奨学金を減額する方法は?減額返還制度についてや条件を徹底調査!

奨学金を減額する方法は?減額返還制度についてや条件を徹底調査!

奨学金は、勉強したくとも経済的に困難な環境にある学生にとって、非常に有益な制度です。しかし、一方では3か月以上滞納している奨学生も多いのが実態です。そこで、減額返還制度など奨学金を減額する方法や適用するための条件について紹介します。

記事の目次

  1. 1.奨学金の減額には減額返却制度がおすすめ
  2. 2.奨学金の減額方法①減額返還制度
  3. 3.減額返還制度は変更が可能
  4. 4.奨学金の減額方法②返還期限猶予
  5. 5.奨学金の減額方法③所得連動返還型無利子奨学金
  6. 6.奨学金の減額方法③返還免除
  7. 7.奨学金の減額に債務整理も利用可能
  8. 8.奨学金の返済期間を短縮する方法
  9. 9.奨学金は経済的な困窮などの条件を満たせば減額できる

奨学金の減額には減額返却制度がおすすめ

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奨学金の返済については、大学卒業後、長期間にわたり返済金額も決して少なくないので、奨学金利用者の大きな負担となっています。そのため、3か月以上、返済が滞っている奨学金利用者が全体の1割に迫るなど、深刻な事態に陥っています。

そのため、日本学生支援機構では減額返還制度の見直しを行うなど、奨学金利用者の救済策を打ち出しています。そこで、奨学金の様々な減額制度について紹介します。

減額返還制度とは

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奨学金の減額返還制度とは、奨学生が様々な理由によって返済が困難となった場合、一定の期間において、返済金額を減額する制度です。詳細については後述しますが、奨学金の元本が減額されるわけではないので支払総額は変わりません。さらに、猶予期間にかかる延滞金は発生しません。

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奨学金の返済期間は、大学卒業後、長期間にわたりますから返済額が大きな負担になることも少なくありません。そのため、奨学金の返済が滞る奨学生がふており深刻な問題となっています。そこで、奨学金の返済期間や返済額の平均、返還期間の変更や減額方法について解説します。

奨学金の減額方法①減額返還制度

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経済的な事情などによって奨学金の返済が困難な場合、減額返還制度を利用することで、一定期間の返済額を減額することができます。月々の返済額について、以前は2分の1にしか減額できませんでしたが制度改正により、3分の1に減額することもできます。ここでは、減額返還制度を有効に活用するために、そのメリットや手続方法などを紹介します。

減額返還制度のメリット

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減額返還制度のメリットは、延滞金や新たな利息がかからないで、一定期間の返済額を減額できる点です。つまり、返済期間が延びても返済総額が増えることはありません。さらに、1回当りの減額期間は1年間ですが、再申請することで最長で15年間(180ヶ月)利用できることも、奨学生にとっては大きなメリットです。

減額返還制度のデメリット

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減額返還制度のデメリットは、一定期間返済額が減額されるので返済期間が長くなることです。一般的に奨学金の返済期間は、大学等卒業後、10年〜15年になりますが、結婚や出産、マイホームの購入準備など出費がかさむ時期でもあります。

そのため、奨学金の返済が長期化するほど大きな負担になることが想定されます。ただし、前述のとおり、返済が延滞した場合のリスクを考えると、減額返還制度を利用しない手はありません。

減額返還制度の対象

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減額返還制度の対象者は、日本学生支援機構が提供するものですから、この機関が運営する奨学金制度の利用者に限られます。さらに、奨学金の返還方式、採用された年度によって対象者が異なります。

具体的には、平成28年度以前の採用であれば、第一種及び第二種奨学金とも対象となります。平成29年度以降は、第二種及び第一種のうち「定額返還方式」を選択している人に限られます。つまり、所得連動返還方式を利用している人は対象外となります。

減額返還制度の条件

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減額返還制度の利用するには「経済的理由により返済が困難」と「延滞金がない」の2つの条件を満たしていることが前提です。なお、経済的理由とは、「新卒等」「経済困難」「傷病」「失業中」「災害」などを指します。

さらに、給与所得者の場合、年収325万円以下、自営業の場合、収入から経費を差し引いた年収が225万円以下であることが基準となります。なお、扶養者がいる場合、被扶養者一人につき38万円が所得基準(年収)から控除できます。

