灯油ランタンとは
キャンプの際に使われるランタンですが、灯油タイプ以外にもガソリンタイプ、ガスタイプ、LEDタイプといったように種類が豊富です。灯油ランタンは、他のランタンと比べると炎の揺らめきと温かみのある光色が特徴です。また、ランタンのなかで根強い人気があります。では、灯油ランタンとは、どのようなランタンなのでしょうか。
灯油を燃料とするランタン
灯油ランタンとは、灯油を燃料として光を出しているランタンのことをいいます。灯油ランタンの明るさは、ルーメンやキャンドルパワーといった単位で表されています。この単位の数値が大きければ大きいほど明るさが強くなるので、暗闇でのキャンプでもしっかりと周囲を照らしてくれます。
同じ灯油ランタンでも、種類のよってはワットで換算されている場合があります。そのため、灯油ランタンを選ぶ際には、単位にも注目しましょう。また、灯油ランタンでも、加圧式とフェアーハンド式の2種類があります。
灯油ランタンの選び方
では、灯油ランタンのおすすめの選び方について説明していきます。上記で説明したように灯油ランタンには、加圧式とフェアーハンド式の2種類があり、使用用途によって選び方を変える必要があります。では、加圧式の灯油ランタンとフェアーハンド式の灯油ランタンとでは、どのような違いがあるのでしょうか。
加圧式の灯油ランタンとフェアーハンド式の灯油ランタンの違いに注目して、灯油ランタンの選び方を説明していきます。
明るさ重視・圧力式ランタン
まず、圧力式の灯油ランタンについて説明していきます。ランタンの明るさを重視した選び方をするなら、圧力式の灯油ランタンがおすすめです。圧力式のランタンは、燃料としている灯油に圧力をかけて、ガスを気化することによって光を放っています。また、明るさも一定に保つことができています。
しかし、灯油ランタンの場合は、灯油が常温では気化しにくく、使う際にはポンピングやバーナーで温めるというプレヒートというひと手間が必要となります。圧力式の灯油ランタンは、少し手間がかかってしまうので、選び方も慎重になりましょう。
燃費に優れた・フェアーハンド式ランタン
次は、フェアーハンド式の灯油ランタンについて説明していきます。燃費を重視した選び方をするなら、フェアーハンド式の灯油ランタンがおすすめです。圧力式の灯油ランタンと比べると、燃費に優れているので、燃費時間が長いというメリットがあります。フェアーハンド式の灯油ランタンは、バーナーの中心部にある灯芯が灯油を吸い上げて光を放ちます。
そのため、とてもシンプルな構造で、掃除がしやすいです。圧力式の灯油ランタンと比べると、温かみのある光を放つ灯油ランタンが多いので、テーブルライトにおすすめです。
灯油ランタンの使い方
灯油ランタンの種類がわかったところで、次は灯油ランタンの使い方について説明していきます。灯油ランタンでも圧力式の灯油ランタンと、フェアーハンド式の灯油ランタンとでは、使い方に違いがあります。灯油ランタンの選び方に迷った場合は、扱いやすいほうの灯油ランタンを選ぶという選び方もおすすめです。
圧力式ランタン
まず、圧力式の灯油ランタンの使い方について説明していきます。圧力式の灯油ランタンは、上記で説明したように燃料としている灯油に圧力をかけて、ガスを気化することによって光を放っています。つまり、簡単なイメージとしては、液体の灯油を気化させることで空気と混合させ、燃えやすいガスを作り出している装置というイメージです。
燃料注入
圧力式の灯油ランタンの使い方は、まず灯油ランタン内に燃料となる灯油を注入しなければいけません。灯油の入れ方はとても簡単です。燃料となる灯油の入れ方は、まず燃料キャップの蓋を外します。そして、内容量の8割ほどの量まで、灯油を入れていきます。この際に、灯油を入れすぎないように注意しましょう。
マントル取り付け
圧力式の灯油ランタン内に燃料となる灯油を入れ終わったら、次はマントルの取り付けです。ここで、マントルとはなにかわからない人も多いのではないでしょうか。マントルとは、ランタンの内部に装着する合成繊維で編み込まれた網状の袋のことです。ランタンの場合は、このマントルから光を放っているため、電球のような役目をしています。
マントルの取り付け方は、露出しているインナーチムニー下部にマントルを取り付けます。次に、付属糸で縛って固定するだけで簡単に取り付けることができます。
