iDeCo(イデコ)とは?デメリットなど注意点や始め方を詳しく解説!

iDeCo(イデコ)とは?デメリットなど注意点や始め方を詳しく解説!

iDeCo(イデコ)とは何でしょうか。公的年金のデメリットを補い、自分で老後の生活資金を積み立てしておくことは大切です。iDeCo(イデコ)の加入を検討する人は、そのメリット・デメリットが気になるでしょう。そこで今回は、iDeCo(イデコ)について紹介します。

記事の目次

  1. 1.iDeCo(イデコ)とは
  2. 2.他の年金制度には何がある?
  3. 3.iDeCo(イデコ)に名称を変更して変わった事
  4. 4.iDeCo(イデコ)の特徴とは
  5. 5.iDeCo(イデコ)の加入対象とは
  6. 6.iDeCo(イデコ)の積立金上限とは
  7. 7.iDeCo(イデコ)のメリット
  8. 8.iDeCo(イデコ)のデメリットを詳しく解説①
  9. 9.iDeCo(イデコ)のデメリットを詳しく解説②
  10. 10.デメリットを減らすために
  11. 11.iDeCo(イデコ)は節税効果が高いが始める際は慎重に!

iDeCo(イデコ)とは

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そもそもiDeCo(イデコ)とは何を表すものでしょうか。iDeCo(イデコ)とは、「個人型確定拠出年金」という年金制度の愛称です。制度を普及させるために覚えやすい名称をということで、愛称が付けられた経緯があります。確定拠出を意味する「Defined Contribution」の頭文字「DeCo」と、個人を意味する「i」を組み合わせてできています。

iDeCo(イデコ)とは個人で積み立てる年金制度

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では、次に「個人型確定拠出年金」とは何なのかが問題になります。「個人型確定拠出年金」とは、簡単にいうと個人で積み立てておく年金制度を指します。年金というと、公的年金のイメージが強いところですが、iDeCo(イデコ)は公的年金ではなく、私的年金の分類に属するものです。

他の年金制度には何がある?

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ここで、iDeCo(イデコ)の理解を深めるために、年金制度には他にどういったものがあるのかを紹介しましょう。まず年金には、公的年金と私的年金が存在します。公的年金は、予測することができない将来のリスクに対し、社会全体で行う保障(社会保険)制度です。現役世代が支払う保険料や年金積立金、税金が、高齢者などの年金給付に充てられています。

公的年金は、国民皆年金

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公的年金にも種類がありますが、日本の年金制度は、20歳以上のすべての人が共通して加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金、公務員が加入する共済年金などの2階建ての制度となっています。基本的には20歳~60歳までのすべての国民が保険料を負担して、その保険料を高齢者への年金給付などに充てる仕組みです。

公的年金の給付は?

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公的年金というと、高齢になったときにもらえるお金というイメージがあります。これは「老齢年金」と呼ばれるものですが、給付を受けることができる公的年金はこれだけではありません。他にも、重度の障害を負ったときに受けられる「障害年金」や、一家の大黒柱が亡くなったときに遺族が受けられる「遺族年金」も公的年金の給付です。

私的年金は「確定給付型」と「確定拠出型」に分類

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私的年金は、民間の企業等が公的年金の上乗せの給付を保障する制度です。私的年金は、老後の生活をより豊かなものにするための制度として重要な役割を果たすものです。最近では公的年金の「不足分」を補完する機能も期待されるようになっています。

私的年金の原資は、企業又は個人が負担することになりますが、この負担の仕方で「確定給付年金」と「確定拠出年金」とに分類されます。

確定給付年金

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確定給付年金は、年金としてもらえる将来の給付額を確定させ、必要となる掛け金(保険料)を企業が支払い、運用管理するタイプの年金です。受取額が保障されるので、もし運用等で失敗して積み立てた額が受取額に不足する場合には、その不足分は企業が負担します。

確定給付年金は「Defined Benefit plan」と英語表記されることから、「DB」と略されることがあります。

確定給付年金は、低金利が続く昨今の金融市場のもとでは積み立て不足に陥るケースが目立つようになっており、不足額の補てんで経営が圧迫される企業が増えています。そのため、確定給付年金をやめて確定拠出年金に移行する企業が年々増加していると言われています。

