「貸与」とはどんな意味・読み方をチェック!使い方・例文や類語・対義語も紹介

「貸与」とはどんな意味・読み方をチェック!使い方・例文や類語・対義語も紹介

貸与とは、どういった読み方をするのか、どのような意味があるのかを今回解説させていただきます。貸与とは、普段の日常会話ではあまり聞き慣れない言葉ですが、ビジネス上の取引や契約書類には結構使われている言葉ですので、この機会に読み方や意味、使い方を理解してください。

記事の目次

  1. 1.「貸与」の意味とは?
  2. 2.「貸与」の対義語・類義語 
  3. 3.「貸与」の使い方・例文
  4. 4.「貸与」と「貸付」の違い
  5. 5.「貸与」を使う際の注意点
  6. 6.「貸与」の由来・歴史
  7. 7.「貸与」の英語表記
  8. 8.「貸与」は「貸し与える」という意味

「貸与」の意味とは?

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貸与という言葉は、日常会話ではあまり聞き慣れない言葉ですので、知っているようで、正確な意味や使い方を理解している方は少ないはずです。

ですが、貸与はビジネスシーンや契約書類には結構使われている言葉ですので、その意味や使い方をしっかりと理解しておく必要があります。

それでは、これから貸与の意味・使い方を、類語や対義語、具体的な例文などを交えて、詳しく解説させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。

「貸与とは」読み方・意味・使い方・熟語について

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まずは、貸与の「読み方・意味・使い方」および「貸与を使った熟語の読み方と意味」を解説させていただきます。

最初にこれらの基本的な事柄を頭に入れておけば、応用編である類語や対義語、例文についても、スムーズに理解することが出来ます。まずは、読み方について解説します。

「貸与とは」①読み方

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貸与の読み方については、大方の方がお分かりのはずですが、お分かりでない方のために、念のため解説させていただきます。貸与とは「たいよ」と読みます。

「貸」は音読みで「たい」、訓読みで「かす(貸す)」、「与」は音読みで「よ」、訓読みで「あたえる(与える)」です。ですので、「たいよ」とは「貸」の訓読みと「与」の訓読みを組み合わせた読み方となります。

最近は堅苦しい言葉はあまり使いませんし、また日常生活、特にLINEやメールでは使い慣れた「借りる」を使えば事足りますので、SNS世代の中高生レベルでは、「貸与」なんて言葉は読み方すら知らないケースも多くなっています。

「貸与とは」②意味

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貸与とは、その意味は使われている漢字が「貸」と「与」ですので、皆さんがお分かりの通り「貸し与える」です。漢字そのままの意味ですので難しくはありません。

貸与とは、「貸し与える」ことを意味しますが、別の言い方をすると単に与えるのではなく、後で与えたものを返してもらうということです。

例えば、「奨学金を貸与する」をストレートに分かりやすく表現すると、「貸した奨学金は卒業後に返済しもらう」ということになります。

「貸与とは」③使い方

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貸与という言葉は、普段の日常会話ではあまり使われることはありません。貸与とは「貸し与える」を表す言葉ですので、友人に昼ご飯代を貸した際に「昼ご飯代を貸与する」と言っても別に間違いではありませんが、そんな使い方をする人はおそらく誰もいないでしょう。

しかしながら、貸与はビジネス上の取引や契約書類では比較的使われることが多い言葉です。ですので、どのような使い方があるのかをこの機会に理解しておきましょう。

ここで使い方の例を申し上げると、女子社員に制服の着用を義務付けている会社においては、「制服を女子社員に貸与する」賃貸物件のマンションで備付のエアコンがある場合には、「家主がマンションを借りる人に無償でエアコンを貸与している」などとなります。

「貸与とは」④貸与を使った熟語の読み方と意味

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それでは、貸与を使った熟語はどのようなものがあるのでしょうか。この項では、貸与を使った熟語について、その読み方と意味を解説させていただきます。

無償貸与(読み方:むしょうたいよ)とは、「対価を対価や利益を得ることなく貸し与える、つまりタダで貸す」という意味です。

貸与契約書(読み方:たいよけいやくしょ)とは、貸主と借主で取り交わす契約書の意味です。機材など物品を貸与する際によく使われれる言葉です。

貸与権(読み方:たいよけん)とは、「著作者が著作物の複製物を公衆に貸与する権利」という意味です。主に楽曲や映像の入ったCD・DVDなどの複製物がその対象となります。これらの言葉が貸与を使った熟語となります。

「貸与」の対義語・類義語 

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それでは、これから貸与の対義語・類義語(類語)を解説します。貸与の対義語・類語はどのような言葉がそれにあたるのでしょうか。

貸与とは、「貸し与える」ことを意味します。「貸し与える」ということは、別の言い方をすれば、「与えたものを後で返してもらう」ということです。このことを頭において、貸与の対義語・類語の解説をご覧ください。まずは貸与の対義語について解説します。

