「10年後の自分」は就活の面接でよくある質問
就職活動をしていると面接試験で様々な質問をされますが、そのなかでも「10年後の自分」について質問されたことがある方も多いのではないでしょうか?
「10年後の自分について質問されても難しくて答えられない」「10年後の自分について考えたことがない」とこの質問に頭を悩ます就活生も少なくありません。
今回は「10年後の自分」について企業が聞く理由や、質問への答え方、10年後の自分の考え方や、質問に対する例文や注意点についてご紹介してまいります。
「10年後の自分」を聞かれたときに注意するべき点についても簡単にご説明していきますので、これから面接を受ける予定があるという方は今後の就活や面接対策にぜひ役立ててみてください。
「10年後の自分」について企業が聞く理由
就活をしているとよく聞かれる質問として挙がってくるのが、「10年後の自分はどのようになりたいと考えていますか?」という質問です。
実際の企業の就職試験でも、3割程度の企業が面接で「10年後の自分」に関連した質問をしたことがあるとされています。また、エントリーシートなど面接ではない試験を合わせるとより多くの企業が10年後の自分について就活生に質問を行っています。
学生の中で普段から「10年後の自分」をイメージできているという人は多くはないようですが、企業が面接で10年後の自分について質問してくるのにはどのような意図があるのでしょうか?
企業が「10年後の自分」について就活生に質問する理由を3つまとめてみましたので、ぜひ頭に入れておきましょう。
仕事への理解度
「10年後の自分」について企業が聞く理由の1つ目は、就活生の仕事への理解度を確認するためです。10年後の自分について答えるためには、企業の仕事を十分に理解している必要があります。
企業の事業内容を少し見ただけでは「10年後にこんな業務に携わりたい」と面接で述べるのはなかなか難しく、企業で働く自分の将来像を具体的に答えることはできません。
より具体的に、10年後の企業で働く自分についてアピールするためには、企業についてより深いところまで理解し、「それほどまでにうちの会社に入りたいのか」と感じさせられるような10年後の将来像を伝えれるようにしておきましょう。
仕事での成長意欲
「10年後の自分」について企業が聞く理由の2つ目は、仕事での成長していく意欲があるかどうかを確認するためです。
新しい人材を採用する企業側は、「10年後の自分」についての質問で浅く返答する就活生よりは、10年後の自分について具体的にイメージできていることがわかる就活生の方を”採用したい”と感じます。
それは、面接している就活生が仕事に対してどのように考え、どのように成長していきたいと考えているかどうかがわかるからです。
企業としては、仕事でのキャリアアップを目指して成長の意欲がある方を見極めるために「10年後の自分」の質問しているというところも多いので、答えられるようにしておきましょう。
企業のキャリアプランとの一致
「10年後の自分」について企業が聞く理由の3つ目は、企業のキャリアプランと一致しているかどうかの確認のためです。
10年後の自分のキャリアプランを述べることができたとしても、そのプランが企業側が求めているキャリアプランと全然違うという場合は評価の対象とはならないので注意が必要です。
企業が求めているプランと、10年後の自分の将来像が同じ方向性となる必要がありますので、面接を受ける企業が求めている人物像と大きくずれないように注意してキャリアプランをイメージしておきましょう。
「10年後の自分」に対する質問の答え方
「10年後の自分」について企業がなぜ質問をするのかということをご紹介してまいりましたが、次に実際に面接で「10年後の自分」について質問を受けたときの答え方についてチェックしていきましょう。
「10年後の自分をイメージするのは難しくて答えられるか不安」と感じている就活生も多いのではないでしょうか。
「10年後の自分」の質問を答えられるようにするためには、どのような考え方をするべきなのか、どのようなことを意識して将来を考えていくべきなのか具体的にご紹介してまいります。
10年後のモデルを探す
「10年後の自分」に対する質問の答え方の1つ目は、OBやOGなどから10年後のモデルになる人を探すということです。
質問に対する答え方を考えるときに、すぐに10年後の自分のイメージをできる人は少ないでしょう。答え方の参考にOB・OG訪問や先輩の社員などへのインタビューがとてもおすすめです。
