家紋の調べ方とは?苗字やお墓で分かる種類・意味・家の由来も解説!

家紋の調べ方とは?苗字やお墓で分かる種類・意味・家の由来も解説!

自分の家の家紋を調べたいと思ったことはありませんか?実際調べようと思ってみても調べ方が分からない人も多いのではないでしょうか?この記事では、そんな家紋の調べ方や、苗字やご先祖様のお墓で分かる家紋の種類や意味、そして家紋の由来について詳しく紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.家紋とは
  2. 2.家紋の歴史
  3. 3.家紋として使われやすいマークもある
  4. 4.家紋の調べ方
  5. 5.家紋の調べ方で調べても見つからない場合
  6. 6.戦国武将の家紋
  7. 7.家紋はどういった所で使う?
  8. 8.家紋の調べ方はまずはお墓を確認すること

家紋とは

Photo by tiseb

「家紋」のことは知っているけれど、その「家紋」の種類や意味、由来については知らない人も多いのではないでしょうか?まず最初に「家紋」について由来や種類、意味などを詳しく紹介していきましょう。

先祖と家に伝わる紋章のこと

Photo byAlLes

まずは「家紋」について紹介します。「家紋」とは、先祖と家に伝わっている紋章のことを言います。簡単にいうと、その家のロゴマークみたいなものになります。

「家紋」の由来は、諸説ありますが、平安時代に公家達が使用していた牛車の文様を施していたことが有力とされています。この紋様を「車紋」と呼びます。

家紋には様々な種類や意味がある

Photo byKaz

そんな由来をもつ「家紋」には「植物紋」「動物紋」「天然紋」「文様紋」「建造紋」など、様々な種類があります。特に多いのは、花や葉をモチーフにした「植物紋」が多いとされています。三つ巴の家紋は、分様紋の中で代表的な家紋になります。

また「家紋」には、様々な意味や由来があります。それらを意味を家紋を拵えたと言われています。そんな「家紋」の意味や由来について、後ほど詳しく紹介していきます。

家紋の意味の調べ方

Photo byBerzin

「家紋」の意味の調べ方について紹介します。「家紋」の意味は、インターネットで「家紋・意味」で検索すると、様々なサイトから「家紋」の意味を調べることが出来ます。また「家紋」が分からなければ、「家紋」の意味と一緒に親族に聞いてみても良いでしょう。

家紋の歴史

Photo by orangeobject

「家紋」には、どんな歴史があるのでしょうか?「家紋」の歴史は、平安時代後期まで遡ります。平安時代後期までも、家紋に由来する文様は存在していたと言われています。平安時代後期までは、主な目的として、調度品などで「家紋」が多く使われていたようです。

その後、貴族が各家固有の目印として「家紋」が使われ、公家など一部の特権階級のみが、牛舎などに「家紋」を付けて披露して歩き回り始めたのが「家紋」の由来とも言われています。

家紋は鎌倉時代からある

Photo by Hyougushi

「家紋」は、源平の対立が激しくなった平安時代末期に「家紋」が武家に伝わり始めます。戦場に置いて、敵と味方の区別をしやすくするために「家紋」を入れた軍旗を掲げていたと言われています。

鎌倉時代の中頃になると、武士に「家紋」の習慣が伝わっていき、武家社会に「家紋」の文化が定着してきました。室町時代になると、武士の間で「家紋」を衣服に縫い付ける習慣が普及していくようになります。

現代では、伝統芸能や祭祀、老舗の店舗などには、先祖代々から「家紋」が受け継がれています。冠婚葬祭には「家紋」が入った礼服(和服)を着る習慣も残されています。

家紋として使われやすいマークもある

Photo by *Yaco*

日本には、5000種類以上の「家紋」が存在すると言われています。この中でも特に多く使われているマークがあります。この使われやすいマークを付けた「家紋」を「5大家紋」と呼びます。その「5大家紋」や「10大家紋」の由来について紹介します。

10大家紋と5大家紋・その由来

Photo by peacay

「家紋」で特に多く使われている「5大家紋」には「鷹の羽紋」「片喰紋」「木瓜紋」「藤紋」「桐紋」の5種類があります。またこの「5大家紋」に「蔦紋」「茗荷紋」「沢瀉紋」「橘紋」「柏紋」の5種類を加えると「10大家紋」になります。