「貸与」の対義語【読み方・意味】

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貸与の対義語(反対語)は、借用(読み方:しゃくよう)です。「貸したものを返してもらう」ということで考えると、返却(読み方:へんきゃく)が対義語になるのではと思いがちですが、そうではありません。

貸すと借りるが対義語となりますので、貸与の対義語である場合には「借」が含まれることになります。

貸与とは、「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」という意味です。これに対して借用は「借りて使う、何かに使うために借りる」という意味になります。

例えば、大学生が日本学生支援機構から奨学金を貸与された場合、大学生は「奨学金を学費の支払い等のために借りて使う」、日本学生支援機構は「大学生に貸し与えた奨学金は卒業後に返してもらう」ということになります。

「貸与」の類義語(類語)【読み方・意味】

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それでは、貸与の類義語(類語)には、どのような言葉があるのでしょうか。貸与の類語は、基本的には貸すという意味合いが強い言葉と、与えるという意味合いが強い言葉のどちらかに分かれます。

貸すという意味合いが強い類語としては、貸すのほか、貸借(読み方:ちんたい)、 賃貸し(読み方:ちんがし)、貸出(読み方:かしだし)などがあります。

「与える」という意味合いが強い類語としては、貸付(読み方:かしつけ)、融資(読み方:ゆうし)、融通(読み方:ゆうづう)などがあります。

これら類語のなかで、意味合いが近くよく使われている言葉が貸付です。例えば、奨学金も世間的には貸与という言葉が使われていますが、貸付という言葉を使う場合もあります。次の項では、貸与と貸付の意味・使い方の違いを解説させていただきます。

「貸与」の使い方・例文

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それでは、ここから貸与の使い方を例文でご紹介します。貸与の意味は、「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」ことです。

貸与の場合、貸付とは異なり貸し与えることに関して、無償貸与という熟語があるように、必ずしも対価や利益を求める訳ではありませんので、そのあたりのことを頭に置いて、以下①〜④の例文をご覧ください。

例文①

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「当社は、工場勤務となる社員に対して、作業着のほか、ヘルメット、手袋、安全靴を貸与する。」

この例文の場合、貸与の前に無償という言葉は入っていませんが、無償での貸与となるのが一般的です。

例文②

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「この度は、貴社所有のショベルカーをご貸与いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、工事は中断することなく無事に完了することが出来ました。後日改めてお礼に伺いたいと考えておる次第です。」

この例文の場合、貸与について有償であるか、無償であるかは、貸主と借主との事前の約束によるものとなります。

事前の約束を交わしていない場合には、一般常識からして借主が貸主に対して使用料等の請求伺いをすることになります。

例文③

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「先般は貴殿が所蔵する有名絵画の数々をご貸与くださり、誠にありがとうございました。おかげをもちまして、展覧会は盛況のうちに終えることが出来ました。」

この例文の場合、先に解説させていただいた例文②の場合と同様、貸与について有償であるのか、無償であるのかは貸した側と借りた側との事前の約束によるものとなります。

例文④

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「私は、この大学に入学することになった。ついては、日本学生支援機構から奨学金の貸与を受け、入学金や授業料などの支払いを行うことにした。」

この例文の場合、「日本学生支援機構から奨学金の貸与を受け」との記載がありますので、奨学金の貸付を受けたかたちとなります。

日本学生支援機構の奨学金は「貸与型(有利子・無利子)」と「給付型」があり、「貸与型」は卒業後に貸与された奨学金の返済義務を負います。

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「貸与」と「貸付」の違い

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ここからは、貸与と貸付の意味・使い方の違いを解説します。貸与の意味は「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」ことです。

これに対して、貸付の意味は「金銭や土地・建物・権利などを貸す」ことです。どちらも「お金やモノを貸し与える」ということですので、その点については同じ意味となります。

それでは、貸与と貸付の意味・使い方の違いはどのような点があるのでしょうか。その違いを、これから解説します。

意味・使い方の違い

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貸付は、貸与とは異なり、貸主と借主の間であらかじめ明確な条件を決めておくのが一般的です。例えば、「金銭の貸付」に際しては、貸付金額のほか、貸付期間や返済期日、担保、利率などの事項を記載した契約書を取り交わします。

これに対して、貸与とは、金銭などが対象である点は貸付と同じですが、貸付に比べて貸付期間や返済期日などの条件が不明瞭(あるいは緩やか)な場合に使われる言葉になります。

ここで、分かりやすい例を挙げさせていただきます。貸与を使った熟語で無償貸与(読み方:むしょうたいよ)という言葉があります。

この言葉は「対価や利益を求めず、貸し与える」という意味です。貸付には無償貸与に類する熟語は元来存在しません。それは、貸付は基本的には必ず対価や利益を求める場合に使われますので、こういった点で、貸与と貸付とは意味・使い方に違いがあります。

