「とりあえず」は敬語ではない?ビジネスマナーや使い方・例文・類語もチェック

「とりあえず」は敬語ではない?ビジネスマナーや使い方・例文・類語もチェック

「とりあえず」という言葉を使う際には注意が必要です。なぜなら、「とりあえず」は敬語ではないため、ビジネスシーンではマナー違反となるからです。本記事では「とりあえず」を敬語として使いたい場合の表現方法や例文を紹介します。

記事の目次

  1. 1.「とりあえず」の意味とは
  2. 2.「とりあえず」を敬語として使う場合
  3. 3.その他の「とりあえず」に代わる敬語表現
  4. 4.「とりあえず」以外の間違った敬語
  5. 5.社会人の基本である「報連相」
  6. 6.「とりあえず」は間違った敬語なので注意しよう!

「とりあえず」の意味とは

Photo by yosuke watanabe

普段何気なく使っている「とりあえず」という言葉の意味を皆さんはご存知でしょうか。ビジネスマナーを身につける上で、言葉の使い方はもちろん、言葉の正しい意味を理解しておくことは極めて重要です。なぜなら、誤った言葉の使い方をしていると、自身の意図とは違った意味で相手に伝わり、誤解を招く要因となり得るからです。

友人同士であれば、誤解が解ければ仲直りとなりますが、ビジネスの場では思わぬトラブルや損害に直結する可能性があります。下記ではまず、「とりあえず」という言葉の意味を確認していきます。

意味:さしあたって・一応

「とりあえず」という言葉には「さしあたって」、「一応」という意味があります。友人との待ち合わせの約束などをする場合を想定した例文を一つ出すと、「とりあえず駅前に集合ね。」というような使い方が挙げられます。

この例文では、本来の目的地は『他』にあるけれども、『さしあたって』駅前に集合しようという意味で「とりあえず」という言葉が使われています。

「とりあえず」は敬語ではない

Photo byrawpixel

さて、この「とりあえず」という言葉、ビジネスの場で使う際には注意が必要です。なぜなら「とりあえず」を敬語として使うのは誤りであるため、目上の人や取引先の相手に使うと相手の気分を害してしまう可能性があるからです。

上司に対するメールでありがちな例文を挙げると「とりあえずメールにて報告致します。」というような文末の結びが考えられますが、ビジネスマナーを考えるとこれはNGです。ビジネスの場で「とりあえず」を敬語として使う場合には、下記を参考にしてください。

「とりあえず」を敬語として使う場合

Photo bybertholdbrodersen

「とりあえず」という言葉は敬語ではありませんが、ビジネスの場で「とりあえず」という言葉を利用したい場面は多々あります。「とりあえず」という言葉を敬語として使いたい場合、「とりあえず」と同じ意味を持つ類語で代用する必要があります。下記では敬語として使える「とりあえず」の類語について例文を挙げながら確認していきます。

類語に置き換える

Photo byClker-Free-Vector-Images

「とりあえず」の代わりに敬語として使える表現方法として、「まず」や「ひとまず」という言葉を使う方法が挙げられます。下記では「とりあえず」の代わりとしてこれらの言葉を使った敬語表現方法について、例文を挙げながら詳しく見ていきます。

「まず」の使い方と例文

Photo byHugoAtaide

「まず」には「最初に」、「第一に」といった意味があります。例えば、相手に何か複数のことを説明する際に、「まずはAについて説明します。その次にBについて説明します。」というような使い方が考えられます。「とりあえずAについて説明し、その次にBについて説明します」と言うよりも、丁寧な印象を与えられます。

「ひとまず」の使い方と例文

Photo byrawpixel

「ひとまず」には「一旦」、「さしあたって」などの意味があります。上司から複数の書類の提出をメールで求められた際に、「ひとまず書類Aをお送りいたします。」とメールに記して書類を送る使い方などが考えられます。「とりあえず書類Aをお送りいたします。」とすると、やはり礼に欠ける印象があります。

その他の「とりあえず」に代わる敬語表現

Photo byDariuszSankowski

上記では「まず」と「ひとまず」を例に挙げて、「とりあえず」の代わりとなる敬語表現について解説しました。しかし、これらの言葉とは少し異なる意味で「とりあえず」と言う言葉を用いたい場合や、もっと丁寧な敬語で表現したい場合などもあるはずです。下記ではその他の類語について解説していきます。

また

Photo byHermann

時間の都合などで相手との会話を切り上げたい場合などに、「とりあえず今日はこの辺で。」というような表現を使うことがあります。上司が部下に使う場合であれば問題はないですが、相手が目上の場合にはこのような表現は適していません。