確定拠出年金

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確定拠出年金は、毎月決まった額の掛け金を拠出するものの、受取額は確定しない(保障されない)タイプの年金です。受取額は、掛け金の額と運用実績により異なります。運用の仕方次第で、積み立てた掛け金の合計額を下回ること(元本割れ)もあります。

確定拠出年金(DC)には、「企業型」と「個人型」があります。前者は、企業が掛け金を拠出して個人が運用するもので、企業による福利厚生の一環です。後者は、個人が掛け金を拠出し、個人が運用するものであり、まさに完全自己負担・自己責任で行います。

iDeCo(イデコ)に名称を変更して変わった事

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個人型の確定拠出年金自体は、平成13年にできた確定拠出年金法において認められていた制度ですが、当時はあまり普及しませんでした。ところが、平成29年1月に年金の加入対象を拡大した結果、iDeCo(イデコ)の加入者数が大幅に増える結果となりました。

企業年金連合会の統計によると、平成31年3月末現在のiDeCo(イデコ)の加入者数は1,210,037人となっています。iDeCo(イデコ)に名称変更する前の平成28年3月末時点では加入者数が258,529人なので、実に5倍近くに増加しています。前年同期比で比較しても38%増加であり、その人気は衰えを知りません。

旧制度名「個人型確定拠出年金制度」とiDeCoの違い

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以前の制度とiDeCo(イデコ)との違いの最も大きな点は、iDeCo(イデコ)の加入対象者が拡大されたという点です。

従来は、いわゆる自営業者等(第1号被保険者)や、勤務先に企業年金がない会社員(第2号被保険者)のみを対象としていたのが、平成29年1月からは、第3号被保険者(専業主婦等)、企業年金加入者(ただし、一定の要件あり)、公務員等共済加入者もiDeCo(イデコ)に加入できるようになりました。

iDeCo(イデコ)の特徴とは

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iDeCo(イデコ)は、加入者の口座に老後資金を積み立てていきます。積み立てた資金を加入者自らが運用します。運用の成績によって加入者が老後に受け取る金額が異なります。この過程においては様々な税制優遇(節税効果)が与えられていて、運用の結果如何では受取額の大幅増加も期待できます。

一方で、運用次第では年金の受取額が目減りする可能性もあるので、運用商品を慎重に検討して長期的に運用していく姿勢が大事です。

iDeCo(イデコ)は節税効果が高い

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iDeCo(イデコ)の特徴の一つに節税効果が極めて高いことが挙げられます。これはiDeCo(イデコ)のメリットの一つとなっています。詳細はのちほど紹介しますが、iDeCo(イデコ)の掛け金の拠出時、iDeCo(イデコ)の運用時、年金の受取時のそれぞれの段階で、税制上の節税効果が受けられるよう手当てされています。

iDeCo(イデコ)は積立金の運用方法を選べる

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iDeCo(イデコ)の特徴の2つ目は、積み立てたお金の運用方法を選択できるということです。毎月積み立てる掛金について、金融機関を通じて商品を選んで運用先を決定します。これはメリットにもデメリットにもなります。

元本が増えるも減るも全ては自分の選択に掛かっているわけですが、運用する商品を比較検討するにはそれなりに投資に関する知識が必要になってきます。なお、iDeCo(イデコ)の運用商品には、「元本確保型」の定期預金や保険と、「元本変動型」の投資信託の2種類があります。

定期預金

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定期預金は、銀行などに預けると一定の期間が経過するまでは引き出すことができないタイプの預金です。いつでも引き出せる普通預金と比べると金利は高いですが、現在のような低金利の状況ではそれほど高い利率は期待できず、運用してもそれほど飛躍的に資金を増やせるものではありません。

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例えば、あるiDeCo(イデコ)向けの定期預金の利率は0.02%です。100万円を1年間預けても利息は200円にしかなりません。これだけでも、如何に収益を上げるのが難しいかはわかるでしょう。安定はしていますが、それほど大きな収益は見込めません。同じことは保険についても言えます。

投資信託

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投資信託とは、投資を信託(信用して委託)することであり、投資家から集めた投資金を専門の機関が株式や債券などの商品に運用する仕組みです。投資信託の運用成績は市場環境などによって変動するので、投資した額よりも下回ることもあります。