鷹の羽紋

Photo by andjohmoe

「5大家紋」の種類その①「鷹の羽紋」(たかのは)です。その名の通り、鷹の羽をモチーフにした「家紋」となります。世間に多く使われている家紋として「10大家紋」に数えられています。

Photo by andjohmoe

「鷹の羽紋」には2種類のデザインがあり、羽を2枚交差させた「違い鷹の羽」と羽を2枚並べた「並び鷹の羽」などがあります。その他にも種類が豊富にあり、60種類以上の「鷹の羽紋」のデザインがあると言われています。

Photo by andjohmoe

「鷹の羽紋」は、後醍醐天皇の皇子が使ったことが由来と言われています。その皇子が使用していたのが「並び鷹の羽紋」です。「並び鷹の羽紋」は、2つの羽が並んだ家紋の事を言います。

片喰紋

Photo by andjohmoe

「5大家紋」の種類その②「片喰紋」(かたばみ)です。この「片喰紋」は、かたばみをモチーフにした植物紋となります。子孫繁栄を願い作られた家紋として作られました。「片喰紋」には「丸に片喰」や「片喰蝶」など約120種類のデザインがあります。

Photo by andjohmoe

この「片喰紋」の「片喰」(かたばみ)は、道端に生えている小さな植物です。雑草でもある「かたばみ」は、生命力・繁殖力がとても強く「子孫繁栄」の意味合いも込めて、武将に好まれたのが由来と言われています。

「剣片喰」という紋は、剣をあしらっている家紋で、武家の家紋として強くイメージされていたものと言われています。

木瓜紋

Photo by ckaiserca

「5大家紋」の種類その③「木瓜紋」(もっこうもん)です。この「木瓜紋」は、瓜の切り口や、瓜そのものをモチーフにしたという説があります。また鳥の巣とする説など、様々な由来や諸説がある家紋です。織田信長が使った「織田木瓜紋」も有名です。

「木瓜紋」は、唐の時代に官服の文様として使われていたのが由来とされています。奈良時代に日本に伝わったと言われています。

この「木瓜紋」は、瓜の断面図をモチーフにしたものと言われていますが「子孫繁栄」を意味する鳥の巣をモチーフにしたとも言われています。

藤紋

Photo byCapri23auto

「5大家紋」の種類その⑤「藤紋」(ふじもん)です。名前の通り、藤の花をモチーフにした家紋となります。「藤紋」は、名前に「藤」のある苗字(伊藤・佐藤・後藤・斎藤など)で使われている家紋です。「藤紋」には、上がり藤・下がり藤など約130種類が存在します。

Photo byNoupload

「藤紋」は藤の花や葉がモチーフとなっています。藤の花は、生命力がとても強い植物として知られています。「藤原氏」が「藤紋」を使い、永らく栄えることになり、これにあやかり「藤紋」が広まったことが由来とされています。

桐紋

Photo by andjohmoe

5大家紋の種類その⑤「桐紋」(きりもん)です。「桐紋」は桐をモチーフにした家紋です。「桐紋」は「菊紋」と同じく、皇室で使われている家紋となります。豊臣秀吉の「太閤紋(五七桐)」も桐紋の家紋です。「五七桐」「五三桐」を含め約150種類存在します。

桐の木がモチーフとなっている「桐紋」は、その昔、中国では、神聖な植物として扱われてきました。その神聖が日本にも伝わり、格式高い特別な家紋となりました。鎌倉時代では、天皇家が着用する衣に「桐紋」があしらわれるようになります。

以上の事から、桐紋は皇室と定着するようになり「菊紋」と「桐紋」も皇室紋として使われるようになりました。その由来から明治時代以降には、日本政府の紋章は「桐紋」が採用されていることでも知られています。

蔦紋

Photo by 池田隆一

ここからは10大家紋の意味や由来を紹介します。10大家紋の種類その⑥「蔦紋」(つたもん)です。蔦は、古来より文様として使われてきました。その蔦をモチーフとした家紋が「蔦紋」です。戦国武将の松永久秀が使用していたことでも有名です。

Photo by hiyang.on.flickr

この「蔦紋」には「東堂蔦」や「三河蔦」など約80種類が存在します。生命力が強い演技の良い植物として「蔦紋」が家紋に採用されたのが由来とされています。江戸時代に入ると、花柳界や女性に人気があったと言われています。

