シリコンオフとは？成分・使い方・おすすめパーツクリーナーをまとめて紹介！

車の外塗装に大きく関係するシリコンオフとはいったいどのようなものなのでしょうか。この項ではちょっと聞いただけではすぐに分かりづらい「シリコンオフ」とはどのようなものなのかについて、パーツクリーナーとの違い、おすすめのアイテムなどをまとめて紹介しています。

また具体的な使い方に加えて、シリコンオフの成分から考える類似製品の紹介や、代用品として使えるのはどのようなものなのか。さらには使用する上で注意しておかなければならないアレコレについてもご説明します。

シリコンオフとは、塗装やステッカーを貼るときに行うクリーニング、もしくはクリーナーそのものの事をさします。つまり、塗装やステッカー貼りの時に、塗付面や貼付面を綺麗に磨くために使われる道具や、その作業のことをさすのです。

車の汚れはその主成分が「油」であることが多く、これを分解しなければ綺麗に汚れが落とせません。そこで「シリコンオフ」が可能な成分を含んだクリーナーを使うことで、しっかりと汚れを落とし切ることができるのです。

シリコンオフを塗装前やステッカーなどの塗付前にするその最大の理由は、「車の表面に油汚れがのこったまま」、というのが極めて大きな問題になるからです。表面に油汚れがのこったまま塗付や貼付をおこなうと、せっかくの塗装が簡単に落ちてしまうのです。

せっかく一生懸命に気泡が出来ないように、だとか塗りムラが出来ないように気を付けて塗料を塗ったり、中に空気が入らないように、よれたりしないようにと気を使って貼ったステッカーがあっさり剥がれたら目も当てられません。

そうした事が起きないようにするためにも、シリコンオフなどのクリーナーを使うことで、効果的で確実な油汚れの除去を行うとともに、塗付や貼付のための準備を整えることができます。

シリコンオフの使い方を知る前に、どのようなシリコンオフの製品やタイプがあるのかについて知っておきましょう。次いでおすすめ、もしくは代表的なシリコンオフ製品について紹介しています。

それぞれに具体的な使い方もちがいますし、得手不得手のある使い方となっていますので、使う前には十分に使い方を本体の表記などから確認してから使うようにしましょう。

また、タイプによっては別に道具を揃えなければ、そのままでは使えないタイプもありますので、あらかじめそうしたタイプ用の道具を取り揃えてかの使用をおこなうように注意しましょう。

最も基本的な使い方で紹介されるスプレータイプのシリコンオフです。代表的なシリコンオフ製品もスプレータイプが多く、下記でおすすめしているシリコンオフもこのスプレータイプを紹介しています。

スプレータイプの利点はその手軽さと、スプレーを吹きかけるだけで簡単に塗付出来る点、さらに幅広くスプレーしたり細かい点にスプレーしたりと調整も比較的しやすいところでしょう。

しかし、空気中に広く散布されるのがスプレータイプの利点ですが、同時にスプレータイプは吸い込んでしまう危険性も同時にはらんでいます。マスクの着用や風上からスプレーするなどの予防はしっかりと考えてスプレーしましょう。

成分をしっかりと塗付できるならシートタイプが有効です。洗浄に加えて脱脂と汚れの拭きとりまでがまとめて一気におこなえるため、部位によって使い分ける使い方がおすすめです。成分内容がスプレータイプとやや異なるので、パーツクリーナーともまた違った用途別の使い方が可能です。

ただ、シートタイプは価格のわりに使える枚数に限りがあり、車全体のような幅広く使うような用途にはむいていません。あくまでも必要になる箇所を重点的に集中して汚れを落とすようにして使う方法が向いています。

液体タイプのシリコンオフを筆を使って塗っていくタイプです。代用品などの使用の際も、手荒れを防ぐためにも筆を使用することをおすすめします。ピンポイントでの作業には向いていないスプレータイプとは違い、ごく部分的な細かい脱脂におすすめのタイプです。

こちらも全体やエリアで油汚れの除去を行うには向いていないタイプです。乾きが遅めのタイプが多いのは、そうしたごくごく部分的な限定箇所を徹底的に除去したいような場合や、手や指では届かないような細かい部分を清掃するのに向いているタイプです。