ポンピング
次は、ポンピングというものをします。ポンピングする際には、親指の付け根あたりでポンピングしていくと、初めての人でもやりやすいのでおすすめです。また、1回押し込むごとにガツッとした手ごたえと音を感じることができるはずです。この状況が、ポンピングする際には正常なのでそのまま続けましょう。
このポンピングという作業をする際には、排気ネジがしっかりと閉まっていることを確認後、圧力計の赤い線を超えないようにポンピングするようにしましょう。
点火準備~点火
ここまでできたら、あとは灯油ランタンに点火するだけです。点火準備として、余熱バーナーレバーを開いたら、チャッカマンなどを使って着火します。この際に、新しいマントルを使用している場合は、空焼きをしておきましょう。約90秒間燃焼室を暖めるプレヒートということをすることで、灯油が気化しやすくなります。
プレヒートをし終わったら、燃料バブルを開いていよいよ点火です。着火を確認後は、プレヒートの圧力が低くなってしまっている状態となっているので、追加でポンピングして、火力を安定させたら完了です。
フェアーハンド式ランタン
次に、フェアーハンド式の灯油ランタンの使い方について説明していきます。フェアーハンド式の灯油ランタンは、毛細管現象によって灯油が芯を伝って上部まで登っていき、空気の循環を利用して火が穏やかに燃え続けるという仕組みになっています。サイト全体を照らすほど明るさが強いわけではありませんが、ロマンティックな光を放ちます。
オイルを注入
フェアーハンド式の灯油ランタンの使い方は、まず圧力式の灯油ランタンと同じように燃料となる灯油を入れなければいけません。圧力式の灯油ランタンと同じように、燃料キャップの蓋を開けて灯油を入れていきます。この際に、満タンまで灯油を入れてしまうと、液漏れの原因となってしまうため、8割ほどの量にしておくのがおすすめです。
フェアーハンド式の灯油ランタン内に灯油を入れ終わったら、灯油がウィックと呼ばれる芯の部分に染み込むまで、約10分程待ちます。
着火
ここまでできたら、次は着火です。フェアーハンド式の灯油ランタンにあるシリンダーハンドルをひっかける部分、シリンダーハンドルを内側から外すように下げます。そうすることで、ホヤ部分とバーナー部分にすき間ができるため、火力調整ハンドルを使って芯を1.2ミリ程バーナーから見えるようにしてから、着火していきます。
着火に成功したあとは、シリンダーハンドルを元に戻し、ホヤガラスとインナーチムニーも元に戻しましょう。
明るさ調整
フェアーハンド式の灯油ランタンに着火したら、火加減を調節して好みの明るさに調節します。火力の調節は、燃料タンクのサイドについている火力調節ハンドルを回すことで、簡単に調節することができます。この際に、ウィットと呼ばれる芯の部分を出し過ぎてしまうとススがでやすかったり、逆に少なすぎると炎が安定しないことがあります。
ランタン消火
最後に、フェアーハンド式の灯油ランタンの火の消火方法を説明します。消火したい場合は、火力調節ハンドルを左側に回して、ウィックと呼ばれる芯の部分を下げることによって、火を消すことができます。この時に、ウィックを下げ過ぎてしまうと、ウィックが燃料タンクにおちてしまうので注意しましょう。
また、事故を防ぐためにも、消火後に再びウィックを上げて、しっかりと火が消えているかどうかも確認しておきましょう。
人気灯油ランタンおすすめ6選【圧力式】
では、おすすめの圧力式の灯油ランタンを紹介していきます。全部で6種類のランタンを紹介していきますが、どのランタンも人気が高く、キャンプのインテリアとしても人気のある圧力式の灯油ランタンが揃っています。圧力式の灯油ランタンの選び方に困っている人は、人気の圧力式の灯油ランタンから選ぶのもおすすめです。
コールマン・ケロシンランタン 12022-L
おすすめの圧力式の灯油ランタンの1つ目は、コールマンのケロシンランタン 12022-Lです。コールマンは、定番のアウトドアメーカーです。中でも、ケロシンランタン 12022-Lは、メンテナンスが簡単なので初心者でも扱いやすく、使い勝手がいいので、長く使い続けることができる圧力式の灯油ランタンです。
