借用書の書き方まとめ!分かりやすい例文や注意点もまとめてチェック!

借用書の書き方まとめ!分かりやすい例文や注意点もまとめてチェック!

お金の貸し借りは、出来る限り避けたいものです。しかし長い人生、いつ何が起こるか分かりません。何かの事情で止むを得ずお金を借りることがあるかもしれません。そんな時に必要な借用書の書き方はご存知でしょうか?正しい借用書の書き方を身につけて万が一に備えましょう。

記事の目次

  1. 1.借用書の書き方を紹介!
  2. 2.借用書とは
  3. 3.借用書の書き方
  4. 4.借用書の書き方のポイント
  5. 5.借用書の書き方の注意点
  6. 6.借用書を簡単に作成できるテンプレート
  7. 7.借用書をきちんと作成してトラブルを防ごう!

借用書の書き方を紹介!

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皆さんは知り合いや親戚、お友達などから物やお金を借りたことがありますか?1000円や2000円程度の金額なら「今度返すね」といった口約束でも良いでしょう。ですがある程度大きな額のお金を借りる時には後々トラブルにならないようにしたいものです。

そこで必要となってくるのが「借用書」です。しっかりとした借用書を作成して相手に渡すという行為は、必ず返済しますという決意を表しているものなのです。今回は借用書の書き方やそのポイント、実際の例文、借用書の書き方の注意点などをご紹介していきます。

借用書とは

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まず「借用書」とはどのようなものなのかということから、ご説明していきましょう。「借用書」とはお金を貸す人とお金を借りる人との間において「お金の貸し借りがありました」という契約の事実を証明して、更に返済の約束をしたということを証明する書類となります。

貸す側の人がお金を渡すと同時に借りる人から「借用書」を受け取る形が一般的となっています。もちろん必ずしも「借用書」がなくてもお金を借りた人には返済の義務が発生します。貸した人にも返済を要求する権利があります。その返済時にもめ事にならないように借用書が必要なのです。

返済の期日や利子など契約の細かい内容を文書にしておかないと、貸した人と借りた人の間の認識がずれてしまっている事もあり「そんな条件じゃなかったはずだ」「決めた期日になったのにお金を返してもらえない」などといった金銭トラブルの元となりますので注意しましょう。

貸主と借主のお金の貸し借りを証明

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「借用書」とは貸した人と借りた人との間で「このような条件でこのくらいのお金の貸し借りがありました」という契約を証明する文書なのです。借用書には「私文書」と「公文書」がありますが、個人的なお金の貸し借りで、貸す相手が信用できる相手なら私文書で良いでしょう。

「私文書」とはお金を貸した人、または借りる人が自分で作成する文書の事を指します。ですが個人で借用書を作成する場合、専門家ではないため書き方が間違っていたり、記載する内容が不足していたりすることもあります。ですので借用書を作成する場合には十分な注意が必要です。

もし借用書の内容が不十分だと、不幸にも金銭トラブルが起きた時に「法的な証拠」とはならないのです。万が一の金銭トラブルに備えるために、正しい書き方でしっかりとした不備の無い内容の借用書の書き方を学んでいきましょう。

借用書の書き方

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それでは早速、借用書の正しい書き方をご説明していきましょう。前述の通り万が一、借用書に不備があったり書き方が間違っていたりすると、思わぬ金銭トラブルの元となります。お金を貸した人が親戚であろうと友人であろうと、金銭トラブルはお互いに嫌な気持ちになるだけです。

更にその事がきっかけで不仲になってしまったり、最悪のパターンでは裁判沙汰となってしまったらどうでしょう。貸した人は親切心からお金を貸したのに何故こんなことに、と非常に後悔してしまうことでしょう。そのようなことにならないためにも、書き方に注意して作りましょう。

