フロマージュの意味や語源とは?使い方やチーズケーキとの違いも解説!

フロマージュの意味や語源とは?使い方やチーズケーキとの違いも解説!

洋菓子店やコンビニでよく「フロマージュ」を見かけます。日本ではフロマージュとはチーズケーキのことを指しますが実はそれは間違いです。この記事ではフロマージュとは何なのか、どんな意味や語源を持つのか、正しい使い方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.フロマージュの意味とは
  2. 2.一般的なフロマージュとは
  3. 3.フロマージュとチーズケーキの違いとは
  4. 4.日本人が「フロマージュ」をチーズケーキと連想する理由とは
  5. 5.「フロマージュ」の正しい使い方とは
  6. 6.フロマージュとは「チーズケーキ」ではなく「チーズ」

フロマージュの意味とは

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フロマージュとは「チーズ」を意味する言葉です。フロマージュとは牛、水牛、羊等から取れる乳を発酵させて作るチーズ全般のことを指すフランス語です。フロマージュという言葉は最近ではコンビニスイーツやケーキ屋でもよく見かけますがチーズと何が違うのでしょうか。ここではフロマージュという言葉の語源や意味、正しい使い方をご紹介します。

フロマージュの語源はフランス

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フロマージュという言葉の語源はフランスから来ています。日本人からするとチーズの本場といえばフランスというイメージが強いですが、チーズ発祥の国はポーランドだと言われています。ここからヨーロッパ全体にチーズという食品が浸透していき、今や世界中で親しまれる食材となっています。

日本でフロマージュといえばチーズケーキだというイメージがありますが、フランスでフロマージュとはチーズそのもののことを指すのでこれは間違いです。フランス語でチーズケーキはタルト・オ・フロマージュやガトー・オ・フロマージュと言います。

フランスには1000種類以上のフロマージュがある

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フランスのフロマージュは地方によって作り方が全然違い、それぞれ発酵方法や使う乳の種類等が細かく違います。フランス全体のフロマージュの種類は実に1000種類以上とも言われ、フランスの市場に行くと日本の魚屋と同じように様々な種類のフロマージュが売られています。中にはフランスを表す慣用句に「300種のチーズの国」と表現する国もあります。

一般的なフロマージュとは

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フランスのフロマージュ文化は実に多彩で、モッツァレラチーズのようなフレッシュな物から、長期間熟成させた芳醇な香りのする物、青カビ等の発酵を利用したクセの強い物等、無数にあります。ここではフロマージュの中でも日本でもよく使われる代表的な種類のフロマージュをご紹介します。

ラクレット

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ラクレットのとはスイス原産のハードチーズの一種です。ラクレットの語源はフランス語で「ひっかくもの」「削るもの」という意味があり、切った断面を火で炙って溶けた所をナイフで削ぎ落してジャガイモ等の具材にかけて食べるのが主流です。ハードチーズでありながらも柔らかくクセの無い食べやすさがあるので日本でも人気があります。

日本でのラクレットとはチーズフォンデュの材料としてもよく使われるチーズです。食べやすい味である反面独特の香りがするという特徴があります。そのままの状態だと強い匂いがしますが加熱することでだいぶ和らげることが出来ます。

特有の匂いが苦手だというかたは黒コショウやナツメグ等のスパイスを使うと匂いを和らげてくれて食べやすくなります。

マスカルポーネ

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マスカルポーネとはイタリア発祥のフロマージュです。フレッシュチーズの1種で、脂肪分が多く特有の甘みがあるのが特徴で、ゴルゴンゾーラ等の青カビチーズの強い塩味を和らげるために混ぜ合わせて料理に使ったり、デザートに使われたりもします。日本ではティラミスブームをきっかけに知られるようになりました。

他にも生ハムと一緒に食べたり、そのままでも甘口ワインと合わせる等用途がたくさんある万能チーズとしても有名です。日本ではまだあまり浸透していませんが、近年では和食のお店や乳製品の会社からも注目を集めつつあります。

マスカルポーネの語源はスペイン語にあり、スペイン語の「素晴らしい」の意味を持つ言葉が転訛して定着したと言われています。

ゴルゴンゾーラ

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ゴルゴンゾーラとはイタリアが発祥のフロマージュで、ロンバルディア州のゴルゴンゾーラ村で作られたからゴルゴンゾーラという名前が付けられました。青カビを使って作られるブルーチーズの一種で、世界三大ブルーチーズの1つとしても有名です。

ゴルゴンゾーラチーズには統制原産地呼称が定められており、ゴルゴンゾーラ村以外で作られた物がゴルゴンゾーラチーズと名乗ることは出来ません。ゴルゴンゾーラには2つの種類があり、青カビの風味と辛みが強い「ピッカンテ」と青カビが少なくクリーミーな味の「ドルチェ」が存在します。

