「ドラフト」ってどんな意味?使い方の例文や類義語を分かりやすく解説!

「ドラフト」ってどんな意味?使い方の例文や類義語を分かりやすく解説!

プロ野球でおなじみの「ドラフト」という言葉ですが、実はいろいろな意味があります。その意味を一つ一つ解説しましょう。また、「ドラフト」の意味だけではなく、類義語、ビジネスなどでの使い方の例文、語源なども見てみるので、よりその理解を深めてください。

記事の目次

  1. 1.「ドラフト」の意味とは?
  2. 2.「ドラフト」の類義語
  3. 3.「ドラフト」の使い方・例文
  4. 4.「ドラフト」の語源
  5. 5.「ドラフト」の英語表現
  6. 6.「ドラフト」は下図・下書きという意味

「ドラフト」の意味とは?

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「ドラフト」は英語の「draft」をカタカナにしたものですが、英語の「draft」と日本語の「ドラフト」では、意味が共通する部分と異なっている部分があります。それぞれの意味を見てみるので、正しい使い方をするようにしてください。

英語の「draft」の意味

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英語の「draft」の意味を英和辞典を使って確認してみましょう。多数の意味がありますが、順番に並べると、「隙間風・通風」「設計図・図案・図面」「選抜」「徴兵」「牽引用の動物・荷車などを引くこと」「酒を樽からくみ出すこと・樽酒」「為替手形・手形の振り出し」などです。

まだ英和辞典には意味が載っていますが、主なものはこれくらいです。それにしても実に多くの意味がある言葉で、場面場面で使い分けなければいけません。日本語に訳す場合も、文脈で判断していく必要があります。

日本語のドラフトの意味

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今度は日本語の「ドラフト」の意味を見てみましょう。国語辞典やウィキペディアなどを参考に載せてみます。「下図・草案・下書き」「引き抜くこと・選抜」「徴兵」「樽からくみ上げること・ドラフトビール」などです。

英語の「draft」よりは意味が少ないですが、それでも多くの意味があります。「ドラフト」というと、プロ野球のドラフト会議を思い浮かべる人も多いでしょうが、これは「引き抜くこと・選抜」という意味です。

契約書・企画書での「ドラフト」の意味

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ビジネスで契約を結ぶ場合は契約書を取り交わしますが、ここでも「ドラフト」という言葉が使われます。その意味は下書きということです。また、契約書だけではなく、申請書などでも下書きのことを「ドラフト」と言います。

メールでの「ドラフト」の意味

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メールで「ドラフト」という言葉を使う場合がありますが、この場合も下書きという意味です。または、作成途中のメールということです。よく下書きフォルダーのことを「ドラフトフォルダー」と言ったりします。

設計分野での「ドラフト」の意味

設計分野で「ドラフト」というと、その意味は設計図面です。そのものずばりの意味なのでわかりやすいでしょうが、「ドラフトを修正してくれ」などのような使い方がされます。なお、この場合は設計図面の下書きという意味ではありません。

IT分野での「ドラフト」の意味

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IT分野で「ドラフト」という言葉がよく使われます。この場合の意味は、仕様を決める前に出される試案・草稿・下書きということです。「ドラフト」が公表されると、顧客の意見を募り、それによって「ドラフト」を何度か修正したうえで、最終的な仕様が決定されます。

空調関係の「ドラフト」の意味

空調関係のビジネスに携わっている人も「ドラフト」という言葉を使います。その意味は、空気の流れということです。「窓からのドラフトが原因で」などのような使い方がされます。「ドラフトチャンバー」という装置がありますが、これは局所排気装置のことです。

居酒屋業界の「ドラフト」の意味

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居酒屋業界で「ドラフト」という場合は、ドラフトビールのことです。ではドラフトビールとはどういう意味かというと、樽から直接くみだしたビールということで、加熱処理がされていません。日本では、生ビールと同じ意味で使われる言葉です。

「ドラフト」の類義語

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「ドラフト」にはいろいろな意味があることがおわかりになったでしょうが、それぞれの意味に類義語があります。その類義語を学べば、「ドラフト」の意味もより明確になると思われるので、一つ一つ挙げてみましょう。

類義語①素描

「素描」とはデッサンのことで、絵画・彫刻の下絵という意味です。つまり、「下書き」という意味の「ドラフト」と共通点があるので、類義語いということになります。「素描を描く」は「デッサンを描く」ということであり、「ドラフトを描く」という意味です。

類義語②原案

「原案」は、「討議にかけられるために出された最初の案」という意味ですが、これも「下書き」と言えるので「ドラフト」の類義語です。「原案通りに可決する」と言えば、「ドラフト通りに可決する」と同じ意味です。