借用書に含める内容

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借用書というものは一般的な原則として、お金を借りた人が貸してくれた人に提出する文書となっています。ですが借りた人の中には「書き方が分からない」という人もいますので、お金を貸す人が借用書を作成して、借りる人に確認してもらい署名してもらっても良いでしょう。

ここからはそんな借用書に必ず明記すべき内容をご紹介いたします。1つ目は「借用書の作成日」です。これはお金を実際に借りた日を記載します。2つ目は「貸した人の名前」です。必ず手書きで記載しましょう。3つ目は「タイトル」です。しっかりと大きめの字で「借用書」と書きます。

4つ目は「借りる人がお金を受け取ったということ」と文字にして記載します。5つ目は「貸し借りした金額」です。金額の書き方ですが、必ず漢数字で書くように注意しましょう。6つ目は「お金を貸し借りした日付」です。年月日を記載します。7つ目は「返済期日」です。年月日を記載します。

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8つ目は「返済方法」です。手渡しなのか銀行などに振り込むのか、きちんと決めておきましょう。9つ目は「お金を借りた人の住所、名前、押印」です。こちらも必ず手書きで記載しましょう。10つ目は「収入印紙」です。貸し借りする金額が1万円以上の時には収入印紙が必要です。注意しましょう。

借用書の書き方・例文

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借用書に含むべき事項を一通りご説明したころで、実際の借用書の例文をご紹介いたしましょう。「令和○年○月○日」「(お金を貸す人の名前)殿」「借用書」「金参拾萬円也」「私は貴殿より上記の金額を下記の通り約定の上、借用いたしました。」

「記」「借用日(1文字程の空白)令和○年○月○日」「返済期日(1文字程の空白)令和○年○月○日」「利息(1文字程の空白)年○%」「遅延損害金(1文字程の空白)年○%」「返済方法(1文字程の空白)銀行振り込み(振込手数料は借主負担とする)」

「期日までに一括返済するものとする」「以上」「借主住所(1文字程の空白)○○県○○市○○区○○丁目○○番○○号」「氏名(1文字程の空白)(借りた人の名前)押印」以上が例文となります。くれぐれも抜けのないように細心の注意をはらって、正しい書き方で作成しましょう。

借用書の書き方のポイント

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借用書の実際の例文をご紹介いたしましたが、よりしっかりとした借用書を作成することが出来るように、借用書の書き方のポイントを項目ごとにご紹介していきましょう。お金に関する契約の、とても重要な文書なので書き方のポイントをしっかりとおさえて正しく作成するようにしましょう。

日付の書き方

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まずは一番初めに記載する項目「作成日」です。借用書においての「作成日」とは「実際にお金を受け取った日」となります。その作成日の書き方ですが西暦と和暦、どちらを使用しても良いでしょう。ですが一般的には和暦が用いられる傾向にあります。

西暦と和暦、どちらでも良いのですが1枚の借用書の中で西暦と和暦を混ぜた書き方はしないように注意しましょう。また「間違いなく記載されたお金を受け取った」という証拠となるように、お金の受け渡しは銀行振り込みなどの記録が残る形にしたほうが、より安心でしょう。

金額の書き方

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次にとても重要な「金額の書き方」です。借用書において金額を記載する時の書き方は「漢数字」を使います。この時の「漢数字」というのは簡単な「一、二、三」などの書き方ではなく「壱、弐、参」などの書き方で記載します。

これはアラビア数字や簡単な「一、二、三」などの書き方をした場合、金額を改ざんされやすいためです。さらに書き方で注意していただきたいところは、「金」と「参拾萬円」の間には空白を入れずに詰めて記載しなければならないという点です。

空白を入れてしまうと、後から数字を付け足されてしまうなど改ざんされてしまう恐れがあるためです。くれぐれも細心の注意を払って記載しましょう。なお例文では参拾萬円としましたが、もちろんこの金額は実際に貸し借りした金額を間違いなく記載しましょう。