学生のときに仕事についてのイメージはつきにくいですが、実際に働いている方に仕事内容や仕事に対する考え方を質問し、自分の中で「この人みたいになりたい」というようなモデルをつくっておくと、10年後の自分もイメージしやすくなります。
「自分の将来像が全然イメージできない」という方は、ぜひOBやOGや先輩社員など、自分の目標にできるモデルの人を探してみてはいかがでしょうか。
目標に向けてどんな努力をしていくか
「10年後の自分」に対する質問の答え方の2つ目は、面接のときに目標に向かってどんな努力をしていくのかということを具体的に説明できるようにしておきましょう。
「10年後の自分」の将来像というのは、とても長い期間の目標になります。そのため、今の自分が10年後の自分の将来像に近づくためには、今後どのような努力をしていくのかということを明確に伝える必要があります。
10年後の自分に近づくためにしていこうとしている努力の内容もですし、現在そうなるために行っている努力についても具体的に面接のときに伝えていくようにしましょう。
企業の方向性を意識する
「10年後の自分」に対する質問の答え方の3つ目は、企業の方向性を意識した考え方をするということです。
10年後の自分をイメージするときには、企業ではどのような事業内容を行っていてどのような部署があり、どのような人材を求めているのかということをふまえた上で考えておく必要があります。
企業の情報を知った上で、企業が求めている人材を意識しながら、10年後の自分の姿をイメージしてみましょう。企業と考え方の方向性が同じであれば、評価をしてもらえる可能性が高いでしょう。
具体的な部署は出さない
「10年後の自分」に対する質問の答え方の4つ目としては、具体的な部署名を挙げないということがポイントです。
就活をしているときには「この会社のこの部署で働きたい」という気持ちや意気込みをもつ方もたくさんいるでしょう。面接の場で「人事で採用の仕事がしたいです」「総務で給与関係の仕事がしたいです」ということをいう方もいるかもしれません。
しかし、希望の部署や仕事内容の限定には注意が必要です。企業側としては、希望されている部署の採用をその年度は行っていないという場合もありますし、規模を縮小しようとしているという部署もあるでしょう。
そのような部署に対して、面接で熱意を伝えてしまっても企業の面接官の心には響かない可能性がありますので、希望の部署に関しては限定するには注意が必要です。
仕事でのビジョンを語る
「10年後の自分」に対する質問の答え方の3つ目のポイントは、仕事に対するビジョンを語るということです。
「10年後の自分」の質問については、企業側は仕事に対する考え方や意欲についての確認のために質問をしています。そのため、答える内容には注意が必要です。
具体的にいいますと、「仕事と育児の両立をしながら~」というような解答をしてしまう方もいますが、これはプライベートの話となるので話さないように注意しましょう。
企業側が求めている、”この企業で働くときの自分の将来のビジョン”についてのみ答えると良いので、プライベートのことは話さず仕事のビジョンを明確に答えられるようにしておくのがおすすめです。
「10年後の自分」の考え方
「10年後の自分」の答え方をご紹介してまいりましたが、次に10年後の自分について答えるための考え方についてみていきましょう。
企業の考え方に沿って10年後の自分の将来像を答えなければないことはわかったけど、実際にどうやって考えたらいいのかと悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな方に参考にしていただきたい、10年後の自分を答えるにあったっての考え方を3つのポイントにまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
企業研究を徹底する
「10年後の自分」の考え方についての1つ目のポイントは、志望する業種や企業の研究を徹底することです。
10年後の自分として語っていく内容と、企業が考えているキャリアプランの方向性は同じである必要があるというご説明をさせていただきましたが、そのために企業研究はとても大切であり欠かせない作業です。
これは「10年後の自分」についての考え方だけではなく、就活全般として企業の研究をした上で面接に臨むことをおすすめします。企業のことを知れば知るほど、「この会社でこんなことをしたい」というイメージもしやすいものです。
