お詫び状はどう書いたらいいの?
今回はお詫び状について解説をします。ビジネスシーンなどで事故などのトラブルが発生たときに、そのお詫びをする際に作成する書面です。その書き方やマナーなどを、例文を交えながら解説していきます。
そもそも「お詫び状」とは
そもそもお詫び状とは何でしょうか。お詫び状とは、顧客や得意先企業に対し発行する書面で、自社製品の不具合や事故の発生などで迷惑をかけてしまったことに対する謝罪をするための書面です。社外文書となるので会社の印象を左右することを忘れないようにしましょう。
謝罪する気持ちを表すもの
お詫び状は、社外の相手に対して謝罪の気持ちを表現する書面になります。大事な顧客や得意先企業に対し迷惑をかけたことに対する謝罪になります。社外文書で、会社を代表して謝罪することになるので、正しい形式で心を込めて作成する必要があります。
お詫び状を送る際の基本的な注意点
続いて、お詫び状を作る際の注意点について紹介します。会社を代表してお詫びをすることになるので、社内のルールがあれば順守するなど注意して作成することが求められます。失敗の上塗りをしないよう、慎重に対応しましょう。
できるだけ早く送る
お詫び状を送る際の注意点の一つ目は、できるだけ早く送ることです。内容に不備があっては意味がありませんが、謝罪の気持ちを表現するための文章ですから、少しでも早くその気持ちを伝えることは相手に与える印象に影響します。
言い訳をせず素直に謝罪
お詫び状を送る際の注意点の二つ目は、言い訳をせず素直に謝ることです。謝罪する内容によっては、言い訳したくなることもあります。しかしそこはお客様に対しての謝罪ですので、素直に謝罪することで心象をさらに悪くしないで済みます。
原因・対応状況・再発防止策をきちんと伝える
お詫び状を送る際の注意点の三つ目は、問題が発生した原因・現状の対応状況・今後の再発防止対策などを明確に伝えることです。発生した問題は取り返しがつきませんが、今後の姿勢を示すことでお客様に対して安心感を与えられます。
お詫び状の書き方【企業向け】
続いて、お詫び状の書き方について解説をしていきます。まずは、企業に勤務する方がお詫び状を出すときの書き方から解説します。所属する会社を代表して出す書面になりますので、細心の注意を払ってお詫び状を作成するよう心がけましょう。
宛先の書き方
まずは、お詫び状を郵送する際の封筒及び書面上に記載する宛名書きから解説します。宛名を企業名で出すのか、個人のお客様宛に出すのかで対応が異なってきます。宛名書きと言えども、間違った記載をしていると印象が悪いので注意しましょう。
企業に出す場合
まずは、企業向けにお詫び状を提出する場合の宛名書きから解説します。「〇〇株式会社御中」が一般的ですが、社長名を入れたり担当者名を入れる場合は、御中を省きます。「〇〇株式会社 取締役社長 △△殿」とします。
お客様に出す場合
お詫び状を個人のお客様向けに郵送する場合は、相手の氏名を記載するだけで構いません。「〇〇 △△様」とするのが一般的です。誤って氏名の後ろに「御中」などをつけないように気をつけましょう。
提出日・担当者名を明記
続いて、提出日と担当者名を記載します。お詫び状の右上に記載するのが一般的です。会社の住所と電話番号を記載するのが礼儀です。また、担当者氏名の右下あたりに捺印をするのも礼儀の一つです。忘れないようにしましょう。
お詫び状の文章構成
お詫び文の文章構成について解説します。一般的な構成はほぼ決まっています。謝罪の内容ももちろん重要ですが、ある程度定められた形式に則ってお詫び状を作った方が、受け取る側も読みやすくて印象が良くなります。
頭語
お詫び状を作る際に、まずは頭語を記載します。例えば、「拝啓」とするのが一般的です。より丁寧な表現にしたい場合は「謹啓」や「謹白」などとするとよいです。頭語に対する結語は決まっているので、結語を記載する際には注意しましょう。
お詫びの言葉
お詫び状作成では、頭語の次にお詫びの言葉を述べます。お詫びを述べる状況になった要因がどんなことであれ、まずは素直に謝ることが大事です。謝罪の気持ちを強く持っているということを先方に理解してもらうために重要なことです。
反省の言葉
お詫び状作成では、続いて反省の言葉を述べるのが一般的です。「お客様にご迷惑をおかけしてしまったのは、ひとえに弊社の社内管理体制が不十分だったと深く反省しております。」などの例文が挙げられます。自らトラブルに対し振り返る姿勢が大事です。
今後の決意
お詫び状作成において、続いては今後の決意を述べるのが通例です。同様の問題を起こさないよう誠心誠意尽くすという気持ちを伝えることが大事です。どのような対策を今後とるのか、その具体策を述べてもいいお詫び状になります。
再度お詫びの言葉
お詫び状作成の流れの通例では、最後に再度お詫びの言葉を添えるのが一般的です。「この度の不祥事でお客様に多大なご迷惑をおかけしたこと、重ね重ねお詫び申し上げます。」などとお詫び状を締めくくることで印象の良い文章になります。
