おぼこいの意味とは?
「おぼこい」という言葉を聞いたことがありますか。全国的には中々聞き慣れない言葉かもしれませんが、ある地域では方言としてよく知られている言葉です。その「おぼこい」の意味や語源、どこの方言なのか、又使い方を例文を使って紹介します。
意味①幼稚、かわいい
まずは「おぼこい」という言葉の意味から説明します。「おぼこい」の一つ目の意味は、幼稚やかわいいという意味です。
かわいいという意味だけを取ると「おぼこい」と言われることに嬉しさを感じるかもしれませんが、幼稚、つまり子供っぽいという意味で「おぼこい」を捉えると、大人になって言わてしまった時には少しショックを受けてしまうかもしれません。
子供っぽいには子供ではないのに物事の考え方や言動、行動、又表情に子供のような幼さを感じる様子という意味があります。その為、大人が「おぼこい」と言われた際には単に「かわいい」という意味だけで喜んでいては恥の上塗りをしていることになるかもしれません。
意味②未熟
二つ目の「おぼこい」の意味は、一つ目の幼稚という意味とも繋がりを感じる、初々しく未熟な様子とされています。
初々しいには幼い様子や若々しく新鮮な様子という意味があり、未熟には技術や経験がまだ十分ではない様子という意味があります。ちなみに、作物などがまだ熟していない様子を表す際もこの「未熟」が使用されます。一つ目の意味同様、単純に喜べるような意味ではないと言えます。
例えば、まだまだ本当に経験が浅く仕事にも慣れていないような新入社員が言われるのであればまだ納得できるかもしれませんが、長年その仕事をしているにも拘らず「おぼこい」と言われてしまう人は少し自分に体する姿勢や言動等を気を付けた方が良いでしょう。
おぼこいは関西の方言
そうした「おぼこい」という言葉が最も良く使われているのが関西です。おぼこいは関西の方言として今も使われています。
使い方は紹介してきた意味と同じく、かわいいや幼稚な様子を表す方言として使われています。使われる年齢は決まっておらず、お年寄りの方だけではなく若い方でもそして男女を問わず使われている方言です。現在では関西の方言としてだけでなく全国的にも知られるようになりました。
又、初めに紹介した「おぼこい」の意味では少しマイナスな面を感じられたかもしれませんが、おぼこいにはかわいいという意味と似た愛嬌があるというプラスの意味もあります。その為、「おぼこい」という発言の中には発言者の愛情も込められていると言えます。
その他の地域での使われ方
又、「おぼこい」は関西以外の地域でも方言として使われています。それが愛知県西部で主に話されている名古屋弁です。
名古屋弁での使い方は関西と同じく、子供っぽいや初な様子という意味で使われています。少しからかいのニュアンスを込めながらも愛情を込めて使われる方言の為、総合的に見て関西弁との意味の差はほぼありません。その為、関西の方が名古屋で同じように話しても問題はありません。
又、京都府と三重県四日市市の四郷地区周辺でももちろん関西、近畿地方である為、「おぼこい」を方言として使用しますが、京都では幼稚であることをたしなめるようなニュアンスで使われ、四郷地区周辺では幼稚という他に世間慣れしていない様子という意味で主に使われます。
おぼこいの語源
ではそうした「おぼこい」にはどのような語源があるのでしょうか 。おぼこいの語源を知る前にまずはおぼこいは「おぼこ」という名詞を形容詞化した言葉であることを知っておかなければいけません。その「おぼこ」には、世間慣れしていない人、生娘、ボラの幼魚の名という意味があります。
語源①ボラの稚魚からきている
「おぼこい」の語源の一つ目の説はボラという魚の稚魚からきているという説です。実際に「おぼこ」はボラの幼魚の名でもあります。
どうしてそれが語源になったのかを説明すると、ボラという魚の特徴にあります。ボラは鰤や鰯と同じく出世魚の為、成長する毎に名前が変化していきます。呼び名は地域によって異なりますが、関東地方では、オボコ、イナッコ、スバシリ、イナ、ボラ、トドの順に呼び名が変わります。
ちなみに方言としておぼこいをよく使う関西では、ハク、オボコ、スバシリ、イナ、ボラ、トドと名前が変わります。そうした過程を経る中で、オボコの時期はまだ小さくかわいらしい姿の為、「おぼこい」の幼稚やかわいいという意味に通じて語源になったのではないかとされています。
語源②産子きている
二つ目の「おぼこい」の語源は、生まれたばかりの赤ちゃんを指す「産子」からきているのではないかという説です。産子は「うぶこ」と読みます。その「うぶこ」という読みが「おぼこ」に変化し、「おぼこい」という言葉ができたのではないかとも言われています。
おぼこいを漢字で書くと
