水筒のカビ対策はどうすればいいの?
ペットボトルを買って飲むより節約できて、保温保冷などにも優れている水筒。会社にも持ち運びが便利なスリムタイプだったり、アウトドアのお供にも便利な耐久性のあるタイプなど、ラインナップが豊富なのでシーンに合わせて使い分ける事もできる便利アイテムです。
そんな季節を問わず使いやすい水筒ですが、毎日使う物であるにも関わらず洗うのを忘れたり放置してしまったことにより、カビが生えてしまったことはありませんか。
今回は、水筒のカビ対策について検証していきます。水筒にカビの原因や、水筒のカビの種類、発生してしまったカビの除去方法、水筒のカビを予防する正しい洗い方、水筒を洗う際の注意点なども含めてご紹介していきましょう。
水筒のカビの原因は?
まずは、水筒のカビの原因についてご紹介していきましょう。ちゃんと洗ったはずなのに水筒を見るとカビが発生してしまっている、という経験はありませんか。カビが発生するにはいくつかの原因が考えられるので、どれか思い当たることはあるでしょう。
口の中の雑菌が移っている
水筒のカビの原因1つ目は、口の中にある雑菌が移ってしまうことです。最近の主流の水筒のほとんどが、直接水筒からお茶や水を飲むことができる「直飲みタイプ」です。コップに入れたりせずに歩きながら立ちながらでも飲めるので、家の中でも会社でも持ち運びが便利です。
ただし、直接水筒に口をつけて飲むことで、口の中にある雑菌が水筒の中に入りやすく、雑菌が水筒に広がってしまいカビの原因となることも考えられます。
中身を放置している
水筒のカビの原因2つ目は、水筒の中に入れた飲料を放置していることです。水筒の中に飲料を入れたまま、長時間経ってしまうことはありませんか。湿気を好むカビにとって、水筒に中身を入れたままで放置しておくと、カビが繁殖しやすい状態を作ってしまっていることになります。
甘い飲み物を入れている
水筒のカビの原因3つ目は、甘い飲み物を入れていることです。水筒の中に入れる飲料は、お茶や水を入れる人が多い中、カフェオレやジュースなどの清涼飲料などを入れる人もいます。糖分を含む飲み物はきちんと洗っておかないと、糖分を餌にカビが増殖することになります。
洗った後にしっかり乾かしていない
水筒のカビの原因4つ目は、洗った後にしっかり乾かしてないことです。水筒をきちんと洗っても、十分乾かしてから収納しないと、残っている湿気を餌にカビが増殖してしまう原因を作ることになります。カラカラに乾いた状態を確認してから、食器棚に収納するようにしましょう。
水筒のカビの種類
次は、マイボトルとして持ち運びが便利で使いやすい水筒に繁殖しやすいカビの種類についてご紹介していきましょう。きちんとした手入れをしていない水筒に繁殖しやすいのは、最もポピュラーな黒カビと赤カビになります。では、黒カビと赤カビの特徴について詳しく説明していきましょう。
黒カビ
日常的に多湿で空気の流れが悪いところであれば、どんな場所で発生しやすく、最もボピュラーなカビの一つである「黒カビ」。黒くて根を張ったような黒いカビで、パッキンや水筒の中に発生しやすくなっています。熱やアルコールなどに弱い性質なので、除菌しやすいカビの一種です。
赤カビ
洗面台やお風呂場のシャンプーやボディソープボトルの裏側などにもよく現れやすいぬるぬるとしたピンク色の「赤カビ」は、水筒の蓋やパッキンに発生しやすいカビです。酵母菌の一種で根が張らないので除菌しやすいですが、繁殖スピードが早いので早めに予防するのがおすすめです。
水筒にカビが繁殖しやすい条件とは?
カビが繁殖するには4つの条件があり、温度が20℃~40℃であること、空気や酸素があること、湿度が70%以上、ホコリ・食べかす・アカなどのカビの栄養分とこの4つが揃うとカビが発生しやすくなります。1つでも条件を揃えないことが、カビの繁殖を防ぐポイントとなります。
水筒のカビを放置したまま使い続けると?
