マンマミーアの意味とは
マンマミーアという言葉を知っていますか?日本人なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?マンマミーアは英語ではなく、イタリア語です。イタリア語では「mamma mia」と書きます。
日本人はイタリア語に馴染みがないことが多く、どういう意味なのかわからない人が少なくないかもしれません。したがって、日常生活でマンマミーアという言葉を使う日本人はあまりいないかもしれません。
マンマミーアという言葉はどういう使い方をすればよいのでしょうか?聞いたことはあるけれど、意味はあまりよくわかっていない、マンマミーアという不思議なイタリア語について見ていきましょう。
「なんてこった」という意味
マンマミーアのマンマ(mamma)とはイタリア語で「お母さん」という意味です。ミア(mia)はイタリア語で「私の」という意味です。2つの単語の意味を合わせると、「私のお母さん」という意味になります。
しかしイタリア語で「マンマミーア!」と口にする時、お母さんを呼んでいるケースは少ないと言えるでしょう。後ろにエクスクラメーションマークを付けるのがポイントとなります。
イタリア語で「マンマミーア!」とは「なんてこった!」という意味で使われています。困った時、予期せぬ出来事が起こった時、驚いた時、嬉しい時、拒否感が出た時、恐怖に陥った時などの感情を表すのが、イタリア語の「マンマミーア!」です。
「マンマミーア」の意味の由来・使い方
イタリア語の「マンマミーア」はどのような使い方をするのでしょうか?「マンマミーア」はイタリア語では日常的な使い方をされています。「たとえば白いスカートに赤ワインをこぼしてしまった!」という時「Oh, mamma mia!」という使い方をします。
意味としては「まあ、大変」といったところでしょう。「テストで0点を取ってしまった!」という時「mamma mia!」という使い方をします。意味は「やっちまったぁ!」といった感じでしょうか。
「大好きな人に告白された!」という時も「mamma mia!」という使い方をします。「夢のようだわ!」といったところでしょうか。このように「マンマミーア」は困った時も嬉しい時も使う使い方をしています。
ではそもそもイタリアでの「マンマミーア」の意味と由来を、さらに英語で「マンマミーア」を意味する言葉、日本語で「マンマミーア」を意味する言葉の由来も見ていきましょう。
イタリア語の「マンマミーア」の意味・由来
イタリア語の「マンマミーア」の意味と由来はどのようなものなのでしょうか?イタリア語で「mamma」はお母さんですが、自分のお母さんを呼んでいるわけではありません。
「いやいや、miaって言葉は「私の」じゃなかったの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。これには国が持つ歴史的な由来が関係しています。イタリアは大半の国民がカトリック教徒です。そんなカトリック教徒が崇拝するのが聖母マリアです。
「マンマミーア」の「mamma」の由来とは、母ではありますが、聖母マリアを意味しています。ですから「お母さん、助けて!」というニュアンスではありません。
「聖母マリアよ、お助けください!」という意味のほうが近いと言えるでしょう。まとめると、イタリア語の「マンマミーア」の由来はカトリック教の聖母マリアです。助けが必要な時に「マンマミーア」と自然と声が出てくるのは信心によるものでしょう。
英語で「マンマミーア」の意味・由来
それでは次に、英語の「マンマミーア」の意味と由来はどのようなものなのでしょうか?イタリア語でよく使われる「マンマミーア」ですが、英語圏に行くと「なんてこった!」は「オーマイゴッド!(Oh, my God!)」という使い方がされます。
その他「オーマイグッドネス!」「オーマイゴッシュ!」といった使い方もされます。「マンマミーア」より「オーマイゴッド」のほうが、日本人には馴染みがあるでしょう。日本人でも「オーマイゴッド!」なら使った経験がある人もいるのではないでしょうか?
「オーマイゴッド」の「ゴッド(God)」は神さまを意味します。つまり英語圏の「マンマミーア」である「オーマイゴッド」は「私の神さま」という意味になります。
窮地に陥ったイタリア人は聖母(マンマ)に助けを求め、英語圏の人は父(神)に助けを求めるようです。しかし神さまの名前を使うことを嫌がる人に配慮をして「オーマイグッドネス」や「オーマイゴッシュ」を使う傾向にあるようです。
日本語で「マンマミーア」の意味・由来
最後に、日本語の「マンマミーア」の意味と由来はどのようなものなのでしょうか?日本の「マンマミーア」は普段から我々が使っているような「なんてこった!」や「ええ!」や「どうしよう、大変!」といった驚きの言葉になります。
ところで日本人はこれといった宗教を信じていない人が多いようです。そんな日本人は誰に助けを求めるのでしょうか?「お母さん、助けて!」と言うことが少なくありません。
戦争中の特攻隊の人たちは最期に「お母さん!」と叫んで亡くなっていったとも言われています。この「母」に助けを呼ぶ点は、イタリア人に似ているのではないでしょうか?
