「団塊ジュニア」の特徴や対象の世代を解説!老後に苦労するって本当?

「団塊ジュニア」の特徴や対象の世代を解説!老後に苦労するって本当?

「団塊ジュニア」が生まれた時代背景やその特徴について解説します。「団塊」が作り上げた高度経済成長期が終焉し、直面したバブル崩壊や就職氷河期が「団塊ジュニア」にどのような影響を与えたのか、老後に安心した生活を送る上で避けて通れない年金問題等についても説明します。

記事の目次

  1. 1.団塊ジュニアとは?
  2. 2.団塊ジュニア世代の時代背景
  3. 3.団塊ジュニアの特徴
  4. 4.団塊ジュニアの結婚の特徴
  5. 5.団塊ジュニアは老後に苦労する?
  6. 6.団塊ジュニアがけん引したブーム
  7. 7.団塊世代の特徴は時代背景が影響している

団塊ジュニアとは?

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「団塊ジュニア」とは、「団塊」世代の子どもとして位置づけられ、親である団塊世代が「第一次ベビーブーム世代」と呼ばれることに対し「第二次ベビーブーム世代」とも呼ばれることもあります。

他の世代と比べて人数が多いことから同世代のライバルが多く、大学入試を初めとして何をやるにも競争が激しく苦労が絶えないことが特徴の世代といえます。また、卒業時期にバブルが崩壊し、就職にも恵まれなかった氷河期世代にも含まれます。

団塊ジュニアの年齢

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終戦直後に生まれた「団塊」世代を親に持つ人が多い「団塊ジュニア」世代は、1971年(昭和45年)~1974年(昭和49年)に生まれた人たちを指します。

2019年現在の年齢は、45~48歳になる年齢です。働き盛り、子育ての真っ最中、親の介護が始まる、老後に向けた準備も始めなければならないといった人生で最も忙しい時期を過ごしている時期にあたります。

団塊世代の年齢

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「団塊ジュニア」世代の親にあたる「団塊」世代は、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれとされています。2019年現在の年齢は、69~72歳になるあたりです。「団塊」世代の大部分が現役を引退して年金生活者となる年齢に到達しており、厚生労働省が定める高齢者医療制度によると前期高齢者(65~74歳)に該当する世代でもあります。

団塊世代を親に持つ団塊ジュニアの割合

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「団塊ジュニア」という名称を持つ世代ではありますが、以外にも「団塊」世代の親を持つ子どもの数は多くありません。厚生労働省の人口動態統計によると、「団塊ジュニア」世代の親の約70%は第二次世界大戦前または同大戦中に生まれており、大戦後に生まれた「団塊」世代を親に持つ「団塊ジュニア」世代の割合は、全体の約30%となっています。

団塊の世代の年齢は?性格の特徴や言葉の意味・由来をまとめて紹介! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
テレビのニュースなどでよく団塊の世代という言葉を聞きますが、団塊の世代の年齢や、本来の意味・由来をご存知ですか?また、どの様なイメージをお持ちでしょうか?今回は団塊の世代の意味・由来の他に、年齢層や性格の特徴などを説明していきます。

団塊ジュニア世代の時代背景

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「団塊ジュニア」世代が生まれた1970年代前半は、日航機「よど号」ハイジャック事件や浅間山荘事件など世を揺るがすセンセーショナルな事件の発生や石油ショックによって高度経済成長が終息した時期にあたります。

GNPが戦後初めてマイナス成長を示すなど、社会の発展や人々の前向きな姿勢にブレーキをかけるような出来事が目立ちはじめるようになりました。

高度経済成長が終わった時期

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1973年秋に石油ショックが発生したことにより原油の輸入価格が約4倍にはね上がり、日本の国際収支は赤字となりました。「列島改造ブーム」 でインフレが進行していたところに、原油価格の高騰が油を注ぐ形となり、狂乱物価と呼ばれるほどインフレが進行しました。

この時期は、卸売物価指数が消費者物価指数よりも高い上昇となり、日本経済は不景気であるにもかかわらずインフレが進行するというスタグフレーションに陥りました。

就職氷河期に遭遇

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「団塊ジュニア」世代は、大学卒業時期にバブル崩壊に端を発した就職氷河期に遭遇しました。景気が後退するなかで企業は軒並み新卒者採用を抑制し、新規求人有効倍率は1998年に0.9まで下がりました。

また、新卒者が非常に困難な就職活動を強いられた結果、卒業後も正社員になれなかったフリーターや派遣労働といった社会保険が整っていない非正規雇用者が増加しました。今なお、苦労の割に報われないワーキングプア状態にあり、老後の在り方を考える余裕さえない人たちがたくさんいます。

団塊ジュニア世代は消費者層として注目

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「団塊ジュニア」世代が思春期を過ごした1980年代は、ガンプラやファミコン、キン肉マン消しゴム、ルービックキューブ、ビックリマンシールなど社会現象を巻き起こすまでに発展したヒット商品が毎年のように生まれました。思春期後もサーフィンやスノーボード、バンド活動、車、バイクといった流行の中心にいることが多いことが特徴の世代です。

