モルタル造形の作り方が知りたい!
テーマパークにあるおしゃれな建物やガーデニングで見られるかわいいオブジェ。本物の粘土やレンガで作ってあるように見えますが、実はこれらはモルタル造形であることが多くあります。
モルタル造形は、モルタルという建築素材を使って岩や木、レンガ、板など様々な素材を表現することができます。難しそうに見えますが、DIYで簡単にできる方法もあります。今回はモルタル造形の作り方やデザインなどについて紹介します。
モルタル造形って?
モルタル造形はテーマパークだけではなく、身近なところにたくさんあります。おしゃれなデザインのお庭や外壁など、よく見るとモルタル造形で作られていることが多くあります。
モルタルは木材やプラスチック製品よりも耐久性があり、老朽化しにくい特徴があります。硬化するまでに時間がかかるので、その間に様々なデザインや形を作ることができます。
自然物などをリアルに表現した工法
モルタルとは、セメントと骨材・水を混ぜて作る建築素材のことです。モルタル造形は、そのモルタルを材料として使い、特殊な技術でレンガや木材、枕木、岩などをリアルに表現することです。
モルタル造形はモルタルアートやデザインコンクリートとも呼ばれています。またDIYで作る小さなものはモルタルデコとも呼ばれていて、趣味の一つとして人気があります。
モルタル造形は東京ディズニーランドが建設された時、日本にその技術が伝わったとも言われています。現在はテーマパークの他、ガーデニングなど様々なところで見られます。
舞台セットを作るのに使われる
モルタル造形は、自然の木々や家をリアルに表現できるため、舞台セットや映画・テレビドラマのセットなどにもよく使われています。本物のレンガ壁や岩、大木のように見えても、実はモルタル造形だったということも少なくありません。
モルタル造形は、エイジング塗装を仕上げに使うことで年月が経ったような風合いに見せることができます。そのため、ノスタルジックな街並みのセットを作ることもできます。
モルタル造形はその他にも、私たちの生活の身近なところでよく使われています。一般住宅の外装や内装、病院やホテル、飲食店などにも見られます。
ガーデニングにもおすすめ
モルタル造形は、ガーデニングの世界でもたいへん人気があります。おしゃれなレンガの塀や漆喰の壁、木目調の門や小さな小屋などもモルタル造形で簡単に表現することができます。その他にもアプローチや玄関周り、表札、外壁などもモルタル造形で作ることができます。
またDIYでは鉢やかわいいオブジェなども人気があり、モルタル造形をガーデニングに取り入れて楽しむ人が増えています。後ほど簡単にDIYでモルタル造形が楽しめるアイデアや、モルタル造形の作り方などを紹介しましょう。
モルタル造形で作れるデザイン一例
モルタル造形ではどんなデザインのものが作れるでしょうか。モルタル造形はレンガや枕木、窓、タイルなど様々なデザインのものを作ることができます。
モルタル造形をDIYで楽しみたいという方は、まずはデザインを決めるところから始めましょう。塗り方や作り方を工夫すると、様々なデザインができます。
レンガ
モルタル造形で代表的なデザインといえばレンガです。レンガは様々な種類があり、横浜の赤レンガ倉庫のようきれいな赤レンガ、イギリスの田舎に見られるような茶系のレンガ、最近人気のおしゃれな白レンガなど様々です。
スタイロフォームという発泡剤を使うと、初心者でも簡単にモルタル造形の壁を作ることができます。また、同じデザインや作り方でも、色を変えると雰囲気ががらりと変わります。仕上げに簡単なエイジング塗装をすると、レトロな雰囲気になるので工夫をしてみてください。
枕木
枕木とは、もとは線路の下に敷いて線路を支える木材のことです。耐久性があるため、ガーデニング資材としてよく使われるようになりました。アプローチ、花壇の縁取り、花台、階段、アーチなど、枕木はガーデニングのあちらこちらで使うことができます。
しかし枕木は長く使っていると、どうしても劣化してボロボロになったり、中に虫が入り込んでしまったりします。枕木をモルタル造形で作ると安心です。初心者でもDIYで比較的簡単に作ることができるデザインなので、チャレンジしてみてください。
