「欺瞞」の意味とは?
「欺瞞」という意味をご存知でしょうか。「欺瞞」の読み方は「ぎまん」という読み方をします。今回は、「欺瞞」の意味について使い方例文、類語、英語表現などご紹介していきます。
「欺瞞」の意味にはどんな意味があるのかしっかりと理解しておく必要があります。また、「欺瞞」の使い方として「自己欺瞞」という言葉があり、「自己欺瞞」な特徴のある人にはどんな特徴があるのかについてもご説明していきます。それでは、「欺瞞」の意味からご説明していきます。
意味「あざむき」「だますこと」
「欺瞞」の意味には、「あざむき」「だますこと」という意味があります。「欺瞞」の「欺」にも「瞞」にもどちらも「だます」という意味があり、2つの言葉を重ねて強調した熟語になっているのです。よって「欺瞞」の意味には「あざむき」「だますこと」という意味になります。
「欺瞞」の由来
「欺瞞」という字は「欺」と「瞞」の字でできています。2つとも「だます」という意味のある言葉になります。「欺」の音読みは「ぎ」で訓読みは「欺く(あざむく)」という言葉になっているのです。
「欺瞞」には、ただ単に騙すだけの意味ではなく「もっともらしく装ってだます」「相手に真実だと思わせて騙す」という意味合いのある言葉になっているのです。「欺瞞」の「瞞」の音読みは「まん」という読み方をして「瞞す(だます)」「瞞く(あざむく)」となります。
意味としては「はっきり見えない」という意味になるので「事実を伏せて見えなくしてだます」という意味合いがあります。この2つの漢字が合わさって「欺瞞」という言葉になったのです。
「自己欺瞞」な人の特徴
「欺瞞」を使った言葉として「自己欺瞞」があります。「自己欺瞞」とは、「自己を欺瞞すること」という意味があります。よって、「自分で自分の心をあざむくこと」という意味があります。
こうした言動や行動が自分の良心や本心に反していると分かっていながら、自分に正当化してしまうことを意味しているのです。また、無意識に行う場合や意識しながらやっていることもあります。
「自己欺瞞」の意味
「自己欺瞞」には2つの「自己欺瞞」があります。1つは「本当の自分の気持ちや考えに反した選択のときに、色々な理由で正当化すること」という意味があります。
もう1つの意味には「選択したいことが色々な理由からできずにそれと違った選択をした場合、その選択が正しいと思い込むという意味の特徴があります。自分に嘘をついている状態ということを表すことでもあるのです。
「自己欺瞞」が悪化してしまうとうつ状態や人格障害といった病気になってしまうこともあるので、そうなると専門的な治療が必要になってきます。それでは、「自己欺瞞」の人がもつ心理や原因の特徴についてご説明していきましょう。
「自己欺瞞」な人の特徴とは?
「自己欺瞞」な人の特徴についてご説明していきます。「自己欺瞞」な特徴の人の特徴として「責任転嫁」「欲求不満の回避」「周りの評価が気になる」といった特徴があります。それぞれについて具体的にどういったことなのか解説していきましょう。
責任転嫁
「自己欺瞞」な人の特徴として常に何か失敗しても責任転嫁をして自分の失敗を認めません。これは、自分がミスしたことを認めると自分のプライドが傷ついてしまいますし、周りの評価が下がってしまうと考えることが考えられます。
欲求不満の回避
「自己欺瞞」な人の特徴として恋愛においてもその「自己欺瞞」な特徴が表れることがあります。人には、人を思い通りに支配することで自分の価値を見出したいという欲求が強い人がいます。
例えば恋人を支配するような人で、横暴な態度をとって恋人を支配しようとすることがあるのです。これは、日頃、受け身がちな性格の人に多くある特徴で、仕事などでいつも受け身であるため、その欲求不満を恋人にぶつけてしまっているのです。
恋人であれば、受け止めてくれるだろうと、横暴な態度をとって愛情を試そうとしているとも考えられます。これは夫婦関係でも多いにあり得ることです。
仕事ではいつもぺこぺこしているような男性が家に帰ると妻や子供に対して支配的な態度になるような人がこの特徴に当てはまります。こういった特徴のある人の恋愛は長く続くことがありません。
恋人に逃げられてしまう原因になっているのです。別れたあとも恋人のことを責め続けているのも特徴的になり、それを続けてしまっていることがあります。
