菊の花の花言葉
日本で古くから親しまれている「菊」は、皇室の紋章にも使われる日本を象徴する和花です。花は鑑賞用や贈り物に使いますが「花言葉」を気にしたことはありますか?花には種類や色によって、それぞれに意味のある言葉がついています。花はパーティーの演出やプレゼントとしても使われますが、そんなときにも「花言葉」で気持ちを表すこともあります。
気持ちを伝えるための贈り物では「花言葉」を考えてプレゼントする心遣いも大事です。「花言葉」も添えて渡せると、さらに気遣いのできる人と思われます。そして「花言葉」の知識があれば、このシーンには使ってはいけないということが分かります。
では「菊の花言葉」には、どんな意味があるのでしょう?「菊」のイメージは葬儀に使われるとか、仏前に、お供えする花というイメージから「怖い」という意味を連想されることもあります。そこで実際の「花言葉」の意味を、ご紹介します。
菊の全般的な花言葉
「菊」には花の種類と色があります。そして花の色によって「花言葉」の意味が、それぞれにあります。まず初めに「菊」の花の全般の「花言葉」からご紹介します。「菊」の全般的な「花言葉」としては「高貴」「高潔」「高尚」となります。いずれの「花言葉」も「高」の字が使われる格の高いという意味だと、分かります。
「高貴」は身分や家格が高いことや、人柄などに品があるさま、という意味です。「高潔」は人柄が立派で利欲のために心を動かさなこと、という意味です。そして「高尚」は知性や品格が高く上品なこと、という意味です。
この「菊」の全般的な「花言葉」の意味から「菊」が日本の皇室の紋章とされている由来もわかります。また菊は仏事で使われることが多いので「怖い」イメージがあるようですが花言葉からは「怖い」言葉は見つかりません。
菊の花の色別花言葉
「菊」は日本の秋を感じさせる代表的な花です。そして「菊」の全般的な「花言葉」にもあるように、品の高い雰囲気を持っています。和室や和を感じさせたい和モダンのインテリアとしても飾りたい花です。そこで今度はインテリアや贈り物とする「菊」の色別の「花言葉」を、ご紹介します。
黄色の菊の花言葉
黄色の菊の花言葉は「破れた恋」です。黄色の印象からは想像の付かない花言葉に思われますが、西洋では黄色には由来があり、キリスト教の文化の影響から「裏切り」「差別」というイメージを持ってしまいます。ですから「菊」だけだなく黄色の「花言葉」には、マイナスイメージの意味が多くあります。
ですから黄色の菊は、ご自宅の鑑賞用にはかまいませんが、贈り物としては注意しなければなりません。
赤色の菊の花言葉
赤色の菊の花言葉は「愛情」です。赤色の花はチューリップでは「愛の告白」バラでは「愛情」「情熱」「美」「あなたを愛します」の意味になり「愛」がキーワードの「花言葉」になります。「花言葉」に思いを託したプレゼントで「愛」を届けることのできる花です。また赤色の菊は、着物や和装にも良くので着物の柄や髪留めにも使われます。
白色の菊の花言葉
白色の菊の花言葉は「真実」です。そして「誠実」「あなたを慕ってます」という意味もあります。ただし白色の菊は葬儀や仏花に使われますから「花言葉」の意味は素敵ですが、なかなかプレゼントとしては渡しにくいかもしれません。また白色の花は「純粋」「純潔」「無垢」というイメージがします。ですから花言葉もピュアな印象の言葉になります。
紫色の菊の花言葉
紫色の菊の花言葉は「私を信頼してください」です。また「恋の勝利」「夢がかなう」という意味もあります。信頼関係を築きたい会社関係の方への贈り物すると、仕事がうまくいきそうな花言葉です。そして紫色の菊は品種改良して作られた色になり、他の種類の花でも品種改良した紫色の花には、同じような花言葉になります。
ピンクの菊の花言葉
ピンク色の菊の花言葉は「甘い夢」です。他の種類の花でもピンク色は可愛らしいイメージから「優しい」「甘え」という意味の言葉になります。そして「夢」にはロマンティックな「恋」や「愛」から連想される「夢」の意味合いがあります。恋人や奥様にプレゼントするのにピッタリな花言葉がついています。
菊の花名の由来
菊の花名の由来には二つの説があります。ひとつは菊は中国が原産地で日本に伝来したときに菊が「クク」と呼ばれていたことから日本では「キク」と呼ばれるようになった説です。そしてもうひとつは「窮まる」が由来だという説です。また「菊」という漢字は花弁が中心丸まって向いている様子を、米を手で握ったイメージから作られたと言われています。
「窮まる」が語源