コッツウォルズ
コッツウォルズはイギリスのイングランド中央部に広がる丘陵地帯にある村々で、「英国で最も美しい村」とも称されます。コッツウォルズの村々は、この地方でしか取れない天然石で造った家が並んでいて、その石の色合いから「はちみつ色の壁」と呼ばれています。
コッツウォルズの「はちみつ色の壁」は、ガーデニングでもとても人気があるデザインです。エイジングが簡単なので、初心者でも簡単にDIYで作ることができます。失敗が少ないので、ぜひガーデニングに取り入れてみてください。
窓
窓枠もモルタル造形で人気があるデザインです。モルタル造形では、石やレンガ、木の感じを表現することができるので、おしゃれな窓枠を作ることができます。
窓枠のデザインは、モルタル造形の上級者向けのデザインで、様々な技術やデザインを組み合わせて作ることができます。DIYで小物を作るのに慣れたら、ぜひ窓枠など大きなデザインのものいチャレンジしてみてください。
タイル
モルタル造形のデザインの一つにタイルがあります。最近は玄関にタイルではなく、モルタルのタイルを張る家も増えています。モルタル仕上げはタイルよりも安価なため人気があり、家のイメージに合わせてデザインを選ぶことができます。
しかしモルタルの床はひび割れがしやすい、断熱性が低いので冬は冷たく感じるというデメリットがあります。またタイルの床に比べて、安っぽく見てしまうという欠点もあります。モルタルタイルをDIYで床に張るにはコツが必要です。DIYというより、プロにまかせたほうがおすすめです。
岩肌
テーマパークなどでよく見かけるゴツゴツとした岩肌も、モルタル造形で作れるデザインです。岩肌の作り方は、モルタルを塗りつけた後、ブラシで叩いたり、カービング(彫刻)を施したりしていきます。
さらに硬化した後、エーイジングに色を重ね、本物の岩肌のような色合いを作って行きます。岩肌は様々な技術が必要なので、DIYの上級者向けの作業になります。様々なモルタル造形を作った後、岩肌のデザインにもチャレンジしてみてください。
モルタル造形の簡単な作り方
モルタル造形では様々なデザインのものを作ることができます。最近は初心者でも簡単にDIYが楽しめるモルタルデコも人気があります。
モルタル造形の作り方の基本は、下地作り、モルタル造形、ベース塗料、エイジング塗装、クリヤーコーティングになります。ここからは、初心者の方におすすめの簡単なモルタル造形の作り方について紹介しましょう。
よく使う材料
モルタル造形の作り方を説明する前に、まず必要な道具や材料を紹介します。モルタルは、モルタル造形に必須の材料です。おすすめはギルドセメントで、セメントやモルタルよりも造形しやすく、滑らかです。
次に必要な材料はスタイロフォームです。これは商品名で、発泡スチロールの一種になります。普通の発砲スチロールよりは軽く、モルタル造形向きです。スタイロフォームにモルタルを付着させて造形します。
その他に必要な材料や道具は専用の接着剤、刷毛、左官ごて、エイジング加工用の塗料、下地用の塗料、装飾用のシリコンモールドなどです。
下地の作り方
それではここからは順にモルタル造形の作り方を説明していきましょう。作り方の最初のステップは下地作りです。下地作りをしっかりと行うと、その後の作業が楽になります。
下地の作り方は素材によって異なります。スタイロフォームの場合は簡単で、マーカーやマジックで下絵を描いてカッターなどを使って切り出します。
コンクリートブロックを下地にする場合は汚れを落とし、下地材料を丁寧に塗って行きます。下地を塗らないとモルタルがボロボロと落ちてしまうので、刷毛やローラーで均等になるように塗ってください。
塗装方法
モルタル造形の作り方の次のステップは、いよいよモルタルを塗っていく作業になります。コンクリートブロックやレンガにモルタルなどの材料を使ってモルタル造形を作る場合は、下地が十分に乾くまで数時間から半日ほど置いてからモルタルを塗って行きます。
