小松菜には栄養成分が多く含まれている!
小松菜はアブラナ科に属する葉菜類です。原産は地中海沿岸となり、中国を渡ってきた茎立菜をもとに改良がされ、現在の小松菜となりました。小松菜に含まれる栄養素の効能として、風邪予防、貧血予防、がん予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防への効果が期待されます。
旬の時期
小松菜はハウス栽培も盛んで一年中流通していますが、特に美味しい旬が12月から3月になります。寒い地方では4月にうぐいすがなく頃に採れることから鶯菜と呼ばれ、冬や春以外でははぐれ菜、関西方面では畑菜など各地いろいろな名前で呼ばれています。
小松菜の選び方
小松菜は生で冷蔵庫で保管すると、2日から3日くらいでシナシナになってしまいます。その為スーパーで選ぶときはなるべく新鮮なものを選ぶことが大切です。選び方としては、葉が肉厚で厚みがあり緑色が濃いもの、茎は太くて根元がしっかりしていてみずみずしいものを選んでください。
小松菜の保存方法
小松菜の保存方法は、雑誌や新聞紙などを軽く湿らせてから包み、ビニールに入れ立てた状態で野菜室に入れてください。日持ちは2日から3日程度のため使いきれない場合は、茹でた後にしっかりと水気を取り除き、小分けにして冷凍保存しておくと良いです。
小松菜に含まれる栄養成分の種類
小松菜には非常に栄養価が高い緑黄色野菜のひとつです。小松菜に含まれる栄養素で特に注目なのが、カルシウム、カリウム、鉄、葉酸、ビタミンCの成分になります。この他にもβカロテン、ビタミンK、食物繊維などの成分が含まれています。
ミネラルの一種であるカルシウム、カリウム、鉄は体内合成ができないため食物から摂る必要があります。小松菜に含まれる栄養素にはどのような効能と効果があるのか説明していきます。
カルシウム
小松菜には100gあたり170mgのカルシウム成分が含まれています。カルシウムといえば想像するのが牛乳です。牛乳は100g当たり110g含まれていますので、小松菜に含まれるカルシウムは非常に豊富であることが分かります。
骨が喜ぶ栄養素
骨が喜ぶ栄養素の代表格がカルシウムになります。カルシウムは骨や歯の主な成分で積極的に摂る必要があります。精神を安定させたり、血液の凝固を助けたりなど大切な働きも兼ねています。
毎日かく汗だったり、排尿が多い時に摂取量が少ないと身体の防御機能が働き骨を溶かして血液に供給されます。その為、骨粗しょう症に繋がる可能性がありますので1日800mg以上摂るのが望ましいです。
カリウム
小松菜に含まれるカリウムは100gあたり500mgになります。これは生の小松菜に含まれる量となります。茹でたあとに水冷し、手絞りしたものですと140mgになります。カリウムは腎臓でナトリウムの再吸収を抑制する効能があり、尿への排出を促し血圧を下げる効果があります。
マグネシウム
小松菜100gに含まれるマグネシウムは12mgになります。マグネシウムは体内の体酵素を活性化させ、生命維持に必要なさまざまな代謝に寄与しています。マグネシウムは体内において約50%から60%が骨に付着しており、残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。
マグネシウムの働き
小松菜などで摂取したマグネシウムは、主に小腸で吸収され腎臓で排出されます。腸での吸収はビタミンDによって促進され、過剰のカリウムやリンによって抑制されます。
マグネシウムは栄養素の合成や分解工程、遺伝情報の発現や伝達に大きな働きをしています。また、筋収縮を制御したり血圧をさげたり、血小板の凝集を抑えて血栓を作りにくくする作用もあります。
鉄
小松菜に含まれる鉄分は100gあたり2.8gになります。小松菜にはほうれん草のように硝酸が含まれていないため、鉄分の吸収を妨げません。
たんぱく質多く含む食材と調理すると、より吸収が高まります。例えば小松菜と油揚げの味噌汁や小松菜の卵とじ、小松菜と厚揚げの煮浸しなどが挙げられます。
鉄分の働き
鉄分は体内に約3%含まれています。そのうちの約65%は血液中のヘモグロビンの主な成分となります。小松菜に含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、植物性食品に多く含まれます。鉄分は細胞の中の栄養素を酸化させ、エネルギーをつくる重要な働きをしています。
