「風来坊」の意味は?使い方や語源に類語も分かりやすく解説!

「風来坊」の意味は?使い方や語源に類語も分かりやすく解説!

風来坊という言葉をご存知でしょうか?たまに耳にするけど一般的に用いるような言葉ではない様子です。風来坊という言葉にはどのような意味があるのでしょうか?今回は風来坊の使い方、類語や対義語など含めた特集です。風来坊の意味を分かりやすく解説していきます。

記事の目次

  1. 1.風来坊の意味とは?
  2. 2.風来坊の対義語・類義語
  3. 3.風来坊の使い方・例文
  4. 4.風来坊と風雲児の違い
  5. 5.風来坊を使う際の注意点
  6. 6.風来坊の由来・歴史
  7. 7.風来坊の英語表記
  8. 8.風来坊の漢字
  9. 9.風来坊は放浪者という意味

風来坊の意味とは?

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一般的な場所で頻繁に使う言葉というわけではありませんが、「風来坊」という言葉を耳にしたことはありませんか?日常会話の中で容易く活用できる言葉とはちょっと違うもので、その意味や語源など興味の対象にもなります。

この言葉の意味について疑問を感じているという方へ、今回は風来坊の意味や使い方、対義語や類語、例文や注意点などの特集です。風来坊という言葉には一体どんな語源があって、どこからやってきて定着したのでしょうか?

風来坊の本来の意味

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風来坊の読み方は「ふうらいぼう」です。どことなく聞いた響きだと認識している方も多いはずです。毎日の生活の中でさほど登場する機会はないのですが、ちょっと分けありげな漢字表記ですし、そもそもどんな意味なのでしょうか?

実はこの意味は、「どこからともなくやってきて、やがて去っていく人物」のことを指します。まるで風が吹いていくかのように振る舞える自由人のことを意味しているようです。

住所不定な人物を意味する

風来坊といえば、安定して住む家を持たないまま住所不定な人のことを意味します。色々な場所へ行ってはその先で日雇いの仕事を見つけて臨時で働き、その日暮らしをずっとしているような人物のことを表す意味にも用います。

昔は風来坊がたくさんいた

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現代では定住地を決めずに日本国内を旅するような風来坊的な立場の人は少なくなったのですが、昔は結構多く風来坊のような人々が存在していて一般的でした。

「フーテン」などという言葉でも代表的なことから、一つのことに執着したりせず、自由気ままな態度でいつも行動し続けることを意味するようになりました。

風来坊は悪いイメージ?

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風来坊は、あちらこちらと流れ渡っていく人物なので、安住の地を作らないことが特徴です。着の身着のまま好き勝手な態度ということで、一般的には風来坊と聞けば悪いイメージが持たれています。

しかし現代になって、そのような身分の人々も少なくなったことや、管理社会化した中で、自分の感性や考え方で自由な生きざまを代表する風来坊的なライフスタイルは、新しい憧れという見解をする人も存在します。

気さくに立ち振る舞う意味もある

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また風来坊として実際に生活しているわけではない場合でも、そのような振る舞いをする人を例える場合に用いる使い方もします。

何となくのらりくらりとしている印象の人物や、分け隔てなくどこにでも顔を出す神出鬼没な人物、そのような性格の人に対して、まるで風来坊のようだとい表現をすることもあります。

必ずしも悪い印象だけではなく、フットワークが軽そうな人だと思った時に、風来坊みたいだという印象を持つものです。

風来坊の対義語・類義語

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風来坊という言葉は、定住しないで自由にさまよう人のことを意味しますが、それと類似している言葉や反対の意味の言葉にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、風来坊という言葉の類語や対義語にスポットを当ててご紹介します。

類語①流れ者

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風来坊という言葉に一番近い意味を持っているのは、「流れ者(ながれもの)」です。この言葉の意味は、「ある土地から別な土地へと、方々渡り歩きながら暮らしている人」のことを指しています。

例えば、昔の西部劇の映画などでは、流れ者のガンマンというのが登場します。流れものが主人公として活躍するストーリーの作品がたくさんあり人気となりました。颯爽と町から町へ渡り歩く描写に、多くの人々が憧れたようです。

類語②さすらい人

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風来坊の類語の一つに「さすらい人(さすらいじん)」という言葉もあります。これの意味は、「行き先がなく当てなくさまよっている人」のことを指す使い方です。

事情はともかく、ある意味でホームレスとして生活している人々などは、この意味にも該当します。あるいは生活状況のことではなく、心ここにあらずな気持ちの焦点があってない状態の場合にも意味をなします。

類語③放浪者

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風来坊の類語として「放浪者」という言葉もあります。これも先述した類語と同様に、あてもなくたださまようような状態の人物を指して使う言葉です。ただし放浪という言葉には、旅をして回るという目的を意味する場合も考えられます。

特に世界中を旅して回るような「バッグパッカー」は、ぴったりと当てはまる言葉ではないでしょうか?