また、普段信心していないのに、大事な時に「神さま、仏さま!」と祈ったりする人もいます。日本語の「マンマミーア」はイタリア語の「マンマミーア」と似た意味の使い方をしているのかもしれません。
「マンマミーア」と言えば映画が有名
比較的最近になって「マンマミーア」という言葉を聞いた人は、映画の「マンマミーア」のことではないでしょうか?映画「マンマミーア」は2008年にアメリカ、イギリス、スウェーデンの3か国共同制作され、公開されました。
映画「マンマミーア」のあらすじをご存じですか?「マンマミーア」のあらすじは1970年代後半から活躍した男女4人組ユニット「ABBA」がリリースした音楽に合うように作られています。
さまざまな世界を歌ったABBAの曲を、うまくあらすじに合わせるよう努力がされています。あらすじと少しずれた歌の場合は、あらすじに寄せた歌詞になっているそうです。
映画「マンマミーア」のあらすじ
ここで映画「マンマミーア」のあらすじを見ていきましょう。舞台は海の美しいリゾート地の島です。もうじき結婚する娘は母と一緒に暮らしていますが、父を知りません。
娘は母が昔付き合っていた男性3人のうち誰かが自分の父親だと思い、3人に母の名前で結婚式の招待状を出します。娘の計画を知らない母の前に、20年ぶりに元恋人3人が現れます。
本当の父親は誰なのか、結婚式はうまくいくのかなど、はらはらドキドキのロマンティックコメディといった感じのあらすじです。あらすじでは結末を伏せますが、観る人を幸せにする結婚物語になっています。
この「マンマミーア」には続編があります。続編の「マンマミーア・ヒアウィゴー」のあらすじは、前作で幸せな結末を迎えた人たちのその後が描かれます。
映画「マンマミーア」で使われている曲・歌詞
映画「マンマミーア」のサウンドトラックには、スウェーデン出身の有名音楽グループABBA(アバ)の楽曲が全曲使われています。シンプルなあらすじの「マンマミーア」を楽しく盛り上げてくれる楽曲です。
そもそも、「マンマミーア」という映画のタイトルが、ABBAが1975年に発表したシングル曲「Mamma Mia(マンマミーア)」から取っています。誰もが口ずさめる歌詞の、あまりに有名なABBAの楽曲です。
使われた「マンマミーア」のあらすじから、結婚式や披露宴のBGMに使われるようになっていきました。どんな曲があり、どんな意味の歌詞だったのかを見ていきましょう。
Mamma Mia
「Mamma Mia」は1975年に発表されたABBAの大ヒット曲です。まさに映画のタイトルそのものである楽曲です。映画ではメリル・ストリープが歌いました。「Mamma Mia」の歌詞はどんな意味だったのでしょうか?
この楽曲の歌詞は、「彼氏に浮気をされ、別れようと決めたけれど、やっぱり彼が好きで忘れられない、別れられない、マンマミーア、どうしたらいいの?」といった意味です。
アップテンポで、恋に悩む女性の心情を歌詞にしたものなので、結婚式や披露宴でテーブルラウンドの時に流して使うことができるでしょう。
Chiquitita
「Chiquitita(チキチータ)」は映画「マンマミーア」で、メリル・ストリープ演じる母の友人2人が母を慰めるシーンで歌われています。歌詞も心が痛んで苦しんでいる友を慰める意味になっています。
「どうやって心の痛みが訪れ、不安が消え去っていくかを、君と僕は知っている。もう一度踊れば、苦しみも消えてゆくよ。君は悲しみを断ち切れるよ」といった意味の歌詞になっています。
結婚式や披露宴のBGMで使う時は、食事の時間やプロフィールムービーの上映時に流すと、素敵な式になりそうではありませんか?
