カラビナとは
昨今「カラビナ」という言葉を目にしたり耳にしたりすることがあるという人も少なくないでしょう。ですが実際にカラビナを持っているという人は少なく、持っていても使ったことがないという人も多いはずです。実はカラビナは結構特殊なものなので、持っている人が少なくても当然と言えます。
カラビナを使っている人を見たことがあっても、それがカラビナであると認識できる人は少なく、カラビナの用途などについても全く知らない人が多いです。なぜなら、カラビナの現物とカラビナという名前が結びつかないからです。
カラビナの名前も知らない人もいるでしょうから、まずはカラビナとはどういうものなのか、カラビナのことについてご紹介しましょう。
登山道具の開閉可能な金属リング
カラビナとは、登山道具の開閉可能な金属リングのことを指します。カラビナは登山用のロープなどをつないだりするために使われるもので、リング状の金属の一部が開けられるようになっていて、そこには開いたり閉じたりするための部品がついています。カラビナはその開閉部品をしっかりと閉めて使います。
カラビナの基本的なつくりはリング状の金属の一部が開閉できるようになっていて、その部分は基本的にはネジのようなスクリュー式の金具でしっかりと閉められるようになっていますが、スクリュー式の金具がない形式のカラビナもあります。
カラビナは意外に歴史の古いものですので、長い年月の間により使いやすく開発され続け、その姿は少しずつ進化し続けていると言えます。
カラビナの使い方
カラビナとは何かについてご紹介しましたので、次はカラビナの使い方についてご紹介します。カラビナは登山道具の開閉可能な金属リングだとご紹介しましたので、まず登山に使うことはわかるでしょう。ですがカラビナの使い方には登山以外にもあり、この金属リングは意外に色々な使い方ができると言えます。
カラビナの使い方にはどのような使い方があるのか、登山を含めてカラビナの使い方についてご紹介しましょう。
登山の場合
カラビナの使い方の一つ目は、登山の場合の使い方です。先にも少し触れたように、登山でカラビナを使う場合にはロープなどをカラビナでつなぐというのが一般的な使い方です。岩山などの登山をする場合、掴めるところがあまりないため、ハーケンという杭を岩肌に打ち付けてそれにロープを通したりして支点を作ります。
ロープやハーネス、ハーケンなどを使って支点を作りながら登ることによって、滑落事故などを防ぐことができます。登山におけるカラビナの使い方は、基本的にはこのような使い方になります。
身体をカラビナに預ける
登山におけるカラビナの使い方は先にご紹介した通りですが、ロープやハーネスやハーケンなどをつなぐカラビナは、登山家が自分の身体を預ける大切な道具であるとも言えます。カラビナには何種類もありますが、登山に使われるカラビナにはしっかりとした強度が求められます。それは、カラビナとは命を守るためのものだからです。
岩山などへの登山や雪まみれの冬山への登山は、何の道具もなくできることではありません。掴んで頼りにできるような木などもないような状況での登山では、ロープやハーケンやハーネスが必要になり、それらをつなぐカラビナは命をつなぐものであるとも言えます。
登山用にカラビナを購入する場合には、信用のおける登山道具のショップで、信用のおける登山道具ブランドのカラビナを購入しましょう。
工事現場の場合
カラビナの使い方の二つ目は、工事現場の場合の使い方です。架橋工事やビルの建設工事などの工事現場においても、カラビナは使われています。架橋工事やビルの建設工事などでは高所作業がかなり多いため、登山と同じように命がけの作業が必要になる場面も多く、命綱が必要な現場も多いです。
登山だけではなく、架橋工事やビルの建設工事などの現場でも、転落事故などを防ぐための命綱などにカラビナが使われていて、万一の時にも作業員が亡くなったりすることのないよう、大切な役割を果たしています。
安全帯につける
工事現場におけるカラビナの使い方は先に触れたように、命綱などにつけるという使い方ですが。架橋工事やビルの建設工事などの高所作業をする場合には、安全帯というものを身につけます。安全帯は命綱であるロープと、柱など支持物に固定するためのフックと、人の身体につけるベルトから成っています。
