証左の意味とは?
「証左」という言葉はめったに見たり聞いたりすることがない言葉ですので、「証左」という言葉を知っている人も少なければその意味を知っているという人もかなり少ないでしょう。
「証左」という言葉は堅いイメージのある言葉なので、ビジネスシーンなどにおいて使われることがありますが、それも滅多に使われませんので、「証左」という言葉を知っている人は少ないと言えます。
「証左」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「証左」の意味についてご紹介しましょう。
証拠という意味
「証左」の意味の一つ目は、「証拠」という意味です。「証拠」の意味は「真実や事実を証明するよりどころ」という意味で、意外に難しい意味を持っています。
「証拠」という言葉は一般的な日常生活の中でも時々使われますので、「証左」と違ってなじみのある言葉だと言えます。
「証左」は「証拠」を堅いイメージで言いたい時に使われる言葉ですので、「証左」の意味は「証拠」と覚えておくと良いでしょう。
証人という意味
「証左」の意味の二つ目は、「証人」という意味です。「証人」の意味は「事実を証明する人」「過去に経験した事実について述べるよう裁判所から命ぜられた第三者」という意味です。
「証左」は「証人」の一つ目の意味「事実を証明する人」として使われることもあれば、二つ目の難しい意味で使われることもあります。
「証左」の意味は「証拠」だと覚えておくと良いですが、「証左」の対象が人であった場合には「証左」の意味は「証人」になります。
あかしという意味
「証左」の意味の三つ目は、「あかし」です。「あかし」の意味は「確かなよりどころを明らかにすること」という意味で、ちょっと難しそうな意味ですが、簡単に言えば「証拠」です。
「あかし」は「証拠」より古風な言い回しで、「身のあかしを立てる」などといった使い方がされますが、「身のあかしを立てる」の意味は「身の潔白を証明する」という意味になります。
このように「証左」には「証拠」「証人」「あかし」という意味がありますが、シンプルに「証左」の意味は「証拠」だと覚えておくと良いでしょう。
証左の由来
「証左」の意味についてご紹介しましたので、次は「証左」の由来についてご紹介します。日本語には語源や由来がある言葉が多いですが、「証左」にも由来があります。
「証左」の意味は「証拠」ですが、「証左」の「左」はなぜ「左」なのかが気になる人も結構多いでしょう。
「証左」という言葉の由来とはいったいどのような由来なのか、「証左」の由来についてもご紹介しましょう。
支えとなるものという意味の言葉が由来
「証左」の由来は「支えとなるもの」という意味の「左」です。「左」というと「右左」を表す言葉としてのイメージしかありませんが、実は「左」という言葉には「支えとなるもの」という意味もあります。
「左」という文字は左手を表す「ナ」と呪術に使う道具を表す「エ」でできていて、この象形文字から「左」という文字ができました。
右手で何かをする時に左手が補助的な役割を果たすということから、「左」に「支えとなるもの」という意味ができ、「証拠」を「支えるもの」という言葉として「証左」という言葉が生まれました。
他に、昔金銭取引に使われていた割符(わりふ)の左半分を証拠として使用していたというのも「証左」の由来として伝わっています。
証左の類語
「証左」の由来についてご紹介しましたので、次は「証左」の類語についてご紹介します。「証左」の意味は「証拠」「証人」「あかし」なので、これらの意味に似た意味を持つ言葉が「証左」の類語になります。
日本語にはとても複雑で難しい意味を持つ言葉がたくさんあり、そういった難しい日本語の場合類語を探すことが難しい場合もあります。
「証左」という言葉にはいったいどのような類語があるのか、「証左」の類語についてご紹介しましょう。
左証
「証左」の類語の一つ目は、「左証(さしょう)」です。「左証」の意味は「証拠」なので、「左証」という言葉は「証左」と全く同じ意味を持つ類語になります。
「証左」という言葉もあまり使われませんが、「左証」という言葉もほとんど使われません。「左証」はかなり古い言い回しなので、現代では「左証」ではなく「証左」の方が使われています。