類義語③草稿・原稿

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「草稿をまとめる」などのような使い方がされる「草稿」は、「文章の下書き」という意味です。つまり、「ドラフト」と同じ意味なので、類義語です。「草稿をまとめる」は「ドラフトをまとめる」と言い換えても、意味は変わりません。

「原稿」も「草稿」と同じ意味です。「作家が原稿を編集者に渡した」などの使い方はおなじみでしょう。どちらの言葉を使おうが自由ですが、もちろん「原稿」も「ドラフト」の類義語です。ただ、「ドラフト」には複数の意味があるので、「原稿」と言った方がわかりやすいでしょう。

類義語④草案

「草案」は「原案」のことですが、特に法律や規約の下書きを指して、そう呼ぶ場合が多いです。「草案の通りで問題がなければ、そのまま会議に諮ろう」などのような使い方がされますが、これも「ドラフト」の類義語です。

類義語⑤素案

「素案」とは、「たたき台として会議に出されるごく大まかな案」という意味です。「素案を提出する」「この素案に対する意見を募集します」などのような使い方がされます。これも「下書き」のようなものなので、「ドラフト」の類義語と見て問題ないでしょう。

類義語⑥底本

「底本」には2つの意味があります。まず校訂・翻訳などの土台となる本という意味ですが、こちらは「ドラフト」とは関係がありません。もう一つの意味の下書き・草稿・写しという方が、「ドラフト」の類義語に該当します。

類義語⑦ひな型

「ひな型」とは、ビジネス文書などの決まった書き方をした見本という意味ですが、もう一つ実物にかたどって小さく作った模型という意味もあります。

実を言うと、「ドラフト」には他のものを作るためのガイドという意味があるので、その意味から言うと、「ひな型」が類義語です。「ひな型通りに作成しました」などのような使い方がされます。

類義語⑧構想

「構想」という言葉は比較的よく使われますが、その意味はこれからしようとすることについて考えをまとめるということです。つまり、これからの予定について自分で下書きを作っておくという意味にも取れるので、「ドラフト」の類義語としてもいいでしょう。

「構想」は、「構想を練る」「雄大な構想を考える」などのような使い方ができます。これをそのまま「ドラフト」と置き換えることもできなくはありませんが、それぞれの言葉でやや使い方が異なっています。

類義語⑨アジェンダ

ビジネス用語に「アジェンダ」という言葉がありますが、これは会議にかける検討課題という意味です。「ドラフト」とはややニュアンスの異なる言葉ですが、「アジェンダ」は、会議の冒頭、出席者に資料という形で配られることが多いです。

この資料を会議に向けての下書きと見ることもできます。つまり、「ドラフト」というわけです。したがって、ニュアンスが異なる言葉だとは言っても、かなり似ている部分はあるので、あえて類義語にしてみました。

類義語⑩図案

「図案」とはデザインのことですが、もう少し詳しく意味を説明すると、あるものを制作するための下絵を描くことということです。つまり、「下絵」=「下書き」=「ドラフト」という図式が成り立ち、これも「ドラフト」の類義語になります。

「ドラフト」の使い方・例文

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「ドラフト」の意味や類義語を学んだところで、今度はその使い方について例文を通して見てみましょう。「ドラフト」という言葉は日常生活よりはビジネスシーンでよく使われるので、その例文を多く示しましょう。

例文①

「ドラフトに書かれている条件のままでは呑むことができません。できれば変更をお願いしたいのですが」という例文があります。ビジネスシーンで出てくるような例文ですが、これは「契約書の下書き」という意味です。

つまり、「契約書の下書きに表示された条件では受け入れられない」ということになります。それからは今後の交渉次第ということでしょうが、このような「ドラフト」の使い方はよくされます。

例文②

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メールの下書きという意味で「ドラフト」という言葉を使えますが、その場合の例文はこうです。「メールのドラフトを保存しておいて、後でチェックしなおそう」。下書き保存ができていれば、後で訂正も削除も自由にできます。

例文③

設計図面という意味の「ドラフト」の例文は次のようになります。「このドラフト通りに作ればいいのだな。ドラフトは上手に描かれていて、わかりやすい」。設計図面は正確かつ詳細に描かれている必要がありますが、この例文の場合はまさにそういうことなのでしょう。

例文④

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プロ野球のドラフト会議についての例文は示さなくても、ほとんどの方がご存じでしょうが、一応一つだけ挙げておきます。「ドラフト7位で獲得した選手が、意外に頑張ってくれた」です。