Photo byKlausHausmann

花柳界や女性に人気があった理由は、蔦のように客に絡まり、離さないという縁起を担いだとも言われています。「源氏物語」や「枕草子」では、平安時代に衣の文様に採用されたことが書かれており、そこから多くに知られたと言われています。

茗荷紋

Photo by houroumono

10大家紋の種類その⑦「茗荷紋」(みょうがもん)です。茗荷は縁起が良い植物とされていることから、モチーフとされた家紋です。「茗荷紋」には「立ち茗荷」や「抱き茗荷」が有名です。種類が多く存在し、現在では約60種類存在しています。

Photo by brewbooks

「茗荷紋」は、みょうがの音が「冥加」(神仏の加護を意味する)にも通じていることから、そのご加護を享け、縁起が良い紋とされ、各地の神社や仏閣で採用されてたと言われています。天台宗の「摩多羅神」の神紋として、戦国時代以降から採用されてきました。

「茗荷紋」の由来には、馬具の一種である「杏葉」をモチーフにした「杏葉紋」(ぎょうようもん)と、形が似ていることから変化したという説もあるそうです。

沢瀉紋

Photo by andjohmoe

10大家紋の種類その⑧「沢鷹紋」(おもだかもん)です。「沢鷹」は、夏に咲く白いきれいな花の事を言います。その「おもだか」をモチーフにしたのが「沢鷹紋」です。「沢鷹紋」は毛利家や福島正則が使っていた家紋となります。

「沢鷹紋」は、奈良時代頃から主に貴族の牛車・武具の紋様として使われるようになりました。植物の葉の形が鏃(やじり)の形に似ているとされ「勝戦草」(かちいくさぐさ)の別名もあります。戦国時代以降には、武家に人気の家紋として広まったと言われています。

また、毛利元就が「沢鷹」(勝戦草)に「蜻蛉」(とんぼ・勝虫)が止まったのを見て、戦いに勝ったことにちなみ「沢鷹紋」を使い始めたとも言われています。

橘紋

Photo by andjohmoe

10大家紋の種類その⑨「橘紋」(たちばなもん)です。「橘紋」は、柑橘系の植物「橘」をモチーフとした家紋となります。この「橘紋」には「薬師寺橘」や「丸に橘」など約80種類が存在しています。

「橘紋」の由来は、彦根の井伊氏の家紋としても知られています。また、戦国武将・井伊直弼が「橘紋」を使ったことから有名になった家紋でもあります。「橘」の読み方に「太刀」を当てはめ「太刀花」とされていたことから、武家との関係が強かったことも分かります。

柏紋

Photo byMAKY_OREL

10大家紋の種類その⑩は「柏紋」(かしわもん)です。「柏紋」は神聖の木とされていた「柏」をモチーフとされた家紋です。神職家でこの「柏紋」が使われていました。戦国武将の島左近の家紋が「柏紋」となります。「三つ柏」などを含め約120種類が存在します。

Photo by Yuya Tamai

「柏紋」の「柏の葉」は、神様に供物を捧げる時の器の代わりに使われていました。これを由来とし「柏」は神聖なものとして扱われるようになりました。神社でお参りする時に「柏手を打つ」ように、神社とも縁が深いと言われ、柏を神紋とする神社も多く存在します。

家紋の調べ方

Photo byClker-Free-Vector-Images

ここまで「5大家紋(10大家紋)」についてご紹介しましたが、それでは「家紋」を調べる時には、どんな調べ方があるのか紹介しましょう。

「家紋」の調べ方には①お墓を見る、②本家に確認する、③明治の戸籍を確認する、④同性の人に聞いてみるなどがあります。ここからは、これらの方法を利用した「家紋」の調べ方について紹介していきます。

家紋の調べ方①お墓を見る

Photo by MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)

家紋の調べ方その①「お墓を見る」です。最初に確認をしてもらいたいのがご先祖様が眠るお墓です。仏壇や着物、袱紗(ふくさ)などにも家紋が入っている場合がありますが、一番確実な調べ方は「お墓」です。

「家紋」が彫られているお墓を確認するのが、確実な調べ方となります。またご先祖様のお墓に「家紋」が彫られていない場合もあります。この場合には、どうすればいいのでしょうか?その調べ方が②「本家に確認する」となります。