スタイロフォームの場合は簡単で、切り出したらすぐにモルタルを塗って行くことができます。コテなどを使って表面が滑らかになるよう、ペタペタと塗ります。コンクリートブロックなど、大きなオブジェのものも、コテなどを使ってムラができないよう丁寧に塗って行きます。
オブジェの作成方法
モルタルを塗ったら造形になります。作り方のテクニックはいろいろありますが、レンガの場合は、モルタルを塗った材料の上にレンガの間の目地を入れたり、竹串やコテなどで模様を付けたりします。
枕木の作り方は、モルタルを塗った材料の上に釘などで木目調になるよう線を引いていくといいでしょう。真っ直ぐではなく少し待ったほうが枕木の感じが出ます。
岩の作り方は、材料のモルタルを塗ったらまずブラシなどでたたき、岩肌の感じを付けます。モルタルが少し乾き半硬化したら、カービング(彫刻)をして立体感を出します。
手入れ方法
モルタル造形が終了したら、作り方の次のステップはベース塗料を塗ることです。この行程もとても大切で、手を抜くと作品がひび割れをしてしまうことがあります。下地用のシーラーという専用塗料があるので、丁寧に塗って行きましょう。
ベース塗料が乾いたら、次のステップはエイジング塗装になります。特に決まった方法や作り方はないので、エイジング塗装に適した塗料を使って、岩やレンガ調など好きなデザインに仕上げてください。最後に紫外線による劣化などを防ぐために、クリヤーコーティングをします。
モルタル造形は屋外に置いておくと、自然の風合いが出て来ます。基本的にお手入れは不要で、年に一度、コーティング塗料を塗るのがおすすめです。
モルタル造形のDIY例
ここからはガーデニングやDIYにおすすめのモルタル造形の例をいくつかあげてみましょう。モルタル初心者の方に作りやすいアイテムとして、枕木の壁やレンガの壁、ガーデニングのオブジェや鉢などがあります。工夫を凝らして、様々なデザインのアイテムを作ってみてください。
枕木の壁
木目調の質感が楽しめる枕木は、モルタル造形の人気DIYアイテムです。枕木の壁を作って、お部屋のインテリアにするのもおすすめです。
またアプローチや花壇、ガーデニングのステップなど様々な場所におすすめです。長く使っていると自然の風合いが増し、庭によくなじむようになります。枕木の模様は簡単に付けることができるので、DIY初心者にもおすすめです。
レンガ調の壁
レンガ調の壁はガーデニングにぴったりのモルタル造形です。レンガと言っても様々なデザインや色があるので、ガーデニングのイメージに合わせて作るといいでしょう。レンガの壁と合せて、庭のオブジェや鉢なども作るのもおすすめです。
レンガ調の壁は、モルタル造形の初心者も比較的簡単に作ることができます。レンガの模様は楽しみながら付けましょう。レンガごとに少しずつ色を変えて塗っても、きれいな作品になるでしょう。
庭のオブジェ
庭のオブジェはガーデニングにぴったりのモルタル造形です。モルタルデコとも呼ばれ、様々な作品がSNSで紹介されているので参考にするといいでしょう。
絵本や物語などの世界観を表現したり、好きなキャラクターを作ったりと、様々なアイテムをDIYで楽しむことができます。人気のアイテムは、三角屋根の小さなハウスやバードハウス、ランプなどです。かわいい色を付けて、お庭を飾るアイテムを作ってください。
鉢植え
モルタル造形のDIYで、鉢も初心者に作りやすいアイテムです。庭のオブジェと合せて作るといいでしょう。鉢は丸いものから四角ものまで、様々な形があります。育てたい植物に合わせていろいろなデザインで作ってみましょう。
モルタル造形では、鉢に絵や文字をデザインして描くこともできます。また鉢に小さなレンガ模様を付けたり、異なった色を塗ったりして変化を楽しむこともできます。
モルタル造形で庭をまるごとコーディネートしよう
モルタル造形では、お庭を飾る鉢や小さなオブジェから、レンガ調の壁や岩壁、枕木など様々なデザインのアイテムを作ることができます。
難しそうですが、コツをつかめば初心者でもDIYで簡単に作ることができるので、材料を揃えてチャレンジしてください。庭を様々なモルタル造形で飾って、楽しみましょう。