「先日」の類語や言い換え
「先日」の意味についてご紹介しましたので、次は「先日」の類語や言い換えについてご紹介します。「先日」の意味は「この間」だとご紹介しましたが、「この間」も「先日」の類語や言い換えとも言えます。「先日」の類語や言い換えには、「この間」のように「いつ」があいまいな言葉が当たるということになります。
日本語にはこのように、「いつ」があいまいな表現の言葉がいくつかあり、それらは「先日」の類語や言い換えだと言えます。それでは「先日」の類語や言い換えについてご紹介しましょう。
先頃
「先日」の類語や言い換えの一つ目は、「先頃」です。「先頃」は「近い過去」「この間」という意味で、「先日」と同じような意味を持ちます。ですが「先頃」は「近い過去の出来事」を述べる時に使われるため、「先日」とは少し使い方が違う言葉になります。ニュースなどで「先日」より「先頃」が良く使われるのはこのためです。
「先頃」という言葉は、「先頃のG20サミットにおいて」などというように使われることが多いです。ですが「先日」と「先頃」を同じように使う人も多いため、「先頃」は「先日」の類語や言い換えになるとも言えます。
この前
「先日」の類語や言い換えの二つ目は、「この前」です。「この前」の意味は「数日前」「以前」で、近い過去のことを表しますので、「先日」の類語や言い換えだと言えます。ただ「先日」が少し改まった言い方であるのに対して、「この前」は少し砕けたような言い方になりますので、使う相手を選びます。
「この前」は「先日」の類語や言い換えではありますが、「この前」は自分と同格の友人知人などに対して使う言葉であって、目上の人などに対して使う言葉ではありません。「この前」を使う時にはそういった点で注意が必要です。
かつて
「先日」の類語や言い換えの三つ目は、「かつて」です。「かつて」も過去の「いつか」のことを指しますが、「先頃」や「この前」と違ってかなり広範囲にわたる過去を示します。「かつて」には「以前」「昔」といった意味がありますが、「以前」ならともかく「昔」となると相当前の「いつか」になってしまいます。
「かつて」という言葉は「かつてここには大きな城があった」などというように、かなり昔のことを言う場合にも使うことができます。そのため「かつて」は「以前」という意味だけでなら「先日」の類語や言い換えだと言うことはできると言えます。
「先日」の使い方
「先日」の類語や言い換えについてご紹介しましたので、次は「先日」の使い方についてご紹介します。「先日」の意味や類語や言い換えの所でもご紹介したように、「先日」が「いつ」を示すのかはかなりあいまいです。ですがとりあえず「先日」とはどのぐらい前までを指すのかの目安はあります。
また、近い過去であっても「先日」とは言わないという場合もあります。「先日」は近い過去ならいつでも使って良いというわけではありません。それでは「先日」の使い方についてご紹介しましょう。
範囲は3日前~1ヶ月前後と広い
「先日」の使い方ですが、まず「先日」は3日前から1ヶ月前後というように結構広い範囲に使えます。なので3日前に「先日」という言葉を使うという使い方もできますし、1ヶ月前に「先日」という言葉を使うこともできると言えます。3日前のことへのお礼を言う際に「先日はありがとうございました」というような「先日」の使い方ができるということです。
また、10日前のことを言う場合にも「先日はお疲れ様でした」というような「先日」の使い方をすることができます。「先日」の使い方として、3日前から1ヶ月前後の過去に使うという使い方が挙げられるということです。
1日前は「先日」を使わない
「先日」の使い方は、3日前から1ヶ月前後の近い過去に対して使うという使い方だとご紹介しましたが、1日前のことに対しては「先日」という言葉は使いません。1日前のことに対して「先日」という言葉を使うのは、間違った使い方であるということです。1日前のことに対しては「昨日」とストレートに言います。
「昨日」という言葉を使う場合にはちょっとした注意点があります。友人知人などに対しては「昨日」を「きのう」と言っても構いませんが、ビジネスなどでは「さくじつ」という言い方をします。メールなどでは「昨日」は同じですが、口頭では言い方に注意が必要です。
2日前は「一昨日・先日」どちらでも可
1日前に「先日」を使うのは「先日」の使い方として間違っていますが、2日前なら「先日」を使うのは間違っていません。2日前なら「一昨日」と言っても構いませんし、「先日」と言っても構いません。なので2日前のことに対して「先日」と言うのは、「先日」の正しい使い方であると言えます。
2日前のことは「一昨日」と言っても良いですが、こちらも「昨日」と同じく注意点があります。友人知人に口頭で言う場合には「おととい」で良いですが、ビジネスなどでは「いっさくじつ」と言った方が良いということです。
ビジネスでは詳細も付け加える
「先日」の使い方として他に、ビジネスでは詳細も付け加えるという使い方が挙げられます。取引先などに「先日はありがとうございました」などというメールを送る場合もありますが、こういった場合には「先日」の「何」に対してのお礼なのか、詳細を付け加える必要があります。
「先日」の「打ち合わせ」に対してのお礼なら「先日はお忙しい中打ち合わせのお時間を頂きましてありがとうございました」というように詳細を付け加えます。ビジネスにおいては取引先と様々な交流をしますので、「先日」は「いつ」のことなのか示す必要があります。