減額返還制度の必要書類・手続き

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減額返還制度を活用するには、日本学生支援機構に必要書類を送付し、審査にパスしなければなりません。ここでの必要書類は、奨学金減額返還願及びチェックシート、所得証明書、マイナンバー提出書、減額返還証明書などとなります。なお、手続きの詳細は、日本学生支援機構のホームページで確認できます。

返済が難しい理由で必要書類が変わる

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減額返還願に添付する必要書類は、返済が難しい理由で変わります。例えば、災害が理由であれば市町村長・消防署長が発行した傷罹災証明書が必要書類です。これが、傷病を理由とする場合だと、最近2か月以内に発行された診断書が必要書類になります。したがって、減額返還願を提出する際には、日本学生支援機構のホームページを確認しましょう。

年収によって必要書類が変わる

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返還減額制度の適用を受けるには、給与所得者だと年収325万円以下、自営業だと収入から経費を引いた年収が225万円以下であることが基準となります。したがって、返還減額願を提出する際には、年収がわかる必要書類として、「住民税非課税証明書(原本)」「所得証明書(原本)」「市・県民税(所得・課税)証明書(原本)」を添付します。

なお、この年収基準を超えていても、「被扶養者がいる」「親などへ援助している」「奨学生本人にかかる医療費が高額である」といった理由があれば、返還減額制度が適用されることがあります。

その際には「年収が300万円を超える方のための控除計算表」のほか、理由によって「生活費補助理由書」「医療費支払申告書」「医療費補助申告書」を提出します。

いつから減額されるか

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返還減額願や必要書類を日本学生支援機構に提出後、審査にパスすれば開始月の中旬頃、日本学生支援機構から「奨学金減額返還承認通知」が奨学生及び連帯保証人にも届きます。なお、審査の期間は概ね2か月となりますから、減額を希望する月の前々月末までには、必要書類を提出しておくことが重要になります。

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減額返還制度は変更が可能

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減額返還制度を利用すれば、1年間は返還金額が減額されます。しかし、1年の間には奨学生を取り巻く環境や年収などが大きく変化することも考えられます。こういった場合、減額返還制度では返済金額など様々な変更に対応可能です。そこで、適用期間や減額返還方法、返還期限猶予への変更方法について解説します。

適用期間の変更

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減額返還制度を利用している期間中に年収がアップするなど経済状況が好転し、当初の返済金額で返済可能となった場合、適用期間を変更することができます。なお、適用期間を変更したい場合、日本学生支援機構に「奨学金減額返還短縮願」を提出して手続きを行います。

また、運用期間は、返済額の適用が2分の1の場合は2の倍数回、3分の1だと3の倍数回の返済終了月の翌月から変更されます。

減額返還方法の変更

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減額返還方法を3分の1〜2分の1へ、2分の1〜3分の1に変更したい場合、改めて「奨学金減額返還願」を提出します。この際も、チェックシート、所得証明書、マイナンバー提出書、理由に応じた減額返還証明書などの必要書類を提出します。審査にパスすれば日本学生支援機構から通知が届き、減額返還方法が変更されます。

返還期限猶予への変更

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奨学金減額返還制度を利用している最中に年収が下がるなど、さらに返済が困難になった場合には、返還期限を一定期間猶予する「奨学金返還期限猶予制度」に変更できます。制度の詳細については後述しますが、変更を希望する場合、日本学生支援機構に「奨学金返還期限猶予願」などの必要書類を提出することで手続きが完了します。

繰上返還に変更

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奨学金減額返還制度を利用中に、大幅に年収がアップするなど経済状況が著しく好転した場合、繰上返還を行うことも可能です。この場合、前述した「奨学金減額返還短縮願」に併せて「繰上返還申込書」を日本学生支援機構に提出して手続きを完了させます。原則、手続きを完了させた翌々月には、繰上返還に変更されています。

奨学金の減額方法②返還期限猶予

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返還期限猶予制度は、年収が著しく少ないなどの事情よって、奨学金の返済が困難な場合、一定期間において返済が猶予される制度であり、勉強する意欲のある学生を救済するのが目的です。

