不採用の人へ電話で通知する手順！例文や伝える際の注意点をまとめて紹介！

少子高齢化が加速する状況下において、各企業は優秀な人材を確保するため、あらゆる手段を用いて母集団を形成して採用活動を行っています。しかしながら、自社のニーズにマッチしない応募者も少なからずいるのが現状です。

こういった場合、人事・採用担当者は不採用通知を行わなければなりません。不採用通知の方法としては電話やメール、郵送などがあります。とりわけ電話による不採用通知は丁寧な通知方法です。そこで不採用の人へ電話で通知する手順や例文、伝える際の注意点をまとめて紹介します。

不採用通知を行う方法には電話やメール、郵送などがあります。どの手段で通知するかは、企業の方針や状況に応じてさまざまだといえるでしょう。

電話やメール、郵送の中で最も丁寧な通知方法は電話だといえるでしょう。メールや郵送だと不採用となった応募者に対して一斉に通知を行うことができます。

しかし、電話で通知するとなると1件1件丁寧に受け答えする必要がある上、本人が不在の場合だと後から折り返しの対応にも応じなければなりません。にもかかわらず不採用通知を電話で行うのは、どういった場合になるのでしょうか。

採用候補者をオフィスにおいて最終面接を行った場合、不採用通知は電話で行うのが礼儀です。最終面接まで残っていたの採用候補者であれば、合否は紙一重の差であったといえるでしょう。

つまり、再度の応募も十分に考えられ、メールや書類で不合格通知を行うのは事務的で抵抗感があります。言い換えれば、今後同じ職場で働く可能性もゼロとはいえません。

また、最終面接で不合格とした採用候補者は極めて少ないことから、電話をかける件数自体も少なく済むでしょう。今後の御縁も想定して丁寧な対応を心がけることが大切です。

応募者が希望していた部署での採用は難しくとも、別の部署であれば採用可能な場合も少なくありません。このとき、応募者に不採用通知を行うとともに、別の部署で働く気持ちがあるかの意向確認を行う必要があります。

しかし、郵送やメールでは複数回のやり取りを行うことが想定され、時間や手間が必要です。面談だと双方のスケジュール調整などが発生します。

こういった場合には電話で不採用通知を行うとともに、意向確認するのが得策です。電話であれば、会社側の要望を丁寧に伝えることが可能であり、採用候補者の素直な意向を確認することも容易だといえます。

いざ不採用通知を行おうとすると、どう切り出せば良いのか、どういった内容を伝えれば良いのか迷ってしまう人も少なくありません。また、不採用通知は決して良い通知ではないため「自ら行いたくない」「早く終わらせたい」といった人が大半でしょう。

しかし、電話で採用通知を行う際には、しっかりと会社側の意向を伝えておかないと、思わぬトラブルに発展することもあり要注意です。そこで、適切な電話での不採用通知の行い方について解説します。

電話で不採用通知を行う場合、最も大切なのは結果だけをはっきりと伝えることです。不採用通知は決して良い内容の通知ではありません。そのため、不要な言葉を付け加えたり、不採用となった理由を話しがちです。しかし、余計な言葉を付け加えると伝えるべき通知内容が不明瞭になりかねません。

良い知らせではないからこそ、不採用である結果をはっきりと伝えることが重要です。とりわけ、電話では互いの表情が見えないため、行き違いになることも想定されます。電話で不採用通知を行う場合は、最初にシンプルに結果だけ伝えましょう。

電話で不採用通知を行う場合、当方から不採用の理由を伝えることはありません。郵送やメールで送付される不採用通知に、その理由が明記されていないのと同じ考え方です。相手から不採用通知の理由を聞かれた時は答えざるを得ませんが、その際もできるだけシンプルに回答するのがベターです。

不採用の理由はさまざまですが、それを伝えたからといって必ずしも納得してもらえるわけではありません。電話で理由を伝えてしまうと、疑義を投げ変えられたり思わぬトラブルに発展することも想定されます。したがって、不採用となった理由はできる限り伝えないのが得策です。

