ラッキーバンクとはどんな会社?
ラッキーバンクという会社は、不動産に特化した、小額からの資産運用が可能なソーシャルレンディング会社です。2017年末時点で累計の取扱金額が130億円を突破という、国内でも勢いのある会社です。
ラッキーバンクの社長は、田中祥平社長です。1990年生まれの業界でも最年少の社長です。田中社長の経歴ですが、船井財産コンサルタンツ(現・青山財産ネットワークス)にて、資産コンサルティング業務や相続税関連のキャリアを積んでいます。
ラッキーバンクの前社長と2014年5月に設立し、2015年に社長に就任しています。会社設立から2年後には、取扱金額を累計50億円にまで引き上げたという実績があります。
不動産特化型ソーシャルレンディング
ラッキーバンクは、融資の対象が土地や建物などの不動産に特化しています。ラッキーバンクの主な貸付先は、不動産関連業者となります。また、ファンドは不動産担保付のローンファンドとなります。
ラッキーバンクは不動産に特化することで、不測の事態でも保全性を高めて、できるだけリスクを減らすといった配慮をしています。
ラッキーバンク投資の特徴
それではここからは、ラッキーバンクという会社の特徴について説明していきます。他の不動産投資系のソーシャルレンディング会社と比較して、安全性はどうか?利回りはどうか?難易度は?といった疑問について1つ1つ解説していきます。ラッキーバンクへ投資を始める前に、参考にしてみてください。
保安性が高い
ラッキーバンクで取扱う案件は、すべて不動産の担保がついています。この担保は、一定の基準を満たしている不動産であることが条件となっているため、非常に高い保全性があるという期待が持てます。
ラッキーバンクは、この不動産担保付の案件を取扱うことで、たとえ貸し倒れになってしまっても、資金回収の可能性を上げて、リスクを軽減する工夫をしているので、安全性を高くしています。
比較的利回りが高い
また、ラッキーバンクの平均的な利回りは、2017年7月時点で9%超となります。これはソーシャルレンディング業界の平均よりも高い利回りとなっています。前述したとおり、すべての案件に不動産担保がついていますので、保全性を高くする施策がなされています。
しかし、たとえ保全性の高い担保が設定されていても、貸し倒れなどのリスクが発生した際に、すべての金額を担保で補填できるという訳ではありません。金額がすべて回収できないということも考えられますので、注意しましょう。
小額投資が可能で難易度が低い
そして、ラッキーバンクは小額からの投資を行うことができます。投資を始めたいけれど、リスク回避のためには、初めから大金を投資できないという方や、ソーシャルレンディングを小額の投資から始めたいという方には嬉しいサービスとなります。ソーシャルレンディングに興味があって、小額投資から始めたい方におすすめです。
ラッキーバンク投資が怪しいと言われる理由
ラッキーバンクへの投資に興味があり、インターネットなどで検索してみた方も少なからずいらっしゃるはずです。検索すると「ラッキーバンク 怪しい」などの、ラッキーバンクに対してあまり良くない関連キーワードが出てくる場合があります。
ラッキーバンクは、なぜそのようなあまり良くないキーワードが関連付けられているのでしょうか?そこで、ラッキーバンクが怪しいと言われてしまう理由について解説していきます。
利回りが高すぎて条件が良すぎる
前述したとおり、ラッキーバンクの利回りは、比較的高い水準となっています。ソーシャルレンディング会社の利回りとは、貸付先の企業への金利から、ソーシャルレンディング会社の営業報酬を引いた額です。
この貸付先企業への金利がそもそも高いと、投資する側の利回りは高くなります。また、ソーシャルレンディング会社の営業報酬が低くても、利回りが高くなるのです。
その高水準の利回りに加え、保全性の高い担保がすべての案件につけられています。利回りが高くて担保も保全性が高い、ということで、投資される方に「怪しい」という印象をもたれているのです。
ファンド募集の締め切りがあまりにも早い
また、ラッキーバンクのファンドの募集ですが、募集開始後に数分で締め切られてしまうということがあります。それだけすぐに募集が埋まるほどの人気があるとも考えられますが、中にはその募集の早さが怪しいと考える方もいるようです。
ラッキーバンクは、ファンド募集の日時を事前に公開しています。そのため、あらかじめ準備している投資家も少なからずいるでしょう。募集情報を事前に確認し、投資の予定を立ててから投資するといった方法が考えられます。
ラッキーバンク事件とは?
