「一時間弱」とは何分のこと?正しい意味や一時間強・小一時間との違いも解説!

「一時間弱」とは何分のこと?正しい意味や一時間強・小一時間との違いも解説!

「一時間弱」というのはどれ位の長さの時間なのでしょうか?一般的に時間の目安として使ったり、また人からも聞いたりするおおよその時間の表し方なのですが、「一時間強」や「小一時間」とどのような違いがあるのでしょうか?ここでは「一時間弱」について詳しく紹介します。

記事の目次

  1. 1.「一時間弱」って何分のこと?
  2. 2.「一時間弱」の意味とは?
  3. 3.「一時間弱」と「一時間強」の違い
  4. 4.「一時間弱」と「小一時間」の違いは?
  5. 5.「一時間弱」の意味を覚えて正しく使おう!

「一時間弱」って何分のこと?

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あなたは「一時間弱」かかりますとか、「一時間弱」お待ち下さいなどと、人から言われて「一時間弱」だと少し得をしたように思いましたか?それとも損をしたように思ったでしょうか?「一時間」を基準に、具体的に「何分」なのか表示された方が分かり良いのにとも思ったことでしょう。

日本語には数の前に「およそ」、「約」、「小」をつけたり、数の後ろに「弱」、「強」などをつけて数の長さや度合を表す言い方があります。例えば「およそ一時間」、「約一時間」、「小一時間」、「一時間弱」、「一時間強」の言い方ですが、人によって「何分」かの感覚が異なります。

特に困るのは「一時間弱」と「一時間強」の使い方です。もし「一時間弱かかるよ」と言った人が「一時間弱」だから50分位と思い、相手が「一時間弱」だから70分位かと思っていたら20分も誤差が出てしまうのです。では「一時間弱」がどのような時間で「何分」位の長さなのか紹介しましょう。

「一時間弱」の意味とは?

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「一時間弱」の意味を見てみましょう。「一時間弱」は、「一時間」より短いのか長いのか、「何分」位なのか知りたい所です。「一時間弱」の意味は「一時間」と「弱」を分けてみると良いです。というのも「一時間弱」の「弱」の解釈について若い世代ほど誤解があったからです。

NHK放送文化研究所のウエブでのアンケート(2016年)で、「一時間弱」を「一時間」より少し長い時間だとの誤解がありました。20代で25%、10代では34%もいました。また「一時間弱」も「一時間強」も「一時間」以上との回答がありました。

これは「一時間弱」は「一時間」を基準として「一時間」より少し長い時間、「一時間強」は一時間よりもかなり長い時間だとの誤解です。「弱」と「強」を度合いの意味合いで捉えることからの誤解です。

「弱」の意味

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「弱」の意味について見てみましょう。「〜弱」は「数量を表すことば」につけて、それより「やや」少ないことです。けれど中には、この「弱」をそれより「やや」多いと勘違いしている方もいるらしいのです。これでは、「一時間弱」でとお互いが約束しても、共通の時間の認識にはなりません。

「弱」は数量を表す名詞につけて、端数を切り上げた数字を表しています。「一時間弱」は「一時間足らず」と同じ意味で、実際はその数字より少ないことです。「弱」の反対語は「強」です。例に「二カ月弱」などあり、この場合は「二カ月弱」より少ないことを表します。

「一時間弱」の正しい意味は50分

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「一時間弱」の正しい意味が「何分」かと言うと50分です。数値では「一時間弱」は、おおよそ50分〜58分あたりを指します。「一時間弱」の誤解は、「一時間」に「弱」をプラスして「一時間弱」と考えている場合です。この誤解の原因は、下の説明での「震度」の表示からの場合もあげられます。

また一方で、冷房車の表示では弱冷房車は、他の車両より温度を高く設定しています。この場合の「弱」は、明らかにプラスの意味ですここから「一時間弱」を「一時間」を超えた時間と誤解している場合も見られます。

どうやら「一時間弱」という言い方でコミュニケーションに行き違いが起きるより、「何分」という時間表示を使い一時間弱は「50分」だという共通の時間認識を持つ方が良さそうです。

「一時間弱」を誤解している人が多い理由は震度?