水筒のカビを放置したまま使い続けると、カビ特有の嫌な匂いが発生し口に含んだときの風味が悪くなります。カビを飲んでも胃酸で退治してくれるので、健康な人にはあまり害になることはありません。
ただし、抵抗力の弱い小さい子供の場合は、長期間カビを摂取することによりカビアレルギーになる可能性があります。そんなことにならないためにも、水筒を清潔に保ち、カビが生えないよう予防する必要があります。
水筒内に発生したカビの除去方法
次は、水筒内に発生したカビの除去方法をご紹介していきましょう。どんなに気を付けていても、時期やタイミングによって水筒の中やパッキンにカビが繁殖してしまうことがあります。そんな時は、繁殖してしまったカビに効くおすすめのアイテムを使って、カビを撃退してみましょう。
カビの除去方法①お酢で除去する
カビの除去方法でおすすめのアイテム1つ目は「お酢」です。食材にも使う調味料のお酢には殺菌効果があり、カビだけでなく水アカも落としてくれる作用があります。まずはタライとお酢を用意して、水筒のパーツである蓋やパッキンなどを分解していきましょう。
タライに30〜50度のぬるま湯500mlをはり、お酢を大さじ3・小さじ1を目安に注いだら、蓋やパッキンなどの水筒のパーツを入れて2〜3時間放置しましょう。浸けておくことで汚れが落としやすくなります。
浸け置きした後は、しっかりとすすいでお酢を流していきます。お酢の流し忘れがあると、カビの餌になってしまうので注意しましょう。浸け置きしてもカビが取れない場合は、ブラシで傷を付けない程度にこすってみましょう。
カビの除去方法②酵素系漂白剤で除去する
カビの除去方法でおすすめのアイテム2つ目は「酵素系漂白剤」です。お酢を使ってカビが落ちない時や、すぐにカビを落としたい時には、オキシクリーンなどの酵素系漂白剤を使ってみましょう。水筒だけでなく、衣服のにおい取りや食器類の黄ばみなどにもおすすめです。
まずは、蓋やパッキンなどの水筒のパーツを分解し、タライに40度のぬるま湯500mlに対し、酵素系漂白剤小さじ1弱を入れていきましょう。蓋とパッキンを浸し、外部のラベルなどが剥がれる恐れのある水筒本体は内部にタライの水を注いで30分から1時間放置します。
水筒本体もどうしても浸け置きしたい場合は、蓋を外して浸け置きしましょう。蓋をしたままであると、内部の圧力で蓋が飛び出してしまうので、注意しましょう。浸け置きが完了したら、水かぬるま湯でしっかり洗い流し乾燥させましょう。
カビの除去方法③重曹とクエン酸で除去する
カビの除去方法でおすすめのアイテム3つ目は「重曹+クエン酸」です。お酢で汚れが取れなかったり、安全なものを使ってカビを落としたい場合は掃除やお菓子作りで使う重曹や、掃除に活用できるクエン酸を使ってみましょう。
まずは、蓋やパッキンなどの水筒のパーツを分解し、タライに50度程度のお湯と重曹とクエン酸を同じ量を入れます。シュワシュワっとした泡がでてきたら、蓋やパッキンなどを1晩ぐらい浸け置きするときれいになるので、時間がある時に試してみましょう。
カビの除去方法④カビ臭いニオイは重曹で除去する
カビの除去方法でおすすめのアイテム4つ目は、先ほども紹介した「重曹」です。水筒にこびりついているカビ臭いニオイを落としたい時は、重曹がおすすめです。水筒に500mlの水と重曹小さじ1~2杯入れるのが目安で、パッキンも一緒に浸けておくと一晩で嫌な臭いを取り除く事ができます。
水筒のカビを予防する正しい洗い方
次は、水筒のカビを予防する正しい洗い方をご紹介していきましょう。毎日使う水筒だからこそ、カビが繁殖しないように正しい予防法で注意を払いながら、きちんと汚れを洗い流してあげましょう。毎日丁寧にケアすることで、お気に入りの水筒を長持ちさせることができます。
用意するもの
水筒のカビを予防する正しい洗い方をする際に用意するものは、普段の食器を洗うのに使っている食器洗剤・柄付きのスポンジ・食器用スポンジの3点になります。この3点とも、近所にあるコンビニやドラックストア、100均などでも簡単に手に入るので、簡単に用意できます。
まず水筒をパーツごとに分解
水筒のカビを予防する正しい洗い方の手順1つ目は、水筒をパーツごとに分解していくことから始まります。まずは蓋を外し、蓋についているパッキンも外していきましょう。パーツをバラバラに分解することで、一つずつ丁寧に洗うことができます。