団塊ジュニアの特徴

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激しい受験競争を経験し、バブル崩壊以降の就職氷河期に遭遇した結果、就職活動の失敗に端を発し、その後も苦労している割に不遇を続ける人が多く苦労が絶えない人が多いことから、「貧乏くじ世代」と呼ばれることもあります。

高度経済成長期を支えた「団塊」世代の両親のような生活・家庭を築き穏やかな老後を過ごしたいと思いながらも、時代の波に翻弄され、就職も結婚も計画通りにいかない人が多くいるという特徴があります。

特徴①精神的なゆとりがある

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受験戦争や就職氷河期に遭遇するなど人生を左右する重要な局面に何度も直面してきた影響か、自分の身の丈に合った生活が送れればそれでよいと考える人もいます。フリーターや派遣労働者など非正規雇用を長く続けざるを得ない人も多く苦労は絶えないものの、老後はもとより今がよければそれでいいと楽観的に考える傾向があります。

特徴②マイペース

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常に厳しい競争社会にさらされてきた影響のせいか、他人は他人、自分は自分と割り切るという特徴があります。苦手な相手とは接しようとせずに、仕事とプライベートをはっきり分けて考えるタイプも多いようです。それゆえに淡白な人という印象を持たれがちで、結果として人間関係に苦労する人も多いという特徴があります。

特徴③個人主義

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マイペースな個人主義を大事にする考えが根底にあるせいか上司の意見を聞き流し、部下にあまり意見を言わない人もいます。お互いの個性をを尊重したいと考えるので、同世代でも踏み込んだ会話はあまりしないという特徴があります。ゆえに、困った時に心の内を打ち明けて話すことができる友人や知人がいなく、内にこもってしまう人もいます。

特徴④偏食率が高い

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もちろん個人差はありますが、偏食率が高い世代といえるようです。幼少期からインスタントラーメンやレトルト食品、冷凍食品に慣れ親しんできたことも影響しているせいか年齢の割に栄養のバランスに無頓着であり、健康診断に引っ掛かってしまう人も多くいます。人間関係同様に食事に対しても淡泊なのが原因なのかもしれません。

特徴⑤浪費をしない

将来や老後に対する不安を感じている人が多いせいか、苦労している割に実入りが少ないせいなのか日常的な消費には消極的で、財布の紐が固い世代といえます。一方で、自分の趣味には惜しみなくつぎ込む人もおり、メリハリがあるお金の使い方をしている人が多いようです。

年齢のわりにブランド志向は弱く、服は「ユニクロ」や「しまむら」で十分と割り切って考える人もいます。良く言えば堅実で、老後のために少しずつでも貯金をしたいと考えているからなのかもしれません。

団塊ジュニアの結婚の特徴

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雇用に対する不安感や収入の問題から結婚に踏み切れなかった人も少なからずいます。夫は正社員で管理職、妻は2人の子供を育て家を守る専業主婦という「団塊」世代の価値観を持ち続ける人も多いためか、現実とのギャップに苦しみ婚期を逃がしてしまった人も多く、「団塊ジュニア」世代の結婚観に表れているといえます。

団塊ジュニアの結婚観(男性)

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男性は外で働き家族を養うという前世代的な結婚観を持つ人が一定数いる一方で、経済的な理由などにより共働きができる妻を求めるといった現実的な結婚観を持つ男性も増えてきています。実際、婚活市場では、年齢のわりに社会人経験が少ない女性が敬遠されるという傾向も出てきています。

団塊ジュニアの結婚観(女性)

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1985年に施工された男女雇用機会均等法により、女性の社会進出が加速し、結婚より仕事を選ぶ女性も増えました。結婚しても仕事を続ける女性が増えたことにより、夫に仕事だけではなく家庭への貢献を求め、「イクメン」ブームの到来に貢献したといえます。仕事だけでなく家庭の苦労も一緒に受け止めてくれる男性が求められてきています。

団塊ジュニアは老後に苦労する?

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内閣府の2018年度の調査によると、「団塊ジュニア」世代がボリュームゾーンに含まれる年齢が40~64歳の中高年引きこもりが全国で61万3000人いるとされています。引きこもりではないものの非正規雇用であること等を理由に将来十分な年金をもらえないという社会問題が世で叫ばれています。

近い将来、年金受給開始年齢の引き上げや受給額の減少が確実視される中、「団塊ジュニア」世代が老後に年金生活者の仲間入りを果たすころには、貧困に苦しむ人がさらに増えることが危惧されています。

老後の年金受給が遅れた団塊ジュニア

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「令和の年金改悪」が始まるといわれています。そのメインターゲットは「団塊ジュニア」世代だと考えられています。1971年生まれの「団塊ジュニア」から年金支給開始年齢が70歳からになるように、支給開始年齢を現在の68歳→70歳→75歳へと段階的に引き上げていくことが政府で検討されています。