周りの評価が気になる
「自己欺瞞」な人の特徴として周りの評価を異常に気にするという特徴があります。例えば、仕事でも自分の仕事への評価を常に気にして仕事をしている特徴があるのです。
もしも仕事でミスをしてしまった場合は、自分には責任がないことを必死で証明しようとする特徴があり、常に人からの評価で仕事をしているような人が「自己欺瞞」の人ともいえます。このタイプの人は、人に評価されていると感じている場合は、頑張ります。
「自分は期待されているんだ」「人より出来ている人間なんだ」と感じている場合がむしゃらに頑張るのですが、ある日ぽっきりと折れてしまうことがあります。常にミスをカバーすることを考えて仕事しているので、ミスが続いてしまうと心が折れてしまうのが特徴的です。
愚痴や言い訳が多い
「自己欺瞞」な人の特徴として愚痴や言い訳が多いという特徴があります。何をするに関しても愚痴を言っているのが特徴で、仕事にしてみると「○○が悪い」「上司が悪い」「取引先が悪い」と全て自分とは違う人を悪者にして愚痴を言っているのが特徴です。
また、すぐに「疲れた」といって休もうとする特徴があります。例えば、チームで試合に勝つために一生懸命頑張っているような時にでも「疲れた」と休憩しようとするのが特徴的です。
チームで頑張ろうとしている気持ちを一気に冷めさせる行動であるのに、そのことには気が着かず進んで休憩しようとします。
休憩しながら「私が休憩を率先してとらにと皆が取りにくいからね」というように自分があたかもみんなのために休憩をとっているような言い訳をするのです。そうして、自分を甘やかしている部分も特徴的です。
時に、そういった「自己欺瞞」な人を利用して、一緒にさぼろうとしようとする人がいます。そうした自分と同じような人と一緒にいると、大きな顔でさぼることができるので態度もどんどん大きくなってくることがあるのです。
「欺瞞」の類語・対義語
「欺瞞」の類語についてご紹介していきましょう。「欺瞞」の類語というのは、「欺瞞」と同じ意味の言葉という意味があります。「欺瞞」の類語にはどんな言葉があるのかご紹介していきましょう。
「欺瞞」の類語の意味や使い方について知ることで「欺瞞」についてより深く理解していくことができるのでチェックして下さい。
「欺瞞」の類語と意味
「欺瞞」の類語の意味と使い方についてご紹介していきます。今回ご紹介する「欺瞞」の類語として「欺騙(きへん・ぎへん)」「瞞着(まんちゃく)」「虚偽(きょぎ)」「詐欺(さぎ)」「ペテン」があります。それぞれの類語の意味と使い方についてご紹介していきましょう。
欺騙(きへん・ぎへん)
「欺瞞」の類語には「欺騙」があります。「欺瞞」の類語「欺騙」の意味には「あざむき、だますこと」という意味があり、「欺瞞」と同じ意味の言葉でもあるのです。「欺瞞」と同じ文字と「騙」という字もあるので熟語としても構成も「欺瞞」と同じとなります。
「欺瞞」と同じように名詞として使う使い方ができるのです。「欺騙」にするをつけて「欺騙する」という使い方をします。軍事においての意図や兵力を隠すために相手に間違った情報を渡すという意味のある意味があります。
読み方は「きへん」と「ぎへん」の2つあるのですが、軍事の場合は、「ぎへん」という読み方をするのです。使い方としては「作戦が成功するために、事前の欺騙が大切になってきます」という使い方例文となります。
瞞着(まんちゃく)
「欺瞞」の類語として「瞞着」があります。「欺瞞」の類語「瞞着」の読み方は「まんちゃく」という読み方があります。「欺瞞」の類語「瞞着」の意味は「ごまかすこと」「だますこと」という意味があります。「ごまかす」の意味から「欺瞞」よりも軽い表現でもあります。
プライベートでの使い方もあるのです。ただ、硬い表現でもあるので、日常会話ではあまり使うことはありません。「瞞着」のあとに「する」をつけて「瞞着する」という使い方になります。使い方例文をご紹介していきます。「彼女は巧みな演説で徴収を瞞着した」です。
虚偽(きょぎ)
「欺瞞」の類語として「虚偽」があります。「欺瞞」の類語「虚偽」の読み方は「きょぎ」という読み方をして、意味としては「真実ではないことを真実のように見せること」という意味がある言葉です。
