謙譲語とは何かをわかりやすく解説!尊敬語・丁寧語との違いや使い方もチェック

謙譲語とは何かをわかりやすく解説!尊敬語・丁寧語との違いや使い方もチェック

日常的に使っている敬語や謙譲語ですが、いざ「謙譲語とは?」と聞かれてしまうと難しいものです。とはいえ社会人として謙譲語や尊敬語をそつなく使えるようにしたいもの。尊敬語と謙譲語の違いや謙譲語とは何かなどわかりやすい例もまじえて解説します。

記事の目次

  1. 1.謙譲語とは
  2. 2.わかりやすく謙譲語の使い方と例文を紹介!
  3. 3.謙譲語とは違う尊敬語について
  4. 4.謙譲語とは違う丁寧語は?
  5. 5.謙譲語の英語説明
  6. 6.正しく使えている?敬語チェック
  7. 7.謙譲語は自分以外には使用しない!

謙譲語とは

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日本語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」など相手によって使い分ける必要のある言葉遣いがあります。ビジネス上の会話や文書でもよく利用するので、社会人の基本のビジネスマナーとも言われます。ただこの3つの使い分けには悩むシーンも多いです。

まずはじめに謙譲語について確認していきましょう。謙譲語とは読みは「けんじょうご」で、敬語の一種になります。

相手に対してへりくだる表現

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謙譲語の一番の特徴は相手に尊敬の意味を表すために話し手(自分)の立場をへりくだって表現する言葉遣いです。

わかりやすく言うと相手を持ち上げるためにあえて自分を相手の下位に位置付ける語法です。奥ゆかしい日本人らしい表現ともいえるでしょう。

謙譲語の「謙」の意味

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「謙譲語」の「謙」という漢字には「へりくだる」「態度をひかえめにする」という意味があります。「へりくだる」=「遜る」とは相手を敬って態度を控えめにするという意味です。「謙」の漢字は控え目であることを表す謙遜や謙虚などの漢字にも使われています。

「謙譲語」の「譲」にはどんな意味があるのでしょうか。「ゆずる」「権利の主張を控える」などの意味があります。どちらも控えめな態度をとる、へりくだるという似た意味の漢字になります。漢字の意味を理解することで「謙譲語」もつ本来のイメージがつかみやすくなります。

わかりやすく謙譲語の使い方と例文を紹介!

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謙譲語とはどんなものかのおおよその感じは掴めたでしょうか。次に例文を通して使い方をご紹介していきます。「謙譲語」は主に目上の人や上司、取引先の方などに使います。自分や自分の会社のことを述べるときに話し手側の立場を下げて話すときに使います。

自分の側(会社や所属する組織)を下げるので話し手側のことを伝えるときに使います。自分の下げることで行為の相手を持ち上げます。

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謙譲語では話し手=立場を下げる、行為の相手=敬うという形になります。場合によってはそこに聞き手が加わります。行為の相手=聞き手問場合も多いです。この行為の相手に対してへりくだるのが謙譲語です。ここが謙譲語で紛らわしいところです。わかりやすくするためにも例を通してみていきましょう。

謙譲語①申す

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「言う」という言葉の謙譲語です。「申す」「申し上げる」を使います。言った相手に対して話し手(自分)を下げるので自分が「言った」時に使います。『先日私が申し上げた案件についてのご確認でご連絡をさせていただきました。』などです。自己紹介の時に『山田と申します』のように自分の名前を名乗るときにも使います。

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また、自分以外に同社の社員や家族など自分の側の人間が主語になるときも使います。普段は上司でも、取引先に行ったときには『弊社の山田が申しますには~』となります。また家族間では妻が夫のことを『主人がくれぐれもよろしくと申しておりました。』のように使うことも多いです。

謙譲語②うかがう

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飲食店などで耳にする機会も多い「うかがう」ですが、「聞く」という意味の謙譲語です。飲食店などでは『ご注文をお伺いします』と言われることが多いです。「注文を聞く」のは店員さんなので店員さんが自分をへりくだってお客様に接している様子がわかります。

『先日伺ったお話では~』のように「聞いたこと」として使う場合も多いです。この場合「聞いた」行為の発生者=発言人を敬うことになります。

また、「訪問する」という意味も持ち合わせているので『明日うかがってもよろしいですか?』のように使う場合もよくあります。いずれの場合も謙譲語なので「聞く」「訪問する」動作をするのは自分(話し手)で、話し手の立場を落として敬意を表しています。