このように、投資信託は元本が保証されていないためリスクがある商品であるといえますが、反対に大きなリターンも見込めることから、iDeCo(イデコ)の運用商品としては、定期預金よりも投資信託の方が一般的です。

iDeCo(イデコ)の年金資産の受取方法は選択可能

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積み立てて運用した年金資産については、年金の受給権が発生する年齢(原則60歳)に達すれば、一時金として一括で受け取ることができます。また、一時金ではなく年金として受け取ることを選択することも可能です。iDeCo(イデコ)の資産を年金として受け取る場合は5年以上20年以下で、運営管理機関が定める方法により受け取ります。

年金の受給開始年齢は原則60歳からですが、iDeCo(イデコ)に加入していた期間等が10年より短い場合には、受給可能な年齢が繰り下がります。例えば、加入期間が5年の場合には、63歳からの受給となります。

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iDeCo(イデコ)の加入対象とは

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iDeCo(イデコ)は法改正によって、ほとんどすべての現役世代の人は加入対象となりました。国民年金保険料の滞納者・免除者、及び60歳以上の者は加入対象外ですが、それ以外の人は、自営業者や、公務員、会社員はもちろんのこと、専業主婦も含めて、iDeCo(イデコ)に加入できるようになっています。

iDeCo(イデコ)の加入資格とは

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もともと私的年金は、公的年金に上乗せする制度設計となっており、ベースとなっているのは公的年金(国民年金)です。国民年金に加入していて国民年金保険料を払っていることが前提です。この義務を行って私的年金だけ蓄えようというのは都合がよすぎるわけです。

iDeCo(イデコ)の加入審査は、最終的には国民年金基金連合会が行いますが、国民年金のいずれかの被保険者に該当すれば、iDeCo(イデコ)の加入資格があると考えてよいでしょう。

また、この被保険者の種別によって、iDeCo(イデコ)の掛け金の上限額が定められていますので、ここで被保険者の種別について確認しておきましょう。

第1号被保険者とは

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国民年金の被保険者のうち、第1号被保険者は、満20歳以上60歳未満の自営業者、農業、漁業者、学生、無職、フリーターの方及びこれらの配偶者をいいます。国民年金保険法では、2号と3号を定義し、それ以外が第1号の被保険者であるという定め方がされています。

したがって、第1号は必ずしも自営業者であると定義されているわけではありませんが、代表的な現役世代としては、自営業者が挙げられます。

第2号被保険者とは

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第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者です。第2号は被用者(雇われている者)に係る保険です。ここでいう厚生年金には、共済年金も含まれています。かつて、被用者の保険には、厚生年金(会社員)と共済年金(公務員)の2種類がありましたが、現在では一元化され、厚生年金保険に統合されています。

企業に属し且つ企業年金非加入者

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第2号被保険者には、民間被用者(サラリーマン)のほか、国家公務員や地方公務員、私立学校教職員共済制度の加入者など多くの会社員や公務員等が含まれます。

民間のサラリーマンの場合、企業型確定拠出年金に加入していない場合か、加入している場合でも当該規約においてiDeCo(イデコ)に加入できる旨を定めた場合は、iDeCo(イデコ)に加入することが可能です。

iDeCo(イデコ)では公務員も加入対象に

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また、公務員もiDeCo(イデコ)に加入することは可能です。公務員は、共済年金などの公的年金の保障が手厚い印象がありますが、厚生年金との一元化に伴い、公務員特有の3階部分に当たる職域部分の保障は、廃止されています。公務員であっても私的年金充実の要請は認められることから、公務員もiDeCo(イデコ)の加入対象者になっています。

第3号被保険者とは

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第3号被保険者は、20歳以上60歳未満の第2号被保険者の配偶者であつて、主として第2号被保険者の収入により生計を維持するものをいいます。第3号被保険者は「専業主婦」という言われ方もしますが、あくまで第2号被保険者に扶養されている配偶者であって、第1号被保険者に扶養されている配偶者は、第1号被保険者であるので注意が必要です。

