ボーナスの税金は高いのか調査!計算法や30万・100万など金額別に紹介

ボーナスの税金は高いのか調査!計算法や30万・100万など金額別に紹介

サラリーマンの楽しみの一つといえばボーナスではないでしょうか。ただ、ボーナスをもらうときにたくさん税金がとられている気がしている人も多いかもしれません。実際のところ、税金は本当に高いのか、受領金額に伴う税負担などについてわかりやすく説明します。

記事の目次

  1. 1.ボーナスにかかる税金とは
  2. 2.ボーナスの税金・税率の計算方法
  3. 3.ボーナスで引かれる税金額・具体例
  4. 4.ボーナスの税金対策と効果
  5. 5.ボーナスの課税額が高いと言われる理由
  6. 6.海外に駐在した際のボーナスと税金
  7. 7.ボーナスに税金がかかるようになったのはいつから?
  8. 8.2003年頃から税金控除が開始
  9. 9.ボーナスの税金は普段の給与に比べればむしろ安い!

ボーナスにかかる税金とは

サラリーマンが毎年楽しみにするボーナスですが、たくさんの収入がある一方で、高い税金やその他源泉控除金額が引かれていることに不満を感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、ボーナスにかかる税金やその他控除項目について、本当に高いのか、または何か対策を講じることで負担額を減らせるのか、等について解説していきます。

ボーナスの税金①所得税

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ボーナスを受領する際に控除される項目の一つに、所得税という税金が挙げられます。これは、収入を得た際に発生する税金で、ボーナス支給側で必要金額を徴収して税務署に納付してもらえる、いわゆる源泉による税金になります。

ボーナスを支給する企業側は、給与やボーナスを支給する際に源泉するべき税率が定められていて、それに従って源泉税の処理をすることになります。引かれる金額は、この税率から計算されることになります。

ボーナスの税金②健康保険

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ボーナス支給時に控除される項目の一つに、健康保険の保険料があります。厳密には税金ではありませんが、公的制度であるため必ず控除される項目になっています。

健康保険の場合は、控除される金額を計算する料率は一定で、支給される金額に応じて増減があります。支給額が増えるほど支給額から引かれる金額も増えることになります。料率は不定期で変更しますので、料率改定の情報に敏感になっておくことをおすすめします。

ボーナスの税金③厚生年金

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ボーナス支給時に控除される項目の一つに、厚生年金の保険料があります。基本的に勤務先企業と従業員が折半で負担することになっている、老後の年金の原資となる保険料です。

こちらも健康保険と同様、厳密には税金ではありません。また、計算方法も健康保険と同様、料率は決まっていてボーナスとして支給される金額に料率を乗じて計算した金額が引かれることになります。年々料率が上がっていましたが、最近上限まで達し、現状ではこれ以上料率が上がる予定はありません。

ボーナスの税金④雇用保険

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ボーナス支給時に差し引かれる項目の一つに、雇用保険の保険料があります。雇用保険とは、従業員が失業したときの失業保険金を運用する保険になっています。これも日本国の企業においては納付する義務がありますので、どの企業でも差し引かれることになります。

他の社会保険同様、料率が決まっていてボーナスの支給金額に応じて増減があります。計算方法も単純で、料率を支給金額に乗じて計算されます。料率は企業の業種によっても異なってくることがあるので、自分の会社の料率を確認しておきましょう。

健康保険、厚生年金、雇用保険は社会保険という分類に当たる控除項目です。これは、日本の制度として定められているものですので、企業に勤めている限りは負担しなければならないものです。ここを節約する対策は全くありません。場合によっては負担額がかなり大きくなってしまうこともありますが、仕方のないこととあきらめないといけません。

ボーナスの税金・税率の計算方法

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ボーナスが支給されたときに引かれる税金やその他社会保険金額の計算方法について解説します。ボーナスの支給金額に基づくものもあれば、無関係に計算されて引かれるものもあります。したがって、支給額と関係のない税金については、支給額が多くてもそれほど負担感がない場合もありえます。

ボーナスの金額と税率は無関係

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ボーナス支給時に引かれる項目のうち、源泉所得税の金額計算においては、支給金額とは直接的な関係はありません。そのため、場合によっては少額のボーナスしか受領できなくても、税金はたくさん控除されるといったちぐはぐな現象が起こりえます。計算方法を十分理解しておき、想定外の負担を強いられることのないようにしましょう。