βカロテン
小松菜100gに含まれるβカロテン量は3.1mgになります。βカロテンは植物や動物にある色素のひとつです。βカロテンは抗発がん作用や、免疫を活発にさせる免疫賦活作用に効果があります。また体内でビタミンAに変換される効能があり、プロビタミンAとも呼ばれています。
βカロテンの働き
βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは視覚への効能があり、視力低下や夜盲症、ドライアイなどを防ぐ働きがあります。
皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素でもあるので、お肌のコンディションを整える効果もあります。油で加熱し炒めるとβカロテンの吸収が高まるので、小松菜と油揚げの炒め物などがオススメです。
ビタミンC
小松菜のビタミンCは100gあたり39mgとなります。ビタミンCは体内で作るのことが出来ないため、食事などで補う栄養素となります。加熱や中性、アルカリ性にも弱い水溶性の栄養素となります。
ビタミンCの働き
ビタミンCは身体を酸化から守る働きがあります。白血球の免疫力を高め風邪やウィルスに対する抵抗力を高めます。副腎皮質ホルモンの生成を促す力もあり、精神的なストレス及び、暑さ寒さなどの外的ストレスに対しても耐性力を得ることに繋がります。
ビタミンK
小松菜100gあたりに含まれるビタミンKは0.21mgとなります。ビタミンKは天然のビタミンK1であるフィロキノンと、微生物から生産されるビタミンK2のメナキノンに分類されます。
小松菜は葉緑体で生産される、天然のビタミンK1にあたります。ビタミンなので加熱に弱い性質を持ち、小松菜の食べ方にも工夫が必要になります。
ビタミンKの働き
ビタミンKの主な働きはカルシウムを骨に定着させ、血液を凝固させる成分の合成になります。ビタミンKが不足してしまうと骨がもろくなって骨粗しょう症の原因になる可能性があり、血液凝固にも時間がかかり出血が止まりにくくなってしまいます。
葉酸
小松菜に含まれる葉酸は100gあたり0.11mgとなります。葉酸は水溶性のビタミンに属しており、光や加熱に弱く植物の葉に多く含まれています。ビタミンB12とともに赤血球を作ることから造血のビタミンと呼ばれています。
葉酸の働き
葉酸は赤血球の生産を手助けするビタミンです。代謝にも関与しており細胞の生産や再生を助けている、身体の発育にも重要なビタミンとなっています。
葉酸は細胞の分裂や成熟に大きく左右するため、妊婦さんが十分な葉酸を摂取するのは胎児のための重要な栄養素といえます。他のビタミンと同じように加熱には弱い特徴があります。
小松菜の効能には美容効果も!
小松菜には様々な栄養素が含まれています。その中には女性にとって嬉しい成分をたくさん含まれているため、天然のマルチサプリと呼ばれるほどです。それでは具体的にどのような効果があるのか説明をしていきます。
美肌効果
小松菜にはプロピンを呼ばれるアミノ酸が豊富に含まれています。このプロピンの主な主成分はコラーゲンです。お肌に潤いをもたらす天然保湿成分として重要なアミノ酸となります。お肌の周辺にプロピンが多ければ多いほど、弾力のある肌とハリ、つるつるとした艶やかさを保ちます。
肥満防止とアンチエイジング
小松菜にはネオキサンチンという色素とイソチオシアネートという解毒成分とが含まれています。ネオキサンチンには研究によって抗肥満作用があることが判明しています。イソチオシアネートは高い殺菌効果のほかに、抗酸化作用があるためアンチエイジング効果も期待されます。
骨や歯の形成
骨や歯の形成に必要な栄養素として、カルシウムやビタミンK、たんぱく質、マグネシウム、鉄分などが必要です。その栄養素を摂るのにオススメなのが小松菜です。
歯のぐらつきや骨粗しょう症は男女問わず起きる可能性があります。歯と骨の状態を維持するためには必要な栄養素をしっかりと摂る必要があります。
視力の維持
現在人は目を常に酷使して生活をしています。パソコンやスマートフォンに代表される電子機器の影響です。ほぼ毎日と言ってよいくらい使用し、仕事や生活になくてはならないアイテムです。
その酷使した目に必要な栄養素が小松菜に含まれているビタミンCとβカロテンになります。皮膚や粘膜の健康維持と抗酸化作用があることから目の老化防止、視力維持に効果があります。
風邪予防