ブルーチーズとはその土地の風土や気候が味に影響するタイプのフロマージュです。同じ製法でも作る土地が違えばそことは違う風味になる、という特徴があります。

モッツァレラ

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モッツァレラとはイタリア原産のフレッシュチーズの1種です。クセの無い味わいと特有の弾力を持っています。モッツァレラという言葉の語源はイタリア語で「引きちぎる」という意味を持つ言葉が由来です。主にピザやサラダ等の料理にちぎって使います。日本ではマルゲリータピザやカプレーゼに使うフロマージュとして有名です。

原料は水牛の乳や牛乳を使うことがほとんどで、フレッシュチーズで熟成期間を経ないため、モチモチした食感を持っています。

モッツァレラ・ディ・ブーフォラという品種と、モッツァレラ・ディ・ファッカという品種に分かれます。モッツァレラ・デイ・ブーフォラとは水牛の乳を使った物で、モッツァレラ・ディ・ファッカとは牛乳を使った物です。

パルミジャーノ レッジャーノ

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パルミジャーノ・レッジャーノとはイタリア原産のフロマージュです。ハードチーズの1種です。ハードチーズとは1〜5年以上の長時間熟成を経て作られる超硬質なフロマージュです。日本ではパルメザンチーズという名称で親しまれています。牛乳を原料としており、製造工程の中で抜いた乳脂肪分はマスカルポーネの原料になります。

「イタリアチーズの王様」と言われる程イタリア料理のほとんどで使われるフロマージュで、主にすりおろして細かくした状態で使用します。コクのある強い旨味としっとりとした食感が特徴です。

パルミジャーノ・レッジャーノの語源はイタリア語です。パルミジャーノとは「パルマ(イタリアの地名)の」で、レッジャーノとは「エミリア(イタリアの地名)の」という意味です。

カマンベール

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カマンベールとはフランスのカマンベール地方の名前が付けられた白カビタイプのフロマージュです。柔らかくクリーミーな味わいが特徴で、万人受けするタイプのフロマージュとして有名です。白カビタイプとは外側に白カビを付けた状態で熟成させるという製法のフロマージュのことです。

カマンベールは日本でも有名なフロマージュで、スーパーマーケットでもよく見かける程周知されています。だいたい3週間程の熟成期間を経て出荷されますが、熟成期間が長い程味わいが濃厚になるという特徴があります。

カマンベールとは多数の種類があるフロマージュです。日本に流通している物のほとんどはロングライフタイプという比較的熟成期間の短いクセの少ないカマンベールです。

ミモレット

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ミモレットとはフランス原産のフロマージュで、セミハードチーズの1種です。独特のオレンジ色の断面をしているのと、チーズダニと呼ばれるダニの力を使って熟成するのが特徴です。熟成期間は2週間から2年間と幅広く、熟成が進む程硬くなり風味が増します。長期間の熟成を経た物はカラスミの味に似ていると言われています。

熟成の若い物はマイルドな味わいで、長い物は濃厚な味わいになるのが特徴で、薄くスライスしたり細かく砕いてそのままで食べるのが主流です。すりおろして料理に振りかけるのもおすすめです。

ミモレットの語源は「ミ・モ・レ」というフランス語から由来しています。ミ・モ・レとは「半分柔らかい」という意味を持つ言葉です。

フロマージュとチーズケーキの違いとは

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日本では「フロマージュ=チーズケーキ」だと思われていることが多いです。しかしフロマージュとはチーズそのものを意味した言葉であるのでこの認識は間違っています。日本ではチーズケーキとは「フロマージュ」という認識になっている人が増えてきています。最近ではコンビニでもフロマージュという言葉を見かけるようになりました。

正確には「ガトー・オ・フロマージュ」「タルト・オ・フロマージュ」と表現します。もしフランスに行き飲食店で食事をする時にフロマージュとだけで注文するとチーズそのものが出てきてしまいます。

ここではフロマージュとはどういう物で、チーズケーキとはどういった違いのある物なのかを詳しく説明します。

柔らかいチーズケーキ=フロマージュではない

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日本ではよくフロマージュとは柔らかいチーズケーキという認識になってしまっています。何故こういう認識になってしまったのでしょうか。それは日本で売られているフランスの洋菓子「フロマージュ・ブラン」という物が原因となっています。フロマージュ・ブランとは日本では白くて柔らかいレアチーズケーキを指していることが多いです。

しかしこれは正確にはチーズケーキに使ったフロマージュの品種が「フロマージュ・ブラン」という名前なのであってケーキそのものの名前ではありません。フロマージュ・ブランとはフランスのフレッシュチーズの1種でヨーグルトのように真っ白であるのが特徴です。

