「あしからず」の意味とは?使い方の注意点や例文もまとめて紹介!

「あしからず」の意味とは?使い方の注意点や例文もまとめて紹介!

「あしからず」は「あしからずご了承ください」などと使われ、よく耳にする馴染みのある言葉です。許しをこう場合に使う言葉となんとなく理解はできます。ここでは「あしからず」の正しい意味や使い方、使用する際の注意点、類義語や例文を合わせて紹介します。

記事の目次

  1. 1.「あしからず」の意味
  2. 2.「あしからず」の類義語
  3. 3.「あしからず」の使い方
  4. 4.「あしからず」の例文
  5. 5.「あしからず」はビジネスシーンでも使える?
  6. 6.「あしからず」を使用する際の注意点
  7. 7.「あしからず」はどうか悪くとらないでという意味

「あしからず」の意味

意味
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「あしからず」はその言葉自体では主語にはなりません。次にくる言葉を修飾する副詞です。例えば「あしからずご了承ください」「あしからずご容赦ください」のように使い「了承」や「容赦」を修飾しています。

修飾するとは、文法ではある語句が他の語句の意味を限定したり詳しくするという意味です。では「了承」や「容赦」を修飾するとはどのようなことなのでしょう。

「あしからず」は主語にならないので単独では使わずに、文章の中でのみ使われる言葉です。では「あしからず」にはどのような意味があって、どのように他の語句を修飾しているのでしょう。それでは「あしからず」の正しい意味を紹介します。

意味:どうか悪くとらないで

許し
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「あしからず」は古語の「悪しくあらず」が語源とされています。古語では「悪しからず思ってください」「悪くないように思ってください」の意味合いで使われています。

つまり「あしからず」は「どうか悪くとらないでください」という意味で、「あしからずご了承ください」の場合は「どうか悪くとらないで了承してください」という意味になります。

「あしからず」は、次にくる言葉を悪くとらないで欲しいという気持ちで修飾する副詞です。言い換えると「あしからず」の後にくる「了承」「容赦」「承知」「許諾」などを「どうか悪くとらないで」受け入れてくださいという意味になります。

上から目線
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つまり「あしからず」は次に許可を得る対象となる言葉がなければ文章が成立しない表現で「あしからず」で文章が終わることはまずありません。

しかし、文章の最後に使ってはいけないというわけではありません。たまに「今日は残業で遅くなるので、あしからず」のように「あしからず」で終わる表現が見られますが、その場合には注意点があります。

「あしからず」で終わると上から目線の命令形のイメージになるので、相手によっては不快に感じる場合があります。このような注意点があるので、ビジネスではできるだけ「あしからず」で終わることは避けるようにしましょう。

「あしからず」の類義語

選択
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「あしからず」は文章などで、相手の意見などが聞けない場合に一方的に許しをこう言葉です。そのため特にビジネスにおいての会話で使用すると状況によっては相手に失礼にあたる場合があります。

失礼を回避するためには「あしからず」の類義語表現の中にヒントやポイントがあります。「あしからず」を文章で目上の人に使っても特に問題はありませんが、直接相手との会話などで使用する場合には注意点があります。

類似
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類義語とは同じような使い方をする言葉で、同義語とか類語とも呼ばれます。「あしからず」の類義語には、会話でも文章でも相手に失礼にならない表現があります。

また類義語には様々な表現があります。それでは相手と直接相対する会話やビジネス電話の対応でも、失礼にならない「あしからず」の類義語の言い換え表現の主なものを例文を交えて紹介します。

申し訳ありませんが

sorry
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「申し訳ありませんが」という類義語表現は、とても柔らかい言葉で特に女性が使う場合が多い表現です。もちろん男性が使ってもおかしくありません。

使い方の例文では「在庫が不足していて納期が遅れております、大変申し訳ございませんが今しばらくお待ちくださるようお願い申し上げます」

「申し訳ありませんが、どうか弊社の提案にご賛同いただけますようご協力をお願いいたします」このような使い方をします。

類義語の「申し訳ありませんが」という表現は、当方の対応の悪さを許していただく場合や、申し入れを承諾していただく場合など、いろいろな状況や場面で使える便利な表現です。

せっかくですが

NO
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類義語の「せっかくですが」という表現は、何かをお断りする場合によく使われる言葉です。例えばビジネスでは「ご注文ありがとうございます。せっかくですが只今在庫が切れており対応いたしかねますのでご了承ください」のような例文の表現になります。

