人気の観葉植物・ウンベラータを紹介!
ウンベラータという観葉植物をご存じですか。葉っぱの形が可愛らしく、素敵な花言葉を持つウンベラータはインテリアとしても贈り物としても人気の高い観葉植物です。ウンベラータは熱帯地域原産の植物のため寒さに弱いですが、適切な世話や手入れをしていれば年中通じて元気に育ちます。
本記事では、ウンベラータの育て方や季節ごとに異なる置き場所について解説します。また、ウンベラータを育てる上での注意点や花言葉についても取り上げています。観葉植物について関心のある方やウンベラータについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ウンベラータとは
ウンベラータの原産地は、熱帯アフリカの低地です。原産地では、10mほどの高さになりますが、日本では50cm~1.5mほどの高さが一般的です。葉がハートの形をしており、幅広で葉脈がしっかり見えるのが特徴の一つです。熱帯地域原産の植物のため、暑さに強く、寒さに弱いです。
室内に置いていても気温が下がると葉を落とすことはありますが、温かい季節になれば新芽を出します。ウンベラータは、イチジク属に分類される植物で花らしい花は咲かせません。「花嚢(かのう)」と呼ばれる、花軸が肥大してできた袋状の器官の中に小さい花をたくさん付けています。
花は、幹や枝に直接生えてくるため見つけるのが困難ですが、そんなウンベラータにも素敵な花言葉があります。次の項目で、ウンベラータの花言葉について紹介してきます。
ウンベラータの特徴
ウンベラータとは、クワ科フィカス属の植物で学名では “Ficus umbellate (フィカス・ウンベラータ)”と呼ばれています。葉っぱの形や樹形に特徴があり、グリーンインテリアやインテリアショップのディスプレイ、ギフトとして人気が高い観葉植物です。
ウンベラータは、比較的室内でも育てやすい観葉植物ため、初心者の方でも気軽に育てることができます。この項目では、ウンベラータの基本的な特徴や花言葉について解説します。
ウンベラータの花言葉
ウンベラータは、生命力が強く1年を通じて元気に育つことから「すこやか」という花言葉があります。加えて、ハート型の葉っぱの形をしていることから「夫婦愛」、「永久の幸せ」という花言葉もあります。
風水的には、「愛」を象徴するとされており、オフィスやリビング、寝室など人の近くに飾ると調和をもたらし、リラックス効果があるといわれています。
強い生命力と縁起の良い花言葉が付けられていることから、新生児の誕生祝いや母の日、父の日、開店祝いなどのシーンで贈り物として人気があります。
ウンベラータの育て方①置き場所
ウンベラータの種を入手したら、種を蒔きます。種まきは4月~6月の温かい時期で、種まき用の土には「ピートモス」などの保水性・保肥性に優れた土を使用します。「ピートモス」とは、ミズゴケやスゲなどの植物が堆積して作られた泥炭(ピート)を乾燥させて細かく砕いた土です。
挿し木(茎伏せ)の場合は、湿度の高い6月が理想的です。この項目では、ウンベラータの育て方および適切な置き場所について解説していきます。
明るい日陰
ウンベラータの置き場所は、明るいところが望ましいですが、日差しの強くなる7月から9月頃は直射日光に注意が必要です。
というのも、長時間強い直射日光に当て続けると葉が黒く焼けてしまう(葉焼け)からです。そのため、午前中だけ日当たりの良い場所に置いて、午後は直射日光が当たらない場所に移動させるといった置き場所に工夫をすると良いでしょう。
反対に置き場所が暗すぎてしまうと、ウンベラータの葉のツヤが失われ、元気に育たなくなってしまう恐れがあるため、一定時間は日当たりの良い場所に置くようにしましょう。
風通しの良い場所
明るい日陰の他に、ウンベラータの置き場所として適しているのが、風通しの良い場所です。観葉植物は育て方を誤ると、病害虫の発生につながることもあります。ウンベラータも、置き場所の風通しが悪いと病害虫の発生の原因になります。
ウンベラータに最も発生しやすい病害虫は、ハダニやアブラムシ、カイガラムシなどです。風通しの良い場所が好ましいとはいっても、エアコンや室外機の風が直接当たるとウンベラータが傷む恐れがあるため、注意が必要です。
