英語のメールの件名ってどう書くの?
スマホの利用が当たり前の時代となり、LINEなどでのショートメッセージでコミュニケーションをとることが普通の時代となりました。電話をすることも減り、Eメールの送受信も滅多にしないという声も上がるようになりました。しかし、ビジネスとなれば話は違います。
ビジネスメールは、いまだに健在です。日本ビジネスメール協会調べによると、日本の会社員は一日平均12通のEメールを送信するようです。そして一日平均55通のEメールを読んでいるそうです。ビジネスには効率性が要求され、特にメールの件名が重要になります。
件名がハッキリしていないと、迷惑メールと思われて破棄されてしまうことがあるからです。日本語のEメールでさえ、件名がハッキリしていないと読まれないのですから、英語のEメールであれば尚更です。英語のEメールでは、件名にどのような英語を使えば良いのでしょうか?
英語のメールを書くポイント
ビジネスメールの書き方は大きく分けて、「社内メールなど、比較的カジュアルな表現を使ったメールの書き方」と「社外取引先など、比較的フォーマルな表現を使ったメールの書き方」に分けられます。このことは日本語でのEメールだけではなく、英語のEメールにも当てはめられます。
ただし、英語の書き方の特徴と日本語の書き方の特徴の違いを注意しておかなければなりません。英語の特徴の違いというよりは、英語圏の文化の違いといった方が良いかもしれません。「正しい日本語の表現は、こうだ」ということが英語では違う切り口になるということです。
具体的な件名をつける
具体的な件名をつけることは、言語を問わずEメールでは重要なことです。営業部などの一日に大量のEメールを受信する部署であれば、件名を読むだけで、開封するに値するのかを判断します。いい加減な件名では、迷惑メールになってしまい、読んでもらえないことがあり得ます。
英語であっても、そのことは同じです。件名は具体的に、しかもできる限り簡潔に、できる限り読み手に「ああ、あのことね」と意思の疎通を図ってもらえるように注意します。特に謝罪や依頼、確認などのメールは、確実に読んでもらえるように注意して件名を書きましょう。
結論を先に書く
日本語と英語の文法の違いを意識しましょう。日本語は「主語・目的語や補語・動詞」の順番です。最後まで読まないと、具体的な希望が分からないことがあります。逆に言えば、それを途中で察する心遣いや注意力が必要な言語文化ともいえます。これに対して、英語は逆です。
英語では「主語・動詞・目的語や補語」という順番です。つまり「どうして欲しいか」ということを、主語の次に明記します。英語のエッセイも「イントロダクション・ボディ・コンクルージョン」という帰納法が基本フォーマットです。つまり英語ではイントロで結論を明記するのです。
ビジネスメールのフォーマットを活用する
日本語のビジネスメールであっても、特に社外メールはフォーマットを用意しているケースが多いようです。そして海外との取引がある部署の場合、英語Eメールのフォーマットも用意されているようです。まずは社内や部署内で、英語メールのフォーマットがあるか聞いてみましょう。
英語ビジネスEメールのフォーマットが無い場合は、英語の基本フォーマットとして「イントロダクション・ボディ・コンクルージョン」の三つの段落構成をフォーマットにします。帰納法なのでイントロダクションとコンクルージョンは、ほぼ同じ内容を書くことになります。
英語のメールの件名の書き方
日本語でのEメールにせよ、英語でのEメールにせよ、件名はビジネスメールでは非常に重要なものです。いい加減な件名のメールは読んでもらえません。特徴のない件名も、後回しにされてしまうことがあり得ます。他のEメールの件名と同じであれば、目に留まらないのです。
さらに言えば、英語ならではの注意点もあります。日本語のビジネスメールでは気にしなかった部分を、英語のビジネスメールでは気を付けなければならないこともあるということです。正しい英語のEメールの件名の書き方の注意点をいくつかご紹介します。
単語の最初は大文字にする
正しい英語の文章の書き始めは大文字で書き始めると、中学校英語で学習しました。実は英語での大文字は「強調」の意味があり、目に留まりやすくなります。それ以外に、例えば文頭ではなく重要な単語を目立たせる場合など、文中であっても単語の初めを大文字にすることがあります。
この性質を利用して、英語のメールの件名では、単語の最初を大文字にすると内容がより強く伝えられると考えられています。Phone Call Request(お電話ください)のような使い方です。ただし「接続詞・冠詞・前置詞」は大文字にしません。この点だけには注意しましょう。