安全帯というとベルトだけのようなイメージですが、命綱の役割を果たすロープやフックなど、すべてを含めて安全帯になります。そしてこの安全帯を安全のためにしっかりと使って、高所作業をする人などの命を守るためにカラビナが使われます。
岩山や雪山への登山と同じく、架橋工事やビルの建設工事などの現場には掴まる所がなく大変危険です。このような現場でも、カラビナは命を守るために大切な役割を果たします。
日常的に使う場合
カラビナの使い方の三つ目は、日常的に使う場合の使い方です。カラビナの種類には登山用や工事現場用のしっかりとしたものだけではなく、ファッション小物として販売されている種類もあります。登山用や工事現場用とは違い、強度は高くありませんので、人の身体を支えるほど強いものはありません。
ですが、カラビナ本来の形状をしていれば、意外に色々な場面で色々な使い方ができますので、ご紹介しましょう。
ファッションや荷物をまとめる
日常生活におけるカラビナの使い方はまず、ファッション小物としての使い方です。カラビナの見た目をかっこいいと考える人の中には、何かをつないだりすることもなくカラビナ本体だけをバッグにつけてファッション小物として使うという人もいます。ですがファッション小物としてのカラビナは、他にも使い道があります。
ファッション小物としてのカラビナは強度は高くありませんが、何かを通して開閉金具を閉めると通したものを落としたりしません。なのでキーホルダー代わりに使うという使い方もできます。小さなバッグをいくつも持つ場合、荷物をまとめることもできます。
このようにカラビナには色々な種類があって、色々な場面で色々な使い方ができる便利なものだと言えます。
カラビナのゲートタイプの種類
カラビナの使い方について何種類かご紹介しましたので、次はカラビナのゲートタイプの種類についてご紹介します。カラビナは開閉可能な金属リングだとご紹介しましたが、この開閉部分を「ゲート」と言います。このゲート部分には元々しっかりとした金具がついていましたが、最近ではこのゲート部分が変化してきました。
登山などでより素早くロープなどにカラビナを取り付けるために、カラビナも色々と変化してきたということです。それではカラビナのゲートタイプの種類についてご紹介しましょう。
ストレートゲートカラビナ
カラビナのゲートタイプの種類の一つ目は、ストレートゲートカラビナです。これは本来のカラビナの形に極めて近いゲートの形をしていますが、大きな違いがあります。それは開閉部分に開閉するために別につけられるはずのネジ状の金具がついていないということです。バネの力によって、金具なしでもしっかりとキープできるようになっています。
そしてストレートゲートカラビナは、この開閉部分がまっすぐになっているので「ストレートゲート」という名前がついています。金具なしですばやくロープなどをつなぐことができ、とても便利になったカラビナです。
ストレートゲートカラビナの種類は、ゲートがうっかり開くといったことがほぼないため、主にプロテクション用に使われます。
ベントゲートカラビナ
カラビナのゲートタイプの種類の二つ目は、ベントゲートカラビナです。先にご紹介したストレートゲートカラビナという種類とは逆で、「ベント(曲げる)」という名前がついている種類のカラビナです。こちらは開閉部分の金具が内側に曲がっていますが、ストレートゲートカラビナと使い勝手はそう変わりません。
ストレートゲートカラビナ同様、ロープなどを素早くクリップすることができる便利なカラビナの種類です。ですがこちらはロープの通し方を間違えるとゲートが開いてしまうこともあるため、ロープの通し方に注意が必要です。
ワイヤーゲートカラビナ
カラビナのゲートタイプの種類の三つ目は、ワイヤーゲートカラビナです。通常のカラビナは開閉部分のゲートがしっかりしていますが、こちらの種類のゲートはワイヤーでできていて見た目は頼りないイメージです。ですが、他の種類のカラビナが凍結などに弱いのに対して、ワイヤーゲートは凍ってもすぐに取り除くことができるという利点があります。
また、見た目は頼りなさそうな細いワイヤーであるにもかかわらず、通常の種類のカラビナ同様に使うことができ、その上その細さゆえに手袋をはめた状態でも作業がしやすく、冬山の登山などに人気のカラビナです。
カラビナの形状の種類
