壁紙の黒ずみ・汚れの掃除方法を紹介!
床に舞う埃や、シンクや浴槽につく水アカといった汚れと比較すると、そこまで頻繁に掃除される機会は少ない壁紙の汚れですが、壁紙も長い間手入れをせずに放っておくと、黒ずみや黒カビ、ヤニといったあらゆる汚れが目立つようになってきます。
そこでこの記事では壁紙の汚れにはどのようなものがあるかについて紹介し、壁紙汚れの原因別に具体的な掃除の方法や掃除に使う道具、また普段からの掃除の仕方についても説明していきます。
壁紙を掃除する前の準備
壁紙を掃除してみよう!と思い立った際に、実際の掃除を始める前に必ず確認しておく必要があるポイントが2点あります。まずは壁紙の素材について確認すること、そして汚れの種類・原因が何であるかについて確認することです。
これを行わずに闇雲に掃除を行おうとすると、壁紙の汚れが落ちないばかりか、かえって壁を傷つけてしまったり、余計に汚れを広げてしまうことにも繋がりかねないので、この確認は必ず行ってください。
水を弾く素材か確認
家庭で使用されている壁紙の種類は、ビニールクロスと呼ばれる素材が使われていることが多いです。このビニールクロス素材は他の素材と比較すると、若干耐水性があるので、洗剤を使用して汚れを落として掃除をすることが可能です。
壁紙の素材がビニールクロスかどうかを見極める方法としては、少量の水をかけてみた際に弾くかどうかです。掃除を行う前にこれは必ず確認するようにしましょう。うっかり他の素材の壁紙だった場合に自分で洗剤を使って掃除をしてしまうと、壁にダメージを与えてしまう恐れがあります。
ビニールクロス以外の素材の壁紙の場合には、自分で掃除を行おうとするよりも、専門業者に依頼するのが無難でしょう。
汚れの種類を確認
実際に壁紙の掃除に取り掛かる前に必要なことは、汚れの種類を確認しておくことです。壁紙の汚れの種類としては手あかや黒ずみ、黒カビ、油汚れやヤニ汚れ、落書きが挙げられます。一見して汚れの種類が判りづらい場合には、壁紙の目立たない場所で少量の洗剤を使って確認してみましょう。
壁紙の汚れ別の掃除方法
ここまでは壁紙の掃除を実際に始める前に確認が必要なポイントについて説明してきました。中でも「壁紙汚れの種類を確認しておく」ことは、汚れの落とし方やそれに伴い使う道具が変わってくることにも繋がるので、非常に重要です。
以下で壁紙の汚れ別に、掃除の仕方や汚れの落とし方、必要な道具について具体的に説明し、また壁紙の掃除を行う上での注意点についても触れていきます。
手あか・黒ずみの落とし方
壁紙は日常的に埃が溜まってしまったり、あるいは子供のいるご家庭ですと子供が遊んでいる壁にペタペタ触れたりしているうちに手あか汚れが溜まっていったり、その結果として壁紙が黒ずんでしまい頑固な汚れとなってしまうことも珍しくありません。
気が付くと溜まってしまう壁紙の手あかや黒ずみ汚れに対して、どのような要領で掃除を行えば良いのでしょうか?
