多岐にわたるの意味とは?
「多岐にわたる(たきにわたる)」はビジネスシーンなどの場でよく使われる言葉で、「わが社の組織は複雑多岐にわたっている。」のように使われ、普段から馴染みのある方も多い反面いざ誰かに改まって説明するとなると難しい言葉でもあります。
この「多岐にわたをここでは言葉の由来や意味、特徴、「多岐にわたる」と同じ意味を持つ同義語や分かりやすい例文、使う際に気を付けたい注意点など踏まえてご紹介していきます。
多岐にわたるの由来
「多岐にわたる」は、2つの単語からできています。一つ目は沢山、複数あるという意味を持つ「多」、二つ目は中国の山の名前であった「岐」、こちらは分かれることや分かれ道、枝分かれした枝道を表しています。
その為、この二つの言葉が一緒になると道が枝分かれしていて沢山ある、分岐した道が行く筋もあるといった意味となります。
その意味から「多岐にわたる」は日常会話からビジネスシーンまで色々なシーンで使いやすく、使用頻度が高いこの言葉は物事の用途や種類、利用方法などが様々ある、色々な意味を持っているといった場面で使用されている言葉です。
多岐にわたるの特徴
ここまで「多岐にわたる」の意味についてご紹介してきました。このように複数の物事の用途などを指すため「多岐にわたる」は、選択肢が3つ以上ある状態を指します。
複数という言葉は基本的には2つ以上のものを指し、2つであった場合は二者択一、どちらかを選択する言葉であり「多岐にわたる」での複数には少し遠い表現となります。その為、「多岐にわたる」といった表現を使う場合には3つ以上の物事がある場合において使うのが適切な表現となります。
多岐にわたるの類語
ここまで「多岐にわたる」の読み方や由来、意味や特徴などについてご紹介してきました。ここからは「多岐にわたる」と同じ複数の物事や用途、行動指し示すを意味を持つ類語の特徴や使い方についてご紹介していきます。
多岐にわたると同じ意味を持つ類語①多種多様
「多岐にわたる」の類語でよく使うのは、「多種多様」です。読み方は「たしゅたよう」、意味は「種類や性質や状態や現象といった事柄がさまざまあること」を指します。こちらは四字熟語になります。使い方としては「多種多様な民族」などのように用います。
この言葉は「多」という字が含まれており、「多岐にわたる」とは複数の異なる選択肢があるという意味が言葉に含まれている点で似ています。
多岐にわたると同じ意味を持つ類語②様々
「多岐にわたる」の類語で他によく使うものは「様々」、読み方は「さまざま」となり、意味は「種類が沢山ある様子」を指します。使い方としては「庭園には様々な草花が植えられている」のようになります。
種類が豊富であるといった意味が含まれている為、「多岐にわたる」の類語と言えます。「様々」は文章中はもとより、日常生活、ビジネスシーンといった幅広い分野でも用いられている言葉です。
多岐にわたると同じ意味を持つ類語③広範囲にわたる
「多岐にわたる」の類義語でニュースなどで「雨雲が広範囲にわたり広がっている」などと伝えられることもあり、普段からよく耳にする「広範囲にわたる」という言葉、読み方は「こうはんいにわたる」、意味は「関係する物事の範囲が広い様子」を指します。
「広範囲にわたる」を使う場合は物理的な広範囲を示す言葉ですので、業務範囲や課題などといった目に見えない範囲を示す場合は「多岐にわたる」を用いて使い分けるようにしましょう。
多岐にわたるの使い方
ここまで「多岐にわたる」の複数の物事や用途を示す言葉の意味、類語の読み方や意味、使い方についてご紹介してきました。ここからは「多岐にわたる」の使い方を日本語の例文や同じ意味を持つ英語も含めてご紹介していきます。
例文①
例文①では企業に提出する自己PRや履歴書の場合での「多岐にわたる」を使った例文をご紹介します。「今まで私は○○企業で多岐にわたる業務を経験してまいりました。」などその後の業務経験を具体的に伝える導入部分へ使うことができ、幅広いスキルを伝えることができます。
ただし、自己PRなどの書類選考の場合に上記のように「多岐にわたる」を使った場合はその後に具体的なその企業にマッチする業務もアピールするのがおすすめです。