プロのカーメンテナンスエンジニアが使用する大容量タイプです。一般的に販売されている先ほどまで紹介してきたタイプとは異なり、完全にシリコンオフ剤のみの販売形式になります。

使い方として別途塗付用の道具として、エアポンプや筆、専用のクロスなどを用意する必要がありますが、車全体のワックスを除去したい時など、大量に消費しがちな場面にはおすすめの購入方法です。

車の表面の汚れを構成する主成分である油を脱脂することで綺麗におとしてしまうシリコンオフの主成分は薬剤です。そのため不用意に吸引し続けた場合などは中毒症状を引き起こす可能性があります。

そのようなシリコンオフの使い方で注意したい事が挙げられるような要因として、その主成分が劇物の一種であることが挙げられます。

シリコンオフを構成している成分は、「第一石油類」もしくは「第二石油類」などと表現されています。つまりどういう物かというと「有機溶剤」と呼ばれる薬品、となります。有機溶剤には3種の成分ごとの分類があります。

基本的に「危険物」として指定されている有機溶剤はいくつか指定されている種類の薬剤をさす分類ですので、基本的に取り扱いには危険物取り扱い免許が必要もしくは取り扱い方法に規定があります。

業務用の有機溶剤のなかでも比較的単純な構造をもつ液剤です。ほとんどの油脂を溶かす単純ながら非常に強力な有機溶剤で、区分は二種に該当します。無色で水にも溶けるのでさまざまな用途に使用されています。シリコンオフの代用としても使用できますが、取り扱いには免許が必要です。

ブドウ糖の嫌気的発酵の一つのアセトン-ブエタノール-エタノール発酵によって生成されるほか、正常な代謝プロセスの結果として人体でもケトン体から自然に生成される物質です。体内脂肪の利用が高まると、体内で生成される量が増えることが分かっています。

こちらも第二種に分類される有機溶剤で、取り扱いには危険物取り扱い免許の取得が必要な薬剤です。使用されている場面では、染料や顔料、油性ラッカーや油性ニスなどや、白アリの駆除剤にも使用されています。シリコンオフの代用にはおすすめできません。

石油中に含まれる物質で、薬剤などの原材料として使われています。古くから医療用としてもちいられてきた経緯がありますが、人体への毒性がどうしても影響があったために、無害の代替品への切り替えが行われています。

同じく第二種に分類される有機化合物のクレゾールは、特徴的な薬品臭を出すことで知られる三種の薬剤を総称したものです。すべて腐食性があり、皮膚に触れると爛れなどの原因になります。こちらもシリコンオフの代用品にはおすすめできません。

石油の生成からうまれるコールタールをさらに蒸留することで生成される有機溶剤です。混合物のまま使用されることもありますが、オルト、メタ、パラの三種類の異性体に分けて4分離精製して使われます。

強い引火性から劇物として指定されているため、単体での取り扱いには免許を所有している必要がありますが、アルコール類や油類への可溶性が高いためにシリコンオフへの代用におすすめできる有機溶剤です。管理濃度などにもハッキリと指定があるため、無免許での使用は絶対にやめましょう。

第4種危険物として指定されているメタノールは、比較的私たちの生活になじみ深い有機溶剤の一つです。揮発性の高さや毒性による危険性はあるものの、アルコールランプの原料などに使われており、シリコンオフへの代用品としても有用です。

ジエチルエーテルとも呼ばれる有機化合物。エーテルと呼称する場合の多くはこれをさします。クロロホルムなどの替わりとして麻酔薬につかわれていた経緯があり、現在も維持麻酔として使用されています。飲用されていた歴史もある溶剤で、シリコンオフの代用としてはおすすめできません。

第三種有機溶剤ならびに第4種危険物に分類される、馴染みぶかいガソリンですが、その揮発性の高さから「揮発油」と呼称される液体です。危険物に該当するため取り扱いには基本的に規制が設けられており、臭いもきつくシリコンオフの代用品としてはおすすめできません。

