「憧憬」の意味とは?
「憧憬」という言葉の意味や使い方をご存知でしょうか。あまり聞きなれない言葉でもあります。今回は、「憧憬」の意味や使い方、読み方、英語表現についてご紹介していきましょう。「憧憬」の読み方は「どうけい」という読み方と「しょうけい」という読み方の2つの読み方があります。
「憧憬」の読み方として「しょうけい」という読み方をする場合、音読みの読み方になっています。一方「憧憬」を「どうけい」という読み方をする場合は、慣用読みということになるのです。慣用読みとは、一般的に普通に使われる読み方ということになります。
使っても問題はありませんが、「憧憬」は「しょうけい」という読み方が本来の読み方となり「どうけい」は慣用読みであることを覚えておきましょう。「憧憬」は見たことはあるけれど、実際にどのような読み方をするのかご説明していきましょう。
名詞「憧憬」の意味「憧れること」
「憧憬」の意味には、「あこがれること」という意味と「あこがれる気持ち」という意味の2つの意味をもつ名詞となります。「憧憬」というのは、「憧」の字と「憬」の2文字にすることができ、それぞれの意味として「あこがれる」という意味になる言葉になっているのです。
「憧憬」は、2つのあこがれるという意味の言葉が合わさって、より、あこがれの気持ちが強いことを意味しています。「憧憬」とは強いあこがれの気持ちを表す意味があるのです。
動詞「憧憬」の意味「(何かに対して)憧れる」
「憧憬」は、「憧憬する」という動詞としての表現があります。動詞としての「憧憬する」の意味としては「(何かに対して)あこがれる」という意味となるのです。
普段の会話中に「憧憬」という言葉を使ったり、聞いたりすることはあまりないので。「憧憬する」という表現はあまり聞きなれない表現でもあるでしょう。
「憧憬」の語源
「憧憬」とはあまり普段の会話では使わない言葉でもあります。「憧憬」の語源にはどんな語源があるのかご紹介していきましょう。「憧憬」の語源には古語が関係しているとされています。どういう古語が「憧憬」の語源になったのか、詳しく解説していきます。
「憧憬」の語源とは
「憧憬」の語源は、「あこがれる」の語源と同じ「あこがる」「あくがる」という古語が語源とされています。「憧憬」の語源である「あくがる」と「あく」と「かる」が合わさってできた言葉になっていて、「あく」は「場所」「かる」は、「離れる」という意味があります。
その2つの言葉が合わさって「ある場所を離れ、別の場所へ行くこと」という意味があるのです。これが「あくがる」の意味となるのです。また、もう1つの意味の説もあります。
「あく」は「飽く」「がる」は「心が離れる」という意味として「満足していたものから、気持ちが離れていく様」という意味のある言葉となっているのです。
どちらも「離れていく」ことを表した意味の言葉となって今のように「心が惹かれて落ち着かない」「思い焦がれる」という意味になったといわれているのです。よって、「憧憬」の語源となっています。
「憧憬の念」の特徴
小説であったりなどの文章でよく使われる言葉として「憧憬の念」があります。「憧憬の念」の使い方として「私は彼に対して畏敬と憧憬の念を抱きました」という使い方ができます。
これは彼に対して「心から敬い、同時に憧れの気持ちをもった」という意味になります。「憧憬の念」には、「崇拝」に近い気持ちを表した言葉という特徴もあるのです。
「憧憬」の類語
それでは、「憧憬」の類語をいくつかご紹介していきましょう。「憧憬」の類語の意味と使い方もご紹介していきます。「憧憬」の類語を知ることでより「憧憬」に対して正しい理解を進めていくことができます。
「憧憬」の類語にはいくつかあるので1つ1つ解説していきましょう。どういった類語があるのでしょうか。しっかりとチェックしてみて下さい。
「憧憬」の類語と意味
「憧憬」の類語とは、そもそも「憧憬」と似たような意味合いの言葉ということになります。「憧憬」の類語にはいくつかの類語があり、これからご紹介する「憧憬」の類語は「憧憬」と同じような意味合いがあるのです。それぞれの意味と使い方についてご紹介していきましょう。
敬愛