ちなみに、おぼこいを漢字で書くと「未通女い」です。これは「おぼこ」の意味の中にある生娘という言葉の意味からきている当て字で、おぼこの場合は「い」を取って「未通女」と表します。ちなみに「おぼこ」はこれだけでなく、「童女」と書いても当て字でおぼこと読みます。
おぼこいの特徴
ここからは「おぼこい」の特徴について紹介します。紹介する「おぼこい」の特徴は、おぼこい顔の特徴です。かわいらしい、子供っぽいという意味がある「おぼこい」という言葉ですが、そのおぼこさが現れている顔とはどのような特徴のある顔のことなのでしょうか。
おぼこい顔の特徴
では早速、「おぼこい」と表現される顔の特徴を紹介しましょう。おぼこい顔、つまり一般的に童顔といわれる顔の特徴は次の通りです。
顎や頬骨が立体的ではなく、丸みを帯びた丸顔であり、まつげの毛の量が多く長いことです。顔のパーツを見てみると、顔のパーツが全体的に真ん中に寄り気味であり、左右の目は少し離れ気味、そしてその目の大きさと耳の大きさが顔全体の広さに対して大きめなことが特徴と言えます。
又、目の大きさに対して黒目の部分がとても大きいのもおぼこい顔の特徴の一つです。これがおぼこい顔、つまり子供っぽい顔や童顔能登区長とされています。では次に、この子供っぽくかわいらしいおぼこい顔を敢えて作るメイクの方法について紹介しましょう。
おぼこい顔にするメイク法
おぼこい顔を作る為にベースメイクは、白やピンク系の下地で子供のような透明感のある肌色にします。目の回りにコンシーラーも使うと尚良しです。
ファンデーションはブラシでふんわり入れるのがポイントです。チークはピンク系の色を笑顔を作りながら丸く入れます。そのチークの上、目尻にハイライトを、額の生え際の両サイドにブラウン系のシャドウで影を付けます。これでベースとなるおぼこい顔のメイクは完成です。
次にまつげはビューラーでしっかりカールさせます。つけまつげを使っても構いません。アイシャドウはゴールド系のものを全体に塗り、目の際はブラウンにします。アイラインはたれ目になるように目尻を下げ、黒目が大きく見えるようにまつげとまつげの間をしっかり埋めていきます。
ラメが入った明るめのベージュのアイシャドウを使って涙袋を作るのもポイントです。眉毛は目頭の方は目と眉の距離を近付けふんわりと書きます。そして唇にはピンク系のリップとグロスを使用しぷっくりとした唇に仕上げれば完成です。是非気になる方はやってみて下さい。
おぼこいの類語
では次に「おぼこい」と似た意味を持つ言葉、類語をいくつか紹介します。かわいいや幼稚等の意味がある「おぼこい」には多くの類語が存在します。今回はその中から厳選したいくつかを紹介します。おぼこいの意味と共にこれらの類語の意味についても知っておきましょう。
類語①「うぶ」の意味
「おぼこい」の類語の一つ目は「うぶ」です。この「うぶ」を漢字にすると「初」や「初心」と表します。この類語の意味は次の通りです。
「うぶ」は、初々しい様子や純粋な様子という意味がある類語です。又、生まれたままの自然な状態という意味もあります。簡単に表すと、何色にも染まっていないような真っ白な様子とも言えます。大人になるまでに様々な経験を経る中で真っ白でいることは難しいかもしれません。
それでもそのようななんの混じりっけもないような雰囲気を持った人は大人の中にも少なからず存在しています。そのような人を「うぶ」という言葉で表します。「おぼこい」の子供っぽいといった意味と通じる部分がある為、おぼこいの類語として相応しい言葉と言えます。
類語②「無邪気」の意味
「おぼこい」の二つ目の類語は、「無邪気」です。無邪気というと子供によく使われますが、そうした所が類語となる部分と言えます。
無邪気は、素直で悪気も作為もない様子やあどけなくかわいらしい様子という意味がある類語です。「おぼこい」とも通じる意味が並んでいる為、類語として相応しい言葉と言えます。素直やかわいらしいという意味だけを見ると良い言葉のように思えますが、実は意味はこれだけではありません。
無邪気には思慮が欠けている様子や考えていることが単純であることといったような少しマイナスな意味もあります。思慮に欠ける、つまり軽率とも取れるその行動は無邪気イコール幼稚であるとも捉えられる為、マイナスな意味でも「おぼこい」の類語として成立しています。
類語③「世間知らず」の意味
「おぼこい」の三つ目の類語は、一見するとマイナスの意味にしか見えない「世間知らず」という言葉です。
「世間知らず」は、経験が浅い様子や世間のことに疎い様子という意味がある類語です。見たままの通りマイナスの意味しかない言葉ですが、「おぼこい」もこれまで説明してきた通り、決してプラスの面が目立つ言葉ではなく、マイナスの要素も強く感じられる言葉と言えます。