Slipping Through My Fingers
「Slipping Through My Fingers(スリッピング・スルー・マイ・フィンガー)」は映画ではどのような意味だったのでしょうか?結婚式当日の朝に、娘との思い出が走馬灯のように駆け巡る母親の思いを綴った意味の歌詞になっています。
「子供が成長して、子育ての日々は終わろうとしている。小さかった娘はこんなに大きくなり、自分から去っていくのはなんて寂しいんだろう」といった歌詞です。
「Slipping Through My Fingers」とは「いつだって指の間をすり抜けていく」という意味で、成長した娘に幸せになって欲しいという意味の、涙を誘う曲です。
新郎新婦から両親へ感謝の手紙を読んだり、花束を渡したりする時のBGMに使ったり、サンクスムービーの時に使ったりすると効果的と言えるでしょう。
Honey, Honey
「Honey, Honey(ハニー、ハニー)」は映画「マンマミーア」の最初に流れる歌です。さあ、お話の始まりだ、とわくわくさせる歌詞の曲です。Honeyとは愛しい人に呼び掛ける意味の言葉です。
歌詞の意味は「あなたのことをもっともっと知りたい、あなたに夢中なの」といったもので、愛し合う男女が掛け合う形の歌になっています。ABBAは男性メンバー2人、女性メンバー2人なので、男性が歌った後に女性が歌うといった構成をとっています。
恋人同士が愛を確かめ合う意味の歌です。結婚式ではウェルカムパーティや乾杯の直後、披露宴の始まりに流すと、雰囲気が盛り上がることでしょう。
Thank You For The Music
「Thank You For The Music(サンキュー・フォー・ザ・ミュージック)」は映画「マンマミーア」のエンドロールで使われています。「音楽に感謝をこめて」という意味の歌詞で、曲のあちこちに「Thank you(ありがとう)」がちりばめられています。
音楽に感謝するだけでなく、さまざまな感謝の意味が含まれているので、映画の最後にはぴったりの曲でしょう。結婚式でも終わりに流すと、両親や来賓に感謝の気持ちが伝わることでしょう。
Dancing Queen
「Dancing Queen(ダンシング・クイーン)」はABBAの代表曲とも言える楽曲です。映画「マンマミーア」では、母のメリル・ストリープと親友の2人が、大勢の島の女たちを巻き込んで歌うシーンに使われています。
タイトルの意味は「踊る王女」です。歌詞は「ダンスフロアで踊ろう、勇気を出して一歩踏み出そう、人生をもっと楽しもう」という意味です。
応援ソングとして、こちらも踊り出したくなるハッピーな曲です。結婚式に使うと、新郎新婦の輝かしいスタートにぴったりの歌です。入場時、再入場時、退場時に使うのも効果的と言えるでしょう。
「マンマミーア」を歌ったABBA
「マンマミーア」を歌ったABBAとは、どんなグループだったのでしょうか?ABBAはスウェーデン出身の女性2人、男性2人のポップス・グループです。1974年から1982年まで、世界中の音楽チャートで首位を独占しました。
レコードの売り上げ枚数は1億4000万枚から数億枚とされています。売り上げの記録は不確実で、どれだけ売れたかわからないという驚異的なグループでした。
グループの活動が活発だった頃、メンバーの男女がそれぞれ結婚し、2組の夫婦のグループでもありました。グループ名の由来は、メンバー4人の頭文字をとったものと言われています。
映画「マンマミーア」以外の使われ方
「マンマミーア」という言葉は、イタリアの日常生活では、しばしば使われる言葉です。しかし日本ではあまり一般的ではなく、日常生活に取り入れるのは難しいでしょう。「なんてこった!」と言いたい時に「マンマミーア!」と叫びたいところですが、周囲の視線が痛いと感じる結果に終わるでしょう。
「マンマミーア」はレストランやミュージカルも有名
「マンマミーア」は映画の他、どのようなところで使われているでしょうか?「マンマミーア」は日本ではさまざまなエンターテインメント作品に使われています。
そもそも映画「マンマミーア」は1999年にウェスト・エンド、2001年にブロードウェイで公開されたミュージカルが元となっています。ミュージカルに使われているABBAの楽曲も「マンマミーア」です。
さらに、有名なイタリア語ということで、「マンマミーア」という名前を付けたイタリアンレストランもあります。
「マンマミーア」の意味は私のお母さん・なんてこった!
「マンマミーア」という言葉の意味について見てきました。予期しない出来事が起きたり、驚きや喜びの感情が湧いた時に使う言葉です。
イタリア語は日本人にはあまり馴染みのない言語ですが、曲や映画のタイトルになったりして、意味はわからずとも浸透している言葉と言えるでしょう。
「マンマミーア」の意味を知って、もう一度、エンターテイメント作品を楽しんでみませんか?また違った感動を覚えるかもしれません。