企業についての研究や分析などをした上で、自分の仕事の考え方と組み合わせて「10年後の自分」というものを面接で回答できるようにしましょう。
長期的目標をたてる
「10年後の自分」の考え方の2つ目は、長期的な目標を立てるということです。企業についての徹底的な研究を終えた後は、その企業で自分がどのように働いていきたいかの目標を立てましょう。
「この企業で働き続けて10年経ったら、自分はどのような仕事をしていたいか」ということをイメージしてみて、長期的な目標を考えてみます。
勤続年数10年となると役職につくなど、社会人として入社数年のときとはまた違う働き方になっているはずです。
そんな10年後の自分はどんな姿であるべきか、まだまだステップアップするけれど間として10年後ではこのような仕事内容をしたい、というように長期的な目標を立ててみましょう。
長期目標のための短期目標をたてる
「10年後の自分」の考え方の3つ目のポイントは、長期目標を達成するための短期目標を立てるということです。長期目標を立てたとしても、実現からかけ離れないように注意が必要です。
長期目標を立てた後は、その目標を達成するために必要な短期目標を設定してみましょう。10年後の自分の将来像に近づいていくためには、今できることは何なのか、どんな段階を経て目標を達成していくのか、段階的な短期目標を考えましょう。
「10年後の自分」(長期目標)を実現するためにこのようなこと(短期目標)を目標として掲げて日々取り組んでいる、という内容を面接で伝えるだけでも”会社での将来像もイメージできているし、そのために努力もしている”という印象を与えられます。
「10年後の自分」に対するOK例文
これまで、「10年後の自分」についての答え方や考え方についてご紹介してまいりますが、ここからは実際に面接で伝えたい「10年後の自分」に対するOK例文についてみていきましょう。
これから就活をするので答えられるようにならなければならい、という就活生の方は今後の活動の為にもぜひ参考にしてみてください。
OK例文①
「10年後の自分」に対する1つ目の例文をみていきましょう。こちらの例文は、コンサルタントが職業の方の場合です。
「私は10年後、お客様のニーズに合わせたご提案を提示することができるコンサルタントになりたいです。お客様のニーズに合わせたご提案をできるようになるためには、その人が何を求めているのかということを聞き出す力や、考える力が必要です。
その力を養うために、先輩方の業務を日々観察しながら自分の力にできるように努力してまいります。日々の業務の中で周りの先輩方の考え方などを吸収しながら、自分らしいアイデアも提供できるような人材になりたいです。」
OK例文②
「10年後の自分」に対する2つ目の例文を見ていきましょう。こちらは人事に携わりたい方の例文になります。
「私は10年後、人事の採用担当者として優秀な人材を採用できるようになりたいです。優秀な人材を選出していくためには私自身さまざまな経験を積む必要があるため、まずは営業職として多くの方と交流を交えながら人との関わり方を学びます。
そして、そのなかでのコミュニケーション力や、企業の在り方についてを学び、人事として活躍して貢献していきたいです。」
OK例文③
「10年後の自分」に対する3つ目の例文を見ていきましょう。こちらはOB・OG訪問でモデルを見つけた方の例文です。
「私は10年後、御社の〇〇様のように新規事業を立ち上げる人材となりたいです。私は大学時代友人とともにサークルを立ち上げた経験があり、一から新しいことを築き上げていく大変さと達成感を得ることができました。
御社でも、周りの方たちと協力をしながら新しい事業立ち上げ、常に新しいことに挑戦しながら、自分の能力も高めていける人になりたいです。
「10年後の自分」に対するNG例文
「10年後の自分」に対する答え方のOK例文をお伝えしてまいりましたが、反対にNGな例文もご紹介してまいります。
「10年後の自分はどのような人物でありたいか」という質問を投げかけられ、とても抽象的に回答する方もいますが、このような答え方では評価はされにくいです。
「10年後の自分」について相手に伝えるときには、具体的に答えられるように訓練が必要です。質問されたときにこのような回答はやめた方がよいNGな例文についてご覧ください。
NG例文①
「私は10年後、御社で周りの上司や同僚・後輩から信頼されるような人物になりたいと思っています。どのような状況でも、上司など周りの期待に応えていける人物になりたいです。」