家紋の調べ方②本家に確認をする

Photo bygeralt

「家紋」の調べ方その②「本家に確認する」です。ご先祖様のお墓に「家紋」が彫られていない場合、本家が分かる場合は、本家に確認をしてみましょう。本家の人に聞いてみるか、または本家のお墓を確認してみると「家紋」がお墓に彫られていることがあります。

Photo by MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)

本家のお墓に「家紋」が彫られていれば、特に大きな変更がない限り、その「家紋」が家の家紋となります。もし本家のお墓を確認しても「家紋」が彫られていない場合は、どうすれば良いのでしょうか?その調べ方が③「明治の戸籍を確認する」となります。

家紋の調べ方③明治の戸籍を確認する

Photo bycongerdesign

家紋の調べ方その③「明治の戸籍を確認する」です。ご先祖様のお墓に家紋が彫られていない場合や、本家が分からない場合には、最も古い戸籍(明治の戸籍)を取得する必要があります。古い戸籍を取得すると本家の苗字が分かる場合もあります。

戸籍を取得する際の注意点は、直系のご先祖様が記載されている戸籍のみ取得することができます。誰のものでも取得することはできないので、戸籍を取得する際には、ご先祖様の苗字の確認などをしておくと良いでしょう。

Photo byClker-Free-Vector-Images

明治の戸籍を取得したら、その戸籍に記されているご先祖様の本籍地が、現在のどの場所にあたるのかを調べてみましょう。調べ方としては、区市町村の役場に問い合わせるか、インターネットでも調べることもできます。

戸籍を確認して、現在の地名や番地が分かったら、その場所や近所に同じ苗字の家を探し、連絡をしてみましょう。同じ苗字の家の存在は、住宅地図や電話帳で調べることができます。

家紋の調べ方④同姓の人に聞いてみる

Photo by fukapon

「家紋」の調べ方その④「同性の人に聞いてみる。」です。明治の戸籍で同じ苗字(同性)の人を見つけたら、連絡をしてみましょう。同じ苗字の人が住む家が古くから、該当する地名に住んでいるようであれば、おそらく遠い親戚の可能性があります。

同じ苗字(同性)の人が、遠い親戚の可能性がある場合は、同じ「家紋」を使っている可能性があります。ただし、同じ苗字(同性)の人に連絡をする場合、手紙などで自分の素性や目的を事前に伝えてから電話や訪問をするようにしましょう。

古い本籍地や近所に同姓の家がない場合には、調べる範囲を少し広げ、その地域のお寺やお墓(墓所)で同性の家を探してみましょう。同じ地域の同性は、皆同じ家紋を使っている可能性があります。以上が「家紋」の調べ方になります。

家紋の調べ方で調べても見つからない場合

Photo byHNDPTESBC

もし、ご先祖様のお墓やご先祖様が住んでいた場所に本家がなく、遠い親戚や同じ苗字(同姓)の家もないという場合には「家紋」が見つかる可能性が低いとされています。

「家紋」を調べても分からない場合、新しい「家紋」を自分で作ることができるのでしょうか?ここからは「家紋を新しく作ることが出来るのか?」について詳しく紹介していきます。

家紋を新しく作ることは出来るのか

Photo bygeralt

ご先祖様の本家やご先祖様のお墓を調べても「家紋」が分からない場合、新しく家紋を作ることは出来るのでしょうか?「苗字で決まっているわけではなく、戸籍や登記簿を確認しても「家紋」は登録されていません。著作権もないので、自由に選ぶことができます。

家紋は自由に選べる

Photo byClker-Free-Vector-Images

ご先祖様の本家やご先祖様のお墓を調べても「家紋」が分からない場合は、自分んの好きな「家紋」を選び、自分の家の「家紋」として使うことができます。

「家紋」を選ぶ時には、苗字と地域から「家紋分布」の特徴が分かる本を、図書館で探してみましょう。大きめの図書館であれば置いてある可能性が高いです。この本を参考に、家族や親戚と相談をしながら「家紋」を選ぶのも方法のひとつとなります。

苗字で家紋を作るサイトもある

Photo by377053

インターネットが普及した現在では、苗字で家紋が作れるサイトも存在しています。自分の苗字を入力して「検索」してみると、自分の苗字の由来や語源、苗字が多く使われている地域の他に、苗字の「家紋」などを確認することができます。

Photo byStartupStockPhotos

また、パソコンで苗字を検索すると、その苗字が多く使われている地域がランキング形式で確認することができます。ご先祖様の苗字が分かっている場合には、インターネットで「家紋」の検索する方法も、おすすめのひとつです。