カラビナのゲートタイプの種類についてご紹介しましたので、次はカラビナの形状の種類についてご紹介します。カラビナのゲートタイプにも種類がありますが、カラビナの本体の形にも種類がいくつかあります。なぜカラビナの本体の形に色々な種類があるかというと、使い道が違うからです。
カラビナはその本体の形に応じて色々な使い分けができます。それでは、カラビナの形状の種類についてご紹介しましょう。
オーバル型
カラビナの形状の種類の一つ目は、オーバル型と言われる形状です。オーバル型はアルファベットのOの字の形で、長方形のようなきれいな形をしています。オーバル型はこのOの字の上からも下からも荷重がかかる場合に使われることが多く、高所での荷物の上げ下ろしなどに使われるタイプになります。
HMS型
カラビナの形状の種類の二つ目は、HMS型と言われる形状です。HMS型のカラビナは上の部分が広く下の部分が狭くなっていて、洋ナシを逆にしたような形をしています。片側が広くなっているため、たくさんの荷物やロープなどをたくさん引っかけたいといった場合にとても便利です。
オフセットD型
カラビナの形状の種類の三つ目は、オフセットD型と言われる形状です。オフセットD型は、アルファベットのDの文字に似ているので「D型」と呼ばれていますが、Dを変形させたような形をしているため「変D型」とも言われています。オフセットD型のカラビナは登山の際に支点にロープを固定する場合などに多く使われます。
カラビナのおすすめブランド
カラビナのゲートタイプや形状の種類などについてご紹介してきましたので、次はカラビナのおすすめブランドについてご紹介します。これから登山を始めるという人の場合、予算が足りないと安物のカラビナで間に合わせようとする人もいるでしょう。ですがやはりちゃんとした登山道具のブランドの、信用のおけるカラビナがおすすめです。
カラビナのおすすめブランドにはどのようなブランドがあるのか、カラビナのおすすめブランドについてご紹介しましょう。
マムート
カラビナのおすすめブランドの一つ目は、マムートというブランドです。マムートは、登山家憧れのスイスで生まれた登山用品を製造するブランドで、150年以上の歴史がある老舗ブランドです。マムートは元々はクライミングロープの製造から登山用品の製造を始めましたが、その後カラビナなども製造し始めました。
マムートでカラビナを製造するようになったのは創業後2年からなので、カラビナの歴史も大変古く、そのためプロの登山家などから広く愛されています。登山用品の老舗であるマムートは、信用のおけるおすすめブランドです。
ロックテリクス
カラビナのおすすめブランドの二つ目は、ロックテリクスです。ロックテリクスは先にご紹介したマムートとは違ってまだ歴史は浅いですが、登山家が立ち上げた登山用品のブランドとして有名です。ロックテリクスはまず登山シューズの製造から開始し、カラビナを製造するようになってから10年少々です。
ロックテリクスのカラビナは他社ブランドのカラビナに比べると安価で頑丈、その上デザイン性も高いため人気があり、おすすめのブランドです。
マウンテンダックス
カラビナのおすすめブランドの三つ目は、マウンテンダックスです。マウンテンダックスは日本の登山用品のブランドで、40年以上の歴史があり、日本の登山用品のブランドの中では老舗的な存在だと言えます。マウンテンダックスの特徴は、日本の自然環境や気温に合わせるだけでなく日本人の体格や体型に合わせた登山用具を製造している点です。
海外のブランドの登山用具は日本人の体形などに合わないこともありますので、その点マウンテンダックスは日本人のことを考えたデザインで人気があります。マウンテンダックスのカラビナはシンプルでベーシックですが耐久性が高く、おすすめです。
ブラックダイヤモンド
カラビナのおすすめブランドの四つ目は、ブラックダイヤモンドです。ブラックダイヤモンドはアメリカのブランドで、創業から30年ほどとまだ歴史は浅いですが、カラビナの開発において目覚ましい貢献を遂げたブランドです。先にご紹介したワイヤーゲートカラビナは、このブラックダイヤモンドが開発しました。
ブラックダイヤモンドのカラビナは高性能で高耐久というだけではなく、ファッション性も高いため人気も高く、おすすめのブランドです。
ナイトアイズ