電話で不採用通知を行う場合、相手が不在であることも想定しなければなりません。つまり折り返し電話のことも考慮して、不在通知の時間帯は午前中に行うのがベターです。

午前中であれば、採用候補者が不在であっても昼休憩や午後、夕方などのタイミングで折り返しの電話を期待できます。反対に夕方に不在通知の電話を行うと、採用候補者が折り返し電話のタイミングを失ってしまうことが考えられるのでメリットはありません。

突然、折り返しの電話がかかってくると、慌ててしまって伝えるべき内容を漏らしてしまうことも少なくありません。また、折り返しの電話では不採用となった理由を執拗に聞かれるなど、不意な質問に対応に困る場合もあるでしょう。

こういった状況を回避するには、折り返し電話に対応できるよう例文をあらかじめ用意しておくと良いでしょう。また、折り返し電話がかかってくる電話番号を限定しておくのも一つの方法です。いずれにしても、折り返し電話に対する用意を怠らず丁寧な対応を心がけることが大切です。

電話で不採用通知を行う場合、事前に例文を用意しておくことが大切です。もちろん、長々とした例文を用意する必要はありませんが、いざ採用候補者に連絡するとなると上手く言葉が出ないことも考えられます。

例文を用意しておくことで、心を落ち着かせることができる上、通知しなければならない内容を整理することが可能です。また、折り返し電話があった際の例文を用意しておくことも忘れてはなりません。そこで、パターン別の電話による不採用通知の例文について紹介します。

不採用通知を電話で行う場合の例文は「○○会社採用担当の△△と申します。この度は弊社へのご応募誠にありがとうございました。厳正な審査を行いましたが、今回は採用を見合わせていただくことになりました。ご希望に添うことができず心苦しいのですが、ご理解いただければと思います。」です。

冒頭に通知者の所属部署・名前を述べ、不採用となった結果を淡々と通知します。なお、最後に「今後の□□さまのご活躍をお祈りしています。」といった例文を付け加えると、より丁寧な印象を与えるでしょう。

電話において不採用の理由を添える例文は「○○会社採用担当の△△と申します。この度は弊社へのご応募誠にありがとうございました。厳正な審査をさせて頂きましたが、募集人数に対して多くの応募をいただいたため、今回は採用を見合わせていただくことになりました。」です。

不採用となった理由は、シンプルに添えるのがポイントだといえるでしょう。また「ご希望に添うことができず心苦しいのですが、ご理解いただければと存じます。今後の□□さまのご活躍をお祈りしています。」と結ぶと丁寧な印象を与えることが可能です。

不採用となった理由を聞かれた際の例文は「誠に申し訳ありませんが、社内で検討を重ねた結果ですので、不採用理由についてはお答えいたしかねます。ご理解ください」です。

なお「誠に申し訳ございませんが、当社の採用規定に沿った結果でございますので、不採用となった理由についてはお答えいたしかねます。ご理解をお願いいたします。ご理解ください」でも良いでしょう。

両者の例文に共通しているのは、不採用となった理由を明確に述べていない点です。不採用となった理由を求職者にお知らせしても結果が変わるわけではありません。むしろ、トラブルに発展する場合もありますので、不採用通知は具体的に述べないのがポイントです。

不採用でありながら、別の部署を紹介する際の例文は「○○会社採用担当の△△と申します。この度は弊社へのご応募誠にありがとうございました。今回は▽▽部の採用は見合わせていただくことになりましたが、□□様さえ差し支えなければ◇◇部において採用させていただけないでしょうか。」です。

この場合も不採用理由について、当方から伝える必要はありません。なお、新たに紹介する部署における仕事内容や処遇については、紹介する必要はあるでしょう。

不採用通知電話は採用候補者に対して、不採用であることを通知するだけの内容であり、長々と話すものではありません。しかし短時間の電話であっても決して良い内容ではありませんから、採用候補者の立場を理解して話す必要があります。

