「awesome」の意味とは?
海外ドラマや洋画、TwitterなどのSNS上など、日常的な英会話で見聞きすることのある「awesome」という言葉。みなさん、その意味をご存知ですか?
なんとなく、前後の会話から意味を想像したりはしているけど、実はちゃんとした意味は知らなかったという方も多いのではないでしょうか。「awesome」には全く違う二つの意味があることを知らない場合も多々あるでしょう。
今回、この記事ではそんな「awesome」という言葉の本来の意味、使い方・例文、語源や発音、SNSなどで使われるネットスラングとしての意味をご紹介していきます。次回「awesome」を見かけたときには、しっかりと理解できている内容です。
意味①畏怖の念を抱かせる
ではまず、「awesome」の意味について解説していきます。「awesome」の一つ目の意味は「畏怖(畏敬)の念を抱かせる」です。「畏敬」「畏怖」の意味についても説明していきましょう。
「畏敬(いけい)」は「崇高なもの・偉大な人を、畏れ敬うこと」という意味があり、「畏怖(いふ)」には「畏れおののく(敬い、かしこまって震える)」という意味があります。
つまり「awesome」は「偉大なものを畏れ敬う気持ちを抱かせる」という意味と言えます。「awesome」が指す偉大なものは、例えば「自然」「神」などの超自然的なものや、「天皇陛下」や「国王」といった存在が当てはまるでしょう。
「awesome」の正式な形容詞としての使い方は、上記のような「畏怖(畏敬)の念を抱かせる」という意味です。しかし、インターネットの普及により、現在「awesome」は別の意味としてSNSやメディアなどで使われています。
では、次の項目ではSNS、メディアで「awesome」がどのような使い方をされているのかを解説していきましょう。
意味②素晴らしい
「awesome」の二つ目の意味は「素晴らしい」「すごい」「可愛い」などです。これをSNSなどでの使い方である、さらに砕けた表現をすると「最高」「超いい」「すげえ」「ヤバい」といった意味で用いられます。
これは「awesome」の本来の意味である「畏怖の念を抱かせる」という意味から転じて、「(畏怖の念を抱くほどに)素晴らしい、すごい」というニュアンスで用いられるようになった経緯があります。
アメリカでは1980年代頃から「スラング(特定の社会や階層、仲間内にだけ通じる言葉)」として使われ始め、現在では「awesome」の一般的な使い方として広まっています。
「awesome」の語源
「畏怖(畏敬)の念を抱かせる」「素晴らしい、最高」といった意味のある「awesome」ですが、その言葉の語源はどこにあるのでしょう。
「awesome」という言葉の語源を理解するためには、まず「awesome」を「awe」と「some」に分けてそれぞれの語源を考える必要があります。なぜ現在のようなスラングとして使われるようになったのか、語源をひとつずつ説明します。
「awe」の意味
まず、語源「awe」には動詞としての役割と、名詞としての役割があります。名詞としての「awe」には「畏怖」「畏れ(おそれ)」「畏敬の念」という意味があり、これは「fear(恐れ、心配)」と「surprise(驚き)」を合わせたような意味です。
「awe」はオールドイングリッシュで恐怖を意味する「ege」という言葉が語源になっています。さらに「ege」の語源は、ギリシャ語で「痛み」を意味する「áchos(エコーズ)」という単語です。
「awe」という単語は聖書の中にも多く登場する単語で、古くから使用されている歴史のある単語です。オールドイングリッシュ(古期英語)は西暦700年〜西暦1100年くらいの期間に使用されていた英語のことを指します。
「some」の意味
語源の一つである「some」は「いくつか」という英単語としての意味がありますが、それとは別に「性質・状態」という接尾辞としての意味があります。
そして、1950年代頃、これらの語源を合わせて「awesome」という単語が誕生しました。その当時は、説明してきた意味の一つである「畏怖の念を抱かせる」という使い方しかありませんでした。
その後、先に説明した通り1980年代に入った頃からスラングとして「素晴らしい、最高」という意味で使われ始めました。そして現在では若者がSNSなどで「awesome」を使う場合、ほとんどが「素晴らしい、最高」という意味で使われています。
「awesome」の使い方
ここまで「awesome」の意味が二つあり、それは「畏怖の念を抱かせる」「素晴らしい」という意味であったこと、「素晴らしい」という意味のスラングとして使われ始めたのは1980年代になってからということを説明してきました。
加えて「awesome」の語源についても説明してきましたが、では、2つの意味を持つ「awesome」にはどのような使い方があるのでしょうか。
先に説明した通り、1980年代以降「awesome」という言葉はスラングとして使用されることが多くなり、現在、アメリカやカナダでは日常生活に「awesome」を使用する場合そのほとんどがスラングとしての「素晴らしい」という意味の使い方をされています。
今回は「awesome」という英単語の理解を深めるためにも、古くから使われてきた意味「畏怖の念を抱かせる」と、新しく生まれ定着した「素晴らしい」という意味、二つの使い方とその例文をご紹介していきます。
「畏怖の念を抱かせる」という意味は文字どおりですが、「素晴らしい」という意味はどのような使い方をされているかによってニュアンスが変化していきます。その点も考慮した例文をご紹介しますので、参考にしてください。
例文①
まず一つ目の例文は、古くからの使い方である「畏怖の念を抱かせる」という意味で用いた例文です。前述していますが、この「畏怖の念を抱かせる」にふさわしい相手というのは自分が到底及ばないようなもの相手である場合が多いです。
「The hurricane was awesome in its power.(ハリケーンの勢力は恐ろしいものだった。)」「I was in awe of her talent.(私は彼女の才能に圧倒されていた。)」