類語④ロマ

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先述したさすらい人とも類語になるのが「ロマ(roma)」です。ロマとは、以前はジプシーと呼ばれていた集団の一種を指します。主に北インドのロマニ系が語源とされ、中東欧にて居住している移動型民族のことです。

やや世界情勢にも絡んできた一部のマイノリティではあります。現代になって定住生活をする人も多くなってきたようです。

対義語①定住者

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風来坊の意味が、土地から土地へと渡り歩く放浪の民ということであれば、その逆の対義語になる言葉としては「定住者」が当てはまります。一定の土地を安住の地として決めて落ち着くような人物のことを指します。

対義語②土着民

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風来坊の対義語として「土着民」という言葉も考えられます。この言葉は「一定の土地に一生涯住み着いて、そこで子孫を増やしていくような人物」とも言えます。自分だけではなく代々まで受け継いでもらうことを目的にしている場合が該当します。

対義語③居住者

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上記の定住者とも類語になるのが「居住者」という言葉で、これも風来坊の対義語に該当します。ある一定の家屋に居留しながら、毎日を過ごしている人々のことを意味しています。一般的庶民のほとんどは、この居住者もしくは定住者と言い換えられます。

風来坊の使い方・例文

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風来坊は、あまり日常会話などで気軽に使う言葉ではありません。しかし何かの折に聞かされたり登場する場合も想定できます。風来坊という言葉の使い方を知っておいて損することは絶対にありません。

風来坊という言葉は、いつどのようなシチュエーションでの使い方が適当なのでしょうか?そこでここでは、風来坊という言葉の使い方を例文に沿ってご紹介します。

例文①

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「このまま風来坊みたいな暮らし方をすると後悔するだろう」という例文のような使い方ができます。のらりくらりと毎日生きているだけでは、将来設計を怠って後々反省するだろうという戒めです。

ここでの例文としては、風来坊という言葉をネガティブな意味合いで考え、どちらかといえば相手へ忠告する使い方をしています。

例文②

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「彼はまるで風来坊のような人なので、どうやって毎日過ごしてるのか?」という例文のような使い方もできます。自由奔放で神出鬼没、かなり謎めいた人物が自分の周辺にいるとしたら、きっと風来坊のような印象を持つことでしょう。

ここでは、相手の印象を自分が主観的に考えている状態です。本来の彼が本当に風来坊かどうかは、この時点では明らかではありません。

例文③

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「まるで西部劇に出てくるの風来坊のような風貌だ」という使い方も一つあります。どちらかといえば、その人の生活基準のことではなく、あくまでも見た目からそう言っている状態の例文です。

無精ひげを生やして同じ服ばかり着ている人に向けた発言ではないでしょうか?この例文も上記と同様に、自分からの主観なので、本当に相手が風来坊かどうかは別問題となっています。

例文④

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例文の4つ目として、「風来坊のように飄々と生きていきたい」という、あまり現代では叶いそうにない憧れを抱く際の表現があります。

ここでは風来坊という言葉を肯定的な意味合いでとらえている状態です。自由気ままで何者のも束縛されずに、行きたい所へただ行くというそうな生き方は究極なのかもしれません。

風来坊と風雲児の違い

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風来坊という漢字とも字面が類似しているものとして「風雲児」という言葉があります。一見すると、同じような意味を含んだ類語だと思われがちですが、実は全く違います。風雲児とはどのような意味なのでしょうか?

風雲児は異端児という意味

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風来坊と類似していそうな風雲児という言葉ですが、これは居場所が定まらない人のことを指す意味ではなく、「異端児」という意味が最も近い言葉です。

つまり風雲児とは、ある時代での常識を逸脱し、歴史的な事件や変化の中で活躍を果たした英雄、著名人、偉人のような存在を指します。例えば織田信長や坂本龍馬のような存在こそ風雲児にふさわしいと言えるでしょう。

風来坊を使う際の注意点

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定住をしていない人物のことを言い表す言葉である風来坊という言葉ですが、これを使う際には、どのような注意点が必要なのでしょうか?ここでは、風来坊を取り扱う際の注意しておくポイントをご紹介しましょう。