「先日」の例文
それでは次に「先日」を使った例文についてご紹介します。「先日」という言葉は日常生活の中でもかなり使用頻度の高い言葉ですので、今さら例文などなくても使えるという人の方が多いでしょう。ですが、実は「先日」がいつからいつなのかを示すのかその範囲が分かっていない場合、間違った使い方をしていることもあります。
「先日」は3日前から1ヶ月前後のことを示すとご紹介しましたが、もっと以前のことに対して「先日」を使っている人も少なくありません。「先日」が示す日数の範囲を改めて示しながら、「先日」を使った例文をご紹介します。
先日助けていただいた
「先日」の例文の一つ目は、「先日助けていただいた」という例文です。「危ない所を先日助けていただいた者でございます」などというように、「先日」という言葉はほぼ初対面の相手であっても使うことができます。「先日」というと友人知人など顔見知り以上の相手に使うことがほとんどですが、こういった場合にも使うことができます。
このようなケースであっても、大体3日前から1ヶ月前後に当たる場合には「先日」という言葉を使いますが、それ以前の場合は「以前」や「かつて」という言葉を使います。「先日」はほぼ初対面の相手にも使えますが、やはり日にちは選んで使うということです。
先日はありがとうございました
「先日」の例文の2つ目は、「先日はありがとうございました」という例文です。この「先日はありがとうございました」という言い方は、取引先や友人知人など様々な相手に対して使われていますが、どれもやはり3日前から1ヶ月前後のことに対して使われます。つまり何か月も前のことに対しては使われないということです。
普段あまり会うこともないような相手の場合、数か月前のことに対して「先日はありがとうございました」という言い方は正しい言い方とは言えません。「先日」と言うことによって「近い過去の出来事」に対するお礼だということを伝えることができます。
「先日」の注意点
次に「先日」の注意点についてもご紹介します。ここまで「先日」の意味や類語や「先日」が示す範囲などについてご紹介してきましたが、その中でも少し「先日」の使い方に関する注意点についてご紹介しました。ここまでにご紹介した中でも触れた注意点を改めてご紹介しますが、実は他にも注意点があります。
「先日」という言葉は使って良い場合と使ってはいけない場合があります。それでは「先日」の注意点についてご紹介しましょう。
昨日は「先日」には当てはまらない
「先日」の注意点の一つ目は、「昨日」は「先日」には当てはまらないという点です。ここまでにもご紹介したように、「一昨日」なら「先日」を使うことができますが、「昨日」に対しては「先日」という言い方はしません。「先日」は近い過去を表しますが、それは3日前から1か月前ぐらいのことを指します。
なので「昨日」のことに対して「先日」という言い方はしないというのが、「先日」の注意点としてまず挙げられます。
具体的な日にちが分かる時には使わない
「先日」の注意点の2つ目は、具体的な日にちが分かる時には使わないということです。これは主にビジネスメールなどで気をつけなければならない注意点です。「先日」の範囲内であっても、具体的な日にちが分かっている場合には「2週間前」などというように、具体的な日にちを述べる必要があります。
「先日」というのはあいまいな表現なので、具体的な日にちが分からない場合などに使うには便利ですが、具体的な日にちが分かる場合には使わないということです。これは「先日」の注意点としてとても大事ですので覚えておきましょう。
「先日」の英語表現
次に「先日」の英語表現についてご紹介します。日本語には繊細で難解な言葉が結構多く、それらを英語で言い換えるのは難しい場合があります。「先日」という言葉はちょっとあいまいな表現なので、「先日」に当たる英語を探すのは難しそうですが、意外なことに「先日」に当たる英語は存在しています。
「先日」は3日前から1ヶ月前後という実にあいまいな日にちを表す言葉ですが、「先日」の意味に近く「先日」という意味で使える英語もあるということです。それでは「先日」の英語表現についてご紹介しましょう。
the other day
「先日」の英語表現は「the other day」です。「the other day」という英語は直訳すれば「他の日」ということになりますが、この「他の日」というあいまいな英語が「先日」の英語表現に当たります。「the other day」という英語は「先日は失礼いたしました」などの英語訳に一般的に使われる英語です。
「他の日」ということは、「今現在ではない日」ということになりますが、この英語表現も「先日」と同じように「昨日」に対しては使われません。「昨日」には「yesterday」という英語が使われ、「the other day」という英語は使われません。
こういった点でも「the other day」という英語は「先日」と同じ意味を持ち同じように使われる英語表現だと言えます。
「先日」はこの間という意味の言葉
「先日」の意味や類語や使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「先日」は3日前から1ヶ月前後過去のことを表すあいまいな表現ですが、端的に言えば「先日」は「この間」という意味の言葉だということになります。「先日」の意味を理解して正しく使いましょう。