていけると思っています」と記入した。」などは「活かす」を使います。

その他にも「部活動での部長の経験を活かしクラスをまとめた。」「人間の心理を活かしてマーケティングに活用した。」「空いた時間を活かして読書を楽しんだ。」といった使用例があります。

「生かす」「活かす」が使われた名言・格言

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「生かす」が使われた名言には、武者小路実篤が言った「この道より我を生かす道はなし、この道を行く。」というものが有名です。松原裕さんが言った「人生とは人を生かすこと。そしてその人に生かされて人生。感謝。」という言葉はSNSでも拡散され話題になりました。

他にも、谷川浩司さんが言った「大事なのは、負けた経験や挫折感を、後の人生でどう生かすかです。 生かすことができれば、負けや失敗は長い人生の中で失敗にならなくなる。むしろ、とても大切な糧にできる」というのも感慨深い名言です。

「活かす」が使われた名言には、イチローさんの「憧れを持ちすぎて、自分の可能性を潰してしまう人はたくさんいます。自分の持っている能力を活かすことができれば、可能性は広がると思います。」というものがあります。

「生かす」と「活かす」は正しい使い方をしよう!

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「生かす」と「活かす」には、意味に若干の違いがありますので、正しい使い方をしましょう。適切な漢字を使えることは、あなたの教養や育ちを表すことにもつながります。2つの言葉を上手に使い分けることで、日本人としての豊かな文化を身近に感じる些細な喜びを感じられることにもなります。

どちらを使えばいいか迷ったら「~をいかせずに終わった」と逆の結果の文章に置き換えて考えてみてみましょう。もし逆の結果の文章に書き換えた際に、主語となる対象が「死ぬ・殺される・生命活動を終える」ことがあれば、それは「生かす」が正解です。

「生かす」にすべきか「活かす」にすべきか悩んでしまったら、「生かす」が常用漢字であることから、「生かす」を使用すれば、表記を失敗したり誤ったりすることはありません。
どうしても困ったら常用漢字を指標にしましょう。

岩本
ライター

岩本

よろしくお願いいたします。

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