必ずしも否定的意味では使えない

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風来坊という言葉はつい否定的な意味での使い方をしがちです。第3者によって見た目やその印象から相手を判断してそう言い表している言葉です。どうしても定住せずふらふらしていると聞かされると、社会人として疑問を持ってしまいがちです。

しかし当人は、その生き方を好んでしている場合もあれば、何かの事情でそうせざるを得ない場合もあります。あまり主観的で狭義な考えを押し付けてしまうと、相手を差別する用語にもなるかもしれません。

風来坊の由来・歴史

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風来坊という表現は、そもそもどこからやってきたものなのでしょうか?誰がそのような表現を初めてし出し、その背景にはどういった由来や語源などのルーツが隠されているのでしょう。ここでは風来坊の語源などについてご紹介していきましょう。

由来

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風来坊の語源は、そのままこの漢字のつながりが示している遠いです。まるで風のように行ったり来たりしている様子を、自然とそう描写し始めたことから始まっているようです。ただしいつだれがその語源を作ったのかは定かではありません。

また、風来坊の「坊」という漢字の語源は、僧侶のことを言い表しています。僧侶は得が高い人物として崇められていたので、その語源が徐々に変化しながら一般の成人男性そのものも表現するようになったとされています。

歴史

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風来坊の語源に近い表記が歴史上で登場したケースは、江戸時代中期の本草学者である平賀源内の「風来山人」が顕著です。平賀源内といえば戯曲家でもありエレキテルでも有名な発明家でもありました。

彼が自分のペンネームをこう称していたことが分かっています。今で言うマルチタスクをこなしてきた人物が、自分を風来坊に例えた意味合いがうかがえます。

また近松門左衛門作による人形浄瑠璃の国姓爺合戦(こくせんやかっせん)の中にも「風来人」という言葉が登場します。これも自由な気風を浄瑠璃にも取り入れていこうという意思がうかがえます。

風来坊の英語表記

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風来坊という言葉の響きは、日本語特有な感覚です。もし同じ意味合いの言葉を英語で訳すとしたらどのような表記になるのでしょうか?

実は、英語の中でも風来坊に類似した言葉はいくつかありますので、ここではその代表的な英語表記をいくつかご紹介します。

①wanderer

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本来の風来坊のイメージは、ふらふらしているというよりも自由気ままに行きたい所へ行く憧れの要素も強かったようで、そんな語源の意味合いに近い英語としては、wandererが相応しいのではないでしょうか?自分らしくふるまう生き方を肯定的にとらえているようにも聞こえます。

②vagabond

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風来坊を「放浪する」「放浪者」という意味でとらえるのなら、vagabondという英語が適当です。漫画のタイトルでも有名になり、宛てなく旅をし続ける素浪人のようなイメージが持てます。自由な感覚であらゆる土地を渡り歩く意味合いがあります。

③outlow

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町から町へと渡り歩くoutlowという言葉の意味も、風来坊に近い英語表記です。ただしこの言葉の場合、「無法者」という言葉とも意味が通じ、何かしらの理由で法の目をかいくぐって逃げ惑っているような不法な人物という要素のほうが強くなります。その点を注意し取り扱うことが望ましいでしょう。

風来坊の漢字

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風来坊の漢字の成り立ちは、極めてシンプルだと言えます。まるで風が吹くように予定も何もなく、流れていく様子がそのまま当てはめられているだけの意味です。「風」が「来る」みたいに、その場に留まらない状態を表現した意味を含んでいます。

また「坊」とは僧侶のことを意味すると先述しましたが、他にも「男の子」のことも意味しています。これは、昔の男子のほとんどが、まるで僧侶のように坊主頭だった慣わしからきています。

風来坊は放浪者という意味

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総じて風来坊という言葉は、放浪者という意味でとらえておくのが一般的です。定住地や安住の地を作らずに、気ままに自分の行きたい場所へ赴くようなライフスタイルをした人物を意味します。

昔はそのような人々が多かったようですが現在は減少しています。とはいっても世界を旅するバックパッカーもいれば、事情があってホームレス生活を余儀なく過ごす方もいます。

風来坊という言葉を必ずしも否定的な意味だけで使用するのは、相手に対して失礼な態度になりかねませんので、使い方や適した意味を吟味し注意しておくことが大切です。

kuritch1
ライター

kuritch1

本業は、叶えたい夢をヒアリングして、一枚の水彩画にする画家をやっています。今までに300点程のオーダーメイドの絵をお描きしました。画家をやりつつ以前から音楽評論を中心にしたライティングを併行しています。現在では音楽以外のさまざまな分野のライティング依頼を承っています。商品紹介やビジネス系のライティングも得意です。

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