少しでも奨学金の返済期間を短くするには、減額返還制度の方が有利ですが、やむにやまれない場合には非常に有効な減額方法です。ここでは、返還期限猶予制度を有効に活用するために、そのメリットや手続方法などを紹介します。

返還期限猶予のメリット

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返還期限猶予制度のメリットは、制度を利用している期間に延滞金や新たな利息がかからないことです。つまり、返済総額の増減はありません。また、近年の制度改正により、延滞者においても返還期限猶予制度の適用が受けられるようになったことも、勉強する意欲のある奨学生には大きなメリットです。

返還期限猶予のデメリット

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返還期限猶予では、一定期間、全く返済をしませんから、返済期間が長期にわたることがデメリットです。奨学金の返済については、1か月当たり1万円前後が平均となりますが、大学卒業後10〜15年は出費のかさむ時期でもあるので、一括返還や繰上返還を利用してでも早期に完済することを心がけましょう。

返還期限猶予の対象

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返還期限猶予制度は、日本学生支援機構が提供するものですから、利用できるのはこの機関が運営する奨学金制度の利用者に限られます。その中でも、「勉強したくとも経済的理由により返済が困難」である奨学生が対象です。以前は「延滞金がない」奨学生のみが対象でしたが、規制が緩和され「延滞金がある」学生も対象となっています。

返還期限猶予の条件

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返還期限猶予制度を利用するにあたっての前提条件は、勉強したくとも経済的理由により返済が困難であることです。具体的には、「新卒等」「経済困難」「傷病」「失業中」「災害」などの理由があげられます。

また、収入条件として、給与所得者の場合だと年収325万円以下、自営業の場合だと収入から経費を差し引いた年収が225万円以下であることが基準になります。なお、扶養者がいる場合、被扶養者一人につき38万円が所得基準(年収)から控除できます。

返還期限猶予の必要書類・手続き

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返還期限猶予制度を活用するには、減額返還制度と同じく、奨学金返還期限猶予願に必要書類を添付して日本学生支援機構に送付し、審査にパスしなければなりません。

なお、必要書類はチェックシート、所得証明書、マイナンバー提出書及び猶予事由にかかる証明書などです。様式や具体的な添付資料の詳細は日本学生支援機構のホームページで確認することができます。

猶予事由で必要書類が変わる

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返還期限猶予願に添付する証明書は、猶予が必要な理由によって異なります。例えば、生活保護受給中が理由であれば、最近2か月以内に発行された、社会福祉事務所長による生活保護受給証明書もしくは民生委員による証明書が必要です。

また、失業が理由であれば、職業安定所長による雇用保険受給資格者証のコピーなどになります。具体的にどういった証明書が手続きに必要であるかは、日本学生支援機構のホームページで確認することができます。

1年ごとに願い出が必要

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返還期限猶予制度は、1回の申請で1年間は返済が猶予され、最長で10年間(120か月)は猶予が可能です。なお、猶予が必要な理由が災害、傷病、生活保護受給中、産前休業・産後休業、育児休業、一部の大学校在学、海外派遣の場合だと10年の制限はありません。

しかし、災害を理由とする場合、原因が同一だと原則、災害発生から5年が猶予の限度です。ただし、自動更新されるわけではなく、1年ごとに願い出が必要ですから、手続きを忘れないよう注意しましょう。

奨学金の減額方法③所得連動返還型無利子奨学金

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所得連動返還型無利子奨学金は平成24年度から導入された、新しい奨学金の減額方法です。この制度は、大学卒業後「一定額以上の収入」が得られるようになるまで、奨学金の返済が猶予されるものです。もちろん、猶予期間における利息はありませんから、総返済額に変わりはなく、非常に利便性の高い減額方法です。

所得連動返還型無利子奨学金のメリット

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所得連動変動型無利子奨学金のメリットは、一定の年収となるまで返済が猶予されるので、無理なく返済できる点です。さらに、猶予期間における利息がかからないことに加え、最長期間に上限がないことも大きなメリットです。もちろん、返済期間によって返済総額が変わることはありませんから、奨学生は「払えない」といった不安要素から解消されます。

所得連動返還型無利子奨学金のデメリット

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所得連動返還型無利子奨学金は、年収が一定基準を充すまで返済が猶予されますが、自動更新されるわけではありません。毎年、日本学生支援機構に申請するなどの手続きが必要ですから、手間がかかかるといった点がデメリットです。また、年収が一定の水準に達さないと、返済が長期化することもデメリットだと言えるでしょう。