上に示した例文のように人の手ではどうしようもない自然現象や、自分では到底敵わないような相手に対して「awesome」という単語は使われます。現在はあまりメジャーではない使い方のようですが、後述する意味の元として覚えておきましょう。
例文②
例文の二つ目は、近年生まれた意味でSNSでも頻繁に使われている「素晴らしい」という意味の例文です。ですが、実はこの近年生まれた意味は一言に「素晴らしい」という使い方で括ることができるものではありません。
「すごい」「素晴らしい」「素敵」「優秀」「かわいい」「いかしてる」「感動的」「感銘を受ける」といった様々な表現に置き換えることができてしまいます。
このようなニュアンスを踏まえた上で、例文二つ目「awesome」のスラング的使い方の例文をご紹介します。
まずシンプルに「Awesome!」と単語のみで使用する例文です。これは間投詞(感嘆詞)のような使い方をする例文で、意味としては何か予想もつかなかった素晴らしいもの・ことを見聞きした時に発する「すごい!」「やばい!」のようなものに近いでしょう。
SNS等でコメントに「Awesome!」とついていた場合、それは投稿に対して「やばい」「すごい」「いかしてる」といった意味に捉えることができます。
例文③
例文3つ目は、相手の会話を受け、その返答としての使い方をする例文です。相手の話を聞き、それを肯定しつつ褒めたり称賛する場合に使うことができます。
「That's awesome.」相手がどのようなことを話しかけてきているかによって意味は変化しますが、主に「それはすごいね。」「それは素晴らしい!」といった意味になります。
会話全体の流れとしては、"I finally got accepted into Oxford University!" - "Wow, that's awesome! Congrats!"「とうとうオックスフォード大学に合格したよ!」-「うわー、すごいね!おめでとう!」という使い方です。
「awesome」の言い換え
「awesome」の使い方の部分で、非常に幅広いニュアンスで「awesome」を使用することができるということを例文を交えてご紹介しました。ですが、その意味の広さ故に的確な表現ができない場合もあるでしょう。
そこで、「awesome」という言葉を他の言葉に言い換えるとどのような言葉になるのか、ということをご紹介していきます。
とても便利な「awesome」ですが、くだけた表現・若者言葉、という印象を与えてしまうので目上の方に用いることは失礼な場合もあります。「すごい!」という気持ちを適切に表現できるようにしましょう。
本当に様々なニュアンスや意味がありますが、ここではその一部の例を挙げていきます。自分の気持ちにピッタリと合う表現を見つけてください。
「great(すごい)」「wonderful(素晴らしい)」「fabulous(素敵な)」「excellent(優秀な)」「sweet(可愛らしい)」「cool(いかした)」「amazing(感動的)」「impressive(印象的な)」「incredible(抜群の)」
いかがでしょうか。一見便利な「awesome」ですが、その使い方に慣れてしまうと使用できない場面になった際に困ってしまいます。そのようなことが無いように、別の表現方法も知っておくことが大切です。
「awesome」の注意点
上記のように現在はスラングとして幅広い使い方をされる「awesome」ですが、便利な一方でいくつかの注意点があります。
非常に便利な「awesome」の注意点を理解して、より適切でスマートに使いこなすことができるようにしましょう。
注意点①発音
「awesome」の注意点一つ目は「発音」です。「awesome」の発音は「オーサム」、発音記号は「ɔ'ːsəm」と表されます。「awesome」という単語の中でも特に注意すべき発音が「awe」の部分の発音です。
「awe」の部分は発音記号で「ɔ'ː」と表され、「オー」と発音します。これは「Oh!」と混同しやすい発音です。「Oh」の方は発音記号「óu」で表され、「オゥ」という発音になります。
「オゥサム」と発音してしまいがちですが、小さい「ウ」を入れずに「オー」と伸ばすように発音した「オーサム」が正しい発音の仕方です。注意しましょう。
注意点②使う場面
「awesome」を使う上で注意すべき点の二つ目は「使う場面」です。これは「awesome」の使われ方が原因と言えます。
元々「awesome」という言葉は「畏怖の念を抱かせる」という意味で使われており、現在SNSで使用されるような砕けた意味ではありませんでした。そのため、書類や報告書、論文、レポートなどに使用することは適切と言えません。
日本語で論文や書類を書く際に「すごい!」「やばい!」という言葉を使用しないことと同じ理由です。
「awesome」のスラングとしての意味が生まれた時代を考慮する必要がある場面もあります。現在一般的に多く使われている「awesome」の意味は1980年代頃生まれたものです。
そのため、それ以前に生まれた方の中には「awesome」を現在の「すごい!」「やばい!」といった意味で用いるのをあまり良いと思わない方もいます。
また、「awesome」は本来「神様」などに対して「畏怖・畏敬の念」を表すために使用されていた言葉なので、伝統的なキリスト教徒の方や伝統を重んじる方の中にはスラング的な意味で用いるべきでないと考える方もいるようです。
以上、「awesome」を使用する際に注意すべき二つの点をご紹介しました。特に「使用する場面」については「awesome」という言葉の意味と、現在の「awesome」の一般的な使われ方が深く関係しています。
「awesome」は会話の中で広く使われているので、その会話の中で相手を思いやる気持ちとして、二つ目の注意点は頭の片隅に置いておくと良いのではないでしょうか。
「awesome」は「すごい」という意味
いかがでしたか?この記事では「awesome」という英単語の意味、語源や歴史、使い方などを解説してきました。
本来「畏怖の念を抱かせる」という意味の単語ですが、現在ではほとんどの場合「すごい」「やばい」といった意味でSNSや若者を中心に使用されています。
様々な気持ちを表現できるとても便利な単語なので、注意点を理解しつつ上手く英語で会話する際など積極的に使ってみましょう。