フロマージュ・ブランを使ったチーズケーキだから名前も「フロマージュ・ブラン」として売られているので日本では「フロマージュとはチーズケーキ」という認識が浸透してしまいました。

日本人が「フロマージュ」をチーズケーキと連想する理由とは

Photo by Lucy Takakura

先ほどの説明で、洋菓子店ではフロマージュ・ブランを使ったチーズケーキをそのまま「フロマージュ・ブラン」という名前で売っていると説明しましたが、この「フロマージュ」の認識が間違って流行してしまい、フロマージュ・ブランを使っていなくても「フロマージュ」という商品名でチーズケーキを売るお店もたくさん出てきました。

何故「チーズケーキ」ではなく「フロマージュ」という名前の商品が多くなってきているのでしょうか。ここでは日本人は何故チーズケーキをフロマージュと呼ぶのかの理由を説明します。

「フロマージュ」がオシャレな響きだから

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日本でチーズケーキをフロマージュと呼ぶのは「フロマージュ」という言葉の響きがオシャレだからです。つまりフロマージュという言葉自体がちょっとした流行語になっているのです。今時、洋菓子店に行けばほぼ確実にチーズケーキが売られています。

「チーズケーキ」という商品名ではなく「フロマージュ」と表記した方がオシャレな響きなので売れそうという理由からいつからかフロマージュと呼ぶようになりました。

しかしフロマージュとはフランスが語源の「チーズ」という意味を持つ言葉なので厳密には間違った使い方をしていることになります。「ガトー・オ・フロマージュ」「タルト・オ・フロマージュ」という使い方であればフランス語で「チーズケーキ」を意味しているので正しい使い方となります。

「フロマージュ」の正しい使い方とは

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フロマージュという言葉の正しい使い方をご紹介します。フロマージュとはフランス語の言葉です。フロマージュを使った料理やデザートを表現する時は言葉の前か後に「~ドゥ・フロマージュ」「~・オ・フロマージュ」と綴られることが多いです。使い方や意味を知ることでどういった料理やデザートなのかを知ることが出来ます。

「フロマージュ」とは「チーズ」という意味の単語です。単語なのでフランス語としてもそこまで難しい単語ではありません。

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フランス料理のフルコースでは肉料理とデザートの間にフロマージュが提供されます。コースのフロマージュとは食後のお楽しみという役割を持っており、デザートの前にワインや食後酒と共にフロマージュを楽しむという習慣から来ています。フロマージュとは何なのかを知っておけばそういった食事の席でも周りよりもワンランク上の楽しみ方が出来ます。

フロマージュ・ブラン

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フロマージュ・ブランとはフランス、南ベルギー原産のフレッシュチーズの1種です。フロマージュとはチーズ、ブランとは白色を意味しています。「真っ白なチーズ」という名前の通り綺麗な真っ白色が特徴です。クリーム状をしておりフランスでは食後のデザートの前に食べることが多く、「フロマージュ・フレ」と呼ぶこともあります。

日本ではレアチーズケーキの材料に使われることが多く、フロマージュ・ブランという名前をチーズケーキ自体の商品名にしていることも多いです。

フロマージュ・スフレ

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フロマージュ・スフレとは日本でいう「チーズスフレ」に当たります。しかしフランスのチーズスフレとはデザートで提供されるような甘いタイプではなく、甘くないタイプのチーズスフレで主に料理として提供されます。フロマージュの他にも肉や野菜等が入った物もあり、メイン料理や前菜等幅広い用途で作られます。

日本でよく見かけるデザートとしてのチーズスフレはフランスではなく日本生まれのチーズスフレです。このような甘いチーズスフレは海外では「日本風チーズスフレ」とも呼ばれます。

フロマージュとは「チーズケーキ」ではなく「チーズ」

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フロマージュの語源とはフランスから由来しています。フロマージュとは「チーズ」のことで、チーズケーキとはフロマージュではなくチーズそのものがフロマージュという使い方が正しいです。日本でチーズケーキのことをフロマージュと呼んでも大した問題にはなりませんが、本場フランスで同じような使い方をすると赤っ恥をかくことにもなりかねません。

フロマージュの持つ正しい意味や語源、使い方を知り、チーズケーキと混同してしまわないように気を付けましょう。

どっこい
ライター

どっこい

会社員兼個人投資家の27歳。趣味は中国の地方料理やシンガポールなどのマニアックな料理の研究、映画鑑賞。 仕事とデイトレードをこなしながら、スクレイピングなどのプログラミング知識も習得中。 横のつながりを大切することをモットーとして頑張ります。

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