「憧憬」の類語「敬愛」です。読み方は「けいあい」という読み方をします。「憧憬」の類語「敬愛」の意味は、「尊敬して、親しみをもって接すること」という意味があります。使い方として「私は先生に対して敬愛の念をもっております」という使い方ができるのです。
賛美
「憧憬」の類語として「賛美」があります。「憧憬」の類語「賛美」の読み方は「さんび」という読み方をします。意味は、「素晴らしいと思って褒め称える事」という意味があるのです。
使い方は「彼女の作品に賛美します」「賛美した作品をそんな風にいわれるのは心外です」「賛美歌を一緒に歌いましょう」という使い方となります。
傾倒
「憧憬」の類語に「傾倒」があります。「憧憬」の類語「傾倒」の読み方は「けいとう」です。意味は、「心を傾け熱中する事」という意味の言葉になっています。使い方としては「彼の文章には傾倒しています」「彼女の技術は傾倒せざるおえません」という使い方ができるのです。
「憧憬」の使い方
それでは、「憧憬」の使い方を例文を4つご紹介してご説明していきましょう。「憧憬」の正しい使い方ができるように、全てチェックしてみて下さい。「憧憬」の使い方を知り正しい使い方ができるようになります。それでは、「憧憬」の使い方例文①からご紹介していきましょう。
例文①
「憧憬」の使い方例文①として「憧憬の的」をご紹介していきます。「憧憬の的とは「あこがれの的」という意味で使う意味があります。使い方として、「彼はこの学園の憧憬の的です」「彼女の作品は、この地域では憧憬の的になっているんですよ」という使い方ができます。
例文②
「憧憬」の使い方例文②として「異国の地を憧憬する」という使い方例文をご紹介していきます。この意味は、「異国に対して、あこがれの気持ちを抱く」という意味で使われているのです。
「異国って素敵だな」と思う気持ちを表している使い方例文となります。「彼女は異国の地を憧憬しています」という使い方例文となるのです。
例文③
「憧憬」の使い方例文として「憧憬のまなざし」があります。この意味は「精神的なあこがれに対してみている」という意味の使い方となります。
この他の使い方として「尊敬のまなざし」「崇拝のまなざし」があり、どの使い方でも「精神的に上の存在」を意味しているのです。「目標」「依存」の対象としての使い方となります。
例文④
「憧憬」の使い方例文④として「憧憬の対象」があります。この使い方例文として「長い間憧憬の対象にあった男性に、久しぶりに会いました。その思いは一瞬にして落胆に変わりました」という使い方ができます。
あこがれの存在が、落胆の存在に変わってしまったことを意味している例文です。あこがれていた人が、今の本当の姿をみて落胆してしまったことを表しています。
「憧憬」の英語表現
「憧憬」の英語表現にはどんな英語表現があるのでしょうか。「憧憬」の英語表現をご紹介していきます。「憧憬」の英語での使い方や例文もご紹介していくので、確認してみて下さい。英語での表現の方法を知りより「憧憬」について理解を深めていきましょう。
yearning
「憧憬」の英語表現は「yearning」となります。他の英語表現として「longing」「aspiration」「adoration」と英語表現を使う場合があるのです。「彼は憧憬の眼差しで故郷の空を眺めている」は、「He looks towards his home with longing eyes―with wistful eyes」となります。
「憧憬」は「あこがれること」という意味
「憧憬」という言葉は普段の日常生活の中でそんなに使ったり、聞いたりする言葉ではありません。文章の中でみる「憧憬」という言葉の意味や類語、英語表現、読み方についてご紹介してきました。
「憧憬」の読み方として「しょうけい」と「どうけい」があるのですが、一般的には「しょうけい」という読み方を使うようにしましょう。また、「憧憬」の語源を探っていくと、古語が関係していることが分かります。
「憧憬」の使い方として「憧憬の眼差し」「憧憬の念」「憧憬の的」「憧憬の対象」という使い方をするのです。あまり親しみのない言葉ですが、知っているかいないかはかなり知識の差でもあります。正しい「憧憬」の使い方や意味を理解しておきましょう。