そして類語として通じるのは、ただマイナスの面を持つ言葉だけというだけではもちろんなく、意味の部分でもしっかりと通じています。おぼこいの意味にある幼稚や未熟という意味は正に「世間知らず」という言葉の意味にも通じています。そうしたことから類語として相応しい言葉と言えます。
おぼこいの使い方
ではここからは「おぼこい」の使い方を例文を使って紹介します。使い方はとても簡単です。「おぼこい」という言葉の幼稚やかわいい、未熟等といった意味、そしてこれから紹介する使い方と例文を見て更に「おぼこい」という言葉の理解を深めましょう。
例文①
まずは、かわいいや初々しい等というプラスの意味で「おぼこい」という言葉を使う際の使い方を例文を使って紹介しましょう。
かわいいや初々しいという意味で「おぼこい」を例文にすると、「おぼこくてかわいい」等というような例文ができます。この例文では、「初々しくてかわいらしい」ということを伝えています。使い方としては誰かの行動や見た目に対してこのように使ったりします。
「おぼこい」だけでもかわいいという意味は伝わりますが、例文のような形にすることでより「おぼこい」のプラスの意味合いも引き立ちます。又、初々しい意外にも純粋と訳すこともできます。褒め言葉としての「おぼこい」の使い方はこのようにして表現します。
例文②
次に、実年齢より若く見えるということを伝える際の「おぼこい」の使い方を例文を使ってみてみましょう。
幼稚というとマイナスな意味合いにも聞こえますが、若いとの意味で使う使い方をすると「おぼこい」という言葉をプラスの意味で捉えることもできます。もちろん、若いイコール幼稚とされている可能性もゼロではありませんので、言葉の捉え方には注意が必要です。
実年齢より若いという意味で「おぼこい」を使うと、「年齢の割に君はおぼこい」、「おぼこくて学生のようだ」と例文で表せます。一つ目の例文では、年齢の割に君は若く見えますということを表し、二つ目の例文では童顔に見えてまるで学生のようだということを表しています。
例文③
次は、幼稚だという少しマイナスな意味で「おぼこい」を表現する際のおぼこいの使い方を例文を使って紹介します。
先程の若いと幼稚は同じように実年齢よりも年が低いことを表している為、一見すると似ている言葉のようにも思われますが、幼稚という言葉は未熟という意味合いが強い為、どうしてもマイナスな表現のように捉えられます。それを踏まえた上で例文を作ると次のようになります。
「そのような遊びをしているなんてまだまだおぼこいな」、「まだまだおぼこい所が抜けないな」等となります。どちらの例文もおぼこい行動、つまり幼稚な行動をしている相手を少し馬鹿にしたような表現です。幼稚という意味合いで「おぼこい」を使うとこのような表現ができます。
例文④
次は「おぼこい」に「娘」を付けて、「おぼこ娘」とした時の「おぼこ娘」の使い方を例文を使って紹介します。
「おぼこ娘」とは、世間知らずのうぶな娘という意味の言葉です。先述したように、「おぼこ」には生娘という意味合いがある為、似たような意味合いの言葉として「おぼこ娘」という表現もあります。一見かわいらしくも感じる表現ですが、世間知らずという部分でマイナスの面も感じます。
例文で表すと、「おぼこ娘は中々僕の気持ちに気付いてくれない」等と表せます。おぼこ娘という言葉の意味からこのように男性からのアプローチに鈍いということを表す際にこのような使い方ができます。例文のようにするとマイナスの面よりもかわいらしいというプラスの面も感じられます。
おぼこいの注意点
では最後にこの「おぼこい」の注意点を紹介します。おぼこいという言葉はこれまでに紹介してきて分かるように女性特有の言葉のように思われます。では男性には「おぼこい」を使ってはいけないのでしょうか。そうした男女での使い方について見てみましょう。
男性に使ってもOK
かわいい等という意味を聞くと、どうしても女性に対する言葉として思われますが、実は「おぼこい」は男性に使っても構いません。
もちろん女性に使われることの方が断然に多いですが、男性には使ってはいけないという決まりはありません。但し、「おぼこい」という言葉の意味合いから女性に使われる時よりもマイナスの意味合いが強く感じられる可能性が高い為、捉え方には注意が必要です。
男性に「おぼこい」を使うと、童顔であることや、見た目が女性的な印象があるといったような言われると少しショックを感じてしまうような意味合いを含んでいます。それをプラスと捉えられる男性にとっては問題ありませんが、それを悩みとしている男性にとっては注意が必要な言葉です。
おぼこいは幼稚やかわいい、未熟という意味
「おぼこい」は幼稚やかわいい、又未熟等という意味があります。このような言葉の意味からも分かるように捉え方や使い方によってプラスにもマイナスにも捉えられる少し難しい言葉です。「おぼこい」を使ったり言われた際にはどの意味で使われているのか見極める力も必要と言えます。