敬語として使う場合には、「すみませんが、この話の続きはまたの機会にお願いします。」というような表現にするとよいでしょう。

改めて

Photo byTeroVesalainen

上記の例のように、とりあえず話を切り上げたい際には、「改めて」という言葉を用いることがあります。例えば、「この話の続きは改めて。」、「この話の続きは日を改めて。」というような表現が敬語として考えられます。「また」と「改めて」を併用して、「この話の続きはまた改めて。」というような使い方もあります。

さしあたり

Photo byGDJ

「さしあたり」という言葉には「将来のことはわからないけれども、とりあえず今のところは」というような意味があります。「とりあえず今は必要ない。」と相手の提案を拒絶する場合に、「さしあたり必要ありません」とすることで敬語として使うことができます。「さしあたり」という言葉には「さしあたって」とする表現もあります。

以上

Photo bygeralt

「以上」とは話を締めくくる際に用いる表現です。「とりあえず」という言葉で話を締めくくることも可能ですが、ビジネスの場では「以上」を用いる方が良いです。「本日の議題は以上です。」や、「発表内容は以上です。」というような使い方が考えられます。長文のメールの文末に「以上」と記す使い方もあります。

それでは

Photo byrawpixel

「それでは」も「以上」と同様に、話を締めくくる場面で用いる言葉になります。取引先との面談などを終えてその場を去る際などに、「それでは、本日はこれで失礼します。」というような使い方をします。友人などとの別れのあいさつに使う「それじゃあまた。」という表現を丁寧にした表現です。

略儀ながら

Photo byTeroVesalainen

先の例文でNG例として挙げた「とりあえずメールにてご報告致します。」というメールの文末表現は、「略儀ながら」という言葉を使うと目上の人に対して使っても問題ない文章に変わります。その使い方として、例えば、「略儀ながらまずは、メールにてご報告致します。」というような表現が挙げられます。

「とりあえず」以外の間違った敬語

Photo byFree-Photos

「とりあえず」という言葉の他にも、普段私たちが何気なく使っている言葉や表現の中には敬語として適切ではないものがあります。例えば「了解です。」という表現はよく使われますが、敬語としては誤りです。目上の人に対して使う場合には「承知しました。」とするのがマナーです。

この他にも、同じような意味を持つ類語であるにもかかわらず、敬語としての利用ができるものとできないものがあります。また、表現方法についても、少しの違いでマナー違反となります。下記で具体例を挙げて解説します。

あいまいな表現はビジネスではマナー違反

Photo byFotorech

あいまいな表現は誤った敬語と同様、ビジネスの場ではマナー違反となります。例えば日程調整を行う際、都合の良い日時、悪い日時ははっきりと伝えないと相手に誤解を招きかねません。相手の提示してきた日時が都合の悪い日時であった場合には、はっきりとその旨を伝えましょう。

相手に気を遣ってあいまいな言葉で濁すのは、かえってマナー違反です。敬語の使い方と同様、注意が必要です。

「取り急ぎ」も実はビジネスではマナー違反

Photo byRobinHiggins

「取り急ぎ」と言う言葉は、ビジネスの場、特に上司から送られてくるメールなどではよく見かける「とりあえず」の類語になりますが、目上の人に対して使うのはマナー違反です。相手に対していい加減な印象を与えてしまうおそれがありますので、使用は避けた方が無難です。

「取り急ぎ」に代わる敬語表現

Photo byFree-Photos

「取り急ぎ」という言葉に代わる敬語表現としては、上記で解説した「まず」や「さしあたり」が適切です。例えば、「取り急ぎメールにてご連絡いたします。」という文章は、「まずはメールにてご連絡いたします。」とすると、相手に不快感を与えることなく使える表現になります。

社会人の基本である「報連相」

Photo byFotografieLink

「報連相」とは「報告」、「連絡」、「相談」の3つで、社会人の基本とされています。入社するとまず最初に習ったという人も多いはずです。新人研修が充実している会社であれば、模擬練習などをする場が用意されているかもしれませんが、そうでなければ実戦で身に着けていくほかありません。

いずれも先輩や上司、同僚との会話が不可欠なものであり、言葉遣いにも注意が必要となります。これから社会人になるという方は、ビジネスの場でよく使う言葉の意味や類語も含め、勉強しておくことをおすすめします。

「とりあえず」は間違った敬語なので注意しよう!

Photo byJillWellington

以上、「とりあえず」という言葉について解説してきました。つい使ってしまいがちな言葉ですが、誤った敬語を使うなど、ビジネスの場での些細なマナー違反が、自身の評価を大きく落としてしまうこともあります。せっかくうまくいっていた取引先との商談が、言葉づかいひとつで白紙に戻されるなんてこともあるかもしれません。

「とりあえず」も含め、間違った敬語を使わないよう、十分注意しましょう。本記事が少しでも、皆様の敬語学習のお役にたてれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

salmoJ
ライター

salmoJ

salmoJです。よろしくお願いします。

関連するまとめ

人気の記事