謙譲語③いただく

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「いただく」も身近な謙譲語の一つです。皆さん、食事の前に「いただきます」と言っているのではないでしょうか。『先日は大変おいしい料理をいただきましてありがとうございました。』のように食べたり飲んだりしたときに使うことも多いです。食べたり、飲んだりも含めて「もらう」ことを指す謙譲語です。

謙譲語なのでもらうのは話し手(自分)になります。『先日いただいた資料によりますと、御社の~』のように「もらった」という意味で使われることもよくあります。くれた相手を敬う形になります。

謙譲語④お目にかかる

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「お目にかかる」は誰かに「会う」という意味の謙譲語になります。今までの謙譲語とはちょっと違って「お目」という他人の目に対する尊敬語が含まれているので尊敬語と謙譲語とを紛らわしく思う方もいらっしゃるかもしれません「他人の目に見られる」という意味と考えるとよいでしょう。

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謙譲語ですので「見られる」のは話し手。『お目にかかれて光栄です。』という文言が頭に浮かぶ方も多いのでは。『先日御社の吉田様にお目にかかりました。』のように使うこともあります。前述の理由で『部長は先日いらした吉田様にお目にかかりましたか』のように目上の相手に使ってしまう間違いが多いので注意が必要です。

謙譲語とは違う尊敬語について

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尊敬語も謙譲語も敬語の一種です。敬語として一括りにしてしまいがちです。両方を混合してしまって何となく使っているという方も。尊敬語と謙譲語の使い分けがきちんとできる人からすると違和感のある会話になっていることも多く、「最近の人は変な敬語の使い方をする」なんて言われてしまうことにつながってしまいます。

きちんとした言葉遣いができている人の方が好感度も高いです。ぜひこの二つの違いはマスターしておきたいところです尊敬語と謙譲語には立場と主体の二つの違いがあります。

尊敬語は謙譲語とは違い相手を尊敬して使う

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謙譲語が話し手(自分)の行為や状況を示すのに比べて尊敬語では相手の行為や状況を示すときに使うことが多いもが特徴です。また、謙譲語=自分を下の位置に置く。尊敬語=相手を上にあげるといったイメージを持つとわかりやすくなるかもしれません。

同じ敬語ですが示していることは真逆とも言えます。しかし、敬語と大きく区切ってしまうと見分けがつかなくなってしまいがちです。間違って使ってしまうと失礼に当たることにもなるのできちんと区別して使えるようにしておきましょう。

尊敬語の3つの決まった形

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尊敬語には3つの形があります。1つ目は尊敬語のため特別な言葉を用いる形。『おっしゃる』や『召し上がる』のように尊敬語のために言葉がある場合はそれを用います。2つ目は語尾に「れる、される」を使う形です。『先生の書かれた文章に感銘を受けました。』など、語尾の形を変えるもの。

3つ目は「お」「ご」などを言葉の上に付けて尊敬を表すもの。『部長はどうお思いになりますか』の文では「思う」という言葉の上に「お」を付けて尊敬を表すものです。

尊敬語は重複に注意

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このどれかに属して入れば尊敬語ということになります。闇雲に「お」や「ご」、「れる」「される」を付けてしまうと二重敬語となり失礼に当たることもあるのでちょっと練習が必要です。

例えば『先生のおっしゃられることに間違いはありません』は間違った文章です。どこが間違っているのでしょう。「おっしゃる」は1つ目の尊敬語のための特別な言葉です。それだけで尊敬を示すので2つめの形の「される」を使うと尊敬語の重複になってしまい間違いとなります。

正しくは『先生のおっしゃることに間違いはありません。』となります。はじめは難しく感じることもありますが使い慣れてくると次第に身についてきます。

謙譲語とは違う丁寧語は?

