「かまとと」の意味
「かまとと」と何気なく口にしている言葉ですが、その意味について深く考えたことはありますか。使われる場面を考えると、あまりいい意味は持っていないのでしょう。ここでは「かまとと」という言葉の持つ意味について、改めて見ていきます。今まで間違った使い方をしていなかったか、再チェックしてみましょう。
知っているのに知らないふりをしている
「かまとと」の意味のひとつに、知っているのに知らないふりをするというものがあります。こういう行動は、女性から男性に対して取られるものです。男性を優位に立たせ、いろいろ教えてあげたい欲求を引き起こさせるのです。男性にとってはカワイイ女でも、同性からは疎ましく感じられます。
うぶを装う
うぶとは、初々しく純粋である様子を指す言葉です。先ほどの意味と同様に、「かまとと」には(本当はそうではないのに)純粋であるかのように装うという意味もあるのです。世の多くの男性は、純粋で何も知らないような女性を好むものです。そこを狙ってうぶを装うのが、「かまとと」女なのです。
装うということは、つまりは本当はそうでないということです。既にうぶではない人は、いくら装っても完全なうぶにはなれないのです。その見え透いた感じが、同性に嫌われる一因だとも言えるでしょう。
女性に対して使う言葉
これら2つの意味からも分かるように、「かまとと」は女性に対して使われる言葉です。「かまとと」にはぶりっ子のようなニュアンスもあり、ぶりっ子は往々にして同じ女性から嫌われるものです。しかし、男性へのアピールの使い方として見れば、「かまとと」も悪いことではないのかもしれません。
しかし悲しいことに、「かまとと」はまず同性から嫌われる運命にあります。誰かが自分を「かまとと」と表現しているなら、それはちょっと危ない兆候です。男性にアピールすることにばかり集中していなかったか、行動を改めてみましょう。
「かまとと」の語源
独特の響きを持つ「かまとと」という言葉ですが、その語源はいったいどこにあるのでしょう。「かまとと」の語源を知れば、言葉への理解がより一層深まることでしょう。次にお伝えするのは、「かまとと」という言葉がどこから来たのか、知って納得するその語源に関するお話です。
「かまぼこ」と「とと」の2つの言葉
日本人にはお馴染みの「かまぼこ」、そして地方の言葉で魚を表す「とと」が組み合わさって語源となり、「かまとと」という言葉が出来ました。かまぼこが魚のすり身から出来ていることなど誰でも知っていることです。それを知らないふりをして尋ねるということが語源となり、今日使われる「かまとと」という言葉があるのです。
また「かまとと」は、江戸時代の頃に上方の遊郭で使われ始めたとも言われています。「蒲鉾は魚(とと)なのか?」と聞いた遊女に対して使い始めたのがその語源だという説もあります。このことからも、女性に対して使われる言葉だということがよく分かります。
「かまとと」の漢字
「かまとと」には、実は漢字もあります。ずばり漢字では、「蒲魚」と書くのです。「蒲」という漢字は、まさに「蒲鉾」のそれです。先ほどの語源の話を思い出していただければ、この漢字もなるほどと思っていただけることでしょう。漢字で書かれることはあまりありませんが、ひとつの知識として漢字での表記も読み方と併せて知っておくといいでしょう。
蒲・魚々の読み方
「蒲」という漢字には単にガマという植物を指す読み方のほか、(ガマで編んだ)「むしろ」や菖蒲の「ブ」などといった読み方もあります。ちなみに「かまぼこ」という言葉の語源は、この蒲という植物の穂にちなんだものです。「魚々」=「とと」というのは、知らない人もいる漢字の読み方のひとつです。
「とと」は魚を表す方言的な読み方であると同時に、幼児語であるとも言われています。子供が「お魚」というのは難しい読み方なので、魚のことを「おとと」という地域もあるとのことです。
「かまとと」の類語