「貸付」は金銭などを貸すという意味

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貸付とは、「金銭や土地・建物・権利などを貸す」、辞典的に言えば「様々な条件を取り決めたえで、お金や権利、モノを他人に貸す」ということを意味する言葉です。

ただし、一般的に貸付という言葉が使われるのは「貸付」の「貸す」からもわかるように、その主体は「お金を貸す」場合となります。正式には、貸主が借主から金銭消費貸借契約書などの借用証書や約束手形を受け取って資金を貸付けます。

「貸与」を使う際の注意点

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ここからは、貸与を使う際の注意点を解説します。先ほどから申し上げている通り、貸与の意味は有償、無償に関わらず「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」ことです。

ただし、貸与という言葉を使うと、貸与するものが金銭以外の場合には、貸主はきちんと返してもらうつもりでも、借主はどのように使っても良いと考える人が多いようです。

分かりやすくいうと、会社から貸与された制服は、退職時にはきれいにしてから返却するのが常識ですが、なかには自分で使っていたものだからといって、汚れたまま返す人がいるのは、そういうことです。

もし、自身が第三者に何かを貸与する場合には、貸与する相手と出来れば書面で貸与に関しての条件をあらかじめ取り決めておく方が良いでしょう。

「貸し与える」の意味以外では使えない

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貸与の類語で貸すという言葉があります。貸すも「返ってくる前提で、自分のものを使わせる」という意味があります。

ただし、貸すの場合には「助けてあげること」という意味もあります。例えば、「知恵を貸す」「力を貸す」といった場合には「助けてあげる」の意味です。貸すが貸与の類語だからといって、「知恵を貸与する」「力を貸与する」の使い方は出来ません。

貸与は、「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」の以外意味では使うことは出来ませんので、注意してください。

「貸与」の由来・歴史

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それでは、貸与の由来・歴史はどうなっているのでしょうか。歴史・由来といっても、昔から自然発生的に使われている言葉ですので、技術や伝統の継承のようなものはありません。

ですが、近年どのように使われているのか、その流れをみてみると、その言葉の由来・歴史を知ることが出来ます。まずは、由来について解説させていただきます。

由来

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貸与という言葉の由来は、先ほどから申し上げている通り、「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」という意味からきています。

「貸」は音読みで「たい」、「与」は音読みで「よ」、これを組み合わせた漢字、言葉が貸与、読み方はそのまま「たいよ」です。

歴史

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貸与という言葉は、昔から使われていた言葉です。貸与の意味は「貸し与える、後で与えたものを返してもらう」という意味です。

昔は、ただ単に貸すという言葉ですんでいたと考えられますが、公的な機関や会社組織がしっかりと運営されるようになってきた近代の社会においては、貸与という言葉が使われるようになってきたと考えられます。

例えば、「会社で制服を貸与する」という言い方が現在では一般的です。「会社で制服を貸す」なんて言い方は一般的にはしないことでもお分かりの通りです。

「貸与」の英語表記

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貸与の英語表記は、どのようなものがあるのでしょうか。これからは、よりグローバルな社会となりますので、ビジネスでは英語の読み書きが出来ることを必須とする会社が多くなる時代の到来も、そう遠くはありません。

ですので、ビジネス文書などで比較的よく使われる貸与という言葉の英語表記も、覚えておく何かと役立ち吾ます。この機会に、しっかりと理解しておきましょう。

 貸与の英語表記は、「lend(貸す・与える等の意味)」または「 loan(貸すこと・貸付等の意味)」となります。

例文としては、「lend a book out to a student .(本を学生に貸し出す。)」「Could you loan me the CD? ( そのCDを貸してもらえないでしょうか。)」などとなります。

「貸与」は「貸し与える」という意味

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今回は、貸与という言葉をテーマにして、読み方を含めて、意味・使い方を対義語や類語、例文など交えて解説させていただきました。貸与とは、どのような意味・使い方があるのかを理解いただけましたか。それでは、最後に貸与に関する3つポイントを申し上げます。

1つ目は、貸与とは、その意味をシンプルに分かりやすく言うと「貸し与える」ことです。2つ目は、貸与には有償と無償の2種類があり、どちらになるのかはケースバイケースであるということです。3つ目は、貸与された物品はその価値に関わらず必ず返さなければなりません。

貸与は、ビジネス上の取引や契約書類に比較的よく使われる言葉です。読み方を忘れず、今申し上げた3つのポイントを覚えておけば、貸与という言葉を正しく使えるようになるはずです。

敦
ライター

某銀行系のクレジットカード会社に勤めるおじさんサラリーマンです。高速道路を使わない下道ドライブ大好き人間です。仕事柄、キャッシュレスやキャッシングに関する知識は豊富です。

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