戦国武将の家紋

Photo bytmooyy

戦国武将の「家紋」をいくつご存知ですか?戦国武将の「家紋」の中で、特に有名なのが「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」です。この3人の「家紋」には、どのような意味や由来があるのでしょうか?紹介していきましょう。

織田信長

Photo by misooden

戦国時代から安土桃山時代の戦国大名・天下人の織田信長は、日本人であれば誰もが知っている存在です。しかし織田信長の「家紋」については知らない人も多いのではないでしょうか?まずは、織田信長の「家紋」を紹介します。

織田信長の「家紋」には、7種類の「家紋」があります。1つ目は「織田木瓜」(おだもっこう)です。織田信長の家紋として最もよく知られている家紋となります。また10大家紋としても有名です。瓜の断面や花の形といった説がありますが、理由は明確になっていません。

Photo by mk*

織田信長の「家紋」2つ目は「揚羽蝶」(あげはちょう)です。もともとは平氏の家紋だった「揚羽蝶」でしたが、平氏の流れをくむと称して織田信長もこの家紋を使っていました。そして3つ目の「家紋」は「永楽通宝」(えいらくつうほう)です。

この「永楽通宝」は、中国の明から輸入された通過をモチーフにした家紋です。織田信長はこの「永楽通宝」を旗紋として使っていたことで有名です。そして4つ目の「家紋」は「五三桐」(ごさんのきり)です。

Photo by tenz1225

この「五三桐紋」は、皇室が使う家紋として有名です。この桐紋は豊臣秀吉も使用しています。そして5つ目の「家紋」は「丸に二引両」(まるににひきりょう)です。この紋は足利将軍家の家紋を織田信長がいただいたものです。

Photo by Olis Olois

そして6つ目の「家紋」は「十六葉菊」(じゅうろくようぎく)です。こちらも皇室で使われている家紋として有名です。正親天皇から織田信長が頂きました。そして7つ目の「家紋」は「無文字」(むもじ)です。善の教えから作られた「家紋」になります。

以上のように、織田信長には7種類の家紋を持っていました。織田信長の家紋で有名なのは「織田木瓜紋」でしたが、この「木瓜紋」を含めて7種類の家紋があったことを知らなかった人も多いのではないでしょうか?

豊臣秀吉

Photo by 柏翰 / ポーハン / POHAN

続いて「豊臣秀吉」の「家紋」について調べてみましょう。豊臣秀吉は別名羽柴秀吉(はしばひでよし)とも言われ、武家の関白、太閤であり三英傑の一人として知られています。その豊臣秀吉は「桐紋」を家紋として使用していました。

豊臣秀吉が使用する「桐紋」は「花序」が3本立っているデザインとなり、花序に付いている花の個数により分類されています。豊臣秀吉は「五三桐紋」と「五七桐紋」を使っていました。

豊臣秀吉が使う「桐紋」のうち「五三桐紋」は、花序に付く花の個数が、左から3個・5個・3個のものを「五三桐」と呼び、花序に5個・7個・5個付いているものを「五七桐紋」と呼びます。

Photo by kanegen

豊臣秀吉が使用する「五三桐紋」は、後醍醐天皇から足利将軍家、そして織田信長と受け継がれました。その織田信長から豊臣秀吉へと受け継がれたと言われています。「五七桐紋」は、羽柴から豊臣姓となった時に、御陽成天皇から与えられました。

また、豊臣秀吉は「木下藤吉郎」と名乗っていた時には「立ち沢鷹紋」(たちおもだかもん)を使用していました。この「立ち沢鷹紋」は、妻であった「ねね」の実家の家紋でもあります。家紋を持つ家の出はなかったため、妻の実家の家紋を借りたと言われています。

徳川家康

Photo by misooden

徳川家康は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、戦国大名そして三英傑のひとりです。徳川家康の「家紋」は「葵紋」となります。この「葵紋」は数多く種類がありますが、徳川家康が使っていたのは「徳川紋」と呼ばれた「家紋」です。

この「徳川紋」は、水戸黄門でも有名になりました。「葵紋」は、京都の「賀茂神社」の神紋です。賀茂神社との由来が深いことから「加茂紋」と呼ばれることもあるそうです。

徳川家の「家紋」「三つ葉葵紋」は有名ですが、実は徳川家康自身が「左三つ巴」と呼ばれる紋を参考に作ったと言われる説もあるようです。日光東照宮には徳川家康が祀られ「三つ巴紋」が使用されています。日光東照宮に行く機会があれば、ぜひ探してみてください。

家紋はどういった所で使う?