所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予の対象

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所得連動返還型無利子奨学金は、日本学生支援機構が提供するものですから、利用するには当該機構の奨学生であることが前提です。そのうち、所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予の対象となるのは、平成24年4月以降の第一種奨学金採用者です。つまり、平成24年3月以前の第一種奨学金採用者及び第二種奨学金採用者は対象外となります。

所得連動返還型無利子奨学金の条件

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所得連動返還型無利子奨学金は、勉強する意欲のある優秀な学生が、経済的な理由により進学を断念することがないよう導入された制度です。したがって、所得連動返還型無利子奨学金が適用されるには、家計支持者の年収が少ないことが条件となります。

具体的には、家計支持者の所得金額(共働き家庭は合算)が、給与所得の場合は年収300万円以下、自営業等の場合、収入から必要経費(控除分)を差し引いた年収が200万円以下であることが適用条件です。

奨学生が被扶養者になった場合の返済猶予の条件

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所得連動返還型無利子奨学金制度の利用者が被扶養者になった場合、返済猶予の適用条件が変更されます。具体的には「乳幼児を保育する者が当該扶養者以外いない」「要介護者等を介護する者が当該扶養者以外いない」「当該扶養者が妊娠している」「当該被扶養者が身体の障害などやむを得ない事情で就労できない」のいずれかに該当することが適用条件です。

所得連動返還型無利子奨学金の必要書類・手続き

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所得連動返還型無利子奨学金の適用に関して、特別な必要書類や手続きはありません。前述した条件に合致した対象者に対し、日本学生支援機構から通知があれば適用されることになります。

具体的には、第一種奨学金が貸与された際に交付された「奨学生証」及び貸与終了年度に交付された「貸与奨学金返還確認票」の右上に、「猶予年限特例」もしくは「所得連動返還型無利子奨学金」と印字されていれば、所得連動返還型無利子奨学金制度が適用されています。

所得連動返還方式とは異なる制度

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平成29年度から導入されることになった「所得連動返還型奨学金制度」は、奨学生の所得に応じて返済月額が決まる新たな返済方式です。もちろん、日本学生支援機構の奨学生であることが適用の前提条件となります。ここまで説明してきた「所得連動返還型奨学金制度」とは、全く異なる制度なので注意が必要です。

所得連動返還方式の概要

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所得連動返還方式では、所得に応じて返済月額が変動するため、所得が少ない場合だと返済月額も少額となり、所得が多い場合だと、返済月額は高額となります。もちろん、返済総額は変わりませんから、年収に応じて返済期間が変わる返済方法です。

なお、対象者は、平成29年度以降の第一種奨学金採用者となり、機関保証制度を選択していることが条件となります。また、特別な手続きは必要とせず、奨学金の申込時に返還方式を選択するとともに、マイナンバーを提出することで適用されます。

奨学金の減額方法③返還免除

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日本学生支援機構の奨学金には、特に優れた業績を残した奨学生や死亡もしくは精神や身体の障害により奨学金の返還が難しいと認定された奨学生に、奨学金の一部もしくは全額の免除が認められる制度が設けられています。

とりわけ、優れた業績を残すことで返還免除となるならば、勉強意欲のある奨学生にとってはモチベーションアップにもつながります。そこで、返還免除制度の概要などについてまとめてみました。

返還免除のメリット

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返還免除のメリットは、何といっても返済義務が免除される点です。奨学金の返済については、苦慮している人が非常に多く、大学卒業後の生活を圧迫している実態もあります。それだけに、勉強意欲のある奨学生にとって、大きなモチベーションアップにつながります。

また、奨学生が不幸にも亡くなってしまったり、傷病により障害を負うことも考えられます。こういった場合には、奨学生本人が返済できないので、返還免除は賢明な措置だと言えます。

返還免除のデメリット

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返還免除制度に大きなデメリットはありません。敢えて、デメリットとするなら、特に優れた業績を求めるあまり、本来の学生生活を見失ってしまいかねない点です。確かに、返還免除制度はメリットの大きい制度ですが、審査をクリアすることばかり考えて学生生活を過ごしてしまうと、本来取り組むべき学業やサークル活動が疎かになる可能性もあるのです。