税率は「前月分の支給額」で決まる

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ボーナスの支給にかかる税金を計算する税率の決まり方は、実は前月の給料の支給額によります。前月の給与支給額から、健康保険料や厚生年金料など社会保険料を控除した金額によって、税率が決められます。

上記により計算された金額と、扶養家族の人数により、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」という国税庁が公表している表を参考に税率をチェックします。上記計算の金額が当てはまる箇所を見つけ、その左端に記載されているのが計算に用いるべき料率になっています。

金額が少ない場合は非課税の場合も

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ボーナス支給時には通常所得税といった税金を負担する必要がありますが、ボーナスの支給額が少額であった場合は、税金負担が免除されます。少額の定義はきちんと定められています。たとえば、扶養家族がいない独身の方の場合は6万8千円未満のボーナス支給額なら非課税になります。

通常の企業で勤務している場合は、この非課税金額未満になることは少ないですが、例えば新入社員が受領する夏のボーナスなど最低額で支給するケースが多くなっており、その金額によって非課税になるケースも結構あります。

ボーナスで引かれる税金額・具体例

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ボーナスで引かれる税金やその他控除項目を見てきましたが、具体的に支給額から各種控除項目によりどれくらいの金額が引かれるのか、計算例をいくつか掲載していきます。例示した計算方法を参考にして、自分が今後受領するボーナスからいくらくらい引かれるのか、手取り収入はどれくらいになるのか、チェックしておくと安心です。

具体例を示すうえで、ボーナス支給額が30万のケースと100万のケースを考慮して具体的な計算式も交えながら説明していきます。具体的な数値を提示したほうが理解しやすいので、ぜひご自身のケースに置き換えて計算してみてください。

ボーナスが30万円・引かれる税金額

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まずボーナス支給額が30万円の場合を例示します。まずは社会保険料として引かれる金額を計算します。社会保険は、勤務している企業の業種や所属している社会保険事務所・健康保険の団体によって料率が異なる場合があるので注意してください。健康保険は30万×47÷1000=\14,100。厚生年金は30万×91.5÷1000=\27,450。

雇用保険は30万×3÷1000=\900。これらを控除すると、残りが\257,550となります。次に、前月の給料から社会保険料を控除した金額より、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」をチェックして税率を判断します。

仮に、前月の給料から社会保険料を控除した金額が17万だったとすると、税率は4.084%となります。したがって、ボーナス30万円に対する所得税の税金額は257,550円に4.084%を乗じて10,518円となります。手取り額は247,032円という結果になりました。

ボーナスが100万円・引かれる税金額

次に、ボーナス支給額が100万円の場合を計算してみます。30万の時と同様、社会保険料控除を算出します。健康保険料は、100万×47÷1000=47,000円。厚生年金は100万円×91.5÷1000=91,500円。雇用保険は100万×3÷1000=3,000円となります。

ボーナス支給額100万から社会保険料を控除した金額が858,500円です。仮に前月給料から社会保険料を控除した金額が32万としますと、税率は8.168となりますので、所得税税金の金額は858,500×0.08168=70,122円となります。

以上、ボーナスの金額を30万と100万の場合に引かれる各項目金額を例示しましたが、今回は40歳未満で扶養者がいないことを前提としました。扶養家族がいる場合や、40歳以上で介護保険適用の年齢になっている場合は金額が変わってきます。いろんなケースがあり得るので、自分のケースを十分に理解しないと正確な控除額は算出できません。

ボーナスの税金対策と効果

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ボーナスにかかる税金やその他控除項目は、とても高いと感じる方も多いのではないでしょうか。少しでも負担する税金額を減らすため、ボーナス支給に備えて税金対策を検討する方も多いかもしれません。しかし、現実的にはボーナスで税金対策を講じることは難しく、効果もあまり大きくありません。以下、考えられる方法を例示します。

ボーナスで税金対策は現実的ではない

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ボーナスで税金対策をするなら、ボーナス支給月の直前の給料を減らすことが考えられます。前月給料が少なくなることで、ボーナスにかかる税金の税率を低く抑えることができます。ただ、前月給料を少なくするといっても、せいぜい残業を減らす程度の対策しかできず、あまり現実的な対策とは言えません。