「左証」は「証左」と同じ意味を持ちますので「左証」を「証左」の言い換えに使うことは可能ですが、「左証」は使われなくなった言葉ですので、「証左」の言い換えとしては昨今では使えないと言えます。
証跡
「証左」の類語の二つ目は、「証跡」です。「証跡」の意味は「あることが行われたというあかしになる痕跡」という意味で、「証左」の意味「証拠」に非常に近い意味を持つ類語です。
ですが「証左」の意味には「証人」といった意味もありますので、「証跡」はその点では「証左」とは少し意味が違うとも言えます。
「証跡」という言葉は「証左」の言い換えに使えるようで使えませんが、意味的には「証左」にとても近いので「証跡」も「証左」の類語になります。
証拠
「証左」の類語の三つ目は、「証拠」です。「証拠」の意味は「事実や真実を証明するよりどころ」という意味で、「証左」の一つ目の意味と全く同じ意味を持つため「証左」の類語と言えます。
「証拠」という言葉を堅い言葉で言い換えたものが「証左」ですので、「証拠」イコール「証左」だと言うこともできます。
「証左」を「証拠」と言い換えることもでき、「証拠」を「証左」と言い換えることもできますので、「証拠」は「証左」に最も近い意味を持つ類語だと言えます。
証人
「証左」の類語の四つ目は、「証人」です。「証人」の意味は「事実を証明する人」で、「証左」の二つ目の意味にストレートに「証人」という言葉がありますので、「証人」も「証左」の類語になります。
「証人」を「証左」と言い換えることはできますが、「証左」には他に「証拠」という意味もありますので、「証左」を「証人」と言い換えることはできません。
ですが「証人」という意味で「証左」という言葉を使っている場合には、「証左」を「証人」と言い換えることができます。
証左の対義語
「証左」の類語についてご紹介しましたので、次は「証左」の対義語についてご紹介します。日本語には対義語がない言葉や対義語を探すのが難しい言葉も結構ありますが、「証左」もそんな日本語の一つです。
「証左」の意味は「証拠」「証人」「あかし」ですが、これらの意味とは反対の意味を持つ言葉を探すことは難しいです。
「証左」の対義語と言える言葉にはいったいどのような言葉があるのか、「証左」の対義語についてもご紹介しましょう。
根拠がない
「証左」の対義語の一つ目は、「根拠がない」です。「根拠がない」の意味は「議論などにそれを裏付ける証拠がない」という意味で、一見すると「証左」の対義語ではなさそうですが、実は「根拠のない」は「証左」の対義語です。
対義語というのは何らかの言葉とは反対の意味を持つ言葉のことですが、「根拠がない」には「証拠がない」という言葉が含まれていて、「証拠」という意味を持つ「証左」とは反対だと言えます。
このため「証左」の対義語ではなさそうに見える「根拠がない」という言葉も、立派に「証左」の対義語だと言えるということです。
証拠がない
「証左」の対義語の二つ目は、「証拠がない」です。「証拠がない」の意味は「事実や真実を証明するよりどころがない」という意味です。
「証左」には「証拠」という意味がありますが、「証拠がない」という言葉は「証拠」が「ない」ので「証左」とは正反対の意味があると言えます。
元の言葉が二文字なら対義語も二文字のものが望ましいですが、「証左」には「証左」と同じような二文字の対義語はなく、「根拠がない」「証拠がない」などの文章が対義語になります。
理由がない
「証左」の対義語の三つ目は、「理由がない」です。「理由がない」の意味は「意見などにそれを裏付ける証拠がない」という意味です。
「証左」には「証拠」という意味がありますので、「証拠」が「ない」という意味を持つ「理由がない」も「証左」の対義語の一つになります。
「理由」には「よりどころがある」といった意味がありますので、「理由がない」は「よりどころがない」という意味にもなります。
「証左」の意味「証拠」には「真実や事実を証明するよりどころ」という意味がありますので、詳しい意味を追及しても「理由がない」は「証左」の対義語だと言えます。
いい加減な
「証左」の対義語の四つ目は、「いい加減」です。「いい加減」には「良い加減」という良い意味の他に「証拠のないこと」「雑なさま」といった悪い意味もあります。
「証左」の対義語としての「いい加減」は悪い意味の方の「いい加減」で、「証拠のないこと」が「証左」とは反対の意味になります。