「虚偽」をシンプルな意味にすると「嘘」「偽り」という意味になります。法律に関する使い方として「虚偽の申告をした」「虚偽の申し立て」「虚偽の証言」という使い方をすることがあります。
他の使い方としては「企業や政治家といった人達は、収支関係報告書に事実とは違う記載をする」という意味がありますが、これを「虚偽記載」という使い方をします。
法律や法律に関する文書に関する場面で使うことが「欺瞞」との違いとなります。「虚偽記載によって、株価が急落してしまった」「虚偽の申告をすると有罪になります」という使い方となります。
詐欺(さぎ)
「欺瞞」の類語として「詐欺」があります。「欺瞞」の類語「詐欺」の読み方は「さぎ」という読み方をし、意味としては「他人をあざむいて、間違った認識を与える行為」という意味があります。
もう1つの意味としては「偽りによって、金や品物を奪い取ったり損害を与えたりする」という意味があります。法律用語では、「他人をあざむいて、間違った認識を与える行為」は民法で定義されたものです。
そして、「偽りによって、金や品物を奪い取ったり、損害を与えたりする」は刑法で定義されている言葉です。「欺瞞」の類語としては、民法に定義された「詐欺」の意味となります。「詐欺によって契約されたものは取り消すことができます」とう使い方ができます。
ペテン
「欺瞞」の類語として「ペテン」があります。意味としては「他人をだますこと」「イカサマ」という意味となるのです。「ペテン」をする人のことを「ペテン師」という言い方をすることがあります。
「ペテン師」は「詐欺師」の別名でもありますし、ギャンブルでイカサマをする人のことを表して使う意味があります。「欺瞞」は、犯罪ではない嘘のことを意味していて、「ペテン」は犯罪行為に対して使う使われ方をする言葉なので軽々しく使うのは注意が必要です。
「親類がペテン師にはめられました」「ペテン師め!」という使い方ができる使い方があります。気軽には使えない言葉です。
「欺瞞」の対義語と意味
「欺瞞」の対義語についてもご紹介していきましょう。「欺瞞」の対義語とは、「欺瞞」と反対の意味合いの言葉という意味です。「欺瞞」の対義語と意味、使い方についても解説していくのでチェックしていきましょう。
正直
「欺瞞」の対義語として「正直」があります。「欺瞞」の対義語「正直」の意味には「心が正しく、素直である」「偽りない」という意味があります。
「欺瞞」の対義語「正直」の使い方として「正直な生き方をしている人は、とても素敵です」「私は、自分の気持ちに正直に生きていきたい」という使い方になるのです。
誠実
「欺瞞」の対義語「誠実」です。「欺瞞」の対義語「誠実」の読み方は「せいじつ」という読み方として、意味は「他の人や仕事に対して真面目である」「真心がある」という意味があります。
「欺瞞」の対義語「誠実」の使い方として「彼の誠実な部分に惹かれました」「誠実な人は信頼できる」という使い方ができます。
信頼
「欺瞞」の対義語として「信頼」があります。読み方は「しんらい」という読み方をして、意味は「頼りにできると信じる」「信用して任せる」という意味になるのです。
「欺瞞」の対義語「信頼」の使い方として「彼は周囲の信頼を勝ち取った」「信頼される人の商品は購入してもらいやすい」という使い方ができます。
忠実
「欺瞞」の対義語として「忠実」があります。「欺瞞」の対義語忠実」の読み方は「ちゅうじつ」という読み方として、意味は「真心をもって努める」「心から真面目に尽くす」という意味があるのです。
使い方としては「忠実にやり方を真似て作りました」「忠実な印象を受けました」「この犬は忠実です」という使い方になります。
「欺瞞」の英語表現
「欺瞞」の英語表現があります。「欺瞞」の英語表現としてどんな英語表現があるのかご紹介していきましょう。「欺瞞」の英語表現の意味と使い方についてご説明していくので、しっかりと確認してみて下さい。
「欺瞞」の英語表現として「deception」があります。「deception」の意味には「ごまかすこと」「だますこと」という意味があります。また、「deceit」「fraud」「deceitful」「deceive」があり、それぞれの意味をご紹介していきます。
「deceit」の意味には「悪意をもったごまかし」「fraud」の意味には「詐欺」「deceitful」の意味には「偽りの(外見が)見誤られるような」「deceive」の意味には「だます」という意味があります。