この例文は企業側からすると、このような回答をした就活生がどのような業務に携わりどのように成長してどんな人物になりたいのか、具体的なことが何もイメージができません。
評価をされるどころか「この会社で働く気がないのではないか」といったマイナスの評価を与えかねない答え方ですので、もう少し具体的に説明ができるようになる必要があります。
NG例文②
「私は10年後、家事と子育てを両立しながら会社のプロジェクトをこなせる人になりたいです。子どもを育てながらでもキャリアアップして、会社に貢献していきたいと思っています。」
こちらの例文は、仕事のビジョンとは関係のないプライベートの内容まで述べていますのでNGとなります。また、キャリアアップという言葉を使っていますが、どのような業務をどのように務めていきたいか、ということが全くわかりません。
10年後の自分について述べるときには、ついついプライベートのことも言いたくなるかもしれませんが、仕事に対するビジョンやそれに対する意欲などを述べるようにしましょう。
NG例文③
「私は10年後、営業のプロとして多くの案件をとり、会社に貢献していきたいです。会社の営業成績に貢献できるよう頑張っていきたいと思っています。」
こちらの例文は、営業という仕事をしたいことはわかりますが、どのように成長していきたいのかが伝わらないので、あまり企業について研究してせず、将来のことをあまり考えていないのではないかという印象を与えてしまいます。
営業の仕事をしていきたいにしても、何を目標にしてどのような姿勢で業務に取り組み、自分自身がどんなことに対して努力をしていきたいのかなども具体的に説明する必要があります。
「10年後の自分」を聞かれたときの注意点
「10年後の自分」について面接で質問されたときの答え方として、OK例文とNG例文についてご紹介してまいりました。例文をみて「なんとなくこんな感じで答えたらよいのかな」ということは感じられたのではないでしょうか。
最後に、「10年後の自分」について質問されたときの答え方の注意点について3点挙げさせていただきます。これから自分が働く仕事先を見つけるための大切な面接ですので、ぜひ頭に入れておきましょう。
具体的にアピールする
「10年後の自分」について聞かれたときの注意点の1つ目は、具体的にアピールしなければならないということです。
10年後の自分の将来像について、具体的に説明をする必要があるということは何度もお伝えしていますがとても大切なポイントです。漠然とアピールをしてしまうことで、企業研究を全然していないと思われてしまう可能性もあります。
そのため、具体的に「10年後の自分」についてアピールするために、企業研究は徹底的に行い、企業でのやりかたいことについて相手に伝えられるよう、訓練しておきましょう。
理想ばかり語らない
「10年後の自分」について聞かれたときの注意点の2つ目は、現実が難しいであろう理想ばかりを語らないということです。
「10年後の自分」について回答するときにあまりに高い理想のことを話してしまうと、「実現する気がないのではないか」「あまり真剣に考えていないのではないか」と思われてしまう原因となってしまいます。
理想について語るときには、理想を述べた後にその理想に近づくために自分が努力していることを述べる必要があります。実際に自分がしている行動と理想に差がありすぎると現実的ではありませんので注意しましょう。
志望企業に沿った目標を提示
「10年後の自分」について聞かれたときの注意点の3つ目は、志望企業で達成できるような目標を伝えるということです。
とても立派な「10年後の自分」についてアピールができたとしても、その内容が志望している企業で達成できないものにならないよう注意が必要です。もし、企業が必要としていない分野での目標を掲げてしまうと評価の対象とならない可能性があります。
そのため、企業の求めている人材がどのような人であるのかということもしっかりと研究して、目標を設定するようにしましょう。
10年後の自分をイメージしてみよう!
就活で「10年後の自分」を面接で質問されたときの答え方や、考え方について、例文や注意点についてご紹介させていただきました。
「10年後の自分」の将来像をイメージすることは簡単なことではありません。しかし、企業の研究を行ったり、長期的な目標を考えたりすることでイメージしやすくなります。
就活で「10年後の自分」を質問されたとき、企業に評価されるような返答ができるようぜひこの記事を活用してみてください。