「多岐にわたる」はその意味の通り幅広いジャンルを指しますので、具体的なことが求められる自己PRや履歴書の場合は、あくまでも経歴に深みを出すプロローグや序章といった部分に使うのがベストと言えます。
例文②
例文②は「多岐にわたる」を使った取引先などへのお礼の一文に使える例文をご紹介します。「多岐にわたりご尽力いただき、私ども一同○○企業様には深く感謝しております。」など取引先へのメールや手紙の一文として「多岐にわたる」を使うとよりビジネス的で丁寧な文章となります。
また、「多岐にわたる」は前向きな文章やコメント等以外でも使えるのでビジネスの場で使うにはおすすめです。
例文③
例文③は「多岐にわたる」を使った作品紹介などに使える例文をご紹介します。「これまで小説やコラムの執筆、俳優や舞台演出、映画監督など多岐にわたる活動を行ってきました。」とこのように様々な種類の違うジャンルに及んで活動している場合に使うことができます。
また、文章や時間がある際には、紹介する分野を割愛せずにすべて紹介するのが、紹介した相手にも失礼が無いのでベストです。
さらに「多岐にわたる」は、相手の経歴等を紹介する際に時間が無い場合や文章的に長い場合などに全ての紹介したい分野を紹介せず2~3個紹介したうえで、それ以外の紹介したい分野を指して割愛するときにも使うことができます。
例文④
例文④は「多岐にわたる」の英語表現「wide-ranging」、広い範囲といった意味を持つ「wide」と範囲に及ぶといった意味を持つ「randing」を組み合わせた形容詞、ここからは英語「wide-ranging」を使った例文をご紹介します。
一文にする場合は、「wide-ranging~」となり~の部分に多岐にわたる分野や広範囲に及んだ様子などを入れて文章を組み立てます。
具体的には「wide‐ranging knowledge」幅広い知識、「wide‐ranging items」幅広い品目などのように使うことができます。また、間に単語を挟んで「a wide variety of products,ranging from A to B」AからBに至る(まで)多種多様な製品、などのようになります。
例文⑤
例文⑤は「多岐にわたる」の英語表現に近い意味を持つ「various」、「diverse」についてご紹介します。「various」は"様々な、多数の、多方面の"といった意味を持つ英語です。「diverse」は"種々の、多様な、別種の"などの意味を持つ英語です。
使い方は、「various photographs」色々な写真、「diverse ability」多彩な才能、などのように「多岐にわたる」にあたる「wide-ranging」に近い表現になります
多岐にわたるの注意点
ここまで「多岐にわたる」の言葉の意味や類語の読み方や意味、類語の読み方や使い方、英語や日本語を使った例文の「多岐にわたる」の使い方についてご紹介してきました。ここからは「多岐にわたる」を実際に使う際に注意すべきことについてご紹介していきます。
「多岐にわたる」を使う際の注意点
「多岐にわたる」を使用する際に注意するのは「わたる」の部分、漢字で書いた場合「渡る」、もしくは「亘る」と表記されるのですが、この「わたる」は言葉の意味が違うため漢字では適切な表現とは言えないので使い際には注意が必要です。
具体的に説明すると「渡る」という言葉は一般的な移動といった意味の言葉であり、「亘る」は常用外の漢字で、範囲や期間が広範囲に及ぶといった意味を持った言葉です。
そのことから「多岐にわたる」は一つの物事や用途に影響を及ぼすという意味を持つ為、記入する場合「亘る」は常用外漢字がが正しい使い方となります。しかし、「亘る」は先にご紹介したように常用漢字ではない為ひらがなで表記するのが適切です。
たまに常用漢字ではない「亘る」を差し替えて一般的な「渡る」を当てている場合がありますが、これは意味を考えた場合不適切な表現です。
多岐にわたるは様々な分野に及んでいるという意味
ここまで「多岐にわたる」の意味、類語の読み方や意味、「多岐にわたる」の使い方や注意点などについてご紹介してきました。「多岐にわたる」はポジティブな文脈でなくても使える一般的な言葉、上手にマスターしてビジネスシーンなどに取り入れてみましょう。