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iDeCo(イデコ)の積立金上限とは

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iDeCo(イデコ)の掛け金は、月々5,000円から1,000円単位で設定します。ただし、この掛け金の積立金には年間で上限が設けられています。この上限は、職業等によって異なります。

iDeCo(イデコ)は節税効果が大きいので上限一杯の掛け金を拠出するのも一つの方法ですが、月々の生活を苦しくしては元も子もありません。したがって、上限は比較的運用しやすい額に設定されています。ここでは、職業(被保険者)別の毎月の掛け金上限を紹介します。

iDeCo(イデコ)は加入対象の被保険者種別で積み立て上限が変わる

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iDeCo(イデコ)の掛け金の積み立て上限は、加入対象の被保険者の種別により異なります。具体的には、第1号被保険者の掛け金の上限は月額6万8,000円、第2号被保険者の掛け金の上限は企業年金の状況に応じて月額1万2,000円~2万3,000円、第3号被保険者の掛け金の上限は月額2万3,000円となっています。

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第1号被保険者のiDeCo(イデコ)の掛け金の上限が、他の種別に比べると大幅に高くなっているのは、被用者保険(厚生年金・共済年金)がある第2号被保険者に比べて、第1号被保険者には国民年金しかないため、老後の資金を多く準備できるよう、多めに積み立てられるよう設定されています。

第2号被保険者は他の年金制度により上限が変わる

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第2号被保険者の場合、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入しているかどうか、また、確定給付企業年金や厚生年金基金などの他の企業年金等があるかどうかで、掛け金の上限は変わってきます。企業型DCに加入していない者で、他に企業年金等がない場合は月額2万3,000円、企業年金等がある場合は月額1万2,000円がそれぞれ掛け金の上限となります。

また、企業型DCに加入している者で、他に企業年金等がない場合は月額2万円、企業年金等がある場合は月額1万2,000円がそれぞれ掛け金の上限です。

iDeCo(イデコ)のメリット

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iDeCo(イデコ)のメリットは、節税措置がとられていること、少額でも運用ができることが挙げられます。特に節税措置は、掛け金の拠出時、毎年の運用期間中、年金の受取時と各段階で節税効果が得られるように配慮されています。

このように各段階で節税措置が設けられているのは、すべては老後の資金形成を円滑に行ってもらうための措置であり、このような手厚い節税措置などがiDeCo(イデコ)の普及に貢献していることは疑いようがありません。

掛け金全額が「所得控除」に

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まず掛け金を積み立てする時に節税措置があります。年金資産への積み立ては、保有する現金が他の金融資産に変わるだけであり、会計上は費用として認識されないのが原則です。しかし、所得税の取扱いでは、iDeCo(イデコ)の掛け金は、全額所得控除されます。

所得控除されるということは、所得から差し引くことなので、費用として認められることと同義です。しかも掛け金の全額が所得の額から減らすことができることから、所得税や住民税の額が安くなり、大きな節税効果が見込まれます。

例えば年間12万円を拠出し、所得税率が10%だとすると、毎年1万2千円の税金が減税されているという計算になります。

運用期間中の利益に税金がかからない

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次に積み立てた掛け金の運用時にも節税措置があります。投資で運用益が生じた場合には、その利益が確定した段階で20.315%の所得税・住民税が掛かります。例えば1万円の利益が確定したら、約2,000円は税金で持っていかれ、手元には約8,000円しか残らないというわけです。

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しかし、iDeCo(イデコ)の積み立てにおける運用については、運用益に対して課税されません。すなわち、1万円運用益があれば、丸々1万円が手元に残ることになります。これは大きなメリットです。iDeCo(イデコ)の運用は、将来の年金に備えるためですので、資産が目減りすることがないよう節税効果が得られるよう配慮されています。

受け取り時にも大きな節税効果

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さらにiDeCo(イデコ)は、年金の受け取りの際にも節税措置があります。運用益を非課税にしても、年金の受け取りの段階で丸々課税されるのであれば、ただの課税の繰り延べであり意味がありません。60歳以上に年金資産を受け取る場合に、一括で受け取る場合には退職所得控除が、分割で受け取る場合には公的年金等控除がそれぞれ受けることができます。

全額非課税になるかどうかは、受け取る年金の額や他の年金の収入(分割の受け取りの場合)などを考慮する必要がありますが、いずれにせよ、収入全額が所得として課税されるわけではなく、節税効果を受けることが可能です。

ローコストで少額積立も可能

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老後資金を積み立てるとなると毎月大きな金額が必要ではないかと思うかもしれませんが、iDeCo(イデコ)の掛金は月々5,000円から可能です。家計の状況に応じて、少額から、しかもローコストで積み立てすることができます。5,000円なら、飲み会を1回我慢すれば捻出できる額です。無理なく始められるのではないでしょうか。

iDeCo(イデコ)のデメリットを詳しく解説①

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このように、iDeCo(イデコ)には魅力的なメリットがあるわけですが、メリットばかりではなくデメリットもいくつか存在します。iDeCo(イデコ)を始めてから後悔することがないよう、iDeCo(イデコ)のデメリットについてもしっかりと理解した上で、iDeCo(イデコ)を始めるかどうか慎重に検討しましょう。

デメリット①60歳まで引き出せない!