返済期日の書き方

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次にこちらもまた重要な「返済期日」の書き方です。これは絶対に記載するようにしましょう。お金を貸した人もここはしっかりと確認しましょう。特にお金の貸し借りをするのが親戚同士の場合、返済期日を決めてないと「貸借」ではなく「贈与」となってしまうおそれもあります。

返済期日の書き方のポイントは、必ず日にちまで記載することです。3か月後、5年以内、年内、などといった曖昧な日にちの書き方はいけません。返済方法に関しては記載がない場合は「手渡し」となります。銀行振り込みでの返済の場合は銀行名、口座番号なども明記しておきましょう。

署名の書き方

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次に正しい署名の書き方をご紹介いたします。お金を借りた人は必ず自筆で住所と名前を記載しましょう。パソコンなどで書いてはいけません。これはお金を貸した人が偽造したのではないか、と疑われないために貸した人、借りた人の両方にとって大切なこととなります。

ですので、ここだけはしっかりと自筆で記載しましょう。さらに押印するハンコは認め印ではなく、実印を使いましょう。そして押印する時は書いた名前と重ならないように気を付けましょう。こちらもまた偽造防止のために名前とハンコの間に空白を作らないようにしましょう。

収入印紙の貼り方

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次に収入印紙の貼り方についてご説明していきましょう。不動産の売買、保険証券、領収書など課税対象となる文書には「収入印紙」をはらなければなりません。もちろん借用書にも収入印紙をはらなければいけません。

貸し借りする金額が1万円以上になる時に収入印紙を貼ります。収入印紙の額は貸し借りする金額に応じて変わってきますので、ご注意ください。収入印紙の額は以下の通りです。ご参考になさって間違いのないように気を付けるようにしましょう。

1万円以上10万円以下は200円、11万円超え50万円以下は400円、51万円超え100万円以下は1000円、100万円超え500万円以下は2000円、500万円超え1000万円以下は10000万円となります。収入印紙は郵便局やコンビニなどで買えます。

借用書の書き方の注意点

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ここからはより一層、完璧な借用書を作成するための書き方の注意点をいくつかご紹介していきましょう。ちなみに同じお金の貸し借りでも「借用書」の他に「金銭貸借契約書」というものもあります。どちらも内容や本質は同じですが、書き方が少々違います。どちらを選択しても良いでしょう。

借主・貸主に不利な内容にしない

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借用書の内容は貸す人、借りる人双方に不利にならないようにしましょう。どうしてもお金を貸す方が立場が上となってしまうがちですが、「お金を貸す代わりに何でもいう事を聞くこと」といった無茶な約束はいけません。

また「お金は借りるけど利息な無しにすること」など貸す人が望んでいない条件を借りる人が提示するなどということがないように気を付けましょう。お金を貸す人、借りる人双方が納得の行く条件、内容になるように、きちんと話し合ってから借用書の作成しましょう。

制限行為能力者との契約はNG

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お金を貸す人がOKしたからといって、誰とでも契約をして良いわけではありません。法律では「制限行為能力者」との契約は無効とされています。もし「制限行為能力者」にお金を貸して、きちんとした借用書を作成したとしても、その契約は無効となります。

では「制限行為能力者」とは、どのような人を指すのでしょうか。制限行為能力者は「未成年」「青年被後見人」「被保佐人」「被補助人」となります。「未成年」はもちろん20歳に満たない人です。成人していれば相手が学生でも貸す事は出来ます。

「青年被後見人」「被保佐人」「被補助人」とは成人してはいても精神的な障害や認知症などで、契約するために十分な判断能力がない人のことをいいます。このような人にお金を貸す場合には後見人、保佐人、補助人から承認を得ないといけません。お金を貸す時には注意しましょう。

非常識な内容を書かない

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これは当たり前のことなのですが、借用書には非常識な内容を書かないようにしましょう。犯罪に関する記載も禁止されています。例を挙げると「期日までに返済出来なかった場合には死亡保険金で支払ってもらう」などがそれにあたります、