季節ごとの置き場所の注意点
ウンベラータは、常夏である熱帯地域原産の植物のため、四季がある日本では季節によって育て方が多少異なります。特にウンベラータは寒さに弱いため、冬の季節の温度管理には、細心の注意が必要となります。
温度管理が適切に行われていれば、ウンベラータは季節に関わらず成長を続けます。この項目では、ウンベラータの季節ごとに適した置き場所について説明していきます。
夏の置き場所
ウンベラータは、暑さには強い植物ですが上記の「明るい日陰」の項目でも述べた通り、長時間にわたって直射日光に当てることは葉焼けの原因となります。そのため夏の日差しには十分注意し、目安として気温が40℃を超える場合は積極的に日陰に移動させるようにしてください。
室内で育てる場合は、遮光性のあるカーテンがされた窓際などが理想的です。あくまで目安ですが、30%~50%程度の遮光をすれば葉焼けを防止できるといわれています。
冬の置き場所
一方で冬の寒い季節は、ウンベラータの育て方により一層注意が必要となります。霜に当たると枯れてしまうため、基本的には冬の間ウンベラータは、室内で育てます。可能な限り8℃以上を保てる環境に置き、適宜ファンヒーターなどの暖房器具を使用して保温します。
この時期は特に温度管理に気を付け、ウンベラータの葉の状態をよく観察することが大切です。また言うまでもないことですが、ファンヒーターなどの暖房器具を使用する際は、火災には十分注意してください。
ウンベラータの育て方②水やり・肥料
ウンベラータの育て方は、置き場所の他に水やりや肥料の与え方も重要です。ウンベラータは高温多湿を好みますが、水やりの量が多すぎたり水はけの悪い土を使用したりした場合、根腐れを起こしてしまう恐れがあります。
そのため、水やりには適切な量やタイミングが必要です。水やりは季節によっても注意点が異なってきます。また肥料についても与え方によっては効果を発揮する場合とむしろ成長を阻害してしまう場合があります。この項目では、ウンベラータの水やりや肥料の与え方について解説していきます。
土の表面がカラカラに乾いたら与える
ウンベラータの基本的な水やりのタイミングは、土の表面が乾いた時です。表面の土を手で触ってサラサラの状態であれば、植物が水分を欲している印です。一方で、表面の土が手にしっとりと付く場合は、まだ植物にも水分が足りている状態のため、土がカラカラになるまで水やりは控えましょう。
水やりの量は、鉢底の穴から水からしみ出る程度に与えるようにします。また、水やりと一緒に葉水をすると観葉植物がイキイキと育ちます。葉水とは、霧吹きスプレーを使って、葉に直接水を吹きかけることで、害虫防止や湿度調整の効果を得られます。
葉水は葉表だけでなく、表裏両面行なうことでつやのあるイキイキとした葉を維持することができます。
季節ごとの水やりの注意点
この項目では、ウンベラータの季節ごとの水やりの注意点について解説します。特に夏場と冬場は、温度管理や日光の当て方の調整と並行して、水やりの量やタイミングを季節に合わせて調整します。
いずれの季節もこまめに植物の状態をチェックしながら、適宜適切な対応が必要となります。一見難しいように思われますが、季節ごとに異なるリスクや注意点を十分把握していれば問題ありません。
夏の水やり
夏場の水やりでの注意点は、水やりの時間帯です。「ウンベラータの育て方②水やり・肥料」の冒頭でも述べましたが、こまめに土の表面を触ってカラカラに乾燥したタイミングで水やりをします。
ただし、気温が上昇する朝から昼間の時間帯に水やりを行なうと、水温も上がってウンベラータの根を傷める原因となります。そのため、夕方から夜間の比較的涼しい時間帯に水やりを行なうのが理想です。水やりの頻度は天気や気温にも左右されますが7日に一度を目安に与えるようにしましょう。
また、ウンベラータの夏バテ防止策として活性剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで与えるとより元気に育ちます。
冬の水やり
冬場の水やりの注意点は、水やりの時間帯や頻度です。ウンベラータは寒さに弱い植物であるため、冬場は成長が緩慢になります。そのため、水やりの頻度も夏場と比較してもぐっと減ります。