また、不採用通知を行う人事・採用担当者は会社の代表であるといった責任感をもって通知しなければなりません。そこで、不採用通知を通知を電話で行う際に知っておきたい注意点について解説します。

採用候補者にとって理由はともあれ、不採用通知を受け取ることは少なからずショックを受けることです。電話だと通知をしてきた人事・採用担当者に不採用となった理由を尋ねてくることや不満も漏らすこともあるでしょう。

しかし、人事・採用担当者は決してぞんざいな対応をせず、誠意をもって対応することが大切です。少なくとも採用候補者は自社に好意を抱き「働きたい」と思ってくれた存在です。今後はユーザーとして利用してくれることを忘れてはなりません。

不採用となった候補者とは、後々どこでご縁があるかわかりません。例えば、今回は不採用であっても別の部署では採用となる場合も十分にあるでしょう。また、自社のユーザーとして支援していただくことも十分に考えられます。

不採用となった候補者とのしこりを残さないためにも、真摯な態度で対応することは極めて重要です。加えて、応募していただいたことへの感謝や今後の活躍を祈る一言を加える心配りをもちましょう。

不採用通知を行う方法には電話やメール、郵送などがあります。電話は最終面接で不採用となった場合や、他部署での採用を打診するなど、特別な事情がある場合に適した丁寧な通知方法だといえるでしょう。一方で、時間や手間がかかるといったデメリットもあります。

そのため、電話ではなくメールによって不採用通知を行うことが適切な場合もあります。また、メールが適切な理由を理解することで、電話による通知が適切であるか否かが明確になるといえるでしょう。そこで、不採用通知をメールで行うのに適した場面や例文について紹介します。
 

応募者が学生や就業者である場合、電話よりもメールによる通知が適しています。学生や就業者は中間帯に授業を受けていたり仕事をしていることが大半です。そのため、電話で通知しようとしても不通となる可能性が高いといえるでしょう。

そのため、応募者に折り返し電話をかけてもらうことになったり、通知漏れといったトラブルが発生する可能性が高まります。したがって、特別な事情がない限り、折り返しを避けるためにも応募者が学生や就業者の場合はメールで不在通知を行うのが適当です。

電話で不採用通知を行う場合、1件1件丁寧に通話する必要がある上、不採用となった理由を通知することもあるため時間と手間がかかります。つまり、人事・採用担当者の事務負担を考慮すれば、最終面接者など人数を絞ることが大切だといえるでしょう。

したがって、書類選考で不採用とする応募者に対してはメールによって通知するのが一般的です。反対に面接も行っていない応募者に電話で不採用通知を行うと、混乱を招く恐れすらあります。

メールで不採用通知を行う場合、事前に例文をパターン化して用意しておくことが大切です。メールだからといって、長々とした例文を用意する必要はありません。簡潔で内容がわかりやすい例文であることが不可欠だといえるでしょう。

ただし、メールは電話での不採用通知とは異なり、非常に事務的な印象を与えてしまいます。したがって、応募者に対する感謝が伝わる例文とすることが大切です。そこでメールでの不採用通知の例文について紹介します。

不採用通知をメールで行う場合の例文は「○○会社の採用担当でございます。この度は弊社にご応募いただき、ありがとうございました。厳正な審査を行いましたが、今回は採用を見合わせていただくことになりました。ご希望に添うことができず誠に申し訳ありません。」です。

さらに「メールにて大変恐縮ではございますが、ご理解いただきますようお願いいたします。今後の□□さまのご活躍をお祈りしています。」といった例文を付け加えると、丁寧な印象を与えるでしょう。

メールにおいて不採用の理由を添える例文は「○○会社採用担当でございます。この度は弊社へのご応募誠にありがとうございました。厳正な審査をさせて頂きましたが、募集人数に対して多くの応募をいただいたため、今回は採用を見合わせていただくことになりました。」です。

さらに「メールにて大変恐縮ではございますが、ご理解いただきますようお願いいたします。今後の□□さまのご活躍をお祈りしています。」といった例文を付け加えます。メールの場合も不採用となった理由は簡潔に書くのがポイントです。