ドラフト会議で指名される順位が高い選手は活躍して当然と思われていますが、順位が低い選手が頑張ってくれると球団もうれしいものです。その気持ちがこの例文に表されています。

例文⑤

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ビジネスシーンでの「ドラフト」を使った例文をいくつか見ておきます。まず「ドラフトだけでいいので、明後日までに作っておいて」です。これは、何らかのビジネス書類の下書きを明後日までに作成してほしいと頼んでいる状況です。

例文⑥

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次のビジネスシーンにおける「ドラフト」の例文は、「ドラフト段階ではよかったのに、いざ資料をまとめてみるとどうも出来栄えがよくない」です。これは下書き段階では満足できる内容であったものの、資料作成の段階に移って何らかの問題があったということです。

例文⑦

部下を叱責している場面で「ドラフト」を使った例文があります。「ドラフトくらい作れないようでは、うちの会社の業務はこなせないよ」です。ビジネスを行う最低要素というものはありますが、その中にドラフト作成も含まれるということなのでしょう。

例文⑧

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「ドラフト」という言葉を使って、ビジネスシーンで人を褒める場合は次のような例文になります。「田中さんは何でもそつなくこなすが、ドラフト作りも非常にうまい」です。ドラフト作りがうまい人がいると、その後の作業も順調に進みます。

例文⑨

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「報告書のドラフトを配布しますので、丁寧に読んでください。読み次第回収します」という例文があります。ドラフト段階とはいえ、大事な報告書ですから、しっかり読んでほしいという気持ちが表れています。やはりビジネスシーンで聞かれるような例文です。

例文⑩

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ドラフトビールという意味の「ドラフト」の例文は簡単です。どこの居酒屋でも聞かれそうな例文ですが、「ドラフトビールを1杯お願いします」です。これで注文が完了し、おいしいドラフトビールが飲め、満足するというわけです。

例文⑪

「ドラフト」には隙間風という意味がありますが、その意味の例文はこうです。「ドラフト感があるという話なので、よく窓を点検させていただいたところ、窓に隙間が空いていました。修理しましょうか」。修理屋さんが言うようなセリフです。

「ドラフト」の語源

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英語の「draft」でも日本語の「ドラフト」でもさまざまな意味がありますが、その語源はどうなっているのでしょうか。ここからは「ドラフト」の語源について勉強してみましょう。日本語の「ドラフト」の語源はもちろん英語の「draft」ですが、さらにその語源はラテン語にあります。

英語の「draft」の語源にあたる言葉はラテン語の「trahere」です。「trahere」とは、引っ張るという意味です。つまり、「draft」のもともとの意味は引っ張るということです。これが語源となって、さまざまな意味が派生しました。

その語源通りの意味と言えるのが、「動物が荷車をけん引する」ということです。そのほかの意味は語源とどうかかわるのかというと、隙間風は空気を引っ張るという感じでしょうか。英語の「draft」には為替手形という意味がありますが、これはお金を引っ張り出すということです。

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ドラフトビールは、樽からビールを引っ張るというイメージになります。下書き・設計図という意味の「ドラフト」は、線を引っ張ると考えれば、語源とのつながりが生まれます。

また、プロ野球のドラフト会議に見られるような新人選抜という意味では、新しい選手を多くの人材の中から引っ張り出すという風にとらえることができます。このように「ドラフト」の語源と現在の「draft」や「ドラフト」との間には必ずと言っていいほど関係があります。

「ドラフト」の英語表現

日本語の「ドラフト」の例文をいくつも挙げましたが、参考のために英語での「draft」の使い方も見ておきましょう。まず、「make out a draft of a speech」と言えば、演説の下書きを作るという意味になります。

「draft」には通風という意味があるので、「drwa a draft」で、風を通すということになります。それから、「register for the draft」で、徴兵に応じるという意味です。「bank draft」は、銀行手形という意味になります。

「ドラフト」は下図・下書きという意味

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ここまで、「ドラフト」の意味、類義語、使い方の例文、語源などの解説をしました。「ドラフト」にはいろいろな意味がありますが、ビジネスシーンなどで最も多く使われる意味は下図・下書きです。この意味さえ覚えておけば、ビジネスでは困らないでしょう。

milky
ライター

milky

WEBライターを長年続けています。書くことと調べることはなによりも好きで、1日中パソコンにかじりついている私です。これからも皆さんのお役に立てる記事を書くべく、最大限の努力をします。パソコン以外では、コーヒーを淹れたり飲んだりするのが大好きです。好きなコーヒーを飲みながら楽しくWEBライティングをしています。

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