用意する道具・手順
手あかも元々を辿ると人間の皮脂から来るものなので、汚れの種類として分類する際には「油汚れ」となります。従って、手あかやそれから派生した黒ずみによる汚れに対処する方法は、油汚れに対する掃除方法と同じ方法となります。
壁紙についた油でできた汚れを効果的に分解して落とすには、食器用の洗剤が便利です。食器用洗剤を選ぶ際には、「中性」の性質を持つ製品を選びましょう。中性洗剤の代表的な商品としては「キュキュット」等が挙げられますが、これらは作用が穏やかで壁紙を傷めづらいという特徴があります。
具体的な掃除の要領としては、濡らして固く絞った雑巾に洗剤を数滴たらして壁を上から下に丁寧に拭いていきましょう。その後洗剤のついていない濡れた雑巾で洗剤を拭き取るイメージで拭き、最後に乾拭きをして仕上げます。
黒カビの落とし方
拭き掃除をしっかりと行ってもきれいに落ちない汚れの場合は、黒カビによる汚れの可能性が高いです。カビ菌は壁紙の奥深くにまで入り込んで根を張ったような状態なので、表面だけの掃除ではきれいにならないケースが殆どだからです。
用意する道具・手順
黒カビの掃除を行う要領は基本的には手あかや黒ずみを落とす要領と同じですが、中性洗剤や重曹水の代わりに市販のカビ取り用漂白剤を使用します。この漂白剤は壁紙の中に入りこんだカビ菌を根こそぎ退治してくれるので、きれいな壁紙を蘇らせることができます。
ただし、こうしたカビ取り用漂白剤の多くは塩素系なので、使用時に安全上注意が必要です。使用する際には換気をよくし、また酸性の洗剤と混ざると塩素ガスが大量に発生して非常に危険なので、誤って洗剤の成分を絶対に混ぜたりすることのないよう気を付けましょう。
油汚れの落とし方
油汚れとして代表的なものはキッチンで調理中に発生する油跳ねや調味料の汚れが挙げられますが、この他にもダイニングで食事をしている際に料理が跳ねたり、子供がこぼしてしまったりといった際にできる汚れも無視できません。
キッチンでの油跳ねであれば多くの場合はキッチンのタイルを拭けば落ちますが、ダイニング等で壁紙に油汚れができてしまった場合には、キッチンを掃除するような方法では落としづらく、少々厄介です。
用意する道具・手順
手あかや黒ずみを掃除する際と同様、中性洗剤を使っての水拭き、乾拭きでも掃除は可能ですが、頑固な油汚れに対しては重曹水(水100mlに対して重曹小さじ1杯を混ぜたもの)を作って掃除をするのがお勧めです。
掃除の要領としてはモップ等で壁の表面の汚れを取り払った後に重曹水を汚れの表面に振りかけます。少し時間を置いた後に水拭き用の雑巾で重曹水を拭き取り、その後に乾拭きで壁紙の水分を取り除きます。これで一連の掃除は完了です。
ヤニ汚れの落とし方
部屋で喫煙をする人は、気が付くと部屋の壁紙がヤニで汚れだらけという経験はあるのではないでしょうか?煙草に含まれる主な物質の一つがタールですが、このタールが喫煙時の煙に乗って壁紙にも付着し、これが黄色く変色してヤニ汚れとなります。
タールは植物性油脂で、煙草が燃焼する時に大量に発生します。強い油性の性質を持ち、壁紙に付着すると簡単には落とせなくなります。その為、ヤニ汚れを掃除する際には、他の油汚れや黒カビに対処する時以上に念入りな方法での掃除が必要となります。
用意する道具・手順
ヤニ汚れの掃除に必要な道具としては、これまでの掃除方法でも使用した雑巾や中性洗剤、重曹水に加えて、油性汚れを掻き出すためのスポンジ(台所用のスポンジやナイロン製の物で可)や使い古しの歯ブラシもあると便利です。
タールは油性が強い汚れなので、アルカリ性の洗剤が効果的です。先に述べた重曹水もアルカリ性の性質を持ち、そして消臭効果もあるので、タールの汚れ落としと同時に煙草の臭い消しにも役立ちます。タールの落とし方としては、まず重曹水を壁紙の汚れがひどい場所に吹き付けます。
次に重曹水を吹き付けた壁紙の箇所を雑巾で水拭き、もしくはスポンジや歯ブラシでこすって汚れを掻き出します。この際強くこすりすぎると壁紙を傷つけてしまう恐れがあるので、注意が必要です。その後、別の雑巾で水拭きしてヤニを拭き取り、乾拭きで水分を取って仕上げます。
落書きの落とし方
普段部屋を綺麗にとは心掛けてはいても、子供に壁に落書きをされてしまったと言う人もいるのではないでしょうか?落書きの落とし方ですが、これは落書きが何によってされたかによって、落書きの掃除に使う道具や方法が異なってきます。
落書きがクレヨン等の蝋で作られたものや油性のペン、もしくは色鉛筆でされている場合は、油性の性質をもった汚れになります。油は水をはじくので、水拭きだけで落とすことはできません。逆に水性の絵の具等の場合には水拭きで落とすことができます。
ここからは主にクレヨン等の油性の汚れを落とすための掃除に必要な道具や具体的な方法、落とし方について説明します。
用意する道具・手順