返還免除の条件①特に優れた業績がある

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返還免除制度の審査をクリアするには、大学院において特に優れた業績をあげることが必須であり、第一種奨学金を返済している奨学生の30%(平成30年からは45%)を上限として適用されます。これは、学生の勉強へのモチベーションアップを目的としたものです。

また、「特に優れた業績」とは、単に専攻分野での業績にとどまらず、文化・芸術・スポーツにおける業績やボランティア等での顕著な社会貢献等も含めて評価されるものです。

申請書は有意義な実績があることをアピールする

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奨学金免除の申請書には、有意義な実績があることをアピールする必要があり、「大学院における研究テーマの概要」「教育研究活動等の業績」「特に優れた業績の要旨について添付されている解説書」の項目に従って記入します。

審査員は各項目ごとのに0点〜2点の点数で採点し、その合計点で適用する奨学生を決めていきます。ここで注意したいのは、あくまでも「自慢話」に終始しないことです。客観的かつ明確に記入することで、その実績が有意義なものであることが、審査員に伝わりやすくなることを忘れてはなりません。

学外での成績もアピールする

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特に優れた業績とには、学外での業績も含まれますから、他の奨学生との差別化を図るためにも、しっかりとアピールしたい部分です。したがって、学外の論文発表や表彰、ジャーナルへの論文掲載、プレスリリース、ボランティア活動など、可能な限り具体的に記入しましょう。そのためにも、日頃から学外での活動記録はしっかりと残しておくことが大切です。

返還免除の条件②精神・身体の障害により労働困難

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借り入れをした奨学生が、精神・身体の障害を事由として労働能力が著しく低下し、就労が困難となった場合、奨学金の返済は免除されます。このとき、連帯保証人に支払義務が及ぶことはありません。ただし、労働困難か否かの判断は非常に難しく、手続きに時間を要する場合もありますから、速やかに日本学生支援機構に相談し手続きを行いましょう。

返還免除の条件③借り入れをした本人の死亡

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借り入れをした奨学生本人が死亡した場合、奨学金の返済は難しいと判断され、奨学金の返済は免除されます。このとき、連帯保証人に支払義務が及ぶことはありません。ただし、手続きが遅れると、延滞金の問題などが発生する可能性もありますから、奨学生の相続人又は連帯保証人は、速やかに日本学生支援機構に連絡して手続きを行うことが大切です。

返還免除の必要書類・手続き

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借り入れをした奨学生が、精神・身体の障害を事由として就労困難な場合、日本学生支援機構に対して、「奨学金返還免除願」や「返還することができなくなった事情を証明する書類」及び「診断書」を提出し手続きを完了します。

借り入れをした奨学生本人が死亡した場合、日本学生支援機構に対して、「奨学金返還免除願」に「本人死亡の事実を記載した戸籍抄本、個人事項証明書又は住民票等の公的証明書」を添付して提出して手続きを完了させます。なお、手続きは奨学生の相続人又は連帯保証人が行うのが一般的です。

奨学金の減額に債務整理も利用可能

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ここまで、減額返還制度や返還期限猶予制度など、奨学金の減額方法を紹介してきましたが、これらの方法を利用しても返済が困難な場合には債務整理も利用可能です。ただし、債務整理には様々なリスクもありますから、慎重に検討することが大切です。そこで、奨学金の減額に債務整理を利用する方法を紹介します。

保証人に請求される

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奨学金の減額に債務整理の利用を検討する上で、最も大きな問題は保証人が請求される点です。これは、債務整理の中でも自己破産を行った場合に限られますが、奨学生は奨学金を含む債務に対する支払義務は免責されるものの、保証人が支払義務を負うことになります。そのため、保証人も支払困難になれば、債務整理を検討せざるを得ません。

債務性整理を行うべき人とは

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債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった方法があり、奨学金を含む全ての債務に対して、今後の支払方法を検討していくものです。奨学金だけであれば、減額返還制度などを利用すれば。大半は返済可能です。したがって、債務整理を行うべき人は、奨学金だけでなく複数の債務を抱えており、現状では支払困難である人だと言えます。