また「セミナーへのお誘いをいただきありがとうございます。せっかくですがスケジュールの調整ができず参加できないことをご容赦ください」のような使い方をします。

このように「せっかくですが」は申し出や誘いなどを丁寧に断るときによく使う表現です。「せっかくですが」という言葉を使うことで、相手に対して感謝の気持ちや残念という感情を伝えることができます。

ご希望に添えず恐縮ですが

断る
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「ご希望に添えず恐縮ですが」という類義語も「せっかくですが」と同様に、要望などに応えられない時に使う断りの表現です。「恐縮ですが」と単独の使い方もあります。この場合は断りだけでなくもっと広い意味で使われます。

例文では「ご注文いただいた商品は在庫切れのため、ご希望に添えず恐縮ですが対応いたしかねますのでご了承ください」「あなた様からの提案は、ご希望に添えず恐縮ですが却下されましたのでご了解くださいませ」のように使います。

乾杯
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「恐縮ですが」を単独で使う場合は「恐縮ですが、その意見には同意いたしかねます」「見積もり金額と請求金額に違いがあるため、恐縮ですがお支払いはできません」のように断る場合にも使いますが、他の意味でも使えます。

「このような席で恐縮ですが、あえて意見を述べさせていただきます」「恐縮ですが乾杯の発声をさせていただきます」の例文のように「恐縮ですが」は「断り」の表現だけでなく、前置きの表現としても使われる類義語です。

お気になさらずに

破棄
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「お気になさらずに」という表現は、一般的には謝罪をされたときに「気にしないでください」という意味で使われます。「あしからず」は許可を求める時に使う言葉なので、類義語としては少し違うように感じる方が多いのではないでしょうか。

しかし、例えばビジネスシーンで間違えたメールを送ってしまった時に「先ほどのメールは間違った内容なので、お気になさらず破棄してください」のように許可を求める表現にも使うので「あしからず」の類義語に数えられます。

紛らわしい情報や間違った内容を訂正したい場合には「正しいものを再度お送りいたしますので、お気になさらず先のものと差し替えてください」の例文のように謝罪の意味も込めて許可を求める類義語です。

お含みおきください

念頭に置く
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「お含みおきください」とは「心に留めておいて欲しい」という意味の敬語で、ビジネスシーンではよく使われる「あしからず」の類義語です。「あしからずお含みおきください」とダブルで使う場合もあります。

例文では「弊社の都合で申し訳ありませんが、担当のAに代わり私Bが承ることをお含みおきください」のように当方の都合で迷惑をかけることへの理解を求める表現のために使います。

また「お含みおきください」は目上の人にも使える敬語表現です。しかし同じような類義語で「ご承知おきください」は「知っておいてください」という命令形のイメージがあるので、目上の人には使えないのが注意点です。

ビジネスメール
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「あしからず」の類義語表現にはこの他にも「何卒(なにとぞ)」や「どうか」などがあります。これらの類義語や注意点を知っているとビジネスシーンでは役に立つことが多くあります。

「あしからず」は文章で一方的に許可を求める場合の表現ですが、類義語には上司や目上の人と話す場合やビジネスメールを送る場合、得意先やクライアントと商談をする際にも使える表現がたくさんあります。

これらの表現や使い方の注意点を知っていれば、仕事やビジネスで活かすことができ、自身の評価につながる可能性があるので、ぜひ色々な例文や使い方を調べることをオススメします。

「あしからず」の使い方

使い方
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「あしからず」という言葉の使い方は「〇〇をあしからず△△ください」または「あしからず〇〇を△△ください」のような文章の中で使います。

「〇〇」の部分に許可や許しをもらう目的・対象・状況などをを入れ「△△」の部分に「了承」や「容赦」など、許可して欲しい言葉を入れて使います。

ビジネスの具体的な例文では「今回の納品の遅れは、在庫切れのために起こっております。どうか、あしからず今暫くの猶予をご容赦ください」のような使い方をします。

「あしからず」は目の前に相手がいない場合のメールや文章などで一方的に事情の説明や許可などを求める時に使用する言葉です。直接相手と会話する場合や電話での応答にはあまり使用しない言葉です。

主に文章の中で使われる

文章
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前述のように「あしからず」はビジネスでは主に文章の中で使われます。口頭で使うこともできますが、その場合の注意点は相手が上司や目上の人の時には、状況により失礼な表現になることがあります。