年金財政の破綻の心配

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日本の公的年金制度は「賦課方式」と呼ばれる仕組みで成り立っています。「賦課方式」とは、今現役世代が、現在の年金受給者に仕送りするという仕組みですが、少子高齢化による社会保障費の減少により、この仕組みを維持していくことが難しくなってきています。

2004年の年金制度改正によるマクロ経済スライド制度導入により年金制度そのものが破綻するリスクは低くなりましたが、将来受け取る年金が少なくなる可能性があることなど、「団塊ジュニア」世代に限らず不安が増大しています。

団塊ジュニアがけん引したブーム

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終戦以降、日本の高度経済成長を牽引してきた主な消費者層は1947~1949年に生まれた「団塊」世代です。「団塊」世代が興味関心を抱いたテーマから多くの新市場やヒット商品が誕生しました。また、「団塊」世代の子どもにあたる「団塊ジュニア」世代も、人口が多いために必然的に消費力が強く、多くのヒット商品やブームを生み出しています。

青少年期

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「団塊ジュニア」世代の青少年期は、1980年代後半~2000年代にかけてです。1980年代後半にバブル経済が到来し、様々なヒット商品やブームが到来しました。インターネットが無い時代、未知の事柄に対する好奇心を満たすには本を読むか人づてに話を聞くか自分で試してみるしかなく、失敗してもある程度許される寛容な雰囲気もありました。

バイクブーム

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80年代から90年代にかけて若者の間でバイクツーリングが盛り上がりました。学生や社会人駆け出しの頃だった「団塊ジュニア」世代もご多分に漏れずたくさんの若者がバイクを購入し、北海道を目指すライダーはミツバチ族と呼ばれました。

北海道を長期間ツーリングするために、会社や学校を辞めて北海道に移住し、苦労して漁師などのアルバイトをしながらガソリン代を稼ぎ、北海道中を走り回ってきたなんていう猛者もいた古き良き時代です。

バンドブーム

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80年代から90年代前半にかけて第二次バンドブームが到来しました。BOØWY、HOUND DOG、レベッカ、SHOW-YA、プリンセス・プリンセス、X-Japan、GLAY等の台頭による、1980年代終盤から1990年代前半にかけて起こったロックバンドの一大ブームです。

当時、中学生・高校生であり年齢としては15~19歳ぐらいだった「団塊ジュニア」世代もブームに乗り、学園祭などでライブを披露しました。

子どもと

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「団塊ジュニア」世代は、令和の時代において40代中盤~後半に差し掛かり、時間とお金に余裕が出てきた人も増えてきました。現代の若者と同様にスマホやSNSを使いこなし、キャンプを初めとしたアウトドアやライブ鑑賞、スキーなど子どもと一緒にアクティブな活動を開始・再開する人もいます。

スキー

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レジャー白書によると1987年に映画「私をスキーに連れてって」がヒットしスキーブームが到来し、最盛期の1993年には1800万人に上ったスキー人口が、2010年には約1/3の600万人程度にまで激減してしまいました。

ところが、スキーブームが始まったころに親に連れてきてもらっていた「団塊ジュニア」が親世代になり、ゲレンデに戻って来るという静かなブームが到来しています。 懐かしい「JR SKISKI」のCMも再開されました。老後を楽しむ余裕がある「団塊」世代の親が孫の子守をスキー場ですることも珍しくなくなってきています。

ライブ・コンサート

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近年、年齢の壁を越えて親子で同じアーティストやミュージシャンのコンサートやライブを楽しむ人達が増えています。小さな子どもを連れてアーティストのライブや大型音楽イベントに参加する親子が増えてきており、「団塊ジュニア」世代も多く参加しています。

毎年、8月に開催される大型音楽イベント『SUMMER SONIC』は、子ども連れで参加する親子への対策がとられており、その充実度はほかのイベントに比べると抜きん出ているという評判が伝わり、毎年多くの子供連れが参加しています。

団塊世代の特徴は時代背景が影響している

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「団塊ジュニア」は、戦後30年を過ぎて高度経済成長が終焉し「安定成長」に移行する時期に生まれ、青少年期にバブル崩壊から就職氷河期を経験するなど不遇ともいえる世代です。人数が多いことから受験や就活、昇進等において厳しい競争を強いられ苦労が絶えない世代といえます。

一方で、「団塊ジュニア」世代は消費者層として大きな影響力を保持しており、様々な流行やブームの火付け役となり、中心的役割を果たしてきました。

これから初老期に入ろうとする「団塊ジュニア」世代はリストラの対象になりやすい、年金支給年齢の繰り上げや支給額の減額が確実視されるなど相変わらず不遇の立場にあるなど時代の波に翻弄される立場でありますが、持ち前の楽観性により乗り越えていくことを期待しようではありませんか!

T.Okubo
ライター

T.Okubo

私は現在、コンサルタントととして働いています。「クライアントの課題を解決するための方法を考える、お手伝いをする」という観点で鍛えた文章力をもとに読者が分かりやすい、読みたいと思える記事を書きたいです。

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