冷蔵庫の水抜きの準備
引っ越し時、準備が大変なもののひとつに冷蔵庫があります。業者さんに「水抜きしておいてください」と言われたけど、何をすればいいのか分からない、なんてことはありませんか?
水抜きとは、冷蔵庫の電源を抜くと霜が解けて底に溜まってしまう水を、捨てて空にすることです。これを怠ると冷蔵庫から漏れた水が輸送中他の物を濡らしてしまったり、冷蔵庫が故障してしまうおそれもあります。
思わぬトラブルを避けるためにも水抜きはきっちり行うようにしましょう。まずは、水抜き前の準備と手順についてご紹介します。
中身を失くす
はじめに冷蔵庫の中身を空にします。中の食材類は引っ越し当日までに計画的に消費していきましょう。特に生鮮食品と冷凍食品を優先的に片づけていきます。残り野菜はまとめてスープにしたりすると、効率よく冷蔵庫を綺麗にすることができるでしょう。
どうしても残ってしまうものは、クーラーボックスに詰めると運びやすくなりますが、なるべく当日の荷物を減らすためにも食べられるものは食べてしまいましょう。冷蔵庫内一掃パーティと称して、気の知れた友人を招くのもおすすめです。
掃除をする
冷蔵庫の中が片付いたら掃除をします。引き出しや卵のケースなど付属品を取り外し、一通り拭き上げて水気をなくしましょう。
冷蔵庫内に液体がこぼれていたりする部分はスポンジと中性洗剤や重曹水などを使って汚れを落とします。綺麗になったらアルコールやお酢、キッチン用漂白剤を使って除菌しつつ、普段掃除しない部分まできれいにしてしまうと良いでしょう。
また、普段手の届かない冷蔵庫の側面部分や、背面のコードなども料理中の油が散ったりほこりが付着して汚れやすい部分です。油でべとべとするようなら、アルカリ性または中性洗剤できれいに汚れを落としましょう。
霜取りをする
最近の冷蔵庫は霜取り機能が付いているものが多いですが、少し古い型の冷蔵庫だと自分で霜取りをする必要があります。その場合は2、3日前に冷蔵庫の電源を落とすようにして、スクレーパーなどで霜を落としていきましょう。
冷蔵庫の霜が解け、どんどん水が滴るのでタオルを中に敷いておくのがおすすめです。霜が多い場合はドライヤーや小型ヒーターなども使うと作業がはかどります。冷蔵庫の下が水浸しにならないよう、足元にバスタオルを置くとさらに作業しやすくなります。
製氷機能を止める
自動製氷機能のある冷蔵庫は、製氷停止ボタンを押し、給水機の水を捨てておきます。ボタンの位置などについては各ご家庭の冷蔵庫の取扱説明書を確認してください。また製氷皿の氷を捨て忘れないように気を付けましょう。
また、このとき製氷機内部もついでに掃除をしておくのがおすすめです。製氷機の中は長く使っているとカビが発生することも。自宅でつくる氷がまずく感じられるなら、その可能性が高いです。製氷機専用の洗浄剤もあるので活用してみましょう。
冷蔵庫の水抜きのやり方・手順
冷蔵庫の中がきれいになったら、電源を抜いていざ水抜きです。一般的に電源を抜いてから霜が取れる時間は、夏なら10時間、冬の間は15時間程度かかると言われています。手順を考えて計画を立て、早めに着手するようにしましょう。
水漏れを防ぐための水受けは、冷蔵庫の機種によって設置場所が違います。どこにあるかわからない場合は取り扱い説明書の確認を。説明書を処分してしまった場合は、メーカーのホームページでダウンロードできる機種もあります。それでは、冷蔵庫の水抜きのやり方と手順を見ていきましょう。
水受けが冷蔵庫の底面にある場合のやり方
まずは水受けトレイが冷蔵庫の底にある場合。大体の冷蔵庫はこのタイプです。前面から引き出せる仕組みになっており、水抜き掃除が簡単です。本体を動かす必要はありません。たくさん水がたまっている場合、勢いよく引き出すと水がこぼれてしまうので、引き出す際は慎重に。
ちなみに、トレイが底面になければ、冷蔵庫の側面や背面から引き出すタイプもあります。見当たらなければ説明書で確認しましょう。
冷蔵庫背面下部に蒸発皿がある場合のやり方
冷蔵庫の背面に受け皿がついている場合は、水抜きの際カバーを外して中にセットされている皿を取り出します。この場合は冷蔵庫を動かす必要が出てくるので、できれば二人で作業します。
作業前に周辺へ養生を行い、床や壁を傷つけないように気をつけましょう。また蒸発皿の下に設置されているコンプレッサーが熱くなっている場合があるので、触らないようにご注意ください。
引っ越し前に冷蔵庫の電源を切り忘れた場合
さて、ここまで冷蔵庫の水抜きの仕方について見てきましたが、万一引っ越し前に冷蔵庫の電源を切り忘れた場合はどうなるのでしょうか?