二つ目の由来は「窮まる」言葉が由来という説です。菊は日本の一年の最後に咲く花なので日本語の「行き詰まり」の意味を持つ「窮まる」という言葉が語源となり「きく」となったという説です。また学名の「chrysanthemum(クリサンセマム)」は「黄金の花」という意味で語源はギリシャ語の「chrysos」の「黄金」と「anthemon」の「花」です。
皇室の紋
八重菊を図案化した「十六八重表菊」は「菊の御紋」とよばれ日本の皇室で紋章として使われています。「菊の御紋」は鎌倉時代の後鳥羽上皇が取り入れた、ことから現在まで継承されています。また菊の花がモチーフですから「菊花紋章(キクカモンショウ)」とも言われます。そして花言葉の「高貴」「高潔」「高尚」が納得できます。
菊の花の種類と特徴
菊は奈良時代末か平安時代初めに中国から外来種として薬草や鑑賞用に伝来した花です。菊には、たくさんの種類がありますが大きく2つの品種に分けられます。日本で観賞用多年生植物として発展された品種を「和菊」と呼び、ヨーロッパで育種し生まれた品種を「洋菊」と呼びます。
そして菊の特徴は葉は楕円形で縁にはギザギザの波状の切り込みがあります。そして花弁は一重・八重のものがあります。また花の大きさで「大菊」「中菊」「小菊」という種類分けをすることもあります。
洋菊
「洋菊」と呼ばれる菊は欧米で生み出された種類です。茎が枝分かれをして小・中の大きさの花をいくつも咲かせます。種類名では、枝分かれして花をたくさん咲かせる「スプレーマム」丈の短い「クッションマム」・球状の花の「ピンポンマム」・鉢植え用の「ポットマム」です。
スプレー菊
スプレー菊はアメリカで育成された品種ですから「洋菊」の種類になり「スプレーマム」とも呼ばれます。スプレーは枝の先が分かれているという意味になるので、何本かに枝分かれした先に3〜6cmの花が、いくつも付いた形状の菊です。仏花にも周年使われますが、明るい色も多く観賞用にも使われます。
電照菊
菊の咲く時期は、本来は秋です。それを栽培方法でコントロールした菊の種類を「電照菊」と呼びます。菊が花を咲かせるまでの性質を利用した栽培方法です。人工的に日射量を調節することで、開花時期を早めたり遅らせたり、することをして一年中、菊の花を出荷できる栽培方法です。
食用菊
菊には食用として栽培される「食用菊」の種類もあります。東北地方で主に栽培されていて品種は「松波」「安房宮」などで秋が旬となりスーパーでも店頭に並びます。花びら、を茹でて酢の物や、合え物、てんぷらや、吸い物として食します。また、お刺身のつまとしても使います。独特の甘みがあります。
寒菊
菊の花期は秋ですが、冬の寒い時期に開花する菊を称して「寒菊」と種類付けることが多いようです。また「寒咲菊」とも呼ばれます。品種では「島寒菊」を指すことが多く、自然栽培では花の少ない、寒い時期に咲く花として重宝されます。また「島寒菊」は生薬として花びらを煎じたり、油に漬けて使用します。
菊には怖い意味がある?
「菊」と言えば「お葬式」「祭壇の花」「棺に入れる花」「仏前にお供えする花」によく使われることから菊には怖い意味があるのでは、とも言われています。そして花言葉に「怖い」言葉が含まれているからではないかという説もあるようです。「白い菊」が仏事に使われる理由も含めて解説します。
葬式に使われる
「菊」は、お葬式でよく使われます。また菊の色は白を使います。お葬式の色使いといえば黒・白・紫が主流です。では白い花の中でも、なぜ菊なのかという由来に、はっきりとした説はありませんが「格調の高い花と言われている」「白い菊は穢れが無いから」というみかたもあると言われています。ですから「怖い」という意味はありません。
但し以前から比べると、現在の、お葬式の花や仏花には、菊だけでなく洋花を使用することも多くなっています。
西洋の祭壇に菊を飾る風習
「菊」はお葬式の祭壇・花籠によく使われます。それは世界的に菊が仏事に使われていた事を、日本でも行われるようになったという説があります。ヨーロッパ諸国に置いても、お墓参りには「白い菊」を使います。また中国や韓国でも葬儀の際には、菊を主に使うそうです。しかし菊の花言葉の「真実」に「怖い」と感じるさせる意味はありません。
菊の花言葉はさまざま!知っておくと便利
「花言葉」から菊の花は品格の高い花ということが分かりました。しかし色によってマイナスの花言葉がついている色は、贈り物には注意が必要などが、花言葉を知っていると、気遣いもできます。また白い菊の花言葉は素敵ですが、イメージのことから、お見舞いに「白い菊」は避けることも分かりました。花言葉を知っていると花を使うシーンで便利です。