「かまとと」の類語、つまり似た意味を持つ言葉とは何でしょう。簡単に思い付くのは「ぶりっ子」あたりですが、他にも同様の意味を持つ類語はあるのでしょうか。ここでは、難解な読み方である「嬌羞(きょうしゅう)」と「白々しい」という2つの類語から、「かまとと」との類似点を探ります。
嬌羞(きょうしゅう)
すぐには読み方が分からない「嬌羞(きょうしゅう)」というこの類語は、「かまとと」の類語です。「嬌」には可愛らしいという意味があり、「愛嬌がある」などという言い方もします。「羞」には恥ずかしがるという意味があります。この漢字の読み方の例として、「羞恥心」という言葉はご存知の人も多いでしょう。
これらの漢字を合わせた「嬌羞」は、「含む」や「浮かべる」といった表現での使い方をします。主に小説などの文学作品の中で使われる「かまとと」の類語で、口語表現ではありません。「彼女は嬌羞を浮かべている」などといった使い方をします。
白々しい(しらじらしい)
「白々しい」には、分かり切ったことをわざと知らないふりをしているという意味があります。まさに、「かまとと」と同様の意味を持つ類語だと言えるでしょう。「かまとと」が女性に限定して使う言葉なのに対し、「白々しい」は男女問わずオールマイティな使い方が出来ます。
「かまとと」の使い方と例文
「かまとと」の意味や語源については詳しく解説してきましたが、実際にはどのような使い方をするのでしょうか。「かまとと」は「ぶる(振る)」という使い方をするので、似通った表現にはなってしまいます。ここでは、男性が女性に対して、女性が女性に対してという使い方を想定し、それぞれ例文を用いて見てみましょう。
例文:男性から女性に対する場合
「あんなにかまととぶられると、流石に引くよ」男性からこんな風に言われてしまう女性は、既に赤信号だと言えます。「かまとと」の使い方を誤ったと言えます。少しの「かまとと」ならスパイスのように効いても、どっさりだとうんざりしてしまうものです。男性にモテる手段として「かまとと」を使うなら、ほどほどにしておいた方が良いでしょう。
例文:女性から女性に対する場合
「あの子、あんなにかまととぶって嫌な感じよね」「かまととぶるには、もうちょっと年を考えた方がいいよね」同性からそう言われてしまう女性は、「かまとと」が過ぎてしまっている可能性があります。特に、うぶなイメージを演出したいのであれば、年齢を重ねてからの「かまとと」は痛いと感じられかねないので注意が必要です。
「かまとと」な女性の特徴
同性から嫌われがちな「かまとと」女ですが、彼女らに共通した特徴はあるのでしょうか。知っているのに知らないふりをする女性たちは、どういう心理で「かまとと」ぶるのでしょう。うぶであると偽装してまで、何を求めているのでしょう。そんな「かまとと」女たちの本音に迫ります。
男性から清純だと思われたい
恋愛の酸いも甘いもがっつり知っているより、清純で何にも知らない方が圧倒的に男性受けがいいものです。「かまとと」ぶる女性はそのことを心得ており、うぶを装うことで、清純であるイメージを男性に持たせようとします。演出のために服装や化粧も決して派手なものではなく、ふんわりとしたガーリーファッションがおすすめです。
男性から注目されたい
「かまとと」ぶる女性たちは、男性の気を引くのが目的です。しかし彼女たちのすごい所は、不特定多数の男性に注目してもらいたいという点にあります。彼氏や夫など特定の異性ではなく、周りにいるあらゆる男性に注目されたいと望んでいるのです。抜かりない「何も知らない子」アピールで、今日も男性からの注目を集めようとしています。
恋愛経験が少ないとアピール
少ない恋愛経験をアピールするのも、「かまとと」女がよく使う手です。清純な女性を好む男性が多いことからも、恋愛経験が少ないというのはプラス要素でしょう。経験不足を装い、男性心理の読み方を心得た「かまとと」女の技にはまってしまう男性は、意外と多いようです。これも、好きな女性を自分色に染めたい男性の欲求のせいでしょうか。
「かまとと」女はなぜ嫌われる?