カラビナのおすすめブランドの五つ目は、ナイトアイズです。こちらもブラックダイヤモンドと同じく操業から30年程度とまだ歴史は浅いですが、こちらも画期的なカラビナを開発したことで有名です。カラビナの基本的なゲートや形状がありますが、ナイトアイズのカラビナはそれらとは一線を画するカラビナです。
通常のカラビナにはゲートが一つしかありませんが、ナイトアイズのS字カラビナにはゲートが二つあり、使い勝手の良さやファッション性などで大人気です。ナイトアイズもカラビナのおすすめブランドの一つです。
カラビナの人気商品
カラビナのおすすめブランドについてご紹介しましたので、次はカラビナの人気商品についてもご紹介します。カラビナのおすすめブランドでは登山用具としておすすめのブランドをご紹介しましたが、カラビナの人気商品には登山用具としてのカラビナ以外のカラビナも含まれています。
先にもご紹介したように、カラビナはファッションアイテムとしても使われるからです。それでは、カラビナの人気商品についてご紹介しましょう。
Faburo・12pcsロックカラビナDリング
カラビナの人気商品の一つ目は、Faburo・12pcsロックカラビナDリングです。このFaburo・12pcsロックカラビナDリングは、小さくてカラフルな12個のカラビナがセットになっていて、価格もお手頃なことから人気のカラビナです。ですが小さくて軽い分荷重は20kg程度で、ロープやハーケンなどにつなぐ登山用具としては使えません。
リュックサックに荷物をぶら下げるなどに使えるカラビナで、ファッションアイテムとしても人気の商品です。
ロックテリクス・パワー25スクリュー
カラビナの人気商品の二つ目は、ロックテリクス・パワー25スクリューです。このカラビナは先におすすめブランドの所でご紹介したロックテリクスのカラビナで、ベーシックなスクリュータイプの金具で開閉できるようになっています。このカラビナの耐荷重は最大2500kgと大変優秀で、登山用具として頼れるカラビナです。
見た目はブラックでとてもシャープで、ファッションアイテムとしても人気ですが、ファッションアイテムとしてはやや高価です。それでも本格的な登山にはとても頼れるカラビナですので、登山家の間で人気が高いです。
campstores・クライミングカラビナハードスチール
カラビナの人気商品の三つ目は、campstores・クライミングカラビナハードスチールです。campstores・クライミングカラビナハードスチールはロックテリクスのパワー25スクリューと同じく2500kgの高い耐荷重で、本格的な登山用具としてプロの登山家などから愛されています。
シンプルなシルバーにゲートの金具の赤がシャープで、見た目もファッショナブルではありますが、このカラビナはあくまでも実用向きと言えます。指一本で操作できる操作性においても人気のカラビナです。
Coceca・ロックカラビナ Dリング
カラビナの人気商品の四つ目は、Coceca・ロックカラビナ Dリングです。Coceca・ロックカラビナ Dリングは12個セットで販売されている小型のカラビナで、登山をする際にロープなどにつなぐカラビナとしては使えませんが、リュックサックなどにカップなどをぶら下げる時に使うことができます。
12個セットですので、子供のランドセルにシューズバッグをぶら下げたりするなど、様々な使い方ができるため、登山家ではない一般の人達にも人気の商品です。
tsubasa・オートロック式カラビナ
カラビナの人気商品の五つ目は、tsubasa・オートロック式カラビナです。このtsubasa・オートロック式カラビナはカラビナの人気商品の第一位で、その耐荷重は3000kgととても高く、本格的な登山向きのカラビナです。またオートロック式なのでうっかり閉め忘れるといったこともなく、そういった安全面でも人気です。
tsubasa・オートロック式カラビナはオフセットD型で汎用性が高く、プロの登山家などだけではなく救難などの状況でもとても役立つカラビナです。なのでファッションアイテムとしてではなく実用品として人気のカラビナです。
カラビナは登山道具として安全を確保するもの
カラビナとはどのようなものなのか、どんな種類があってどのカラビナがおすすめなのかなど、カラビナについて色々とご紹介してきましたが如何だったでしょうか。ファッションアイテムとして使われることもありますが、カラビナは登山道具として安全を確保するものだということを覚えておきましょう。