特にパッキンは知らぬ間に茶渋や水アカが溜まっていて、放置しているとカビの繁殖の原因になるので、水筒を洗う際は必ず分解するようにしましょう。
本体の洗い方
水筒のカビを予防する正しい洗い方の手順2つ目は、水筒本体から洗っていくことです。洗い方は軽く水で水筒本体をすすいでいき、本体の口部分と外部は食器スポンジに食器洗剤を含ませて、丁寧に洗っていきましょう。
水筒の内部や底などの手で届かない部分は、柄付きのスポンジに食器洗剤を含ませて、水筒を持ちながら内部をくるくるっと円をかくように洗っていきましょう。
パッキン・蓋の洗い方
水筒のカビを予防する正しい洗い方の手順3つ目は、本体から外した蓋やパッキンを洗うことです。内部に傷がつくとサビの原因になるので、柔らかい食器スポンジに食器洗剤を含ませて、丁寧に洗っていきます。
パッキンや蓋の溝には茶渋などの汚れが溜まりやすいので、つまようじや使わなくなった歯ブラシなどを使ってこすり落とすようにしましょう。それでも、汚れが落ちない場合は上記で紹介したようにお酢などのアイテムを使って浸け置きをしてみましょう。
丁寧にすすいで乾燥
水筒のカビを予防する正しい洗い方の手順4つ目は、水筒本体と蓋・パッキンをすすいで乾燥させることです。泡の洗い流しがないように、丁寧に水ですすぎ、内部までしっかりと水気を拭き取って乾燥させましょう。水気をきちんと拭き取らないと、カビの原因になるので注意しましょう。
水筒を洗う際の注意点
最後に、水筒を洗う際の注意点についてご紹介していきましょう。保冷・保温のできる便利アイテムである水筒は、便利に使えるがゆえにデリケートな部分も持ち合わせています。水筒を洗う上で、注意しておいた方がいいことや、長く使うためのポイントをまとめてみました。
煮沸消毒はしない
水筒を洗う上での注意点1つ目は、煮沸消毒はしないことです。水を煮沸してしまうと、付属のパッキンや樹脂の部分が変形してしまう恐れがあります。熱に対して耐久性のある哺乳瓶と異なり、グツグツと沸騰したお湯に対して耐久していない部分があることを念頭に置いておきましょう。
食器乾燥機は使用しない
水筒を洗う上での注意点2つ目は、食器乾燥機をしないことです。煮沸消毒と同様に、水筒は食器乾燥機の熱に対しての耐久性がありません。水筒を食器乾燥機で洗って乾燥してしまうと、水筒の外側の塗料が剥げたり、パッキンや樹脂の部分が熱で変形する恐れがあります。
金属たわしを使用しない
水筒を洗う上での注意点3つ目は、金属たわしをしないことです。金属たわしを使って洗うことで水筒にキズがついてしまい、サビの原因となります。研磨剤入りのたわしや、クレンザーなども同様に水筒のサビの原因となるので、水筒を洗う際には使わないようにしましょう。
塩素系漂白剤を使用しない
水筒を洗う上での注意点4つ目は、塩素系漂白剤を使用しないことです。塩素系漂白剤を使うと、水筒の外側の塗料や印刷・シールなどが剥がれてしまったり、サビがついたり穴が空いたりしてしまう可能性があります。どうしてもすっきりと洗いたい時は塩素系ではなく、酵素系漂白剤をおすすめします。
ただし、酵素系漂白剤を使う時も本体と蓋・パッキンを分解して浸け置きするなど注意する点があるので、水筒の説明書をきちんと読んでから、使用していいかどうか見極めてから使用するようにしましょう。
水筒を長く使うためのポイントとは?
水筒の洗い方に十分注意しながら、水筒を長く使うためのポイントをご紹介していきましょう。基本的に保冷専用の水筒には熱いものは入れないようにしましょう。水筒が変形してしまう恐れがあります。
水筒に保護シールが付いている場合は、剥がさないようにしましょう。保護シールは水筒内に真空を作るために開けてある穴を蓋するもので、剥がしてしまうと保温冷効果が弱くなります。
他にも、味噌汁やスポーツ飲料・炭酸飲料は水筒に入れないように注意しましょう。味噌汁などの塩が入ったものはサビの原因になり、炭酸飲料は炭酸の圧力で水筒の部品が破損する可能性があります。
水筒にカビを発生させないように正しく洗おう!
夏は冷たい飲み物を、冬は温まる飲み物を入れて便利に持ち運びできる水筒は、環境問題にも配慮した便利に使える必須アイテムの一つです。毎日使うので、ついつい油断してカビを繁殖してしまうこともあるかもしれません。
一度カビが繁殖してしまったとしても、きちんとした除去方法を行い、水筒へのケアをおこたらないようにしておくと、お気に入りの水筒も長く快適に使えます。水筒を正しく洗って長持ちさせましょう。