「一義的」の意味とは?
今回は、「一義的」という言葉について、その意味や読み方、使い方について解説していきます。「一義的」という言葉の意味を誤って理解している方も結構多いので、きちんと理解して正しい使い方を覚えましょう。
まず、「一義的」の読み方は「いちぎてき」です。読み方を「いちじてき」と誤る人も多いので気を付けましょう。
「一義的」の意味は、大きく分けて二つあります。それぞれ近い意味でもありますが、厳密には異なりますので、使用する場面や前後の文脈から正しい意味を読み取れるようにしましょう。
「一義的」の由来
続いて、「一義的」という言葉の由来について解説します。「一」と「義」をそれぞれ分割して意味と読み方を理解するとわかりやすいです。
「一」は「いち」という読み方で、「ある一つの」や「最も優れた」という意味があります。「義」は「ぎ」という読み方で、「意味」や「わけ」といった意味があります。
これらから、「一義的」には、根本的なことという意味と、唯一の意味・それ以外に意味が考えられない様子という二つの意味があるとされています。
「一義的」の特徴
続いて、「一義的」という言葉の特徴や意味について解説していきます。「一義的」と読み方も似ている言葉で、「一時的」と混同して理解している方が多いですが、これらは大きく意味が異なるので注意しましょう。
ここでは類義語や対義語を紹介することで「一義的」の意味を的確に理解していきます。「一義的」自体の意味や使い方が理解しづらくても、類義語や対義語と連動させることで正しく理解できるようになります。
「一義的」の二つの意味を正しく理解し、状況に応じてどちらの意味が含まれていのか、判断できるようになりましょう。
大きく分けて二つの意味がある
「一義的」という言葉には、前述のように大きく分けて二つの意味があります。第一に根本的・根源的という意味、第二に唯一の意味・他に当てはまる解釈がない状態という意味です。
一つ目の意味の類義語としては、「第一義的」という言葉が当てはまります。「第一義的」という言葉には、唯一の意味や解釈という意味は含まれませんので注意しましょう。
二つ目の意味の類義語としては、「一意」という言葉が挙げられます。「意味や値が一つに確定していること」という意味があります。類義語から二つの意味を区分して理解しましょう。
対義語も二つに分かれる
「一義的」の対義語も、意味の面から二つに区分することができます。異なる意味の大義語を理解することで、「一義的」の意味も正確に理解できるようになります。
「一義的」の一つ目の意味に対する対義語は、「二義的」です。「根本的でない・従属的な」という意味があります。「一義的」の「根本的な」という意味に対する対義語の代表例として挙げられます。
「一義的」の二つ目の意味に対する対義語は、「多義的」です。「一つの単語が複数の意味を持っている状態」を表します。お互いの対義語を覚えることで、「一義的」の二つの意味も理解しやすくなります。
「一義的」の英語表現
続いて、「一義的」という言葉に見合う英語表現を紹介していきます。「一義的」という言葉に対する英語表現は多数あります。
その中でも特にぴったりと当てはまる二つの言葉を紹介していきます。似た意味を持つ英語表現と絡めて理解することで、「一義的」の意味や使い方をより深くかつ正しく理解できるようになります。
「unambiguous」
「一義的」の英語表現の一つ目は、「unambiguous」です。「unambiguous」を直訳すると、「明確な」という意味になります。「一義的」の意味の「他に解釈のない」という意味に近いです。
「ambiguous」が「あいまいな」という意味になり、その頭に「un」を付けることで反対の意味になります。「あいまいな」という表現は「一義的」の対義語の一つでもあります。
「definitive」
「一義的」の英語表現の二つ目は、「definitive」です。「definitive」には「決定的」という意味があります。若干ぴったりの意味とは言いにくいですが、どちらかといえば「根本的」という意味に近い表現です。
「一義的」という言葉の「根本的・根源的」という意味に近い表現として紹介しましたが、他にも近い意味の英語表現は多数存在します。
時と場合に応じて適切な英語表現ができると、表現の幅が広がり文章を見る側としても理解がしやすく質の高い文章として見られます。
「一義的」の使い方
「一義的」という言葉の英語表現について紹介してきました。続いては、「一義的」の正しい使い方を例文を紹介しながら解説していきます。
「一義的」という言葉を使うシーンというのは、日常的な会話の中というよりはビジネスシーンや公的な立場において使用する場合が多いです。
言葉自体が少し堅い表現であることから日常会話ではあまり使われませんが、逆にビジネスシーンなどきちんとした伝達を要する場面では使いやすい単語だといえます。
例文①
「一義的」という言葉を使った例文の一つ目は、ビジネスシーンにおける使用です。ビジネスシーンでは、きちんと正確にかつ丁寧な言い方で意図を伝達することが求められます。
「高額の予算をつぎ込んで実施してきた新規プロジェクトだからこそ、一義的な意義を示さないと取り組んだ意味がない」という例文を紹介します。
新しい取り組みをビジネスにおいて実施した成果として、根源的な意味合いを持たせることを意図した例文になります。
例文②
「一義的」という言葉を使った例文の二つ目は、法律関係における使用例です。法律関係というのは、同じ条文でも解釈が難しい面があります。
「そもそも法律というのは、一義的な解釈を持たせることは非常に難しいものです。」という例文を紹介します。法律や条例などは読み解く人の解釈により意味合いが変わってくるという意味合いの例文です。
ここでの「一義的」の意味は、唯一の意味・解釈となり法律関係の解釈が一義的に判断することが難しい状態であることを表現しています。
例文③
「一義的」という言葉を使った例文の三つ目は、子育てにおける事例です。子育てや教育は、様々な状況が考えられ、ワンパターンで対処できるものではありません。
「子育ての難しさは、一義的な対処では不可能である点に挙げられます。」子育ては、その子供の個性や取り巻く環境によって適切な方法が異なってくるので、一概にいうことは難しいという状況を表現しています。
子供それぞれの個性に対し、一義的に接するのではなく臨機応変にかつ個別的に対応していくことが子育てや教育には求められます。
例文④
「一義的」という言葉を使った例文の四つ目は、工事現場における事故発生時の状況です。事故が発生すると、その原因を厳格に追及されるものです。
「今回の事故への対応は、一義的に元受け事業者に義務的に求められます。」という例文が挙げられます。事故が起こるとその損害賠償の対処が必要になります。
その対処の義務者は、根本的に元受け事業者にあることを表現しています。「根本的な」の意味の一義的を使った例文になります。
「一義的」の注意点
「一義的」を使った例文を紹介してきました。最後に、「一義的」を使う際の注意点について解説します。「一義的」という言葉に似た単語に、「一時的」が挙げられます。
発音自体も似ていて、意味を混同されやすい言葉です。しかし、お互いの意味には大きな隔たりがあります。話をする相手方に対し誤解を与えないよゥ、正しく理解をすることが重要です。
「一時的」と混同しやすい
「一時的」という言葉には、「ある一定の短期間に限って当てはまること」といった意味があります。これまでに紹介した「一義的」という意味とは大きく異なることが分かります。
「一義的」という言葉の意味を正確に理解していない方の中には、「一義的」に「一時的」の意味が含まれていると理解している方も少なくありません。
お互い全く意味の異なる単語ですから、きちんと理解して正しく使い分けられるように心がけましょう。
「一義的」は根本・意味が一つであるという意味
以上、「一義的」という言葉について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。「一義的」には二つの意味があることとそれぞれの類義語と対義語、英語表現や例文について紹介してきました。
「一義的」には根本的という意味と一つしか解釈がないという二つの意味があります。場面や前後の文脈から判断し、正しい理解をできるようになりましょう。