任意整理

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任意整理とは、それぞれの債権者と交渉して、今後発生する利息を免除してもらう代わりに、3〜5年の間に完済する方法です。このとき、任意整理の対象とする債務は、債権者が選択できますから、奨学金は対象外とすることもできます。

なお、債権者との交渉は弁護士もしくは司法書士が行います。比較的、債務の総額が低額であり、一定の年収が見込まれる人に適した債務整理の方法です。

個人再生

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個人再生とは、全ての債務を対象にして、残額を3分の1〜5分の1に圧縮し、それを3〜5年で完済する方法です。個人再生の可否については、裁判所が再生計画を審査して決定します。個人でも裁判所への申請は可能ですが、手続きが複雑なので弁護士もしくは司法書士に委任するのが一般的です。

自己破産

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自己破産とは、個人再生と同じく全ての債務が対象となりますが、大きな特徴は財産が没収される代わりに、債務がゼロになる点です。ただし、前述のとおり、奨学生が免責された債務は保証人に移りますから、非常に大きな迷惑をかけてしまいます。なお、自己破産の可否についても、個人再生と同じく裁判所で決定します。

債務整理のデメリット

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債務整理を行うことで、少なからず奨学金の返済額を減額できますが、非常にリスクの大きい方法であることを理解しておくことが大切です。まず、債務整理を行えば信用情報機関に登録されますから、カードローンをはじめとした各種ローンが5〜10年は利用できません。

さらに、個人再生や自己破産の場合だと、官報に掲載されるので周囲に知れ渡る可能性もゼロではありません。また、前述のとおり、自己破産の場合だと保証人に債務が移ります。したがって、債務整理は「最後の手段」として考えたい減額方法であることは言うまでもありません。

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奨学金の返済期間を短縮する方法

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奨学金の返済については、一時期は延滞者が増加しており、社会問題になっていました。しかし、日本学生支援機構が、これまで紹介した様々な対策を講じたことで、勉強する意欲のある学生の救済に努めてきました。

しかし、それらは返済期間を延長するものでしかなく、そのままにしておくと、新たな問題を発生させることにもなりかねません。そこで、奨学金の返済期間を短縮する方法について解説します。

返済期間の短縮方法①一括返済

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一括返済とは、文字どおり、奨学金の返済残高を一括で返済する方法です。とりわけ、利息が必要な第二種奨学金では、一括返済を利用することで以降の利息がかかりませんから、返済額の減額にもつながります。

また、将来設計を考える上でも、若い時に奨学金を完済しておくと、気持ちに余裕が出てきますので非常に有効です。就職後、ある程度の蓄えができたなら、是非とも検討したいのが一括返済です。

返済期間の短縮方法②繰り上げ返済

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一定の収入を得るようになっても、奨学金の残高が多いなど、一括返済が難しい場合に検討したいのが繰り上げ返済です。これは、毎月の返済額を増額することで、少しでも早く完済しようとするものです。完済した時点で、その後の利息は必要ありませんから、返済額の減額にもつながります。また、経済的に厳しくなれば、元の返済額に戻すことも可能です。

奨学金の一括返済・繰り上げ返済を解説!メリットやデメリットも徹底調査 | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
この記事では、奨学金の一括返済・繰り上げ返済についてご紹介します。また、奨学金の一括返済・繰り上げ返済に纏わるメリット・デメリットや奨学金を滞納すると一括請求される場合があること、奨学金が返済できない場合どうしたらよいのかその方法も説明します。

奨学金は経済的な困窮などの条件を満たせば減額できる

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奨学金の返済額は、利用者全体の平均では約284万円にも上り、大学卒業後10〜15年が返済期間となることから、奨学生にとって大きな負担となっています。そのため、3か月以上延滞している奨学生は全体の約8%にも上り、社会問題にまで発展する深刻な事態です。

奨学金を運営する日本学生支援機構では、この事態を回避すべく経済的な困窮などの条件を満たせば、返済額を減額できる「減額返還制度」「返還期限猶予」「所得連動返還型無利子奨学金」「返還免除」など各種制度の改善や新設に努めてきました。

これらの制度は、勉強意欲のある学生を救済するものですが、適用条件や必要書類、手続き方法は、それぞれ異なりますから、その内容をしっかりと理解し、早期に対応することが大切です。

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ライター

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