冷蔵庫は水抜きを忘れてしまうと輸送中に水が漏れ、周りの荷物が濡れたり、冷蔵庫が故障してしまう恐れがあります。クレームにつながる部分なので、作業員さんも困るでしょう。万が一、冷蔵庫の電源を切り忘れてしまった場合の対処法についてご紹介します。
引っ越し業者に相談する
電源を抜き忘れ、もう時間がおしてどうにもならない。そんな状態なら、とにかく引っ越し業者に相談してみましょう。こちらがリスクを承知しているなら、そのうえで運んでくれるかもしれません。
場合によっては別料金が発生したり、運んでもらえないということもあるかもしれませんが、そのあたりについても理解しておきましょう。
もし時間がまだ数時間あるなら、ドライヤーやエアコンなどを総動員して、霜を削り取ってしまうことです。自力で水抜きをしてしまえるなら、それに越したことはありません。あきらめずに頑張りましょう。
引っ越しの時に冷蔵庫を処分する場合の水抜き
ここまで引っ越しの際に冷蔵庫を持っていく場合の水抜き手順についてご紹介してきましたが、引っ越しにあたって冷蔵庫を処分する場合の水抜きはどうしたら良いのでしょうか。いくつかの方法と、それに伴う水抜きのやり方についてご紹介します。
水抜きが必要かはどこに引き取ってもらうかで変わる
冷蔵庫の水抜きをするかどうかは、引き取り先によって変わります。リサイクルなのか処分なのかでは扱い方も変わってきますし、業者さんによって取り扱いが変わる場合も。
売却の場合はなるべく高く引き取ってもらうため、綺麗にしておくことが必要です。霜取り不要で引き取ってくれる業者もありますが、手間代分安くなることもあるでしょう。
処分の場合はあまり几帳面に行う必要はありませんが、自分で運ぶ場合・業者さんに引き取りに来てもらう場合どちらも、冷蔵庫内の水が漏れて床や服が濡れると困った状況になります。ぴかぴかにする必要はなくても、マナーとして最低限の水抜きは行うようにしましょう。
冷蔵庫の処分方法
冷蔵庫の処分方法はいくつかあります。手間をかけて安く手放したり売却する方法、お金をかけて簡単に処分する方法があるので、予算や時間と相談して決めましょう。それでは実際に処分するやり方についていくつかご紹介していきます。
家電量販店に引き取ってもらう
まずは家電量販店に引き取ってもらう方法。運搬費用などで数千円かかりますが、新しい冷蔵庫を購入したお店で引き取ってもらうことができます。
業者が自宅まで引き取りにきてくれるため、手間いらずです。新しい冷蔵庫は直接新居に配送すればよいので、引っ越し代がその分浮く可能性もあるのがメリットです。
指定引き取り場所で処分する
古いものの処分のみして新しい冷蔵庫を購入しない場合や、様々な理由で家電量販店での引き取りをしてもらえなかった場合、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に従い処分を行う形になります。郵便局にある家電リサイクル券を購入し、指定引き取り場所へ連絡します。
指定引き取り場所がわからない場合は、地域の自治体に連絡して教えてもらいましょう。その後直接持ち込むか、回収料金を払って自宅へ引き取りにきてもらい回収してもらうことになります。
リサイクルショップで買い取ってもらう
近隣にリサイクルショップがあれば、無料で出張査定・見積もりをしてくれることがあります。また家電回収車が回っていたら話を聞いてみるのも良いでしょう。
冷蔵庫が比較的新しければ、数千円の値が付く場合があります。少し古い冷蔵庫でも千円程度のお金になったり、無料で引き取ってくれるケースもあります。
冷蔵庫の水抜きは事前の準備が必要
冷蔵庫の水抜きは事前の準備が必要です。なるべく早い段階で計画を立て、自分にとってベストなやり方を考えましょう。引っ越しは思わぬトラブルが起こることもしばしばです。引っ越しをトラブルなくスムーズに行うためにも、余裕をもって行動しましょう。