「汎用性」の意味とは?
今回は、「汎用性」という言葉について、その意味や由来、類義語と対義語あるいは英語による表現、例文を通して正しい使い方などを解説していきます。
「汎用性」という言葉は、様々なシーンで使用されています。特にビジネスシーンにおいては広く利用されます。「汎用性」の基本的な意味は、一つの特定の用途以外にも様々な用途に対応できる性質を表します。
「汎用性」は「はんようせい」と読みます。「ぼんようせい」と読み間違えてしまいがちですが、そうなると全く異なる意味になってしまうので、使用するときは間違えないように注意しましょう。
「汎用性」の由来
まず始めに、「汎用性」という言葉の由来について紹介します。「汎用性」のうち、「汎」という漢字は「はん」と読みます。「広く全体にわたる、広くて限りなくゆきわたる」といった意味があります。
「用」は「もちいる」とも読み、「使う、役に立つ」といった意味があります。「性」は性質を表します。これらをつなげると、「限りなく広く全体的に利用できる性質」といったニュアンスを含む言葉になります。
「汎用性」の特徴
続いて、「汎用性」という言葉の特徴について紹介します。「汎用性」という言葉は、特にビジネスシーンにおいては良く利用されます。企業で仕事をこなすうえでは、特定の能力に特化することも大事ですが、広く様々な業務をこなす能力も必要です。
企業の中で一従業員として勤務する中では、様々な業務を広くまんべんなくこなすことも重要な要素となります。その点で、汎用性が高い人材というのは非常に重宝されます。
「汎用性」あり、なしの意味で使用される
「汎用性」という言葉は、「汎用性」がある、あるいはないという表現方法で表すことができます。対象となる事物や人物において、様々な事柄に対して対応することができる性質や機能、技能や経験を持っているかどうかを表現する場合に使用できます。
「汎用性」のありなしは、事物だけでなく人に対しても使用することができます。「彼女は汎用性があるのでなんでも任せて問題ありません。」などのように、人の性質を表現する際にも違和感なく使用することができます。
程度の意味を表す際は「高い」「低い」で表現
「汎用性」がある中で、その程度を表現する際には、「高い」「低い」を使用します。「この商品は用途はいくつかあるが、汎用性は低い部類に入るだろう」などと程度を表現することができます。
逆に「汎用性が高い」と表現すると、使用用途が幅広い状態、利便性が非常に高い状態を表現することができます。汎用性の高さは、特に企業で活躍する際には重要となる能力といえます。汎用性を高めるため、様々な経験と知識を獲得することが大事です。
「汎用性」の対義語・類義語・英語表現
「汎用性」という言葉の特徴について紹介しました。続いては、「汎用性」の言葉が持つ意味における類義語、対義語に加え、「汎用性」の意味に似ている英語表現について紹介していきます。
「汎用性」の意味に似ている類義語はいくつかありますが、「汎用性」の意味、ニュアンスを正確に表現している類義語はあまり多くありません。それぞれの言葉を正確に理解して正しく使用できるようになりましょう。
「汎用性」の類義語
「汎用性」の意味に近い類義語とは、「万能性」や「多様性」、「オールラウンド」などが挙げられます。まず「万能性」についてですが、「汎用性」の意味が持つ使用用途の広さに加え、すべてにおいて優れているという意味が含まれます。
「多様性」も意味は似ていますが、「汎用性」のような特定のモノや人に対してでなく漠然とジャンルが多様となっている状態を表します。
「オールラウンド」は「汎用性」と意味が非常に近いです。幅広くまんべんなくこなせる様子が表現できます。
「汎用性」の対義語
続いて、「汎用性」の言葉の対義語を紹介します。「汎用性」が持つ使用用途の広さという意味に対応した対義語は「専門性」です。
「専門性」の意味とは、「特定の事象や特定の目的に対し、非常に高い知識や経験、技能を持っている状態」になります。研究職などは専門性が高い職種として最もポピュラーなものです。
「汎用性」と「専門性」のどちらが優れているということは言えず、場面によって必要となる資質が変わってくるため、どちらも必要な性能といえます。
「汎用性」と似た意味を持つ英語表現