その場合には「申し訳ありませんが」や「大変恐れ入りますが」などの類義語を使った言い換え表現の方が、相手に対して敬う気持ちが伝わり失礼になりません。

「あしからず」は文章では、許可や許しをこう表現としては問題なく使われる言葉ですが、「あしからず」そのものには敬語的なイメージがないので、上司など目上の人と話す口語には適さない表現です。

「ご容赦ください・ご了承ください」を付けると丁寧

丁寧
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「あしからず」という言葉そのものには「どうか悪くとらないで」という許しをこう気持ちはありますが、敬語のように敬う持ちや丁寧さは含んでいません。

そのため「ご容赦ください」や「ご了承ください」「ご理解ください」などの言葉を「あしからず」の後につけることで「受け入れてくだされば幸いです」という丁寧な気持ちを伝えることができます。

説明
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また「ご要望に添えない場合もございますので、あしからずご了承くださいませ」「弊社で真摯(しんし)に検討させていただきますので、どうかあしからずご容赦ください」のように説明を加えるとさらに丁寧な表現になります。

つまり「あしからず」という言葉は、その前後に丁寧さや敬いの気持ちを表現するフレーズをつけなければ、単に上から目線の表現になってしまうので注意しましょう。

「あしからず」の例文

ビジネスシーン
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「あしからず」の後に丁寧な表現にするために「ご了承ください」や「ご容赦ください」がよく使われます。この「ご了承」と「ご容赦」の2つの言葉にはどんな違いがあるのでしょう。またどんな状況の時に使われるのでしょう。

ビジネスシーンでは「あしからず」だけで使うことはほとんどありません。それでは、あしからずの後に続く「ご了承」と「ご容赦」を使った例文で、その意味や使い方の違い、使われる場面などを検証してみましょう。

あしからずご了承ください

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「あしからずご了承ください」という表現は、商品のパンフレットなどによく記載されている文面で「12月25日以降のご注文は、年明けの1月5日の発送となりますので、あしからずご了承ください」などがあります。

パンフレットの例文の中の「ご了承ください」は「どうか理解をいただき受け入れてください」という意味で、相手に了解や納得をしてもらうための表現です。

返品
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また「一旦発送した商品の返品はお受けしかねますので、あしからずご了承ください」「今回の商品は数量限定のため、販売期間内であっても売切れとなることがあるので、あしからずご了承をお願いします」などがよく掲載されています。

「電話でのお問い合わせは受け付けておりませんので、あしからずご了承ください」「メールでのみ受け付けていますので、あしからずご了承ください」のような例文も多々あります。

つまり「あしからずご了承ください」は、今後あなたにとって不利益な状況があるかも知れないことを予告しながら、そのことを理解して受け入れてくれることを許可していただくための表現です。

あしからずご容赦ください

許し
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「あしからずご容赦ください」の「容赦」には「許すこと」「許容する」という意味があります。「ご容赦ください」には、何らかの理由で要望に応えられない場合に「そのことを悪く思わずに許してください」という意味が込められています。

例文では「この度はご注文いただきありがとうございます。残念ながらこの商品は既に完売いたしましたので、あしからずご容赦ください」などと表現します。

フライト
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また「フライトのキャンセル待ちをご希望でしたが、あいにくキャンセルがでないためご要望に添えず申し訳ありません。あしからずご容赦くださいませ」のような使い方をします。

「ご容赦ください」という表現は、既に起きてしまったことに対して許可や許しを求める時に使われることが多い言葉です。

つまり「ご了承ください」の使い方は、これから起きるリスクなどを理解してもらう許可、「ご容赦ください」は起きてしまったことに対して許しをこう場合、対象が過去と未来という点で使い方に違いがあります。

「あしからず」はビジネスシーンでも使える?

ビジネス
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「あしからず」という言葉は、ビジネスシーンのメールなどでよく使う表現です。ビジネスでは得意先やクライアントとのやり取りではメールがよく使われます。

緊急を要する場合は電話を使用しますが、電話では相手が忙しい時間帯にかけてしまうリスクがあります。迷惑をかける場合も考慮するとメールでやり取りする場合が多くなります。

そんなメールの文章で「あしからず」を使っても相手を傷つけずに失礼にはなりません。つまり「あしからず」は文章表現としては非常に便利な言葉なのです。

上司・客先に対して使用可能

メール
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「あしからず」という言葉を、上司や得意先に送るメールや文書で使用する場合には問題ありません。「あしからず」という言葉は口語文ではなく文語文なので、この点を踏まえておくように注意しましょう。

メールなどの文書で「あしからず」を使用しても文語文なので相手に失礼にあたることはありません。しかし口頭で話す場合には少し固い表現になり、相手によっては不快に感じる場合があります。

