髪の自然乾燥は傷みの原因?
髪の自然乾燥は、髪のくせ毛やフケ、髪の痛みの原因になると巷ではよく聞きます。美容師でもドライヤーを使って髪を乾燥させることを推奨しています。美容室へいったら、必ずドライヤーを使用して髪を乾燥させましょうと説明されることがあります。
髪によくないことは、知ってはいても本当のところお風呂に入った後に、髪を乾かすのが面倒臭くてドライヤーをしないときもあるという方もいるのではないでしょうか。今回は、ドライヤーを使わずに自然乾燥で本当に髪がいたんでしまうのか説明します。
自然乾燥で髪が傷むことはない
見出しの通りですが、自然乾燥で髪が痛むのか結論からいうと答えは「NO」です。自然乾燥では、髪は傷みません。
髪が痛むということは、髪の内部の栄養分が流れてしまったり、髪をコーティングしているキューティクルが傷ついて、髪の状態が悪くなるということをいいます。
自然乾燥という状態は、塗れていた髪の水分が蒸発して乾くということです。この髪の痛むという状態と自然乾燥という状態とは、髪が痛む原因には、何ら関係性はないからです。
髪の自然乾燥のメリット
自然乾燥が髪の痛みの直接的な原因ではないということを前項では説明しました。今までは、ドライヤーで髪を乾燥させないと、髪が痛むから面倒くさいけど髪をドライヤーで乾かしているといった方も中にはいるでしょう。ここからは、髪を自然乾燥した場合のメリットを説明します。
時間や手間がかからない
髪を自然乾燥した場合の一番のメリットは、ドライヤーで髪の乾燥に使っていた時間やドライヤーをかける手間がないということです。
さらに、ドライヤーをかけないということは、ドライヤーに使っていた電気代の節約にもなります。一般的なドライヤーで「強」モード(1200W)で10分使用したとすると、約4.4円で1ヶ月で換算すると132円程度で1年間では1,600円の電気代の節約になります。
ただ、1年間ずっとドライヤーを使わずに自然乾燥で髪を乾かしていますという人は、ほぼいませんので時間と手間の部分が一番のメリットといえるでしょう。
摩擦を受けない
髪を自然乾燥するメリットは、時間と手間だけではありません。髪は熱と摩擦に弱いということもあるため、自然乾燥でドライヤーでの熱と摩擦を受けない状態ができます。
また、自然乾燥はドライヤーの熱や風による頭皮の乾燥も防ぐことが出来るため、ドライヤーの熱や摩擦による髪や頭皮のダメージがなくなります。頭皮の乾かしすぎは、乾燥をまねきフケが発生する原因にもなります。
髪の自然乾燥のデメリット
今までの説明では、自然乾燥では髪は傷まない、ドライヤーで髪を乾かす時間と手間がなくなるといった部分を説明しました。
自然乾燥は髪が痛むからドライヤーを使っていたけど、髪の痛みや手間がなくなるならばドライヤーをやめて自然乾燥にしようと思う方もいるでしょう。
しかし、髪の自然乾燥にもデメリット部分がありますので、ここからはその自然乾燥のデメリット部分に関して説明します。
パサつきやすくなる
まず最初に、髪の自然乾燥のデメリットは、パサつきやすくなってしまうということです。このパサつきは、髪のキューティクルが開くことによっておこる現象です。
髪の外側をコーティングしているキューティクルは、髪の内部の水分や栄養分が流出しないよう保護しているのと髪のツヤを保って綺麗に見せるといった見た目の部分にも重要な役割をはたしています。
キューティクルはうろこ状になっていて、髪が濡れることによってキューティクルが開いた状態になります。
自然乾燥をすると髪が濡れた状態がドライヤーをかけた時よりも長いので、キューティクルが開いた状態で髪の内部の水分も一緒に蒸発してしまって、乾いたころには髪がパサついて綺麗に見えない状態になってしまいます。
細菌が繁殖してフケの原因に!
自然乾燥は髪が乾くまでの間が長いので、頭皮が湿った状態が続くため雑菌が繁殖する原因になります。髪を洗髪して綺麗で清潔な状態にもかかわらず、自然乾燥で頭皮に雑菌が繁殖しべたつきやすくなり、においやかゆみ、さらにフケの原因になります。
特に、襟足と後頭部は一番乾きにくい場所です。濡れている状態でそのまま寝てしまうのは、さらに菌が繁殖しやすくなる湿った環境を作ってしまうため、頭皮のフケや炎症をまねいてしまう原因になってしまいます。
毎日お風呂でシャンプーをして綺麗な髪なのに、フケが発生しているといったことがあるのは、頭皮をきちんと乾かしていないからといったこともあるかもしれません。
頭皮の温度が下がり冷えの原因に!