書類選考において不採用が決まった場合、メールにて通知するのが一般的です。なお、その際の例文は前項で紹介したとおりですが、提出された書類について追記が必要です。

追記の例文は「なお、お預かりした応募書類は、弊社にて破棄させていただきますので、ご了解ください。よろしくお願い申し上げます。」となります。

不採用通知は求職者にとって、決して良い知らせではありませんから、その立場に立って慎重に対応することが大切です。ここまで紹介してきたとおり、通知方法としては電話やメール、郵送などがありますが、さまざまなケースに応じて使い分けることが大切です。

不採用通知の方法において、最も丁寧な方法は電話となります。しかし、全ての求職者に対して電話により通知を行うことは現実的ではありませんし、返って混乱を招く場合もあります。そこで、不採用通知を電話で行うメリット・デメリットについてまとめてみました。

不採用を電話で伝えるメリットは、応募者に対して応募していただいたお礼を直接伝えることが可能な点です。また、応募者に事務的な印象を与えず、好印象につながるのもメリットだといえるでしょう。今回採用に縁がなかったとしても、応募者は自社に興味を持っていただいたユーザーです。

また、ぞんざいな対応をしているとSNSなどで拡散される恐れもあるでしょう。こういった口コミ情報は瞬く間に求職者の間に広まります。反対に丁寧な対応をしていると、良い評判につながることもありますから、企業にとっては大きなメリットになるでしょう。

そもそも不採用となった人に、電話で通知する意味はないと考える人もいます。結論からすれば「必要」だといえるでしょう。不採用を通知するのは、応募者に対して結果だけを伝えることを目的とはしていません。

応募者に対して感謝をするとともに、別の機会があれば「よろしくお願いしたい」との気持ちを丁寧に伝えることも大きな目的です。つまり、即座に効果はなくとも将来的には大きなメリットを生み出す可能性があるといえるでしょう。

不採用を電話で伝えるデメリットは、応募者に電話がつながらない場合、折り返しの電話を待たなくてはならない点です。タイミングが合わなければ、何度も折り返しの電話をかけ合うこともあるので、人事・採用担当者、応募者ともにストレスを感じるでしょう。

また、応募者が不採用となったことに対して納得できない場合、理由を執拗に聞かれることもデメリットです。そのため、あらかじめ例文を用意していたとしても、想定外の対応を迫られること少なくありません。また、メールや郵送に比較すると1件にかかる時間や手間が大きくなるのもデメリットです。

電話による不採用通知のデメリットを解消するには、人事・採用担当者の経験・スキルアップが必須です。例え不採用であることを伝えるだけであっても、応募者とのコミュニケーションが生まれます。

つまり、想定外の対応を求められるのは必然であり、例文だけでは対応できないことも想定しておかなければなりません。そこで求められるのが、不意な折り返し電話にも対応できる臨機応変な対応力です。

しかし、臨機応変な対応力は簡単に養えるものではありません。経験はもとより、スキルアップを目的とした人事・採用担当者に対する教育も企業に課せられた責任だといえるでしょう。

電話での不採用通知は、何より丁寧に伝えることが大事です。少子高齢化の影響で労働力不足は、多くの企業の課題だといえるでしょう。そのため、採用活動は非常に大切ですが、応募者が必ずしも欲しい人材に合致するわけではありません。

この場合、応募者に不採用通知を発出する必要があります。不採用通知の方法には電話やメール、郵送などがありますが、最終選考まで残った応募者には電話が適切です。電話のメリットは誠意が伝わりやすいだけでなく、別の部署を紹介することもできます。

ただし電話の場合、不採用理由を聞かれたり、折り返し電話を待たなくてはならないなどのデメリットもあることを理解しておきましょう。とりわけ、折り返しの対応では執拗に不採用理由を聞かれるなど厳しい局面のありますから、経験とスキルが必要であることはいうまでもありません。