「証左」の対義語はいくつもありますが、そのいずれも「証拠がない」という意味を持っている言い回しで、単語ではないというのが特徴です。
証左の英語表現
「証左」の対義語についてご紹介しましたので、次は「証左」の英語表現についてご紹介します。日本語には英語に訳するのが難しい、複雑で繊細な意味を持つ言葉がたくさんありますが、「証左」には対応する英語があります。
「証左」の意味は「証拠」「証人」「あかし」ですが、これらの意味を持つ英語が「証左」の英語表現として使われます。
「証左」の英語表現にはいったいどのような英語があるのか、「証左」の英語表現についてご紹介しましょう。
evidence
「証左」の英語表現としてまず挙げられるのが、「evidence」という英語です。「evidence」には「証拠」という意味がありますので、「証左」を英語表現する場合には「evidence」が使われます。
「証左」には他に「証人」という意味もありますが、こちらにも対応する英語があります。「witness」という英語には「証人」という意味があり、「証左」を「証人」という意味で使う場合には「witness」が使われます。
一般的な人には「証左」を英語に翻訳する機会などはあまりありませんので、「証左」には対応する英語がちゃんとあるということだけ覚えておけば充分でしょう。
証左の使い方
「証左」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「証左」の使い方についてご紹介します。「証左」の意味は「証拠」「証人」「あかし」という意味ですので、これらの意味を表したい時に「証左」を使うことができます。
ですが実際に日常生活の中で「証左」という言葉を使うことは滅多にありませんので、「証左」の使い方がわからない人も多いでしょう。
「証左」という言葉の使い方とはいったいどのような使い方なのか、「証左」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「証左」の使い方の例文の一つ目は、「彼は多数の証左によって有罪が確定した」という例文です。この例文での「証左」は「証拠」という意味で「証左」が使われています。
「証左」という言葉は警察の捜査や裁判所の裁判などにおいて使われることが多く、この例文のような使い方がされることが多いと言えます。
「証拠」という言葉を「証左」という言葉を使って言い換えると少し堅いイメージになるため、警察や裁判に関連した文章で「証左」を使うことが多いです。
例文②
「証左」の使い方の例文の二つ目は、「日報の書き方が、彼はとても几帳面な性格だという証左になる」という例文です。この例文では「証拠」という意味で「証左」という言葉が使われています。
一つ目の例文では裁判などに関連した文章での「証左」の使い方をご紹介しましたが、こちらの例文は日常生活の中での「証左」の使い方になります。
「証左」という言葉は一般的な日常生活の中では滅多に使われない堅い言葉ですが、使おうと思えばこのように簡単に使うことができます。
例文③
「証左」の使い方の例文の三つ目は、「彼氏が浮気をしているのではないかと思い、パソコンの中に証左がないかと探してみた」という例文です。
この例文の中でも「証拠」という意味で「証左」が使われています。「証左」という言葉は「証拠」という意味で使うなら、このような文章の中でも使うことができるということです。
例文④
「証左」の使い方の例文の四つ目は、「彼女がよく仕事をさぼっていると聞き、証左を探した」という例文です。こちらの例文でも「証拠」という意味で「証左」が使われています。
一般的な日常生活の中では「証人」や「あかし」といった言葉はほとんど使われませんので「証人」「あかし」といった意味で「証左」を使うことはほぼありませんが、「証拠」という意味なら意外に簡単に「証左」を使うことができます。
証左とは証拠という意味
「証左」という言葉の意味や類語や対義語、「証左」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「証左」の意味は「証拠」なので、「証左」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。