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敬語には尊敬語、謙譲語と並び「丁寧語」という言葉遣いがあります。丁寧な言葉で相手に敬意を表します。目上の人と話すときにも用いますが、同格人、例えば同僚や初対面の人など幅広く用いられることが多いです。

丁寧語という言葉通り、丁寧に話すことで相手への敬意も表しますが、同時に上品な物言いも表現します。

丁寧語は謙譲語とは違い聞き手が上位にある

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実は謙譲語は謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱに分かれていて謙譲語Ⅱのほうを丁寧語と言うことがあります。わかりにくいので例を使ってみていきましょう。丁寧語(謙譲語Ⅱ)では取引先に行くときに上司に「A社に行って参ります。」という表現をすることがあります。

「参る」は話し手の行為です。行く先のA社の人に対してなら謙譲語の「伺う」を使うのですがこの場合は「参る」という丁寧語(謙譲語Ⅱ)を用いて話し相手の上司を立てているという形になります。一般的には丁寧語というと丁寧な言い回しの方での理解で十分ですがいずれ身に着けたい敬語の一つでもあります。

「です・ます」は丁寧語の代表例

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丁寧語は敬語の中でもシンプルな形で語尾に「です・ます」とつけるだけです。「ございます」という語尾も丁寧語に入ります。謙譲語が自分のことを、尊敬語が相手のことを示すのとは違い聞き手話し手どちらにも使えるところもわかりやすくシンプルです。

名詞の上に「お」や「ご」を付けて表現するのも丁寧語と言われています。食事に「お」をつけて「お食事」、住所のうえに「ご」をつけて「ご住所」などです。

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謙譲語の英語説明

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外国には謙譲語や敬語は存在しないように思われがちですが、英語圏でも謙譲語にあたる認識は存在しています。

ただ、日本語のように自分の立場を下げて相手を立てるといった表現は少ないのでなかなか説明するのは難しいところです。

「humble form」と「expression of modesty」を使った謙譲語

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英語には丁寧な表現やカジュアルな表現、文語的な表現や古めかしい表現などはありますが、日本語の敬語のように何種類も細かく分類された語法はありません。

しかし、「humble form」と「expression of modesty」という言葉を用いることによって「謙虚な、へりくだった」というイメージを比較的わかりやすく伝えることができるかもしれません。

「humble form」と「expression of modesty」の意味

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「humble form」の「humble」はつつましい、謙虚という意味です。「form」は形なのでつつましい形、「謙譲語」を表しています。「expression of modesty」では「expression」が表現、「modesty」が謙遜という意味なので謙遜の表現という意味となり、どちらも謙譲語を示しています。

正しく使えている?敬語チェック

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謙譲語ついての理解は深まりましたか。ここではうっかりやってしまいがちな敬語のミスをいくつかご紹介していきます。よく耳にするフレーズもあるかもしれません。間違って覚えてしまっていたり、うっかり使ってしまっている表現がないかどうかのセルフチェックにも使ってみてください。

相手が違う謙譲語

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取引先に対して「弊社の山田から伺っております。」違和感なく聞こえてしまいますが、これは間違いです。「伺う」は「聞く」の謙譲語であっているように感じられます。「聞いた」相手は弊社の山田なので「弊社の山田」を敬っていることになってしまいます。このような間違いはよくありがちなので耳にすることも多いかもしれません。

相手に使ってしまった謙譲語

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取引先に対して「御社の田中様が申されたとおり~。」「申す」は謙譲語なので取引先の田中様に使うのは間違いです。このように相手に謙譲語を使ってしまうと失礼に当たってしまうので気を付けたいところです。この場合は「御社の田中様がおっしゃったとおり~」がよいでしょう。

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謙譲語は自分以外には使用しない!

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謙譲語は自分の立場を下げるいい方なので自分以外(自社、身内も含む)に使うのは大変失礼に当たります。先ほどの例にもありましたが会話の中に出てくる相手に対して謙譲語を使ってしまうなどの間違いは特にしがちなので注意が必要です。

いろいろと難しいところもありますが、「謙譲語は自分にしか使わない」というようにひとつづつ覚えていくとわかりやすくマスターできます。

梅田寧子
ライター

梅田寧子

マイペースのアラフォー主婦です。教育関係の仕事をする機会が多く、自分の子供の勉強も見ていました。気がついたら英検の取得級が子供に抜かれてしまっていました。親の威厳を取り戻すべく(?)、久しぶりに英語検定を受けてみようと思っています。すっかりさび付いているのでかなりのメンテナンスが必要そうです。油を差して頑張ります!

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