自然乾燥は髪が濡れいる状態が長時間続きますので、頭皮の表面温度がさがってしまいます。頭皮の温度が下がると、血流が悪くなり髪に栄養分が届きずらくなってしまいます。
冷房がきいた部屋などの寒い場所で長時間濡れた状態のままでいると、さらに頭皮の温度が下がってしまうのと身体を冷やしてしまう原因となってしまうので、風邪をひいたり健康状態も悪くなりやすくなります。
また、冷暖房のきいた部屋は頭皮が乾燥しやすい環境ですので、うるおいがなくなるとフケの原因にもなりますので非常に不衛生にみえてしまうといったこともあるので注意が必要です。
くせ毛がつきやすくなる
髪を完全に乾かさない状態で寝てしまったときに、枕の寝ぐせでくせ毛が普段よりひどくついてしまったという経験は皆さん体験したことがあるでしょう。これは髪の内部の結合がずれて、それがくせ毛になる原因となっています。
このくせ毛の原因になる髪の内部の結合は、髪が濡れるとゆるんだ状態になり乾くと固定されます。自然乾燥で髪が雑なままで放置して乾くと、そのままの形で結合されますので、もともとの自分のくせ毛が反映されてしまう原因になります。
ドライヤーでの正しい髪の乾かし方
自然乾燥でのダメージやメリットとデメリットの部分を説明してきましたが、ドライヤーが面倒くさいという手間や髪の熱と摩擦によるダメージが少なくなる点では、自然乾燥はとてもよい選択でしょう。
しかし、自然乾燥でのパサつきと頭皮の健康状態の悪化やくせ毛の原因になるという点では、ドライヤーを使って髪を乾かしたほうが、くせ毛を綺麗に直せたり、フケの発生を防いだり、頭皮や髪の健康状態を健やかにたもつ点では優れています。
自然乾燥のメリットとデメリットを確認したうえで、ドライヤーのダメージが少なくなる正しい髪の乾かし方について、ここでは説明します。
3秒以上同じ場所に当てない
お風呂から上がったあとは、髪をやさしく包み込むようにタオルドライします。わしゃわしゃと雑にタオルドライをしていますと、髪が濡れている状態で傷つきやすくなっているため髪の痛みの原因になります。
タオルドライした後は、ドライヤーを使って髪の根元から乾かします。根元にドライヤーの風を当てることを意識して乾かすと、髪全体を乾かせるので効率がよくなります。
よく、髪の毛先から乾かすと根元が乾いてない半乾きの状態になって髪全体が乾きにくいのと、毛先は一番髪の中でダメージが多い場所になるため、さらにドライヤーの熱のダメージを与えてしまうといったことになり効率が悪いです。
また、濡れている髪は熱と摩擦に弱いためドライヤーの温風をかける際には、左右に揺らして同じ部分に3秒以上あてないように、手ぐしを使って乾かしましょう。
仕上げは冷風で綺麗に整える
髪が乾いたら最後の仕上げとして、ドライヤーの冷風をあてると髪にツヤがでて綺麗にみえます。ドライヤーで冷風を髪に当てている際には、髪の毛を綺麗に整えるように手ぐしやブラシを使ってドライヤーをかけると綺麗にセットができます。
髪に温風で熱を加えた後に冷風で整えながら髪を乾かしていくと、髪の性質上そのまま固定されて綺麗に整ったくせをつけることが出来るため、この髪の性質を利用してストレートアイロンやコテを使ったあとに最後の仕上げとして冷風で整えるのもおすすめです。
髪の自然乾燥はデメリットの方が多い!
今回は、自然乾燥のメリットとデメリットの部分について紹介しました。自然乾燥は、お風呂から上がったあと、面倒くささを感じるドライヤーをする時間が無くなって、時間を有意義に使えるといったメリットが大きいです。
しかし、髪に与えるダメージやくせ毛、頭皮の健康状態を悪くしてしまったりするデメリットの部分がメリットよりも大きいです。
今では、髪をいたわってすぐ乾かせる機能が充実しているドライヤーが出てきていて、ドライヤーも進化してきていますので、電気量販店や口コミサイトなどで是非調べてみてはいかがでしょうか。