天気や気温にも左右されますが、目安として土の表面がカラカラに乾燥してから2~3日後に水やりを行なうようにします。水やりの頻度は10日に一度、時間帯は気温が上昇する午前中から昼間に与えるようにしましょう。
ただし、ウンベラータの葉が落ちて休眠状態に入っている場合は、水やりを控え最低限の水分で休眠が明けるのを待ちます。
肥料の与え方
この項目では、ウンベラータの肥料の与え方について解説します。ウンベラータは有機質の土を使用している場合、肥料を与えなくても育ちますが、与えた方が成長が早くなります。
ウンベラータに肥料を与える時期は、成長期である春から秋(3月~11月)が理想です。冬場はウンベラータの成長の速度が緩慢になり、肥料を与えると肥料焼けを起こす恐れがあるため、冬に肥料を与えるのは控えるようにしましょう。
肥料の種類は固形肥料と液体肥料があり、基本的にはどちらでも問題ありませんが、両方を併用して与えるのが最適です。どの肥料を購入すべきか迷ってしまう場合は、ホームセンターや園芸店のスタッフの方にアドバイスや商品の説明を受けた上で選択すると良いでしょう。
ウンベラータの育て方③お手入れ
最後にこの項目では、ウンベラータの手入れについて説明していきます。季節の移り方とともに温度や湿度、日光の当て方に気を配ることでイキイキと育ちます。1年を通して特に注意すべきことは、冬を越してからのケアです。
温かい日差しが差す4月下旬から5月のゴールデンウィーク頃は、積極的に日光に当てるようにします。その際に水と肥料をたっぷりと与えることで成長を促します。およそ1~2か月後には、青々とした新芽が次々と出てきて元気な姿が見られます。
古くなってきた葉や邪魔な枝葉は、専用のハサミで剪定をします。これをすることによって栄養や水分がウンベラータ全体に行き渡りやすくなり、よりイキイキと育ちます。
2~3日に1回ホコリを掃除
ウンベラータの手入れとして「2~3日に1回ホコリを掃除する」ことが挙げられます。ウンベラータの葉は大きく、幅もあるためホコリが積もりやすいです。そのため、2~3日に1回の頻度でホコリを取り除くのが理想的です。
水やりや霧吹き、ウンベラータの状態をチェックするタイミングにでもホコリの積もり具合を確認する習慣を身に付けておくと良いでしょう。
冬は霧吹きで葉に水をかけて乾燥を防ぐ
ウンベラータの手入れの2つ目として「冬は霧吹きで葉に水をかけて乾燥を防ぐ」が挙げられます。成長が緩慢になる冬は、水やりの頻度が少なくなる一方で乾燥から守るための保湿が必要となります。
特にファンヒーターなどの暖房器具で空気が乾燥しやすい室内では、葉の水分が奪われやすいです。水やりは控えめでも、葉の状態を観察しながらこまめに霧吹きで保湿するようにしましょう。葉を乾燥から守ることで、害虫対策にもつながります。
葉が黄色くなったら早めに切り取る
ウンベラータの手入れの3つ目として「葉が黄色くなったら早めに切り取る」が挙げられます。寒さに弱いウンベラータは、葉が変色したり落ちたりすることがあります。基本的に古くなった葉は自然に落ちますが、黄色く変色した葉を早めに切り取ることで、他の枝葉の元気を保つことができます。
また、成長が著しい春から夏にかけては古くなった葉を積極的に取り除くことで新芽の成長を早めることにもつながります。見栄えの観点からも、古い葉を早めに切り取る習慣があればいつも青々としたウンベラータを見て楽しむことができます。
人気のウンベラータを上手に育てよう!
本記事では、観葉植物として人気のウンベラータの育て方や季節ごとに異なる置き場所について解説しました。また、ウンベラータを育てる上での注意点や花言葉についても取り上げました。季節の移り変わりに合わせて育て方や手入れが異なり、難しそうに感じた部分もあるかもしれません。
しかし、一番重要なのは植物をよく観察することと愛情を持って育てることです。その上で不明点や不安な点があればその都度園芸店やホームセンターのスタッフの方に相談することをおすすめします。観葉植物に興味のある方やウンベラータに関心のある方は、この機会に育ててみてはいかがでしょうか。