差出人の名前を書く
日本語でのビジネスメールでも、初めて送るメールでは件名に差出人を書くようにします。こうすることで、読むべきメールなのかを相手がハッキリ区別することができるというわけです。例えばConfirmation of Appointment - Taro Yamada Sales Managerなどとします。
場合によっては一刻を争うビジネスメールは、件名には具体的な内容を導く重要語句を使い、読む価値があるかどうかを瞬時に判断してもらう必要があるというわけです。特に欧米の文化圏においては、時間に関する態度はとてもシビアであり、日本人はこの点に十分注意すべきです。
期限通知や注意喚起をする
例えば期限通知などの場合は、件名に書き込んでしまう方法が最善策です。例えば 件名に具体的な内容とともにRespond by Next Tuesday(次の火曜日までに返事を)ということを入れておけば、より目に留まってメールを読んでくれる可能性が高まります。
注意喚起を促す英語のEメールであるならば、件名の書き出しに大文字でURGENTと書けば「緊急」「至急」の意味となります。メーラーによっては重要メールには件名に重要マークなどが付けられるものがありますが、件名にURGENTと書かれているほうがインパクトは大きいです。
英語のメールの件名に使える例文
件名はメールの内容を限られた英語の単語で表現しなければならないため、分かりやすく正しい英語の表現を選ぶ必要があります。高尚な英語を使う必要はありませんが、誰にでもわかってもらえる正しい英語を使う必要があります。それでも、どういう表現が正しいのか迷います。
まず英語の例文を使ってみましょう。英語の例文に使い慣れていくと、不足している英語の表現や言葉が見えてきます。業界内で使われる言葉もあるでしょうし、独特な表現をする場合もあるでしょう。送られてきたメールの件名を見ながら英語を勉強していくと、英語の上達も早いのです。
依頼のメールの場合
依頼をする英語のEメールは、ハッキリとお願いを伝えます。例えばRequest for Quotation(見積もりの依頼)などのように、ハッキリと書いてしまう方法です。Telephone Call Request(お電話ください)のような使い方も、英語のメールの件名では良く見られます。
他にも例えばRequesting Maintenance(整備の依頼)などのように英語のRequestは件名に良く使われる単語です。その他には、依頼内容を目立たせるためにカッコを使うのも有効です。例えばRequest for <Appointment>(アポイントのお願い)などのように、特定の英語の言葉を目立たせます。
招待メールの場合
招待状の場合は、招待の内容などをハッキリと明記するのが一般的です。例えばInvitation : Birthday Party for Mr.Yamada(山田氏の誕生会へのお誘い)などというように、より具体的な書き方をします。可能であれば日付も件名に書き込んでしまいましょう。
英語での招待状によく見られるR.S.V.P.という言葉があります。これはフランス語のRepondez S'il Vous Plaitの頭文字で、「要返信」の意味です。本来本文末尾に書くものですが、急ぎの招待状の場合は件名にInvitation : R.S.V.P.と書き出せば良いでしょう。
変更やお知らせの場合
変更やお知らせの場合、それが至急なのか、比較的時間があるのかによっても件名の書き方が変わってきます。至急の場合、件名にURGENT(緊急)と書き出すことで、急なお知らせであることを知らせることができます。もちろん、URGENT(緊急)の後には具体的な内容を書きましょう。
単なるお知らせの場合であれば、件名にNotification : Our Office has Moved(お知らせ:弊社移転致しました)などとするだけの英語でも十分です。お知らせのメールの場合、その他には件名にFYI:Our office has Moved(For Your Information ご参考までに)とする英語の書き方もあります。
確認や共有メールの場合
アポイントが取れているかの確認や会議日程の確認のためのメールなどの件名には、ReminderやConfirmationやSharingという言葉を英語では良く使います。Reminder : Meeting on Mar.10th 9:00amなどというように、具体的な情報が続くように英語では書きます。