また、ボーナスで控除される税金は、最終的に年末調整により適正な計算がされ、高い負担をしていたとしても年末調整により税金額が戻ってくる結果となるケースもあります。一時的に高い税金を負担するかもしれませんが、一年間通して考えると最終的には同じです。

ボーナスで引かれる税金はどうしても高いと感じてしまいますが、節税ができる範囲も限られていて、対策としても現実的には難しいという結論になります。高い金額だと考えず、後で返ってくると考え、受け入れるしかないと考える方が現実的かもしれません。

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ボーナスの課税額が高いと言われる理由

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ボーナスにかかる税金やその他控除金額が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。確かにボーナス金額のおよそ2割程度が控除されてしまい、手取りの金額がかなり減ってしまうのは事実です。しかし、ボーナスだから税金が高いという認識は正確ではありません。支給額との割合で考えるとむしろ低いです。

実際の税率は高く無い!高額だから高い印象が強く残る

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ボーナスにおける税金額を計算する際に適用される税率は、前述した通り、例えばボーナス支給額30万なら4.084%、ボーナス支給額が100万なら8.168%となりました。実際、年末調整の際に用いられる税率は、所得金額にもよりますがこれらより高いことが多いです。

10%や20%という税率を用いられることが一般的ですので、むしろボーナスにかかる税金の税率は低いということもいえます。ボーナスは支給金額が100万円などと高額になるケースが多いため、控除される金額も大きくなるので負担が大きいと思われがちですが、実はボーナスだから税金が高いというわけではないです。

海外に駐在した際のボーナスと税金

あまり多い事例ではないのかもしれませんが、企業によっては海外に子会社や関連会社を構えていて、そこに駐在員として社員を出向させるというケースもあります。海外駐在員にとってのボーナスと税金の取扱は、日本国内で勤務する社員とは異なってきますので注意が必要です。

一律20%という高い税率が適用

基本的には、海外駐在員として勤務している最中に支給されるボーナスに対しては税金は発生しません。しかし、海外駐在員として赴任した時と、ボーナスが支給されるタイミング、そのボーナスの算定期間によっては税金が発生するケースがあります。

例えば6月1日に海外駐在員になり、8月1日にボーナスが支給され、そのボーナスの算定期間が1月1日から6月30日だった場合、1月1日から5月31日の5か月間は日本に在籍していたことになるため、源泉所得税の負担対象となります。

この場合、支給額に対し一律20%という高い税率が付加されてしまいます。これは税率としてみても税金の実際の金額としてみても相当負担が大きいです。対策として講じる方法もこれといってなく、甘んじて受けるしかないのが現状です。

ボーナスに税金がかかるようになったのはいつから?

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ボーナスにかかる税金および社会保険料関連の控除が始まったのはいつからのことでしょうか。実はこの制度が始まったのは比較的最近のこととされています。今でこそ当たり前になった税金などの負担ですが、制度開始当初はかなりの負担増となったことから大きなインパクトがありました。

2003年頃から税金控除が開始

ボーナス支給時に税金や社会保険料の控除が始まったのは、2003年4月頃からとされています。それまでは、ボーナスについては全額手取りになるという一般認識があったため、税金発生の制度が開始となった際は相当な衝撃が走りました。

2003年以前は額面全額を収受できたことから、ボーナスの金額が年間の総手取り額に大きな影響が及んでいました。しかし、税金発生が行なわれるようになってからは控除額も結構大きくなったので、手取り額の大きさのインパクトはかなり失われてしまいました。

ただ、前述した通り社会保険料の支払いは仕方のない部分としても、所得税の部分は最終的に年末調整により適正な税率で計算し直され、結果として還付と同じ効果を享受できることが多いです。一時の負担は大きくなりますが、年間で見るとそれほど大差はないと考えられています。

ボーナスの税金は普段の給与に比べればむしろ安い!

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ここまで、ボーナスにかかる税金関係について、支給額30万や100万を事例として解説してきました。対策を取ることが難しいこともご紹介しました。金額は高額だと感じる方も多いかもしれませんが、それはボーナス支給額自体が高額であるケースが多いためであって、税率自体はそれほど高くありませんので、正しい理解をしておきましょう。

yokatayama
ライター

yokatayama

サラリーマンとして得た知識と経験でわかりやすい記事を提供していきたいです。インターネット上にあふれる情報は信ぴょう性を確認することが難しいですが、可能な限り正確で時節に応じた内容の文章を提供します。

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