風邪予防に効果的な栄養素はビタミンとなります。そのビタミンをしっかりと摂ることにより風邪予防へをつながります。小松菜にはそのビタミンが豊富に含まれておりウィルスの侵入を予防し、免疫力を高める効果もあります。
ガンや脳卒中の予防
アブラナ科である小松菜は台所のドクターとも呼ばれるほど栄養価が高い野菜です。効能としては、抗酸化ビタミンが多く含まれることから、抗ガン、抗炎症、脳卒中、心筋梗塞などのリスクに対し予防と低減に効果があります。
小松菜の栄養素は加熱で壊れる
小松菜は高い栄養素を含む大変優秀な野菜です。しかしその優秀な野菜にも弱点があります。それが加熱です。加熱によって本来含まれている重要な栄養素が壊れてしまい、摂取するときには十分な量が含まれていない可能性があるので、食べ方に工夫が必要になります。
栄養素が壊れてバランスが崩れる
小松菜にはビタミンCが多く含まれています。このビタミンCは熱に非常に弱く、加熱すればするほど壊れてしまいます。小松菜に含まれる他の栄養素との相乗効果も薄れてしまい、全体の栄養価バランスが崩れてしまう可能性があるので食べ方も感がる必要があります。
小松菜の栄養素を保ったままの美味しい食べ方
多くの栄養素を含んでいる小松菜を余すことなく、そしてしっかりと摂るにはどうすれば良いでしょうか。いろいろな調理方法がある中で、食べやすくそして美味しくいただける具体的な方法と食べ方について紹介していきます。
炒める
小松菜は炒め物にしてもとても美味しい食べ方です。しかし小松菜は加熱に弱いため栄養素の効能を保つために工夫が必要です。小松菜の炒めものを作る際は、他の食材を最初に炒め加熱を加えたあと最後に小松菜を投入しましょう。熱が通りやすいので最後にいれてさっと仕上げてください。
小松菜と油揚げの炒め物
小松菜と油揚げは相性が抜群な食べ方です。小松菜に含まれるβカロテンは油揚げに含まれる油によってより吸収力がアップされます。大事な栄養素のひとつであるβカロテンを効率よく摂ることができ、しかも美味しく頂けて調理時間が短いのもメリットです。
茹でる
食べやすく栄養もしっかりと摂れる調理方法として、茹でるがあります。作り方のポイントは火の通りにくい茎から入れて、20秒ほど茹でるやり方です。冷水で冷やしたら栄養素を極力とどめるために軽く絞る程度にしてください。
電子レンジでやる方法もあり、その場合は耐熱容器に入れて1分ほどでできます。壊れやすいビタミンもこの方法であれば問題ありません。
小松菜の辛し和え
小松菜の定番といえばおひたしです。茹でた小松菜を4センチから5センチの長さに切り、お醤油とからしを混ぜれば出来上がりです。目の効能によいβカロテンをしっかりと摂ることができる簡単調理の一品です。
漬物
小松菜は青臭くてちょっと苦手だなと思っている方にオススメな食べ方が小松菜の漬物です。調味料を混ぜるだけなので非常に簡単にでき、そして食べやすい食べ方になります。野菜はどうしてもかさばりますが、この調理方法ですとあっという間に食べきれるのもメリットになります。
小松菜のしょうゆ漬け
小松菜の根元をよく洗い、水気をとります。長さを3センチから4センチに切りそろえホウロウの容器に入れます。砂糖、しょうゆ、酢と赤とうがらしを加え手で混ぜ込んで下さい。皿の上に重しをおいて半日で出来上がります。
生
食べ方として炒め物やおひたしなど万能の小松菜ですが、アクが少ないため生でも食べることができます。生で食べれば熱に壊れやすいビタミンも余すことなく摂ることができ、ほかの栄養素もそのまま摂取することが可能です。下茹でしないで水で洗い、余分な水気をペーパーなどで拭き取ります。
小松菜スムージー
身体に大事な効能をもたらす栄養素を丸ごと摂ることができる、それがスムージーとなります。スムージーにする際にはバナナなどの果物を一緒に取り入れるで青臭さを抑え食べやすい食べ方になります。
葉物野菜と果物の黄金比は葉物4果物6と言われています。慣れないうちは果物の比率をあげても大丈夫です。美味しいと感じるところから始めてみましょう。
小松菜は栄養価の高い野菜!
小松菜はアブラナ科に属する葉物野菜の代表格です。身体に大事な効能をもつ栄養素が多く含まれており非常に優秀な野菜となります。骨粗しょう症、風邪やガン予防に加え、美肌効果、肥満防止にも効果があります。
料理内容や調理方法にも様々あり、一緒に調理する食材や、食べ方の工夫次第で栄養素を余すころなく摂り入れることができます。