サイズは180×180×460ミリで、明るさは700ルーメン、約6.5時間から約8.5時間燃焼させ続けることができます。約15,000円ですが、ランニングコストがとてもいい圧力式の灯油ランタンといえます。
ペトロマックス・HK500
おすすめの圧力式の灯油ランタンの2つ目は、ペトロマックスのHK500です。1917年に開発された圧力式の灯油ランタンで、今でも多くのキャンパーに人気があります。また、開発されてから今までモデルチェンジを行っていない灯油ランタンなので、長年に渡って愛されている灯油ランタンです。
サイズは170×400ミリで、重さは約2.4キロ、最大で約8時間燃焼させ続けることができます。タンクは1,000ミリリットルと大容量で、明るさは最大500キャンドルパワーです。緑色のニッケルと金色のブラスの2種類のラインナップがあり、価格は約2万7,000円です。
ヴェイパラックス・M320
おすすめの圧力式の灯油ランタンの3つ目は、ヴェイパラックスのM320です。ハンドメイド仕上げの圧力式の灯油ランタンで、サイズは高さ345ミリ、重さは約1.9キロとスリムなデザインですが、明るさは約320キャンドルパワーと明るさは十分にあります。タンクの容量は900ミリリットルで、約10時間燃焼させ続けることができます。
40回から60回ポンピングすれば光量も安定し、分解も簡単なので、手入れもやりやすい圧力式の灯油ランタンです。レッドとブルーの2色があり、製造が古いヴィンテージ物はイギリス製、現行品は韓国製のものが多いです。
ヴェイパラックス・300 ポリッシュドブラス
おすすめの圧力式の灯油ランタンの4つ目は、ヴェイパラックスの300 ポリッシュドブラスです。1940年代に作られたロングセラーの圧力式の灯油ランタンで、サビに強いブラスを使用しているので、経年経過も楽しむことができます。サイズは高さ345ミリ、重さは約2.05キロです。明るさは約320キャンドルパワーです。
タンクの容量は900ミリリットルで、約10時間燃焼させ続けることができます。長く使えるアンティークのような圧力式の灯油ランタンを探している人におすすめです。
ペトロマックス・HK150 ニッケル
おすすめの圧力式の灯油ランタンの5つ目は、ペトロマックスのHK150 ニッケルです。長い間多くの人から愛されてきた圧力式の灯油ランタンで、世界的にも知名度が高いです。サイズは直径約17センチ、高さ約40センチで、明るさは500キャンドルパワーです。上記で紹介したHK500と比べると、燃焼時間は約8時間と短めです。
しかし、優しい灯りが特徴の灯油ランタンで、テントの周りを明るく照らしてくれます。価格は約2万6,500円ですが、インテリアとしても人気があります。
武井バーナー・301Aセット
おすすめの圧力式の灯油ランタンの6つ目は、武井バーナーの301Aセットです。サイズは160×330と他の圧力式の灯油ランタンと比べるとシンプルですが、ストーブとして使うことができるほどパワーは十分にあります。燃焼時間は約5時間と、今まで紹介した圧力式の灯油ランタンと比べると短いです。
ヒーターアタッチメントを使用すれば、バナーとして、ヒーターとしてなど、マルチな使い方ができるので、キャンパーからの人気も高いです。
人気灯油ランタンおすすめ7選【フェアーハンド式】
次に、おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンを7種類紹介していきます。フェアーハンド式の灯油ランタンは、圧力式の灯油ランタンと比べると、そこまで明るい灯油ランタンではありません。そのため、全体を明るくするのは難しいですが、食後のくつろぎタイプやテーブルライトとして人気があります。
DIETZ・ハリケーンランタン 78
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの1つ目は、DIETZのハリケーンランタン 78です。サイズは約150×265ミリで、重さは約500グラムと、とてもコンパクトな灯油ランタンです。燃焼時間は約20時間ととても長く、手元を照らす程度の明るさのランタンです。アンティーク調の灯油ランタンを探していた人におすすめです。
DIETZ・ハリケーンランタン 80