Photo by tiseb

「家紋」について紹介してきましたが、それでは「家紋」はどういったところで使うのでしょうか?日本では「家紋」を使うことに制限がなかったため、庶民でも「家紋」を使うことができました。また戦国時代には旗印として「家紋」が使われてきました。

「家紋」の使われ方には例外もあり、天皇家の「家紋」は「菊の紋章」で、特別な「家紋」でした。この「菊の紋章」は、旧皇族または天皇から賜った場合以外では、原則的に使用は認められていません。「家紋」が「菊紋」でも、天皇家とは関係がない場合もあります。

明治時代の家紋の使われ方

Photo by s.itto

「明治時代の「家紋」の使われ方」について紹介します。明治時代にナルト庶民の間でも、自分の家紋を使えるようになりました。日本式の家屋では、瓦に家紋を入れることもあります。また、先祖のお墓でも「家紋」を彫ることも多くなりました。

また、結婚式などで着ることが多い「礼服」に合わせるネクタイに家紋を入れる使い方もあります。他にも「家紋」を入れた風呂敷などもあります。既婚女性は「家紋」入りの留袖を持っている人も少なくはないでしょう。

留袖にも家紋の模様を入れていた

Photo by sakura_chihaya+

「留袖」は、既婚女性にとって、格式の高い礼服です。現在は、着物の下半身部に模様が入っている「江戸褄」が主流ですが、江戸時代では、未婚の時に着ていた振袖の袖を短くしたものを「留袖」と呼んでいました。

江戸時代では、色や模様は特に関係なく、袖を詰めた着物を「留袖」と呼び、既婚女性が着る礼服とされていました。明治時代になると「黒留袖」が一般的になります。

「黒留袖」の上半身は「家紋」だけで原則無地となります。背中の中央・後ろ袖・前胸の5ヶ所に「家紋」が入った「五つ紋」と、背中の中央・後ろ袖の3ヶ所に「家紋」が入った「三つ紋」、そして背中の中央のみ「家紋」が入った「一つ紋」、無紋があります。

Photo by Yuya Tamai

また、関西と関東では「女紋」の意味が異なると言われています。関西では、この「女紋」を母から娘へと受け継いでいます。留袖でも使われていることが多いようです。

嫁入り道具として留袖を持参する場合には、実家の「家紋」を入れる場合もあり、嫁ぎ先の「家紋」ではない場合もあります。

Photo by テッド (Ted)

また、東日本(関東)では、武将たちが使う「家紋(表紋)」のほかに、いくつかの「家紋」があり、その他の「家紋」を「替え紋」と呼んでいました。「表紋」は男性が使い「替え紋」は女性が使う家もあったとされています。

関東では、既婚女性が使う「家紋」は、実家の「家紋」ではなく、嫁ぎ先の「女紋」を使っています。以上のように、関西と関東では「女紋」の意味や使い方が異なります。関西の「女紋」は、商家で使われていますが、関東では、格式の高い家系で使われています。

また「五三の桐紋」(通紋)や、揚羽蝶・蔦などの紋様を「女紋」と呼ぶこともあります。これらは、女性でも使うことが出来る紋様となります。

家紋の調べ方はまずはお墓を確認すること

Photo by peacay

「家紋」を見ることが少なくなってきた現代なので、自分の家の「家紋」を知らない人も多くなっているそうです。「家紋」の小物類を持っている人もいますが、それは好きな武将の「家紋」を持つ場合が多いとされています。

結婚式など、格式が高い場所では「家紋」を使う場合もあります。その「家紋」を調べる場合には、まずはご先祖様が眠るお墓で確認してみましょう。「家紋」が彫られていれば、そこから自分の家の「家紋」を確認することが出来ます。

「家紋」が必要になった時に、調べ方が分からない場合には、このページを参考にしてみてください。参考になってもらえると幸いです。この機会に、自分の「家紋」を確認してみてはいかがですか?

sakurai
ライター

sakurai

東京生まれ、東京育ちの東京っ子です。趣味は旅行ですが、皆さんにも分かりやすい情報をお届け出来るように様々な記事を紹介していきます!

関連するまとめ

人気の記事