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iDeCo(イデコ)は、60歳まで引き出すことができません。これはiDeCo(イデコ)最大のデメリットと言えます。お金が急に入り用になったからといって、途中で解約してということも認められていません。中途解約には厳しい要件があり、一般的には認められていません。

iDeCo(イデコ)を始める以上、この積み立てたお金は老後資金以外には使わないという強い意志が必要になります。

デメリット②運用方法によっては元金が減る!

iDeCo(イデコ)のデメリットの2つ目は、運用方法によっては積み立てた元金が減ることがあるということです。上述のとおり、投資信託のように「元本変動型」の商品の場合、元本が保障されていません。老後資金を増やそうと思って始めたのが、逆に資金を減らしてしまうこともあることは注意しておく必要があります。

デメリット③途中で辞める事が出来ない!

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iDeCo(イデコ)は、原則途中で解約することができません。途中でやめることができるのは、①脱退一時金を受け取る場合②加入者死亡した場合③加入者が病気や怪我で障害を負った場合の3つの場合に限られます。①脱退一時金を受け取るには、国民年金の免除や、通算拠出期間・管理資産の額など厳しい要件があります。

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iDeCo(イデコ)は、老後の資産形成を目的に節税措置も認められるものであるので、やむを得ない事情がない限り解約ができません。生活資金等が苦しくなった場合には、基本的には途中解約はせずに、掛け金を下限いっぱいまで下げるか、一時休止で対応することをおすすめします。

iDeCo(イデコ)のデメリットを詳しく解説②

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上記のiDeCo(イデコ)のデメリットは、とても大事なポイントになります。将来を気にするあまり現在の生活を苦しくしてしまっては本末転倒です。節税のメリットと、一定の制約やリスクを踏まえて、iDeCo(イデコ)を継続的に、無理なく運用できるかどうか検討しないといけません。上記のほかにも細かいデメリットがいくつかありますのでご紹介します。

デメリット④節税には年末調整か確定申告が毎年必要

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節税メリットのうち、掛け金拠出時の小規模企業共済等掛金控除と、年金受け取り時の退職所得控除を受けるには、年末調整あるいは確定申告の手続きが必要になります。特に、問題となるのは毎年の掛け金拠出に係る年末調整あるいは確定申告です。

拠出額は定額なのでそれほど難しい計算を行う訳ではありませんが、毎年の節税効果を受けるためには、忘れず年末調整等で忘れずに手続きを行う必要があります。

デメリット⑤手数料がかかる

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iDeCo(イデコ)の加入後、原則として、掛け金又は個人別管理資産残高から口座管理手数料等が差し引かれるのもデメリットの一つです。iDeCo(イデコ)を始めたころは、掛け金拠出の全額が資産に組み込まれていないので疑問に思う人が多いようです。

一般的には毎月数百円程度手数料が徴収されており、掛け金からこの手数料を差し引いた額が年金資産に充てられます。

デメリット⑥ふるさと納税との併用時

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ふるさと納税の控除額の上限は、課税所得が基準となります。上記のとおり、iDeCo(イデコ)の積み立て部分は、所得控除されるのでその分課税所得が低くなり、それに伴ってふるさと納税の控除額が減少することになります。ふるさと納税の控除額(寄付金)が減ると、自治体からの返礼品も質素なものになります。

このように、ふるさと納税とiDeCo(イデコ)の併用がデメリットになることがあります。同じことは、住宅ローン控除とiDeCo(イデコ)の併用がデメリットになることもあり、注意が必要です。

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デメリットを減らすために

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上で紹介したiDeCo(イデコ)のデメリットのうち④~⑥についてはある程度甘受せざるを得ませんが、④年末調整や確定申告については慣れればそれほどデメリット感もなくなります。