シリコンオフの使い方について、使い方のポイントや使い方のコツを記載しています。どういったところに注意すべきなのか、どのような方法や順番が基本的な使い方なのかについて解説しています。

いざシリコンオフを手に取って「使い方が良くわからない」という状況に陥らないように、しっかりとシリコンオフの使い方について確認しておくようにしましょう。

どれほど優秀な洗浄成分をもっているからといって、全ての汚れに対応できるわけではありません。たとえば、少し大きな小石や砂利、砂のような視認できるサイズの大きな汚れやゴミまでは対応できません。

それどころか、そうしたゴミや汚れをのこしたままシリコンオフやパーツクリーナーで拭き上げてしまうと、砂粒やゴミが巻き込まれてやすり掛けのような効果をつくってしまい、細かいキズや塗装剥がれをつくってしまう原因になります。

使い方の注意点として、あらかじめ洗車などで細かいゴミや大きな泥などの、傷や余計な問題をつくる原因になるよごれは、なるべく綺麗に洗浄することをおすすめします。

使い方としてシリコンオフを塗付して、ある程度の時間ののちにふき取ることで、シリコンオフの成分が油を分解したものをふき取る形になります。そこで注意したいのは、タオルやティッシュなどの細かい繊維が残りやすい素材でふき取らない方がおすすめだということです。

ホコリや繊維が残ってしまうと、その後の塗装を行うときやステッカーを貼り付けるときにゴミが付着してl綺麗な仕上がりにならない、という事です。おすすめは100均のマイクロファイバー製のクロスです。

100均で購入できるマイクロファイバー製のクロスであれば、ホコリなどが付着しにくい素材で作られていますので、100均なら簡単に用意できますし、新しい物であれば確実に安心して使用できるのでおすすめです。

ふき取ってから乾燥状況を確認していくのが一般的なシリコンオフの使い方ですが、そうした使い方のために乾く速度によって違ったラインアップがシリコンオフやパーツクリーナーには用意されています。それぞれの特徴とポイントについてまとめて紹介します。

おおよそ数秒から1分未満で乾いてしまう「速乾タイプ」は、ふき取りの手間や作業時間がとても早く済ませられるメリットをもったシリコンオフです。スプレータイプであることがおおく、成分が馴染む前にかわいてしまいがちのため、頑固な汚れにはおすすめできません。

ふき取りを行ってからおおむね1分程度で乾燥する半速乾、ならびに中乾タイプは、乾燥までの時間を長くとれるために協力な油汚れに比較的強く影響します。その分ふき取り作業や乾燥までの時間が速乾タイプよりも長くなるため、時間が掛かります。

遅乾タイプはなかなか乾きません。油汚れがひどすぎて、普通の洗車程度ではどうにもならないような重篤な汚れを抱えているタイプの車に最適なシリコンオフと言えます。ひどい汚れの物を漬け置きで落とすような使い方で、パーツクリーナーと併用すると良いでしょう。

シリコンオフに使われている有機溶剤は、関連成分の項目でも説明していますが劇薬ばかりです。そのため、取り扱いには最低限これだけは注意しておかなければならないといった事項があります。事故を防ぐたえめにも把握しておきましょう。

取り扱う製品がもともとは劇薬ということもあり、気を付けすぎるに越したことはありません。説明書きもよく読んだうえで間違った使い方になっていなかの確認をしておきましょう。

適切な換気がおこないにくい室内では、過剰に吸引することによって生じる中毒症状や体調不良の原因につながります。場合によっては生命の危険に晒されてしまう危険性もはらんでいますので、室内での使用は十分な換気が可能な場所で行いましょう。

シリコンオフにつかわれている有機溶剤は、第4種危険物もしくは第二ならびに第三有機溶剤に分類される化学薬品です。そのほとんどが引火しやすく、ガスを発生させて火災の原因となりやすいという危険性を持っています。煙草などには十分に注意しましょう。

また、電化製品の近くでの使用も気を付けるべきでしょう。スイッチの ON OFF 時に発生する微弱な火花から引火して、途端に燃え上がってしまう可能性もあります。いまでこそそこまでの火花が発生する事例はありませんが、可能性には留意すべきでしょう。