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「一時間弱」の誤解は、実は「震度」の表示方法から来ています。地震の「震度」を表す場合、「震度6」とぴったりした言い方はしません。「震度6弱」とか「震度6強」と言います。「弱」、「強」は「やや強い」か「かなり強い」の度合いを表します。

ちなみに、日本の地震の震度表示は、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階が使われています。1965まで震度階級は0〜7の8段階でしたが、1996年から震度5と震度6に「強」、「弱」が新設され10段階になりました。

1994年の三陸沖地震、1995年の兵庫県南部地震で震度5、震度6を観測した地域の被害程度の幅があり過ぎたため、「弱」、「強」の度合いの表示が加えられたのです。

「一時間弱」と「一時間強」の違い

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「弱」は「接尾語」として、その数に足らず端数を切り上げるとその数になることです。例としては「50人弱の児童」、「10万円弱の貯金」そしてここで取り上げられている「一時間弱」です。つまり「一時間弱」は、「一時間」を基準にしてわずかにマイナスの時間とイメージできます。

一方「弱」に対し「強」も「接尾語」として使われ、数量を表す語などにつけて、端数を切り捨てるとその数になります。例として「4メートル強」などがあり、その数字よりもやや多いことを表します。「一時間強」は、「一時間」を基準として、わずかにプラスの時間というイメージです。

「強」の意味

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「強」の意味について見てみましょう。「〜強」は、その数量を少し超えた数量のことです。反対の「〜弱」は、その数量に少し足りない数量を意味します。ですから、ここでの「一時間強」は70分あたりを指すことになります。

NHK放送文化研究所がウエブで行った「7割強は何%か?」のアンケートで年代によって異なった回答が出ました。全体では「7割強」は「74%以下」だとの回答でした。

けれど60歳以上では「7割強」を「71%以下」と回答、若年層では「79%以下」との回答がありました。若い年代の人の方が「幅が広い考え方」をしていると肯定的にここでは見ています。

「一時間強」は70分程度

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「一時間強」とは70分程度のことです。「一時間強」は「一時間を少し超えた時間」で、数値としては65分〜75分あたりの時間を指します。「一時間」を基準としてそれよりわずかに超えた時間ですから、振り幅としての目安は15分、イコール70分あたりとなります。

「一時間強」を「一時間」に「一時間の後半分」の50分を足して二時間に近いイメージを持っている若い人もいますが、これは誤解です。「一時間」を基準としてそれよりわずかに超えた時間ですから、振り幅としての目安は15分、イコール70分あたりとなります。

上で説明したように「考え方の幅が広い」ことは、大切ですが、この誤解はコミュニケーションに行き違いが起きますので、「一時間弱」は50分、「一時間強」は70分と覚えてしまうことをおすすめします。

「一時間弱」と「小一時間」の違いは?

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「一時間弱」に似ていて、良く使われる時間の表し方に「小一時間」という言い方があります。「一時間弱」と「小一時間」は、どのように違うのか見てみましょう。

「小一時間」は「一時間弱」のことだと辞書にはあります。「一時間弱」は数値で表すと50分〜58分あたりを指しますので、「小一時間」は「一時間」を基準に「一時間」より「わずかに少ない」けれど、「一時間弱」よりわずかに60分に近いと覚えておくと良いでしょう。

「小」の意味

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「小(こ)」は、接頭語で、数量を表す名詞や数詞の前につけて、それよりすこし少ないけれど、ほぼそれくらいの意味を表しています。ここでの「小一時間」では、「一時間」にほぼ同じなのですが、「一時間」にはわずかに足りない時間のことです。

似た言い方に「約」がありますが、「約一時間」は、「一時間弱」や「一時間強」も含まれていて、「小一時間」とは意味合いが異なります。

「小一時間」は60分に近い

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「小一時間」は、約60分のことです。ほぼ60分ほど、60分弱、またはわずかに一時間ほどで、一時間にぴったりではない意味合いで使われます。「小一時間」は「ほぼ一時間」、「約一時間」、「一時間弱」の意味合いで使われます。数値で表すと、55分〜58分あたりを指します。

良く使われる「一時間弱」、「小一時間」、「一時間強」を正しく覚えて、正しく使い分けができれば、仕事場やデートの約束で困ることはありません。「一時間弱」は50分、「小一時間」は60分に少し足りない、「一時間強」は70分という覚え方です。

イメージで捉えると「一時間強」が70分あたりですから、次のような「一時間弱」<「小一時間」<「一時間」<「一時間強」のイメージになります。

「一時間弱」の意味を覚えて正しく使おう!

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「一時間弱」の意味を覚えて正しく使いましょう。正しく使えれば、社会的な場面や大事なデートでの行き違いを防げます。また共有された時間認識があれば余裕を持って仕事やデートの準備ができます。「一時間弱」は50分と覚えましょう。

BigyMidyTiny
ライター

BigyMidyTiny

ライフワークは絵本を作ることで、動物園でいつもスケッチしたい方です。動物の表情・種類や知恵の違い、植物の形や構成の美しさを描くのはとても楽しい。知りたがりなので、調べることが好きです。思いがけない発見があり、自分をアップデートできるのではと、勝手に思っていたりします。どうぞよろしくお願い致します。

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