また、⑤手数料についてもなるべく手数料が低い金融機関を選択することでデメリットを回避することができます。

年金資産の減少についても、金融機関を慎重に選んだり、つみたてNISAを併用することで、リスク回避を図ることが可能です。

金融機関を慎重に選ぶ

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iDeCo(イデコ)を取り扱う金融機関はたくさんありますが、一度選択した金融機関を変更することは困難です。変更手続きには2、3か月の期間がかかり、3,000~4,000円程度の変更手数料が必要になることがあります。したがって、iDeCo(イデコ)を始める際に金融機関は慎重に選びましょう。選ぶポイントは、手数料、商品内容、サポート面です。

手数料

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手数料には、加入時に支払う手数料のほか、毎月の運用期間中に係る手数料が発生します。加入時の手数料は、概ねどの金融機関も同じになっていて、審査機関である国民年金基金連合会の手数料2,777円(定額)がほとんどです。一方、運用期間中の手数料は金融機関でさまざまで、低いところで167円、高いところでは600円というところもあります。

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毎月の手数料は、国民年金基金連合会が月103円、金融機関(信託銀行)が月64円、運営管理機関が月0円~450円程度かかります。1月で見ると400円程度の違いに過ぎませんが、加入期間が長くなればなるほど、積もりに積もって数万円の違いになってきます。したがって、手数料は低いに越したことはありません。

商品内容

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商品も種類が多いに越したことはありません。iDeCo(イデコ)の運用商品には、「元本確保型」の定期預金や保険と、「元本変動型」の投資信託と2種類がありますが、特に投資信託の商品が充実していることがポイントです。

一口に投資信託といっても国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、REITなど投資先に応じてさまざまな種類が存在します。元本割れすることがないよう、適切に配分するのが理想です。

サポート面

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また、サポート体制が充実している金融機関を選ぶようにしましょう。コールセンターの問い合わせ受付日・対応時間や、ホームページの加入者用WEBページ(専用アプリ)の見やすさ・使いやすさなどがポイントです。

これらは実際に使ってみないと使い勝手が分からない面がありますので、実際にその金融機関を利用している人のブログなどがあれば、その人の評価を確認してみるのもよいでしょう。

つみたてNISAを検討する

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つみたてNISAとは、年間40万円の積立投資信託を20年間にわたって非課税にする措置で、平成30年1月1日に開始された制度です。NISA自体は、「少額投資非課税制度」として、平成26年からスタートしたものですが、つみたてNISAが創設され、今後は現行のNISA制度はこのつみたてNISAに統合される予定です。

つみたてNISAも、長期の投資に向いた制度であり、年金資産の構築に活用することができます。

つみたてNISAのメリット

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つみたてNISAも「非課税制度」であるので、その節税効果は大きいものです。例えば、通常の証券口座では、運用益が生じると20.315%の所得税・住民税がかかります。例えば10万円利益が出ると、手取りは7万9,685円になってしまいます。しかし、つみたてNISA口座の場合には、10万円の利益がそのまま残ることになります。

また、つみたてNISAは、積み立てた資産をいつでも引き出すことが可能です。この点も、原則60歳になるまでは引き出せないiDeCo(イデコ)との大きな違いです。

つみたてNISAのデメリット

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つみたてNISAも元本割れする可能性があるなどのデメリットがあります。しかし、「つみたてNISA」の運用商品は、金融庁による一定の条件を満たした投資信託・ETFのみが対象となっているので、投資初心者が投資しやすいよう配慮されています。この点は、選びやすいという面もある一方、選択肢が限定されるというデメリットにもなりえます。

iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの併用

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生活資金に余裕がある者からするとiDeCo(イデコ)の上限額は比較的低めに設定されています。したがって、上限額を超えた分については、つみたてNISAを行うなどすれば、非課税枠という節税効果を十分に生かした投資活動ができます。iDeCo(イデコ)のデメリットを補いながら、老後の資産形成をすることも検討してみるとよいでしょう。

iDeCo(イデコ)は節税効果が高いが始める際は慎重に!

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今回はiDeCo(イデコ)について紹介しました。老後資金の積み立てを開始するなら早めに始めるのがよいですが、iDeCo(イデコ)を始めるなら、節税効果などのメリットだけでなく、デメリットについても目を向けておくことが大事です。一度始めるとなかなか辞められない制度であるので、後悔することがないようしっかりと検討してください。

たけかずや
ライター

たけかずや

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