準備する道具としては黒ずみや手あか等を落とす際にも使用した雑巾に加えて、除光液(消毒用エタノールやクレンジングオイルでも可)が必要となってきます。また、除光液で汚れを落としたらすぐに捨てられるように、雑巾とは別にティッシュやコットンを準備しておくのも役立ちます。
雑巾やティッシュに除光液を染み込ませ、汚れに対して押さえるようにして拭き取ります。ゴシゴシこすったり、上下左右に拭き取ろうとするとクレヨンや油性ペン等の跡を広げてしまうことになるので注意しましょう。
壁紙の普段の掃除方法
ここまで壁紙の汚れにはどのような種類があるのか、そして手あか、黒ずみ、ヤニ、落書きと言った壁紙汚れの種類別の具体的な掃除方法について説明してきました。しかし、できれば頑固な汚れになってからよりも、普段から気付いた時にサッと掃除をしておけば、もっと掃除も楽になります。
普段の生活であまり時間が取れなくても、パパっとできる壁紙の日常的な掃除方法について、以下でご紹介します。
ホコリを落とす
壁紙の素材がどのようなものであっても問題がない掃除の方法は、「柔らかい素材で優しく埃を払う」方法です。この掃除で使用する道具は、市販されている不織布のお掃除シートや、マイクロファイバークロスのようなお掃除用の道具を活用すると便利です。
これらのお掃除道具を用いて、壁紙に軽く付着している埃や汚れを、壁紙そのものに擦り付けたりしないように気を付けつつ、軽く拭い去るようにする点が肝心です。
中性洗剤を使って拭き掃除
中性洗剤を使って掃除ができるのは、あくまでも壁紙の素材が水を弾くビニールクロスである場合に限られます。ビニールクロス以外の素材の壁紙に洗剤を使って掃除をすると、壁紙が洗剤を吸い取ってしまうので、使用は避けるべきです。
壁紙の掃除に中性洗剤を使うのが適しているのは、汚れの種類が手あかや黒ずみによる皮脂汚れの場合です。基本は堅く絞った雑巾に中性洗剤を数滴付け、壁紙を上から下に丁寧に拭いていきます。ゴシゴシこすりすぎるとかえって汚れを広げてしまうことになるので、注意してください。
どうしても壁紙の汚れが落ちない時は?
ここまで壁紙の汚れについて、汚れの原因別に分けて具体的な壁紙掃除の方法や掃除に必要な道具の使い方についても説明してきました。そこまで頑固な汚れではなければ、家庭にある洗剤や道具で無理なく壁紙の掃除を行うことができます。
しかし、中には長い間掃除がされていなかったためにカビ菌や黒ずみが壁紙の奥深くまで入り込んでしまっていたり、また汚れの原因となっている物質によっては、セルフでの掃除だと対処が難しいケースもあるかもしれません。
そのような場合でも壁紙を綺麗にしたいという場合には、どのような方法があるのでしょうか?自分で掃除する以外に、壁紙を綺麗にできる方法を以下で紹介します。
プロにクリーニングを依頼
自分で壁紙掃除を行う場合と比較するとお金はかかりますが、壁紙の汚れが頑固だったり、広い範囲を一度に綺麗にしたいという場合は、やはり専門のクリーニング業者に依頼するのがお勧めです。
クリーニング業者による壁紙の掃除は専用の道具やクリーニング洗剤を用いて行われるため、個々の汚れの状態や汚れの原因に合わせて綺麗にしてもらえます。壁紙の汚れを綺麗にしてもらえるだけではなく、除菌や消臭も一度にしてもらうことができます。
また業者によっては壁紙のクリーニングと同時に、穴が開いた箇所の補修もしてもらえるケースもあるため、例えば画鋲を差した跡等気になる点があっても、同時に解決してもらうことも可能です。
壁紙を張り替える
汚れがひどくて業者によるクリーニングをしてもらってもなかなか綺麗にならない、長時間掃除をしないで放っておいたので、ヤニで部屋中の壁紙が変色しているというような場合には、業者によるクリーニングよりも更に費用は嵩みますが、張替を検討する選択肢もあります。
もちろんDIYで自分で壁紙を購入し、古い壁紙を剥がして新しい壁紙に張り替えるということもできなくはないですが、やはり重労働ですし、仕上がりのクオリティ等考えると、費用はかかってもやはり専門業者に依頼する方がうまく行く可能性は高いです。
気になる壁紙の汚れを掃除して落とそう!
本記事では壁紙の汚れや種類、また壁紙汚れの原因別の掃除方法や道具の使用方法を解説しました。ただ、自分での掃除では壁紙の汚れの状態や汚れの経過年数によっては綺麗にするのが難しいケースもあるので、業者によるクリーニングや張替えの選択肢がある旨についても触れてきました。
汚れの原因や汚れ別の掃除方法や対策方法を一度知ることができれば、万一壁紙が汚れてしまうことがあっても、汚れの状態が深刻になってしまう前に、落ち着いて自分で対処することができるようになるでしょう。
汚れの対処方法もそうですが、普段からの壁紙の掃除方法についてもしっかりマスターして、常に綺麗で快適な部屋を保てるように努めましょう。