短い内容の英語文章であり、件名だけ読めば十分わかるような場合は、EOM(End of Message・内容以上で終了)と件名の最後に書き足します。これで開封することなく時短ができます。またNFA(No Further Action・返信不要)などを件名の最後に書き足す英語のメールも良く見られます。
問い合わせメールの場合
問い合わせの英語メールの件名は、inquiryを使うのが一般的ですが、aboutから始めてもquestionから始めても、理解はしてもらえます。大事なことは、続く言葉が具体的であるかどうか、ということです。About Invoice #365(請求書番号365番について)などであれば英語Eメールの件名として合格です。
もちろん、英語のEメールを出す相手との初めてのメールであればinquiryを使った方が失礼にはならないので、inquiryを使いましょう。もし互いに連絡を取り合っている関係であれば、いきなり問い合わせ内容を件名に書いた方が寧ろ具体的で反応が早いことがあります。
お礼メールの場合
欧米文化では子供のころからThank you Mail(お礼状)を書く習慣ができています。日本のような堅苦しいものではなく、サンキューカードのような礼状のやり取りです。Thank you Mailは出来合いのカードがスーパーなどで購入できますが、署名などを手書きで書き加えるのが普通です。
EメールでThank you Mailを送ることも増えました。件名はThank you For your Reply(お返事ありがとうございました)などとしますが、あまり抽象的な英語の表現は迷惑メールと思われるので、より具体的な内容の英語で件名を書きましょう。
英語のメールの件名のNG例
英語のメールの件名において、いくつか注意すべき点があります。英語のメールの件名の書き方の基本は「より具体的な内容を件名に書いてしまう」ということですが、かといって、長い文章をダラダラと書き込むわけにはいきません。それもNGのひとつです。
カジュアルなEメールだとしても、友達とのEメールとビジネスでのEメールとでは、注意点が異なります。特にビジネスメールであれば相手に失礼の無いようにしなければなりません。英語のメールの件名で「やってはいけないこと」のご紹介です。
全部大文字にする
英語のメールの件名をすべて大文字で書いてしまうことは、絶対にしてはいけません。大文字は目立たせるものではありますが、それだけ文字の持つ「圧力」が生じているからです。禁止事項の看板などでは大文字で書かれたものが多いことなどから分かるように、威圧的なのです。
大文字だけで書かれた文章は、ネイティブたちにとっては非常に読みにくいといいます。日本人的に言えば、漢字が一切使われていない「ひらがなだけで書かれたメール」というようなイメージです。目立たせたい単語ひとつだけ、例えばURGENTのように大文字を利用しましょう。
抽象的過ぎる
日本語のメールでも、件名が「誰から来たものなのか」「何についてのメールなのか」となっているものは、開封しないようにといわれます。迷惑メールやマルウエアやウイルスなどを含むメールであることも考えられるからです。件名は相手に分かるように具体的に書きましょう。
英語のメールの件名が、例えばInformation(ご案内)と一言だけであったり、例えばRead this Notification(このお知らせをご覧ください)だけというのは、迷惑メールと判断され読んでもらえない可能性が高いです。件名は具体的に書くように心がけましょう。
件名を書かない
件名が空欄のEメールも、迷惑メールやウイルスメールと思われて削除されてしまう可能性が高いです。「件名のスペースは狭すぎて、具体的なことを書ききれない」ということもありますが、だからといって、空欄にすることはビジネスメールではご法度です。
一日に何通も読み書きしなければならないビジネスメールであれば、英語であろうと日本語であろうと件名は具体的内容を含むものにしましょう。Eメールを読む人の立場に立って考え、件名を読むだけで内容が想像でき、本文を読めば完全把握できるメールを目指しましょう。
英語のメールの件名は正しい書き方で送ろう
日本語にせよ英語にせよ、文字で意思の疎通を図ろうとすることは難しいことです。特にビジネスメールであれば、フォーマルとカジュアルを使い分けつつ、互いの効率性を考えていく必要も出てきます。正しい英語なのか自信が持てないこともありますが、ビジネスでは弱音は通用しません。
一度身につけた正しいフォームがあれば、アレンジで対応できるようになります。ネイティブに正しい英語かどうかチェックしてもらった社内フォーマットや正しい英語を使える先輩に指導してもらって、恥ずかしくない正しい英語のメールの件名の書き方を身につけましょう。