「汎用性」の意味を表現する英語とはどんなものがあるでしょうか。英語の単語一文字で表すなら、「versatility」が挙げられます。また、他の表現としては「universal use」、「general purpose」などが挙げられます。
「versatilty」を形容詞として利用する際は「versatile」となります。「the most versatile item」で、「最も汎用性が高いアイテム」と訳すことができます。
「汎用性」の使い方
「汎用性」の言葉の類義語、対義語、英語表現を紹介してきました。続いては、「汎用性」という言葉の使い方を例文を交えて紹介していきます。
「汎用性」は特にビジネスシーンにおいてはよく利用されます。「専門性」と比較しながらの使い方も多く、便利な言葉です。きちんと使い方をマスターして、相手に対して誤解を与えないように気をつけましょう。
以下、ビジネスシーンやその他のシチュエーションを想定した例文を4つ紹介します。使い方をマスターして、ぜひ使ってみましょう。
例文①
「汎用性」を使った例文の一つ目は、家電量販店での販売員が、お客に対して販売している商品の説明をしている場面を想定しています。「汎用性」という言葉の使い方として、よく聞かれる言い方になります。
「こちらの商品は、あらゆる用途で使用できて、非常に汎用性が高くなっています。」家電量販店で販売されている商品は、たいてい自宅や会社などで利用する家具になります。
汎用性が高い方がもちろん人気となり、お客の購入意欲をかき立てることにつながります。「汎用性」の正しい使い方といえます。
例文②
「汎用性」を使った例文の二つ目は、ビジネスシーンにおける社員の評価について論じている場面を想定しています。
「彼は管理業務も営業の仕事も両方こなせる、汎用性が高い人材です。」ビジネスシーンにおいて、様々な業務に対応できる汎用性の高い人材というのは非常に重宝されます。
例文③
「汎用性」を使った例文の三つ目は、日常でのファッションについて話している場面を想定しています。普段着こなしている衣類がどれほど汎用性に富んでいるか、話をしている場面です。
「今私が持っている服は、プライベートにしか使用できず、汎用性が低いラインナップです。」衣類によっては、プライベートとフォーマルの両方に使っても違和感がないようなものも多いです。
「汎用性」の高い衣類を持っているだけで、どんな場面でも気兼ねなしに着こなせていけるので、安心できます。
例文④
「汎用性」を使った例文の四つ目は、就職活動をしている大学生が、就職試験に有利になる資格について相談している場面を想定しています。
「様々なジャンルで活用できる汎用性の高い資格を持っていると、就職活動の時には有利に働きます。」汎用性の高い資格とは、例えばパソコン関連の資格や簿記など、どの企業でも必要になるスキルや知識を証明できる資格です。
企業での活動においては、汎用性が求められる機会が多いです。専門性よりも幅広く対応できる人材が好まれる傾向にあります。
「汎用性」使用の注意点
最後に、「汎用性」を使用する際の注意点について紹介します。「汎用性」とよく間違われる言葉に、「凡庸性」があります。汎用性と凡庸性は、似ているようで意味は全く異なります。
話し言葉の中で誤って使用されるケースが多い言葉です。「汎用性」には肯定的な意味が含まれますが、「凡庸性」には逆に否定的な意味が色濃く伝わってしまうので、相手に対して悪い印象を与えてしまうので注意が必要です。
「凡庸性」と混同してはいけない
「凡庸性」とは「ぼんようせい」と読み、ありきたりな状態や平凡で面白みのない状態を意味します。「汎用性」を誤って「ぼんようせい」と読んでしまうケースも結構あるので、注意が必要です。
「彼の凡庸性は目に余る。あまり付き合いたくない相手だ。」などと否定的な使い方がなされる言葉です。混同しないように気を付けるべきです。
「汎用性」は様々な用途で使用可能な性質という意味
以上、「汎用性」という言葉について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。「汎用性」のそもそもの意味、類義語や対義語及び英語表現を紹介し、正しい使い方の例文を紹介してきました。
「汎用性」という言葉は、使いやすく便利な言葉ですが、「凡庸性」と混同して使用するとたいへん悪い印象を与えてしまうので気をつけましょう。