結語
お詫び状の最後に結語で締めくくります。この結語は、頭語との関連で決まります。拝啓と敬具など、頭語と結語は連動しています。せっかく内容の良いお詫び状ができても、頭語と結語が間違っていては印象の悪い文章になるので注意しましょう。
お詫び状の例文紹介
つづいて、お詫び状の例文をシーンごとに紹介していきます。謝罪をしなければならない状況を想定するのもおかしいので、お詫び状作成のテンプレートを用意する必要はありませんが、ある程度パターンを知っておくといざお詫び状を作成する際に参考になります。
企業に出すお詫び状例文
まずは企業あてに提出するお詫び状の例文です。「拝啓 平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。この度の当社の商品不備により、御社に多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。」などの書き出しになります。
お客様に出すお詫び状例文
次に個人のお客様宛に提出するお詫び状の例文を紹介します。「拝啓 平素は多大なるご高配を賜りありがとうございます。今回の販売代金誤りについて、深くお詫び申し上げます。当社社内管理体制の不備が原因であると反省しております。」などのような書き出しになります。
企業から出すお詫び状のマナー
続いて、企業代表として提出する際のお詫び状のマナーについて解説します。封筒は縦書きがいいのか横がいいのか、あるいは手書きで文章を書く方がいいのか、さらには便箋の色や折り方など聞くに聞けない細かい対応について解説します。
縦書き・横書き
お詫び状の書面は、横書きの方がいいのか、縦書きがいいのか、どちらでしょうか。縦書きの方が改まった印象になります。ただ、ビジネスにおいては横書きのお詫び状も増えてきており、どちらが正解ということはありません。
手書き・PC入力
お詫び状は手書きかパソコンでの出力か、どちらがいいのでしょうか。企業向けに提出する場合は、パソコンで美しく仕上げる方が一般的です。個人のお客様に提出する場合は、誠意が伝わりやすいという点で手書きによるお詫び状もいいかもしれません。
便箋の色
お詫び状に適した便箋の色は、通常は白色の無地です。罫線の無い便箋が最もフォーマルとされています。様々なシーンで活用することができます。縦罫線入りの便箋もよく利用されます。派手な色の便箋はお詫び状作成には不向きです。
便箋の折り方
お詫び状を作成した後、便箋を折り曲げる際には三つ折りが原則です。紙面を開いた際に、書き出しの部分が最初に目に入るように折り曲げる方向を考えましょう。封筒に入れる際には、書き出し部分が左上に来るようにするのが一般的です。
お詫び状の書き方【個人向け】
最後に、個人の方がお詫び状を発行する際の注意点などについて解説します。個人の方がお詫び状を発行するケースとはどんなものがあるのか、その注意点なども含めて事例を交えながら細かく解説をしていきます。
個人でお詫び状を書くケースとは
個人の方がお詫び状を発行しなければならなくなるケースはそれほど多くありませんが、例えば不動産経営をしている方で、賃借人に対して入居物件の不具合で迷惑をかけたケースなどが想定されます。交通事故などを起こして、被害を与えた相手に送るケースもあります。
事故によるお詫び状の注意ポイント
交通事故を起こしてしまい、被害を与えた相手にお詫びをする際は、できるだけ直接会ってお詫びをするのが正しい対応です。遠方に住んでいるなどですぐに会うことができない場合は、お詫び状を発送してお詫びをしましょう。
事故の原因
事故に対するお詫び状を作成する際のポイントを紹介します。まず、事故を起こしてしまった原因を報告することが必要です。どちらにどの程度の過失があったのか、明確に分かりやすく記載することが必要です。
事故防止のための対策
続いて、今後同様の事故を起こさないためにどのような対策を取るつもりなのか、記載する必要があります。事故を受けた側からすれば、同じような事故は二度と起こってほしくないと考えるのが当然の流れになります。
反省の言葉
最後に反省文を入れて締めくくりになります。事故を起こしてしまったことを素直に認め、真摯な態度で謝罪し反省の気持ちを述べることが重要です。そうすることで事故を受けた側も納得しやすくなります。
事故によるお詫び状例文
個人の方が事故に対するお詫び状の例文を紹介します。「前略 この度は私の運転ミスにより○○様に多大なご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。運転中の一瞬の迷いにより起こってしまった事故で、たいへん反省しております。」などと始めるのが一般的です。
お詫び状は文面に注意してできるだけ早く送ろう
以上お詫び状を作成することについて解説をしてきました。お詫び状を作成する際は、素直に自分の非を認め、できるだけ速やかに作成して先方に送付することが重要です。文面の形式などに注意して早めに対応しましょう。