また文法的には間違っていないのですがイメージとして一方的な高圧的な感じがあるので、口頭で話す場合には上司や得意先には不適切になります。

言葉は話し手と相手との認識があっていない場合は誤解を生じます。つまり相手が上司でもある程度のコミュニケーションが取れている関係ならば「あしからず」を使ってもOKですが、そうでない場合はNGです。

「あしからず」を使用する際の注意点

注意
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「あしからず」という言葉は「どうか悪くとらないで〜」という前置きのフレーズで、言葉そのものには敬語表現は含んでいません。そのため「あしからず」を使う際には使い方に注意点があります。

これまでの記事の中でも、注意点をいくつか紹介したので重なるところがありますが、おさらいの意味も含めて注意点をもう一度まとめてみましょう。

優しさ
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「あしからず」は主に文書やビジネスメールなどで得意先や注文者に許可や理解を求める時に使う言葉です。「あしからず」だけでは敬語表現になりません。

その場合の注意点は「あしからず」の前に状況を説明する「在庫が切れていて申し訳ありませんが」などのフレーズを入れ、後には「ご了承ください」「ご理解ください」の言葉で丁寧さを表現する必要があります。

謝罪
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また「あしからず」には謝罪のニュアンスは含まれていません。当方に過失やミスがあり先方に謝罪する場合には使うことができません。

なぜなら「あしからず」は一方的に許可や理解を求める言葉なので、先方に受け入れることを強要することになってしまいます。

この場合には「あしからず」は使わずに「多大なご迷惑をおかけしたことを深く反省しております」「今回のことを真摯(しんし)に受け止め、改善に努める所存です」のようなお詫びの文章で謝罪の気持ちを伝える注意が必要です。

許可を得る時・予定変更等を伝える時に使う

予定
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「あしからず」は予定の変更や中止、時間を変更する際にもよく使われる言葉です。その場合の注意点は、やむを得ない事情で変更する場合には使えますが、こちら側のミスや手ぬかりで変更する場合には使えません。

その理由は前述のように「あしからず」には謝罪の意思が含まれていないことと、変更の承諾を一方的に押し付けるかたちになるからです。

例えば「雨天のため今日のイベントは来週に延期することになりました。あしからずご了承ください」のように、やむを得ない事情の場合はOKです。

イベント
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しかし「主催者の手違いによりイベント会場が使用できなくなりましたので、来週に延期します。あしからずご了承ください」の場合の「あしからず」はNGです。

「あしからず」がNGの理由は、イベントに参加しようと予定を組んでいた人に対して、一方的に受け入れを強要して大変失礼にあたるからです。延期になったのは主催者のミスなので、謝罪の文面を入れて理解をしていただくような思いやりと配慮が必要です。

目上の人には失礼にあたることも

人間関係
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「あしからず」は基本的には文章の中に使うのが通例ですが、たまに文章の最後に使う場合があります。その場合には注意が必要です。

例えば「今日は都合がつかずに参加できません。どうぞあしからず」のような場合、相手が親しい友人や仲間の場合はOKですが、相手が上司や目上の人の場合は失礼になってしまうのでNGです。

その理由は前述と同じで「あしからず」は一方的に許可を求める言葉です。目上の人に対して「参加できない事情を認めなさい」と言うのと同じニュアンスになるからです。

このように「あしからず」を使う際には注意点があります。この注意点さえ押さえておけば正しい使い方ができます。これらを参考にしてビジネスに役立ててください。

「あしからず」はどうか悪くとらないでという意味

ビジネス
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「あしからず」は「どうか悪くとらないで」という意味です。また「あしからず」は前後に丁寧な敬語をつけることでその言葉の意味をさらに有効にすることができることなどを紹介しました。

「あしからず」という意図を、話し言葉で表現する場合には類義語の言い換え表現「申し訳ありませんが」や「せっかくですが」などを使えば目上の人に失礼にあたらずベストということも紹介しました。

これまで紹介した「あしからず」の使い方や使う際の注意点、場面に合わせた例文などを参考にして、ぜひビジネスシーンに活かした使い方をして役立てていただければ幸いです。

Eiji0601
ライター

Eiji0601

元ミュージッシャン&調理師。現在はフリーのコンサート企画やチラシ等のデザイナーをやっています。音楽のジャンルはクラシックからジャズ&ポップス、特に’60年代〜’80年代ポップスが大好きです。料理は和食が得意な年齢不詳の独身男性です。

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