これらの英語表現を使った例文をご紹介していきましょう。「彼らは、巧妙な手口で私をだました」の英語表現は「They deceived me by using clever tricks.」という英語表現になります。
「彼女は、誰かから何かをだまし取ろうなんてことはできない人間だ」の英語表現は「She is incapable of depriving somebody of something by deceit.」という英語表現になります。
「彼は、詐欺の容疑で逮捕された」の英語表現は「He was arrested on charge of fraud.」となります。「今朝見た広告は欺瞞的なものだった」という英語表現は「The advertising I saw this morning was deceitful.」となります。
「私達の先生は、彼のごまかしを見抜いた」の英語表現は「Our teacher saw through his deception.」となります。また、「自己欺瞞」の英語表現は「self-deception」で「欺瞞作戦」の英語表現は「military deception」となります。
「欺瞞」の使い方
それでは、「欺瞞」の使い方を例文でご紹介していきましょう。「欺瞞」の正しい使い方を知ることは、「欺瞞」を正しく理解することができることになります。
「欺瞞」の使い方をしっかりと理解して使えることはビジネスマンとして必要なスキルでもあります。それでは「欺瞞」の使い方例文①からご説明していきましょう。
例文①
「欺瞞」の使い方例文①として「欺瞞に満ちた」をご紹介していきましょう。「嘘にまみれている」という意味での使い方になります。
「都合の悪いことは隠して、国民に欺瞞に満ちた言葉で伝えているようなものですよ」「欺瞞に満ちた言葉でいくら言っても国民の信用は取り戻せません」という使い方ができます。
例文②
「欺瞞」の使い方例文②「欺瞞的」があります。「他人をだますようなもの」という意味の形容詞的な使い方になります。
「実際に商品を買って使ってみましたが、あの広告は欺瞞的だと思います」「彼女の発言は今までの悪さを考えると欺瞞的発言に思えて仕方ありません」というような使い方をします。
例文③
「欺瞞」の使い方例文③「欺瞞性」です。「嘘らしさの度合い」という意味があります。「欺瞞性が高い」の意味には「嘘である可能性が高い」という意味となるのです。「彼女のしてきた悪行を考えてみると、今回のことも彼女の発言の欺瞞性は高い気がします」という使い方をします。
例文④
「欺瞞」の使い方例文④として「自己欺瞞」があります。「自己欺瞞」には責任適かと他人の評価の為に自分を偽るという意味がある言葉になります。使い方としては「自己欺瞞をしていてはいつか、体を壊しますよ」「彼女の自己欺瞞がとても激しい人です」という使い方をします。
「欺瞞」の注意点
「欺瞞」という言葉は、冗談や嘘といった軽い表現としては使うことはできません。例えば軽い雰囲気で「それは欺瞞だ」というような使い方はできないので注意して下さい。「欺瞞」は、相手に重大な損失を与えてしまう意味があり、損失を隠そうとすることを目的に使う使い方をしましょう。
冗談や嘘など軽い意味では使わない
「欺瞞」は、冗談や軽い嘘などの表現として使うことはできません。同僚に対してや友人に対して冗談で使う言葉ではないのです。
「欺瞞に満ちる」という使い方がありますが、この使い方としては「あの国には欺瞞に満ちた言動が目立ちます。そのため警戒が必要です」という使い方をすることになります。
「欺瞞」は「あざむき」「だますこと」という意味
「欺瞞」の意味や使い方例文、類語、対義語、英語表現についてご紹介してきました。「自己欺瞞」な人の特徴には、責任転嫁をして、常に愚痴を言っているにも関わらず、人の評価が気になるという特徴があります。
「自己欺瞞」な態度というのは、周りにも分かりやすくなりますし、自分への印象があまりいいものにはなりません。もしも自分が「自己欺瞞かも?」と感じたのであれば、それは大切な第一歩になります。
自分に甘い性格を少し見直す必要があるでしょう。また、「欺瞞」という言葉は軽々しく使う言葉ではありません。普段の会話で使うことがないように注意するようにして下さい。