男性からは注目されるのに、同性には嫌われがちな「かまとと」女たち。どうして、そこまで嫌われてしまうのでしょうか。「かまとと」ぶった女性たち特有の行動を挙げ、嫌われる理由を考察してみましょう。自分が「かまとと」ぶっているか心配ならば、これを読んで振り返ってみるといいでしょう。
オンとオフの違いが激しい
「かまとと」女の大きな特徴のひとつに、オンとオフの激しいまでの使い分けが挙げられます。つまりどういうことかというと、女友達といる時は素でも、ひとたび男性が現れると「かまとと」スイッチがオンになるのです。スイッチがオンになった時、彼女たちはどのような反応を見せてくるのでしょうか。
声のトーンが上がる
それまではけっこうハスキーな声で話していたのに、男性が現れるとまるで声優のようなカワイイ声で話し始める、そんな女性が周りにいませんか。もしいたとしたら、それは「かまとと」女かもしれません。敢えて声を変えるというのは、可愛い自分を演出したい気持ちの表れと考えられます。
声を変えた上で、話し方も変化させる可能性があります。「えっとぉ」「うんとぉ」などと、かなり粘着質にも思える話し方になることが多いようです。少し舌っ足らずになるのも、ひとつのポイントです。
仕草が子供っぽくなる
声のみならず、その仕草までオフの時と変わるようなら、その女性はかなりの「かまとと」使いの可能性があります。急にナヨナヨしだしたり、子供のように手をブラブラ振りながら歩いたりします。そうすることで、弱い者を守ってやりたいという、男性の潜在的な反応を引き出すのです。
とりあえず男性を優位に
「かまとと」女が男性にモテやすいのは、うぶを装うことで男性に優越感を持たせるためだと考えることも出来ます。一概には言えませんが、男性は、自分より頭のいい女性よりもそうでない女性を好む傾向にあります。そんな男性の心の読み方に長けている「かまとと」女は、男性を優位に立たせる方法をたくさん知っています。
リアクションはオーバー過ぎるほどに
「かまとと」女たちは、基本的にオーバーリアクションを信条にしています。もちろん、それは男性に対してのみです。女友達の話には「へえ、そうなんだ」とドライに返していても、相手が男性なら「うっそ、すごい!!」と大袈裟に反応します。そうすることで、男性の気分がよくなることを知っているからです。
褒めたたえる
オーバーリアクションに加え、男性を褒めることも忘れていません。相手がどんなにありきたりなことを言ったとしても、すごいすごいと褒めてあげるのです。「かまとと」女たちは何も知らないうぶな自分を演出しているので、褒めることで相乗効果を生み出していると考えられます。
だから「かまとと」女は嫌われる
女性相手と男性相手で態度が変わり過ぎる、男性を持ち上げ過ぎるという特徴があるために、「かまとと」女は嫌われることになります。もしこのようなことを友達に言われているなら、一度自分を振り返ってみるべきです。気が付かないだけで、無意識に「かまとと」ぶっていた可能性もあります。
芸能界に潜む「かまとと」たち
華やかで競争の激しい芸能界。ここにももちろん、「かまとと」女たちはいます。「かまとと」ぶることで共演者やファンの心をたくみに掴み、注目を集めています。ここでは、「かまとと」感があるとされている女性芸能人についてご紹介します。なるほどと思える「かまとと」さんは、この中にいるでしょうか。
石原さとみ
ぽってりとした唇が特徴的な石原さとみさん。女性ファンも多い反面、「かまとと」ぶっていると思われている部分もやはりあるようです。「かまとと」の類語である「白々しさ」のような印象が、時おり見え隠れするとの意見もあります。実際はかなりサバサバしたタイプだという情報もあり、演じる役からのキャラである可能性は大きいようです。
田中みな実
女性が嫌いな女子アナという、不名誉な肩書を持つ田中みな実さん。最近は、ドラマで姿を見かけることも多くなってきました。バラエティなどで男性共演者を立てての番組進行は、自分を下げる「かまとと」女そのものでしょう。柔らかな印象で容姿もいいことから、妬みが入ってのイメージだとも考えられます。
おのののか
かつては野球場でビールの売り子をしていたという、おのののかさん。そのプロポーションのよさからも、男性ファンは多いことでしょう。その反動で、女性から「かまとと」女だとされている節もあります。おっとりした雰囲気もあるので、それが「かまとと」ぶっているというイメージに繋がっている可能性もあります。
「かまとと」は知ってるのに知らないふりをすること
「かまとと」は知っているのに知らないふりをすることですが、今回の記事で理解は深まったでしょうか。類語にもあるように、「かまとと」は使い過ぎると男性にも白々しいと思われる危険な技です。しかしうまく使えば、男性心理をくすぐるモテ技にもなります。上手に取り入れて、カワイイ自分を演出してみるのもいいでしょう。