ラッキーバンクは、検索でもわかるとおり、悪い噂があるのは事実です。実際に2018年5月に、投資家へ向けて大規模な返済遅延があるとの発表がありました。そして、2018年12月5日にラッキーバンクは、投資家へ債権の回収方法についてのメールを送付しました。
そのメールの内容は、返済が遅延している案件に対して、債権譲渡をするというものです。返済が遅延している案件の総額は約50億円にものぼり、最終的に回収できたのは32.5%程でした。投資家は約70%の損失を被ったことになります。
納得がいかない投資家が多かったことは言うまでもありません。投資家たちに不満が残ったまま、一応決着がついたこの「ラッキーバンク事件」について、詳しく解説していきます。
2018年3月に関東財務局より行政処分を受ける
このラッキーバンク事件は、関東財務局から行政処分を受けたことからはじまります。この処分内容は、貸付先の審査や担保となる不動産の評価について、誤解が発生すると思われる表示をしていることと、貸付先がほぼ田中社長の親族が経営する会社であるとして、金融商品取引業の登録取消しと、業務改善命令です。
貸付先のほとんどが田中氏(代表)の親族が経営する不動産会社だった
まず、行政処分を受けた理由の1つとして、貸付先の会社が社長の親族が経営している不動産会社だったということです。ソーシャルレンディングという、非匿名性の仕組みを良いことに、ほとんどの案件をこの親族が経営する会社へ投資していました。さらに悪いことに、この貸付先の会社は、第三者などがその担保の価値を保証していなかったのです。
担保不動産の鑑定評価が正式に行われていなかった
また、ラッキーバンクの取扱い案件は不動産の担保がついていました。そのため、ラッキーバンクのファンドは保全性が高く、安全だと謳われていました。しかし実態は、担保となる不動産は正式な不動産鑑定評価が行われていませんでした。
すなわち、正式ではない鑑定結果の評価額を使用していたということになるのです。安全性や保全性とは何だったのでしょうか。
貸付審査の際に売上や資産の水増し計上を見逃していた
そして、貸付先の会社についても不正な行為がありました。貸付先は厳正な審査を実施した上で選定すると謳われていましたが、実際には売上改ざんや、資産の水増しなどの書類不正を行い、審査が通りやすくしていました。その事実を認識していたにも関わらず、見てみぬふりをしていたのです。
返済困難の不動産会社に意図的にファンド募集していた
さらには経営が赤字で、明らかに返済能力がない不動産会社(ほぼ親族の会社)を貸付先としたファンドの募集を続けていたのです。安全とは程遠い行為です。ここまでくると、投資資金を親族間で転用していたのでは?と疑われても仕方がないです。投資家に対して非常に失礼であり、誠意を感じられない会社と見られても不思議はありません。
ラッキーバンクの安全性・リスク
ここまで、ラッキーバンクという会社についてや、投資案件の特徴について解説してきました。さらには怪しいと言われる理由や、実際に起こった事件についても説明しました。ここからは、ラッキーバンクで投資を始めるにあたり、その安全性やリスクについて、考えられる項目をまとめて紹介していきます。
借り手の信用リスク
まずは、借り手となる貸付先の会社の信用に対するリスクが考えられます。ラッキーバンクの貸付先の会社が、何かの理由で返済ができなくなってしまい、債務不履行となってしまった場合、投資した側に損失が出てしまう可能性があります。
貸付金の返済ができないということは、貸付先の会社の信用が低いということです。返済ができないと、出資金の回収がとても難しくなり、投資側に損失が出てしまう可能性が高くなるということになります。
運営会社の信用リスク
そして、そもそも運営会社であるラッキーバンクの信用リスクについても考えられます。貸付先の信用リスクと同様に、ラッキーバンク側に債務不履行が合った場合も、投資家が損失を被ってしまう可能性があります。
先に述べたラッキーバンク事件では、結局投資家は約70%の損失を被る結果となりました。いずれにせよ、そういったリスクがあるということは十分理解しておきましょう。
担保割れのリスク
また、考えられるリスクとして、担保割れを起こしてしまうことがあげられます。ラッキーバンクの案件は、不動産担保付の案件となっています。もし貸付先の会社が貸付金の返済ができなかった時、その不動産担保を売却して貸付金額を回収することになります。
しかしその担保が、想定していた金額よりも低くなってしまい、担保としての役割を果たさない可能性があります。その場合、投資家側は貸付金額を回収できずに、損失が出てしまうということになるのです。
不動産の価値が下落するリスク
そして、担保となる不動産についてのリスクですが、そもそも不動産の価格は、不動産市場により変動するものです。ラッキーバンクという会社は、不動産に特化しているソーシャルレンディング会社です。案件は不動産担保付となっています。ということは、不動産の市場変動の影響を必ず受けるということになります。
ラッキーバンク投資は実際儲かるのか?
