冷蔵庫の設置場所を決めるときのポイント
冷蔵庫を購入するとき、お引越しをするとき、冷蔵庫の設置場所は考えますでしょうか?設置後に時間を空けないですぐに電源を入れると故障の原因になる可能性があることは知っていますか?何も考えずに漠然と設置したり、急に問題が生じることも多いのではないでしょうか?
実は、冷蔵庫の設置場所を決める際のポイントがいくつかあるんです。ポイントを押さえないと、故障や火災、壁の変色の原因になったり、電気料金が余計にかかったりすることがあります。安全に、お得に使うためにぜひ参考にしてみてください。
丈夫な床を選ぶ
冷蔵庫はご存知の通り、結構重いです。ですから、丈夫な床に設置することが大前提になります。具体的には、足を載せてみる、手で押して見るなどして、床にきしみや変形がないことを確認してください。
例えば床下収納などがある場合には、その上に重い冷蔵庫が来ることで収納庫の天井部分に想定以上の重さがかかり床下収納が変形したり壊れたりすることが考えられます。冷蔵庫の重さに耐えられることをきちんと確認するようにしましょう。
クッションフロアは避けた方が良い
クッションフロアは、樹脂などでできた柔らかい床材のことです。クッション性があるため防音や断熱性があり、キッチンに使われることもあります。このような柔らかい材質の床の場合には注意が必要です。
冷蔵庫の足部分には重さが集中するため、クッションフロアのように柔らかい床材の場合、長い時間が経つと圧力で床に跡がついたり、ひどい場合には冷蔵庫を移動する際に床材が剥がれてしまうこともあります。
また、ひどい場合には部分的に凹みが発生し、冷蔵庫が傾いてしまうこともあります。傾いた際のデメリットは後ほど説明しますが、このようなことを防止するためには、圧力を分散するための硬い板などを挟むとよいでしょう。
直射日光は避ける
冷蔵庫の設置場所として、直射日光が当たる場所は避けることをおすすめします。1つ目は冷蔵庫の効率的な面、もう一つは冷蔵庫壁面の変色です。順番に見ていきましょう。
冷蔵庫の効率的な面とは、直射日光があたると温度が上がることを指しています。冷蔵庫は中身を冷やすため、中の熱を外に逃がして内側を冷やしています。外に出た熱を効率よく逃してやらないと、内側の熱も逃げていきません。だから直射日光で温めてはいけないわけです。
壁面の変色は、直射日光によっていわゆる「焼け」が発生してしまうことを指しています。直射日光による紫外線や赤外線は、冷蔵庫の塗装を変化させ、直射日光が当たる部分だけ変色してしまいます。変色は見た目が悪いだけでなく、サビや変形、割れ等を発生させる可能性もあります。
どうしても直射日光が当たることが避けられなければ、少しでも当たる時間を少なくするように工夫しましょう。長時間当てることは好ましくありません。
ガスコンロの近くは危険
冷蔵庫がガスコンロに近づくと危険ってどういうこと?って思ったのではないでしょうか。これは、冷蔵庫を冷やす仕組みである「冷媒」と関係があります。
冷蔵庫が冷える仕組みは、打ち水の原理と一緒です。打ち水は、水が蒸発する際に周りの熱を奪う「気化熱」を利用します。冷蔵庫の内側壁面には、熱を奪うための冷媒というものが配管を通して流されており、配管の中で気化させて熱を奪わせています。
その冷媒はコンプレッサーという圧縮器で再び液体にされますが、そのときに熱を放出します。これが冷蔵庫の裏、背面の壁の中の配管で熱を放出させています。
この冷媒が、20年前くらいまではフロンという物質でした。無味無臭、反応性も低く非常に優秀な冷媒でしたが、オゾン層を破壊し地球温暖化の元凶であるため、使われなくなりました。現在はイソブタンなどの可燃性の炭化水素が使われており、ガスコンロに近づけるのは危険なのです。
冷蔵庫の設置場所の注意点
冷蔵庫の設置場所には、背面のスペースや床のコンディション以外にもいろいろと注意点があります。これらは普段あまり注意しない内容だと思いますが、ぜひ覚えておいていただきたい内容です。電磁波に関すること、冷蔵庫の効率の点、最後に水の影響についてです。順番に見ていきます。
電磁波が発生していることに注意する
冷蔵庫は弱いながらも電磁波の発生源です。しかも、常に電源が入っているので、電磁波を避けたい機器が近くにある場合には要注意ということになります。
冷蔵庫は、少し前述しましたが、コンプレッサーという圧縮器が主な電磁波の発生源になります。これは常に動いているので、長時間電磁波を発しています。このような電磁波の発生源の近くに、例えばWifiルーターのような電磁波ノイズに弱い機器があると、誤作動の原因になることがあります。
もしもWifiルーターをどうしても冷蔵庫の近くに設置しなければいけない場合には、Wifiルーターはなるべく高い位置に設置するようにしてください。
また、例えば在宅医療のサービスを受けている方など、いろいろな機器が電磁波の影響で誤作動を起こす危険性もあります。弱いながらも長時間に渡って電磁波を発しているという点が曲者です。電磁波に弱い機器からはなるべく遠ざけて設置しましょう。