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの2つ目は、DIETZのハリケーンランタン 80です。サイズは約204×195×380ミリと、ややスリムな形状が特徴のフェアーハンド式の灯油ランタンです。明るさは15ワット程度とキャンプサイトで使うには十分な明るさで、炎が安定しているので、使い方もとても簡単です。燃焼時間が約27時間と長いのも魅力です。
DIETZ・ハリケーンランタン 90
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの3つ目は、DIETZのハリケーンランタン 90です。上記で紹介いたハリケーンランタン 80と比べると、スタンダードなフォルムのフェアーハンド式の灯油ランタンです。燃焼時間は約25時間とたっぷりとあり、明るさは15ワット程度です。サイズに悩んで選び方がわからない人におすすめです。
DIETZ・ハリケーンランタン 2500
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの4つ目は、DIETZのハリケーンランタン 2500です。サイズは約225×225×390ミリで、重さは約1.2キロです。オイルタンクの容量は2,500ミリリットルと今まで紹介した灯油ランプのなかでも最大級クラスの灯油ランタンです。しかし、燃焼時間は約75時間と、かなり長い時間使い続けることができます。
ギルアード・オイルランタン
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの5つ目は、ギルアードのオイルランタンです。1911年にフランスで創業したメーカーの灯油ランタンで、溶解亜鉛メッキ加工されたブリキを素材に使っていて、鮮やかなカラーが特徴的です。サイズは約180×310ミリ、燃焼時間は約10時間、重さは800グラムと軽量です。
キャプテンスタッグ・M-8356
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの6つ目は、キャプテンスタッグのM-8356です。サイズは幅145×奥行き115×高さ245センチで、重さは400グラムと荷物にならないサイズが魅力的です。燃焼時間は約14時間。価格は約1,200円ととてもリーズナブルで、初めてランタンを使う人におすすめです。
ロゴス・ブロンズランタンL
おすすめのフェアーハンド式の灯油ランタンの7つ目は、ロゴスのブロンズランタンLです。アンティーク使用のフェアーハンド式の灯油ランタンで、インテリアとしても人気があります。高さは約28センチ、重さは約700グラムと軽く、燃焼時間は約20時間とたっぷりあります。価格も約2,100円と、リーズナブルです。
灯油ランタンの注意点
灯油ランタンには魅力がたくさんありますが、使う際には注意しなければいけないことがあります。特に、灯油ランタンを初めて使う人の場合は、思わぬ事故につながってしまう可能性があります。使う際の注意点を2つ説明していくので、これから灯油ランタンを使い始める人はぜひ気にしてみてください。
ガラスに注意
灯油ランタンのほとんどは、ガラスで作られています。そのため、雑に扱ってしまうと割れてしまい、怪我をしてしまう可能性があります。そのため、持ち運ぶ際には、プチプチや新聞紙をくしゃくしゃした状態にしたものなどの緩衝材で包んで持ち運ぶと使用すると安心です。また、持ち運ぶ際にも落とさないように十分注意しましょう。
燃料漏れに注意
灯油ランタンで使用されている灯油タンクは、密封容器となっています。しかし、灯油ランタンに灯油を入れた状態で長時間斜めにしてしまうと、灯油が漏れてしまう原因となります。燃料漏れの防ぐ方法として、灯油を入れてから持ち運ぶのではなく、現地についてから補充するようにしましょう。
キャンプで灯油ランタンを活用しよう!
灯油ランタンは、キャンプをするならぜひ買っておきたいアイテムです。どの灯油ランタンもお手入れや点火というひと手間が必要となりますが、使い方も簡単なので、長く使えるアイテムでもあります。灯油ランタン初心者の場合は、まずフェアーハンド式の灯油ランタンからチャレンジし、灯りに癒されてみましょう。