入手のしやすさや、初心者でもあつかいやすいオーソドックスな物を含めて「これは」と言えるおすすめのシリコンオフ製品をご紹介します。近年ではオンラインショップで簡単に入手出来るという事もありますが、手に取って確認しやすいものをご紹介します。

定番といっても過言ではないシリコンオフの代名詞ともいえるsoft99のシリコンオフ（スプレータイプ）です。容量も比較的多めの作りで、どのようなカーショップ、カー用品店で取り扱いのあるベストセラー的なシリコンオフです。

さまざまなタイプが用意されていますが、主に大容量のシリコンオフを取り扱っているメーカーです。写真はスプレータイプですが、こちらは遅乾タイプですのでしっかりと汚れを落としたい人におすすめのラインアップです。

シリコンオフもパーツクリーナーも、どちらも汚れを落とすという意味では同じです。しかし、パーツクリーナーはシリコンオフとはまったく別の使い方をするアイテムですが、その成分はほとんど同じです。しかしパーツクリーナーの用途は、文字通り部品の洗浄のために使われます。

パーツクリーナーで洗浄するのは、金型や鋳型、青ニスの除去や油汚れの洗浄にパーツクリーナーを使用します。

金属パーツのみにしかパーツクリーナーは使用できないのですが、成分がほとんど同じなので部分的にはシリコンオフのような使い方も可能です。金属パーツを対象とした成分をもつパーツクリーナーには、金属部分のみに焦点をあてればシリコンオフの代用も可能なのです。

パーツクリーナーはシリコンオフのようなプラスティック製品への影響が度外視されているので、そうした部分をパーツクリーナーで洗浄してしまわないように、パーツクリーナーとシリコンオフという形で分けられているのです。

100均ショップで代用品を用意できるのか、その答えは「100均にもある」となります。100均用品で代用できるのであれば、わざわざ正規のシリコンオフを購入する必要もないのでは？と思いがちですが、100均のアイテムはあくまでも代用でしかありません。

100均で用意出来る代用品にはどのようなものがあるのか、またどのような問題が100均グッズには考えられるのか、パーツクリーナーとしてはどうなのかについてご説明しましょう。

100均で購入できるもっとも単純な代用品は「アルコール」です。100均ショップで扱われているアルコールは、主成分がエタノールで、別名はエチルアルコールと呼ばれる液体です。成分だけでいえば飲用として用いられるアルコールと同じものです。

ただし、消毒用などでもちいられるアルコール（エタノール）には毒性の強いメタノールを混ぜることで、飲用への転用を防ぐような配慮がされています。主成分がエタノールであっても、メタノールの強い毒性があるため飲用してはいけません。

100均のエタノールには油分を分解するエチル基が分子構造に含まれているため、シリコンオフと同じように油分が主成分の汚れをさっと落とすことが出来ます。しかし、揮発性が高いので強い汚れやひどい汚れには不向きです。

油汚れといえば食器用の中性洗剤も素晴らしく効果的な汚れを落とすことのできる代用品として活用できます。シリコンオフも油汚れに強いことから、同じように油汚れに的確に対応できる中性洗剤はまさに適任です。

100均で購入できるもので構いませんので、100均の中性洗剤を使って一緒に100均でスポンジを購入して、水である程度薄めながら汚れを落としていきましょう。中性でない洗剤に関しては、塗装面を傷めないように注意しながら使用します。

中性洗剤に含まれる界面活性剤が、油汚れを含むあらゆる汚れに対応できますので、シリコンオフだけでなく家庭内のいろいろな場面で活用できることも、100均で購入できる中性洗剤で代用できるので非常に有用な方法のひとつです。

車の汚れを徹底的に綺麗にするために活用できるシリコンオフはとても大事なクリーナーですし、車そのものの塗料を傷めることもなく美しい社会を再現できるとても優れたクリーナーです。

もしもあなたの車が傷などによって改めて塗装を必要とするときや、あなたのお気に入りのステッカーを貼りたいときは是非シリコンオフを上手に活用して美しい車体を手に入れましょう。