または「返済が出来ない時は、誰かからお金を強奪してでも返済すること」「返済が出来なかった場合には臓器売買を行う」のような非常識、または犯罪を助長するような契約は、民法第90条の公序良俗違反により無効となります。

借用書を簡単に作成できるテンプレート

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ここまでご説明してきたように、借用書を作成するには、細かい決まりがあり正しい借用書の書き方は複雑で、かなり労力が必要です。ですが正しい借用書の例文テンプレートを利用することで簡単に作成することが出来ます。

ここでは正しい書き方の借用書を簡単に作成するための例文テンプレートを、3種類ご紹介いたします。3種類ともパソコンを利用して正しい書き方の借用書を作成することになりますが、自筆が必要なところは忘れずに自筆するなど、簡単に作成できるとしても書き方には注意しましょう。

借用書のテンプレート・Word

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まず初めに「word」を使った例文テンプレートのご紹介です。こちらの借用書のテンプレートはとてもシンプルで簡単に正しい書き方の借用書を作成することが出来ます。内容は貸す人の名前、貸し借りする金額、返済期限、返済方法 日付、借りる人の住所・名前・押印だけです。

よほど信頼出来る相手、もしくは貸す金額がごく少額の場合などには、このような簡単借用書でも良いでしょう。また「利息」の記載がありませんので「無利息」でお金を貸す場合に限り、この例文テンプレートを使用するようにしましょう。

借用書のテンプレート(Excel・エクセル)

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次に「Excel」を使った例文テンプレートのご紹介です。こちらの借用書の例文テンプレートは、「word」を使ったテンプレートよりも内容が細かく記載されています。ですが「利息」に関しては記載がないので、無利息でお金の貸し借りをする時に使用する例文テンプレートとなっています。

ですが「word」との違いは、利息の記載はありませんが「遅滞損害金」の記載があるところです。遅滞損害金を記載するタイプですが、例文テンプレートで簡単に正しい書き方で作成出来ます。双方で話し合い決めた損害金を記載しましょう。くれぐれも法外な率にならないようにしましょう。

bizocean 借用書のテンプレート

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次は「bizocean」を使った借用書の例文テンプレートのご紹介です。こちらは色々なタイプの借用書の例文テンプレートが21種類も揃っています。お互いに話し合って決めた内容にあった例文テンプレートを選んで、簡単に正しい書き方で借用書を作成することが出来ます。

特に重要な記載部分を見やすいように表形式になっている例文テンプレートがあったり、少額用にとても簡単な例文テンプレートがあったりと非常にバラエティに富んでいます。借用書の他にも「金銭消費貸借契約書」や担保まで記載するテンプレートもあります。

借用書をきちんと作成してトラブルを防ごう!

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今回は借用書の正しい書き方、注意すべきポイント、実際の例文、簡単に正しい書き方で作成することが出来るテンプレートなどをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。お金の貸し借りというのはお互い避けたいことではあります。

しかし生きていれば、どうしようもない事態に陥ってしまうこともあります。そのような時、貸す人借りる人の双方が気持ちよく安心して貸し借り出来るように作成するのが「借用書」なのです。昔は専門家に頼んで作成することが多かったようです。

ですが今ではインターネット上に無料で使えて、簡単に正しい書き方で借用書を作成できるテンプレートもあります。親しい間柄や親類、または少額の貸し借りなら自作の借用書でも十分です。お互いのために正しい書き方で借用書を作成しましょう。

しまねこ
ライター

しまねこ

現在、登録販売者として勤務しているパート社員&ライターです。趣味は昔の洋楽観賞とアニメ、漫画、英会話です。曲がったことが大嫌い、楽しいことが大好きです。皆様に少しでも楽しんで読んでいただけるように頑張ります!どうぞよろしくお願いします。

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