これまでラッキーバンクについて、投資するにあたるリスクや、ラッキーバンクが取扱う案件の特徴を解説してきました。では、実際にラッキーバンク投資は儲かるのでしょうか?ラッキーバンクだけでなく、様々なソーシャルレンディングへの投資について、儲かるのかどうか検証していきます。
ファンドが問題なく運営されれば儲けはでる
ラッキーバンクへの投資の流れとして、まずラッキーバンクがファンドを組み、投資家がそのファンドに出資します。それからラッキーバンクが貸付会社に資金を融資し、貸付会社はラッキーバンクに対し、元利金を返済します。そしてラッキーバンクが投資家に出資金を分配します。
この一連の流れが問題なく行われれば、ラッキーバンク投資は儲かると言えるのです。ラッキーバンクの平均利回りは9%ですので、今では低金利が普通という世の中で、高水準の利回りではないでしょうか。
ただあくまでも、一連の流れが何の問題もなく行われればということになります。貸付会社が返済できないという事態も起こりえます。絶対儲かるということは言えませんので注意してください。
「コツコツドカン」を回避することが鉄則
上記にあげたように、何となく「儲かる」と思えるラッキーバンクなどのソーシャルレンディング投資ですが、「コツコツドカン」というリスクが潜んでいる可能性があるので注意が必要です。
この「コツコツドカン」とは、複数回の堅実な投資でコツコツ稼いでいた儲けが、たった1回の投資でドカンと吹き飛んで喪失してしまうことを言います。
複数の案件に投資し、それらが順調に儲かっていても、たった1つの案件が多大な損失を受けると、儲けがすべてなくなってしまうというリスクがあるのです。この「コツコツドカン」リスクを回避することが儲かるコツと言えます。
コツコツドカンリスクを回避するために
前述したとおり、コツコツドカンのリスクを回避することで、儲かる確率はグンとあがります。では、どのようにしてこのコツコツドカンリスクを回避すれば良いのでしょうか?考えられる回避の方法を紹介していきます。できるだけリスクを回避して、ソーシャルレンディングで儲かるように対策をとっていきましょう。
①投資するソーシャルレンディング会社を分散しない
まずは、投資するソーシャルレンディング会社を分散しすぎないようにすることです。その理由として、投資先の会社を増やせば、それだけ運営会社の信用リスクが低い事業者に当たってしまうという可能性が高くなってしまうからです。
運営会社の信用リスクについては前述のとおりです。信用リスクが低いということは、投資家にとってリスクが高くなるということになるのです。分散投資は、儲かる可能性を高める一方でリスクも高めるということを覚えておいてください。
②無担保の案件には出資しない
無担保型の案件には、利回りが高水準のものが多いので、投資家にはとても良案件と見られることがあります。しかし、もし貸付会社に万が一のことがあって貸付金の返済ができない場合、出資金額の回収がとても困難になる場合があります。
そうなれば、投資家が損失を被る可能性があるということは、言うまでもありません。できるだけ担保付の案件に投資するほうが、リスクを回避することにつながるのです。
③不動産担保付だとしても注意が必要
たとえ不動産の担保がついている案件だとしても、安心してはいけません。その担保となる不動産が、正当な鑑定人の元で評価が行われているか、その評価額は妥当なものなのか、という点を気にしておく必要があります。
ラッキーバンク事件では、不当な不動産評価額で投資が行われていました。そのような事にならないよう、投資家側でリスクを認識しておく必要があります。
ラッキーバンク投資は正確に資金調達の利点が分かれば儲けは出る!
いかがでしたでしょうか。ラッキーバンク投資の利回りや安全性についてや、さまざまなリスクや儲かるコツなどを解説してきました。ラッキーバンク事件についても詳しく紹介しました。
ラッキーバンクやその他ソーシャルレンディング投資は、リスクをしっかり理解したうえで行うようにしましょう。ソーシャルレンディングの一連の流れが、問題なく行われれば儲かる可能性は高くなります。
投資を始める前に、できるだけ損害がでないよう、利回りなどだけではなく、安全性やリスクを正確に判断して投資するようにしてください。